2023年 ワークフロー・ビジネスプロセス管理における社数シェアと運用形態/販売チャネルの関係

ノークリサーチは中堅・中小市場におけるワークフロー・ビジネスプロセス管理の社数シェアと運用形態/販売チャネルの関係に関する調査を実施し、その結果を発表した。

<他システムが持つ申請/承認の機能、運用形態、導入元など多角的な視点でシェア動向を捉えることが大切>
■新たな法改正に向けて経費精算や文書管理が持つ申請/承認の機能も注視しておくべき
■プライム販社/SIer経由の導入は社内設置パッケージが多く、非プライムではSaaSが多い
■会計/販売やWeb会議と連携した申請/承認はユーザ企業からの評価を高める上でも有効

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2023年10月30日

2023年 ワークフロー・ビジネスプロセス管理における社数シェアと運用形態/販売チャネルの関係

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小市場におけるワークフロー・ビジネスプロセス管理の社数シェアと運用形態/販売チャネルの関係に関する調査を実施し、その結果を発表した。本リリースは「2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」内のワークフロー・ビジネスプロセス管理に関するサンプル/ダイジェストである。

<他システムが持つ申請/承認の機能、運用形態、導入元など多角的な視点でシェア動向を捉えることが大切>
■新たな法改正に向けて経費精算や文書管理が持つ申請/承認の機能も注視しておくべき
■プライム販社/SIer経由の導入は社内設置パッケージが多く、非プライムではSaaSが多い
■会計/販売やWeb会議と連携した申請/承認はユーザ企業からの評価を高める上でも有効


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■新たな法改正に向けて経費精算や文書管理が持つ申請/承認の機能も注視しておくべき
以下のグラフは10分野に渡る業務アプリケーション製品/サービスの社数シェアおよびユーザ評価を集計/分析した調査レポート「2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の中から、「ワークフロー・ビジネスプロセス管理」の製品/サービスの導入済み社数シェア(単一回答)を中堅・中小企業全体(年商500億円未満)で集計したものだ。 社数シェア上位にはNEC、OSK(大塚商会)、富士通といった大手ベンダやエイトレッド、NTTデータイントラマートといったワークフローに強みを持つベンダが位置している。さらに、コラボスタイルやDonutsといったSaaSを主体とした新興ベンダも徐々に順位を上げている点も無視できない。さらに、右上に示したグラフはERP/基幹系、経費精算、文書管理の各システムの一機能としてワークフロー・ビジネスプロセス管理を利用していると回答したユーザ企業の割合を導入済みと導入予定(新規予定)で比べた結果だ。(いずれも今後増加する傾向を示している) インボイス制度や改正電子帳簿保存法のみならず、今後もデジタル化を見据えた法改正が続くと予想される。紙面からのデジタル化では業務フロー変更が伴うことが多く、それをどのシステムが担うのか?が重要となってくる。ワークフロー・ビジネスプロセス管理を開発するベンダとしては同分野内の競合だけでなく、こうした周辺のシステムにおける申請/承認の機能にも目を向けることが大切だ。

■プライム販社/SIer経由の導入は社内設置パッケージが多く、非プライムではSaaSが多い
本リリースの元となる調査レポートでは導入済みや導入予定の社数シェアだけでなく、以下に列挙した選択肢を提示してワークフロー・ビジネスプロセス管理の運用形態や導入元(販売チャネル)についても集計/分析を行っている。(選択肢の詳細については右記の調査レポート案内を参照 リンク) 以下のグラフは上記の中から、パッケージおよびSaaSに関連する4つの運用形態(※1、※2、※3、※4)の回答割合を導入元別に集計した結果である。 ユーザ企業から見た時に「最も主要な委託先/購入先」(プライムの販社/SIer)を販売チャネルとしてワークフロー・ビジネスプロセス管理を導入した場合は「パッケージ(社内設置)」の値が高く、「SaaS利用」の値が低くなっている。一方で、販売チャネルが「主要ではない委託先/購入先」である場合は「SaaS利用」の値が高い。 この結果を前頁のグラフと照らし合わせて考えると、社数シェア上位に位置するベンダは同時に「最も主要な委託先/購入先」としての役割を兼ねているケースも多く、ワークフロー・ビジネスプロセス管理の運用形態も「パッケージ(社内設置)」の割合が相対的に高い。(ここではグラフによる詳細説明は割愛する)一方、SaaSを主体とした新興ベンダについては現段階では「主要ではない委託先/購入先」の占める割合が相対的に高くなっていると考えられる。
ワークフロー・ビジネスプロセス管理を開発するベンダが「社内設置のパッケージ販売を強化して、基幹系システムとの連携を進めたい」、「SaaSの比率を増やしたい」などのように自社の製品/サービスの運用形態を意識した拡販を進める際にはこうした導入元(販売チャネル)との兼ね合いにも目を向けることが大切だ。ここでは運用形態および導入元と社数シェアとの関連性について述べたが、本リリースの元となる調査レポートでは機能/価格のニーズ合致性と社数シェアとの関連など、他にも様々な観点での分析を行っている。


■会計/販売やWeb会議と連携した申請/承認はユーザ企業からの評価を高める上でも有効
さらに、本リリースの元となる調査レポートではワークフロー・ビジネスプロセス管理の製品/サービスに関して、評価/満足している機能や特徴、現状の課題、今後必要と考える機能や特徴は何か?についても詳細な分析を行っている。以下に列挙したのは「評価/満足している機能や特徴」を尋ねた選択肢である。

導入済みの最も主要なワークフロー・ビジネスプロセス管理について評価/満足している機能や特徴を尋ねた選択肢
<<システム連携に関連する項目>>
・複数の業務システムを横断する業務フローも管理できる
・会計や販売などのマスタ情報を申請/承認に利用できる(※1)
・会計や販売などからも申請/承認の機能を呼び出せる(※2)
・Web会議やビジネスチャットからも承認/申請を行える(※3)
・システム連携のハブとしての役割を担うことができる
・RPAツールと連携して業務フローを自動化できる
・ノーコード/ローコード開発ツールを包含している
<<業務の効率化に関連する項目>>
・操作が直感的で分かり易く、手軽に導入/運用できる(※4)
・経費の申請/承認におけるペーパレス化を促進できる(※5)
・電子印鑑サービスと連携して脱印鑑化を実現できる
・個人レベルの作業フローも効率化することができる
・データ内容から業務フローの分岐を自動判別できる
<<申請/承認の処理に関連する項目>>
・Excelで作成した申請フォームをそのまま転用できる
・紙面で作成した申請フォームをそのまま再現できる
・申請/承認の経路や書式を部品化して再利用できる
・決裁や承認の状況を一目で分かり易く表示できる
・承認途中で人事異動があっても不整合が生じない
<<システム形態に関連する項目>>
・SaaSのみで全ての要件を満たすことができる
・パッケージとSaaSを選択/併用できる
・様々なクラウドサービスと連携できる
<<クライアント環境に関連する項目>>
・スマートデバイスでも全ての機能が利用できる
・Webブラウザで全ての機能が利用できる
<<その他>>
・その他:
・評価/満足している機能や特徴は全くない(排他)
以下のグラフは上記の中から、※1~※5の回答割合を中堅・中小企業全体で集計した結果を抜粋したものだ。つまり、※1~※5を比較した場合、現時点でユーザ企業からの評価が高いものはどれかを確認することで、ベンダとしては自社が訴求している機能や特徴がどのような位置付けにあるか?を知ることができる。 「A.手軽に導入できて、ペーパレス化も促進できること」(※4や※5)よりも、「B.会計/販売やWeb会議と連携した申請/承認を行えること」(※1、※2、※3)の方がより多くのユーザ企業から高い評価を得られることがわかる。例えば、新興のSaaSベンダが拡販を進めようとする際、初期段階ではAを訴求することによって短期間に成果を上げる取り組みを進めることが有効だ。
だが、更に拡販が進んでいけばBを必要とするユーザ企業も顧客としなければならない段階がいずれ訪れる。その際に他の業務システムとの連携をどう実現するか?(オンプレミス版も提供するのか?SaaSと社内システムを連携する仕組みを他社と協業して提供するか?など)を検討していく必要がある。調査レポートでは現状の課題や今後の機能ニーズについても詳細な分析を行っている。

補記:社数シェア集計/分析の対象となっているERP製品/サービスの一覧

本調査において選択肢に記載した「ワークフロー・ビジネスプロセス管理」製品/サービスの一覧は以下の通りである。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況などを踏まえて選定される。自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった方針で年毎に調整を行っている。製品/サービス毎の評価や導入費用の集計/分析はサンプル件数が一定以上の条件(件数が少ない場合には参考値扱いとなるケースもある)を満たした(※)のみが対象となる。 EXPLANNER/FL(FlowLites): NEC (※)
intra-martワークフロー: NTTデータイントラマート (※)
X-point, Agile Works: エイトレッド (※)
GLOVIA smart ワークフロー: 富士通 (※)
eValue NS/V/Air(SMILE Vも含む): OSK(大塚商会) (※)
楽々WorkflowII: 住友電工情報システム (※)
MAJOR FLOW Z/MajorFlow: パナソニックネットソリューションズ (※)
皆伝!ワークフロー: スミセイ情報システム
Create!Webフロー: インフォテック
uCosminexus Service Platform - WorkCoordinator: 日立製作所 (※)
ExchangeUSE: 富士電機 (※)
コラボフロー: コラボスタイル (※)
POWER EGG: ディサークル
AppRemo(EXEX羅針盤): システムエグゼ
Hi-PerBT ワークフロー: 日立ソリューションズ西日本 (※)
Web PerformerWf(Web Plant): キヤノンITソリューションズ
Ci*X Workflow(サイクロスワークフロー): 電通国際情報サービス
Global Flow: パナソニックソリューションテクノロジー (※)
Business Workflow: 新日本コンピュータマネジメント
ワークフローEX: Knowlbo(ナルボ) (※)
パソコン決裁/Shachihata Cloud: シヤチハタ (※)
kickflow: kickflow
Gluegent Flow: サイオステクノロジー
Styleflow: TDCソフト
ジョブカンワークフロー: Donuts (※)
ActionPassport: イーネットソリューションズ
Nintex Workflow Cloud: Nintex
承認Time: SBIビジネス・ソリューションズ
IM-BPM: NTTデータイントラマート (※)
BP Director: BP Logix
DataSpider BPM: セゾン情報システムズ(HULFT)
InnoRules: イノルールズ
Progress Corticon: Progress Software
Apache Airflow: Apache Software Foundation
Power Automate: 日本マイクロソフト (※)
Questetra BPM Suite: クエステトラ
その他の製品/サービス:
ERP/基幹系システムの一機能として利用
ノーコード/ローコード開発ツールを利用
コラボレーションのアドオンとして利用
コラボレーションの一機能として利用
経費精算システムの一機能として利用
文書管理システムの一機能として利用
独自開発システム


本リリースの元となる調査レポート

『2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
10分野に渡る業務アプリケーションの導入済み/導入予定の社数シェア、運用形態(オンプレミス/クラウド)、端末形態、導入年、導入費用、課題、ニーズを全て網羅した中堅・中小市場のIT活用提案における必携書

【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他:
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【全体の構成】
有効回答件数1300社の中堅・中小企業に対して、まず最初に以下に列挙した10分野の業務アプリケーションのうちで 導入済み/導入予定の分野を尋ねる。その後、「導入済み/導入予定」と回答した分野について、製品/サービス名称を列挙した社数シェア、運用形態、端末形態、導入年、導入費用、課題とニーズ(分野によって選択肢は異なる)を尋ねた結果を集計/分析している。
また、業務アプリケーションの導入/更新に関する全般的な方針についても尋ねている。
P1. ERP
P2. 生産管理
P3. 会計管理
P4. 販売・仕入・在庫管理会議)
P5. 給与・人事・勤怠・就業管理
P6. ワークフロー・ビジネスプロセス管理
P7. コラボレーション(グループウェア/ビジネスチャット/Web
P8. CRM
P9. BI
P10. 文書管理・オンラインストレージサービス
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
各分野について10~20ページからなる分析サマリが計10ファイル、「業務アプリケーションの導入/更新に関する方針」をまとめた分析サマリが1ファイル、さらに全分野を横断する形で法制度対応およびデータ分析/生成AIに着目した分析サマリが2ファイルの計13ファイルのPDFドキュメントが収録されている。P1~P10の10分野の分析サマリは以下の章構成となっている。
(章構成は共通だが、分析/提言の内容は各分野の傾向や特性に応じて大きく異なる)
第1章:製品/サービスの導入状況とシェア動向
製品/サービスの「導入状況」、「製品/サービスの導入社数シェア」、最も主要な製品/サービスの「導入年」、「導入元」、「評価概況」といったデータの中から、分野毎に重要なポイントを分析している。
第2章:運用形態と端末環境
最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」と「端末環境」に着目し、クラウド移行の状況や端末環境の多様化などについて分野毎の傾向を分析している。
第3章:製品/サービスの評価、課題、ニーズ
最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべきと考える機能や特徴」を尋ねた結果を分析している。
付表:選択肢として記載した製品/サービス一覧
本調査において選択肢に記載された製品/サービスの一覧を掲載している。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況を踏まえて選定され、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 リンク
【発刊日】 2023年10月20日 【価格】 180,000円(税別) 特定分野のみの個別販売は行っておりません

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
引用・転載のポリシー: リンク
当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]