2023年 クラウドストレージにとって留意すべき新たな競争相手と今後の有望ニーズ

ノークリサーチは中堅・中小企業における文書管理・オンラインストレージサービスの導入社数シェアや今後のニーズに関する調査/分析を行い、その結果を発表した。

<新たな競争相手や機能ニーズなど、従来とは異なる角度から市場を俯瞰する視点が求められる>
■社数シェア上位3位以内も複合機系、クラウドストレージ、業務システム系のベンダが混在
■業務システムが備えるデータストアや独自開発システム管理下のデータストアにも要注目
■生成AIや改正電子帳簿保存法に関連した機能ニーズの訴求が新たな差別化要素となる

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2023年10月26日

2023年 クラウドストレージにとって留意すべき新たな競争相手と今後の有望ニーズ

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業における文書管理・オンラインストレージサービスの導入社数シェアや今後のニーズに関する調査/分析を行い、その結果を発表した。本リリースは「2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」内の文書管理・オンラインストレージサービスに関するサンプル/ダイジェストである。


<新たな競争相手や機能ニーズなど、従来とは異なる角度から市場を俯瞰する視点が求められる>
■社数シェア上位3位以内も複合機系、クラウドストレージ、業務システム系のベンダが混在
■業務システムが備えるデータストアや独自開発システム管理下のデータストアにも要注目
■生成AIや改正電子帳簿保存法に関連した機能ニーズの訴求が新たな差別化要素となる


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク

■社数シェア上位3位以内も複合機系、クラウドストレージ、業務システム系のベンダが混在
本リリースの元となる調査レポート「2023年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」では、10分野に渡る業務アプリケーション製品/サービスの社数シェアや課題/ニーズを集計/分析している。以下のグラフはその中から、導入済みの最も主要な文書管理・オンラインストレージサービスの社数シェアを中堅・中小企業全体で集計した結果である。 ベンダや販社/SIerにとっては「文書/ファイルの補助的な置き場所」ではなく、「最も主要な文書/ファイルの管理基盤」としての位置付けを得ることが大切だ。その観点では上記の最も主要な製品/サービスを単一回答で尋ねた社数シェアが重要な指標となる。近年ではオンプレミスの文書管理システムやファイルサーバから、オンラインストレージサービス(クラウドストレージ)への移行が進んできた。だが、社数シェア上位には複合機ベンダによる文書管理システム(クラウドを含む)の「DocuWorks」、クラウドストレージも包含した「Microsoft 365」、基幹系/情報系の業務システムである「eValue NS/V/Air」といったように様々な製品/サービスが混在している。本リリースの元となる調査レポートでは導入済み/導入予定(新規予定)の社数シェアなどを元に文書管理・オンラインストレージサービスの市場動向を分析/予想している。次頁ではそうした分析結果の一部を紹介する。


■業務システムが備えるデータストアや独自開発システム管理下のデータストアにも要注目
前頁で述べたように、中堅・中小企業における文書管理・オンラインストレージサービス市場は様々な形態の製品/サービスが混在しており、オンプレミス/クラウドの違いだけではない視点が必要だ。そこで、本リリースの元となる調査レポートでは前頁のグラフに掲載された比較的社数シェアの高い製品/サービスおよび「独自開発システム」を以下のような5つのグループに分類し、導入年、導入元、評価概況などに関する分析を行っている。
1. 複合機ベンダの文書管理システム
・DocuWorks:富士フイルムビジネスイノベーション
・Ridocシリーズ:リコー
・imageWARE Document Manager:キヤノン
2. IT企業の文書管理システム
・eValue NS/V/Air(SMILE Vも含む):OSK(大塚商会)
・SharePoint Server:日本マイクロソフト
・楽々Document:住友電工情報システム
・intra‐mart Accel Documents:NTTデータイントラマート
・活文シリーズ:日立ソリューションズ
・uCosminexus DocumentBroker:日立製作所
・PROCENTER/C:NECソリューションイノベータ
・ドキュメント管理システム:サピエンス
3. 海外クラウドストレージ
・Microsoft 365(Office 365):日本マイクロソフト
・Google Workspace:グーグル
・OneDrive for Business:日本マイクロソフト
・Box:Box
4. 国産クラウドストレージ
・クラウドファイルサーバー:富士通
・たよれーる どこでもキャビネット:大塚商会
・Bizストレージ ファイルシェア:NTTコミュニケーションズ
5. 独自開発システム
「1. 複合機ベンダの文書管理システム」と「2. IT企業の文書管理システム」にはSaaSにも対応した製品/サービスも存在する。そのため、上記の中で「1と2がオンプレミス、3.と4がクラウド」というわけではない点に注意する必要がある。以下のグラフは導入済みの最も主要な文書管理・オンラインストレージサービスの導入年を上記5つのグループ単位で集計したものだ。
2022年(紫色帯)や2023年(水色帯)といった直近での導入が占める割合は「2. IT企業の文書管理システム」で比較的高いことがわかる。また、2022年と比較して2023年での導入が多い(紫色帯と比べた時に水色帯が相対的に長い)という点では「5.独自開発システム」も無視できない。このように今後は「1. 複合機ベンダの文書管理システム」と「3. 海外クラウドストレージ」の間のシェア争いだけでなく、業務システムが備えるデータストア(「2. IT企業の文書管理システム」)や独自開発システムの管理下にあるデータストア(「5. 独自開発システム」)も新たな競合もしくは連携相手として捉える視点が大切となってくる。 次頁では文書管理・オンラインストレージサービス市場における今後の有望ニーズについて述べる。

■生成AIや改正電子帳簿保存法に関連した機能ニーズの訴求が新たな差別化要素となる
さらに、本リリースの元となる調査レポートでは文書管理・オンラインストレージサービスの課題やニーズについても詳細な分析を行っている。例えば、以下は今後の機能ニーズについて尋ねた選択肢を列挙したものだ。
「文書管理・オンラインストレージサービスが今後持つべきと考える機能や特徴」の選択肢
<<システム連携に関する項目>>
・会計や販売と連携して帳票データを自動保存できる
・社内外の他システムも対象とした全文検索を行える
・蓄積した文書を他システムからも検索/参照できる
・電子契約/電子捺印などのサービスと連携できる
<<文書の閲覧/編集などに関連する項目>>
・アップロード/ダウンロードや同期のスピードが速い
・複数世代まで遡れる自動バックアップ機能がある(※1)
・使い慣れたPC環境と同じ画面/操作で利用できる(※2)
・蓄積した文書からマニュアルなどを自動作成できる(※3)
・登録時にメールを送るなどの自動処理を設定できる
・社内ファイルサーバから文書を容易に移行できる
・バックアップ/アーカイブの手段としても利用できる
・パスワード付ZIPファイルの代替として利用できる
・文書をダウンロードしなくても、内容を編集できる
<<法制度対応に関連する項目>>
・改正電子帳簿法のJIIMA認証を受けた製品/サービスである
・改正電子帳簿法の検索/改ざん防止要件に対応できる
・改正電子帳簿法のタイムスタンプ要件に対応できる
・改正電子帳簿法の保存要件を満たしている
<<セキュリティに関する項目>>
・親フォルダと子フォルダの権限を別々に設定できる
・従業員が行った操作を記録して監査する機能がある
・個人向けファイル共有サービスの利用を禁止できる
・ファイルの持ち出しや印刷を禁止することができる
<<クライアント環境に関連する項目>>
・Webブラウザ上でも文書を編集することができる
・モバイル端末上でも文書を編集することができる
<<その他>>
・その他:
・欲しいと考える機能や特徴は全くない(排他)

調査レポートでは上記に列挙された機能ニーズに関する様々な分析を行っている。以下のグラフはその中から、上記の※1~※3の回答割合を「導入済み」と「導入予定(新規予定)」のユーザ企業で比較したものだ。
導入予定(新規予定)の値(橙帯)から導入済みの値(青帯)を差し引いた今後のニーズの伸びを見ると、「複数世代まで遡れる自動バックアップ機能がある」(※1)は今後の大きな差別化ポイントにはなりにくいことがわかる。一方、「使い慣れたPC環境と同じ画面/操作で利用できる」(※2)や「蓄積した文書からマニュアルなどを自動作成できる」(※3)は今後のニーズ拡大が期待できる。特にクラウドストレージにおいては※2のポイントを踏まえることが大切となってくる。また、※3は昨今注目を集めている生成AIとも深く関連しており、この点については関連リリース1で詳細を述べている。さらに、改正電子帳簿保存法に伴うデータ格納先としても文書管理・オンラインストレージサービスは今後重要な役割を果たす。この点は関連リリース2で詳説している。
このように今後は生成AIや法制度改正に関連した機能ニーズにも着目することが大切だ。
関連リリース1: リンク
関連リリース2: リンク


補記:社数シェア集計/分析の対象となった文書管理・オンラインストレージサービスの一覧

本調査において選択肢に記載した文書管理・オンラインストレージサービスの一覧は以下の通りである。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況などを踏まえた上で選定される。自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するという方針で年毎に調整を行っている。製品/サービス毎の評価や導入費用の集計/分析はサンプル件数が一定以上の条件(件数が少ない場合には参考値扱いとなるケースもある)を満たした(※)のみが対象となる。

DocuWorks: 富士フイルムビジネスイノベーション (※)
Ridocシリーズ: リコー (※)
imageWARE Document Manager: キヤノン (※)
eValue NS/V/Air(SMILE Vも含む): OSK(大塚商会) (※)
楽々Document: 住友電工情報システム (※)
SharePoint Server: 日本マイクロソフト (※)
楽2ライブラリ: PFU
ドキュメント管理システム: サピエンス (※)
MyQuick: インフォコム
FileBlog: 鉄飛テクノロジー
intra-mart Accel Documents: NTTデータイントラマート (※)
uCosminexus DocumentBroker: 日立製作所 (※)
PROCENTER/C: NECソリューションイノベータ (※)
活文シリーズ: 日立ソリューションズ (※)
GDMS: ジャストシステム
Global Doc: パナソニックソリューションテクノロジー
Microsoft 365(Office 365): 日本マイクロソフト (※)
Google Workspace: グーグル (※)
Dropbox Business: Dropbox
OneDrive for Business: 日本マイクロソフト (※)
Box: Box (※)
Bizストレージ ファイルシェア: NTTコミュニケーションズ (※)
クラウドファイルサーバー: 富士通 (※)
たよれーる どこでもキャビネット: 大塚商会 (※)
AZCLOUD ファイルサーバ: 富士通Japan
Working Folder: 富士フイルムビジネスイノベーション
DirectCloud: ダイレクトクラウド
Fileforce: ファイルフォース
Fleekdrive: Fleekdrive
Smooth File: プロット
InfiniCLOUD(TeraCLOUD): InfiniCloud(テラクラウド)
NotePM: プロジェクト・モード
InternetDisk ASP: ジャストシステム
GigaCC: ワムネット
BIGLOBEクラウドストレージ: ビッグローブ
KDDIファイルストレージ: KDDI
PrimeDrive: ソフトバンク
フレッツ・あずけ~る/コワークストレージ: NTT東日本
Egnyte: Egnyte
Citrix ShareFile: シトリックスシステムズ
セキュアSAMBA: Chatworkストレージテクノロジーズ
その他の製品/サービス:
専用のアプライアンス機器を利用
コラボレーションの一機能として利用
AI-OCRや帳票の一機能として利用
独自開発システム


本リリースの元となる調査レポート

『2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
10分野に渡る業務アプリケーションの導入済み/導入予定の社数シェア、運用形態(オンプレミス/クラウド)、端末形態、導入年、導入費用、課題、ニーズを全て網羅した中堅・中小市場のIT活用提案における必携書
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他:
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【全体の構成】
有効回答件数1300社の中堅・中小企業に対して、まず最初に以下に列挙した10分野の業務アプリケーションのうちで 導入済み/導入予定の分野を尋ねる。その後、「導入済み/導入予定」と回答した分野について、製品/サービス名称を列挙した社数シェア、運用形態、端末形態、導入年、導入費用、課題とニーズ(分野によって選択肢は異なる)を尋ねた結果を集計/分析している。
また、業務アプリケーションの導入/更新に関する全般的な方針についても尋ねている。
P1. ERP
P2. 生産管理
P3. 会計管理
P4. 販売・仕入・在庫管理
P5. 給与・人事・勤怠・就業管理
P6. ワークフロー・ビジネスプロセス管理
P7. コラボレーション(グループウェア/ビジネスチャット/Web会議)
P8. CRM
P9. BI
P10. 文書管理・オンラインストレージサービス
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
各分野について10~20ページからなる分析サマリが計10ファイル、「業務アプリケーションの導入/更新に関する方針」をまとめた分析サマリが1ファイル、さらに全分野を横断する形で法制度対応およびデータ分析/生成AIに着目した分析サマリが2ファイルの計13ファイルのPDFドキュメントが収録されている。P1~P10の10分野の分析サマリは以下の章構成となっている。(章構成は共通だが、分析/提言の内容は各分野の傾向や特性に応じて大きく異なる) 第1章:製品/サービスの導入状況とシェア動向
製品/サービスの「導入状況」、「製品/サービスの導入社数シェア」、最も主要な製品/サービスの「導入年」、「導入元」、「評価概況」といったデータの中から、分野毎に重要なポイントを分析している。
第2章:運用形態と端末環境
最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」と「端末環境」に着目し、クラウド移行の状況や端末環境の多様化などについて分野毎の傾向を分析している。
第3章:製品/サービスの評価、課題、ニーズ
最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべきと考える機能や特徴」を尋ねた結果を分析している。
付表:選択肢として記載した製品/サービス一覧
本調査において選択肢に記載された製品/サービスの一覧を掲載している。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況を踏まえて選定され、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 リンク
【発刊日】 2023年10月20日 【価格】 180,000円(税別) 特定分野のみの個別販売は行っておりません

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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp

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