2023年 グループウェア/ビジネスチャット/Web会議の社数シェアと現状の課題

ノークリサーチは中堅・中小市場におけるコラボレーション製品/サービス(グループウェア/ビジネスチャット/Web会議)の社数シェアと現状の課題を調査/分析し、その結果を発表した。

<新旧の市場が混在するコラボレーション市場では将来を見越した先手を打てるか?が重要>
■導入済み(単一回答)はMicrosoft 365: 25.5%、サイボウズOffice: 18.0% の2強体制が続く
■情報系/基幹系の統合や独自開発の増加はオンプレ回帰の兆候なのか?の見極めも必要
■「脱メール」を叫ぶだけでなく、過渡期にはメール経由での業務連携手段を示すことも大切

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2023年10月5日

2023年 グループウェア/ビジネスチャット/Web会議の社数シェアと現状の課題

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小市場におけるコラボレーション製品/サービス(グループウェア/ビジネスチャット/Web会議)の社数シェアと現状の課題を調査/分析し、その結果を発表した。本リリースは「2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」内のコラボレーション分野に関するサンプル/ダイジェストである。


<新旧の市場が混在するコラボレーション市場では将来を見越した先手を打てるか?が重要>
■導入済み(単一回答)はMicrosoft 365: 25.5%、サイボウズOffice: 18.0% の2強体制が続く
■情報系/基幹系の統合や独自開発の増加はオンプレ回帰の兆候なのか?の見極めも必要
■「脱メール」を叫ぶだけでなく、過渡期にはメール経由での業務連携手段を示すことも大切


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■導入済み(単一回答)はMicrosoft 365: 25.5%、サイボウズOffice: 18.0% の2強体制が続く
最新の調査レポート「2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」では、10分野に渡る業務アプリケーション製品/サービスの社数シェアやユーザ評価を集計/分析している。以下のグラフは、その中からコラボレーション分野(グループウェア/ビジネスチャット/Web会議)の導入済み製品/サービスで最も主要なものを尋ねた結果(単一回答社数シェア)を抜粋したものだ。 従来、グループウェア(スケジューラや掲示板など)は社内の静的な情報共有を主な役割として導入が進んできた。一方、昨今ではビジネスチャットやWeb会議を用いた顧客や取引先との対話(社外との動的な情報共有)も盛んになってきている。そこで、調査レポートでは社内外の静的および動的な情報共有を担うアプリケーション分野を「コラボレーション」と位置付けて、新旧の市場を総合した視点での分析を行っている。 上記のグラフを見ると、「Microsoft 365」が25.5%、「サイボウズOffice」が18.0%の高い値を示しており、その他の製品/サービスはいずれも1割未満に留まっている。(「Microsoft 365」と「Microsoft Teams」のように、一方が他方を包含するケースがある際は最も主要なコラボレーション手段に該当する項目を選択する、例. メール/スケジューラと共にWeb会議も多用している場合には前者、Web会議利用が主体である場合は後者) 当面は「Microsoft 365」と「サイボウズOffice」の2強体制が続くと予想されるが、今後の「導入予定(新規予定)」の動向を見ると、注視すべき兆候が幾つか見られる。次頁ではその詳細について述べる。

■情報系/基幹系の統合や独自開発の増加はオンプレ回帰の兆候なのか?の見極めも必要
前頁の結果は「社内外の静的/動的な情報共有を担う最も主要な製品/サービスは何か?」を示している。グループウェア、ビジネスチャット/Web会議の製品/サービスを開発/販売するベンダや販社/SIerとしては
・旧来から存在するグループウェアを主体とする製品/サービス
・ビジネスチャットやWeb会議を主体とした新たなクラウドサービス
のどちらが今後の主要なコラボレーション基盤となっていくのか?を見極める必要がある。そこで、まずは導入済み/導入予定(新規予定)の単一回答シェアにおける上位22位以内の製品/サービスを以下のようにグループ分けして考えてみる。
A.旧来から存在するグループウェア を主体とする製品/サービス
Microsoft 365(Office 365)
サイボウズOffice
eValue NS/V/Air(SMILE Vも含む)
Google Workspace(G Suite)
サイボウズGaroon
desknet's NEO
StarOffice/OfficeForce
Notes/Domino
intra‐mart Accel Collaboration
Microsoft Exchange Server
アルファオフィス
NI Collabo 360
J‐MOTTO
Microsoft Sharepoint Server
POWER EGG
B.ビジネスチャットやWeb会議を 主体とした新たなクラウドサービス
Microsoft Teams
Zoom
NeWork
Slack
Google Meet/Chat
Workplace from Meta
Skype
本リリースの元となる調査レポートでは前頁に掲載した「導入済み」だけでなく、「導入予定(新規予定)」の社数シェアに関する集計/分析も行っている。単一回答シェアにおけるAの合計値、Bの合計値、および「ERP/基幹系システムの一機能として利用」、「独自開発システム」)について「導入済み」と比較した場合の「導入予定」の増減ポイント(今後予想される社数シェアの伸び)を算出すると以下のようになる。
A.旧来から存在するグループウェアを主体とする製品/サービス -5.5 ポイント
B.ビジネスチャットやWeb会議を主体とした新たなクラウドサービス +0.5 ポイント
ERP/基幹系システムの一機能として利用 +2.1 ポイント
独自開発システム +3.5 ポイント
上記の結果を踏まえると、グループウェアを主体とするベンダとしてはグループウェア同士の競合だけでなく、ERPや基幹系システムの製品/サービスが備えるコラボレーション機能や独自開発システムにも注意を払う必要がある。実際に、単一回答シェア上位22位以内には「eValue NS/V/Air」のようにERP/基幹系システムの「SMILE V」と統合した製品/サービスも上位に位置するようになってきている。一方、「B.ビジネスチャットやWeb会議を主体とした新たなクラウドサービス」の増加は緩やかであるため、主要なコラボレーションの基盤が急速にBへと移行する可能性は低い。だが、「Zoom」のように単一回答シェアの増減値が+2.5ポイントと比較的大きな増加幅を示すケースもあるため、今後の動向に注意を払う必要がある。
こうした変化はコラボレーション製品/サービスの運用形態にも表れている。 以下のグラフはコラボレーション製品/サービスの運用形態を導入済みと導入予定で比較したものだ。「SaaS利用」が僅かに減少し、「パッケージ(社内設置)」が微増となっていることがわかる。 ベンダや販社/SIerとしては情報系/基幹系の統合や独自開発の増加がオンプレ回帰を生じさせるのか、それともクラウドとオンプレの併用が進むのか?も注視していく必要がある。調査レポートではこの点に関する分析/提言も述べている。


■「脱メール」を叫ぶだけでなく、過渡期にはメール経由での業務連携手段を示すことも大切
さらに、本リリースの元となる調査レポートではグループウェア/ビジネスチャット/Web会議の製品/サービスにおける現状の課題についても、以下のような選択肢を列挙して集計/分析している。 グループウェア/ビジネスチャット/Web会議の製品/サービスにおける現状の課題
<<システム連携に関連する項目>>
・他社のコラボレーション製品/サービスと併用できない
・他システムからの通知メールが多すぎて整理できない ※1
・メールで指示を受けた後、他システムに素早く移れない ※2
・スケジュールの情報が複数のシステムに分散している
・Web会議中に他システムの画面を参照/操作しづらい
・ポータル上で他システムの画面を参照/操作できない
・RPAツールと連携した情報共有の自動化ができない
・カスタマイズが必要な個別要件に対応する手段がない
<<データの管理や保護に関連する項目>>
・情報共有とセキュリティ対策を両立できない
・個人向けツールと比べて使い勝手が良くない ※4
<<クラウドに関連する項目>>
・パッケージとSaaSを選択/併用できない
・クラウドサービスと連携することができない
<<機能に関連する項目>>
・メールやスケジューラなどの基本機能しか備えていない
・文書を編集できるオンラインホワイトボードの機能がない※3
・Web会議上で従業員に提供できるコンテンツが限られる
・Web会議を顧客向けの商談ツールとして活用できない
・メール文面をゼロから書き上げる作業が面倒である
・会議の度に議事録を作成する作業が面倒である
・販売状況などを要約する作業が面倒である
・人事書類などを記入する作業が面倒である
・業務フローを作成するのが面倒である
<<クライアント環境に関連する項目>>
・スマートデバイスでは限られた機能しか利用できない
・Webブラウザでは限られた機能しか利用できない
<<その他>>
・その他:
・課題は全くない(排他)

調査レポートでは上記の課題を様々な観点から分析している。例えば、消費者向けのITツールでは「購入したい商品一覧を画面ショットで共有し、友人同士でマークを付けながらチャットで相談する」といった場面も日常的となっている。業務システムにおいてもメールではないコミュニケーション手段を訴求したクラウドサービスが増えてきている。そこで上記の課題一覧から※1~※4の回答割合を抜粋したものが以下のグラフである。 様々なコミュニケーション手段が揃った現在ではメールが必ずしも最適な選択とは言えない場面も多々ある。ところが、上記のグラフが示すように業務の通知/指示ではメールが依然として多用されており、それに伴う課題も少なくないのが実情だ。そのため、単に「脱メール」を訴求するだけでなく、現状を過渡期として捉えることも大切だ。具体的にはモダンなコミュニケーション手段を提示しつつ、メール経由でのシステム連携手段(メールに記載されたリンクをクリックすれば、業務システムの作業画面に遷移できるなど)を示すなどの取り組みが考えられる。 ここではメール関連の課題に着目したが、調査レポートでは「業務システム毎にスケジュール情報が個別管理されている状況はどれくらい深刻な課題となっているのか?それにどう対処すべきか?」など、様々な課題/ニーズの分析と提言を述べている。

補記:社数シェア集計/分析の対象となっているコラボレーション製品/サービスの一覧

本調査において選択肢に記載したコラボレーション製品/サービス(グループウェア、ビジネスチャット、Web会議)の一覧は以下の通りである。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況などを踏まえた上で選定される。自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛する方針で年毎に調整を行っている。製品/サービス毎の評価や導入費用の集計/分析はサンプル件数が一定以上の条件(件数が少ない場合には参考値扱いとなるケースもある)を満たした(※)のみが対象となる。
サイボウズOffice: サイボウズ (※)
Microsoft 365(Office 365): 日本マイクロソフト (※)
desknet's NEO: ネオジャパン (※)
サイボウズGaroon: サイボウズ (※)
Google Workspace(G Suite): グーグル (※)
Notes/Domino: HCL Software (※)
eValue NS/V/Air(SMILE Vも含む): OSK(大塚商会) (※)
J-MOTTO: リスモン・ビジネス・ポータル (※)
アルファオフィス: 大塚商会 (※)
Microsoft Exchange Server: 日本マイクロソフト (※)
Microsoft Sharepoint Server: 日本マイクロソフト (※)
intra-mart Accel Collaboration: NTTデータイントラマート (※)
StarOffice/OfficeForce: NEC (※)
INSUITE: ドリーム・アーツ
ArielAirOne: ワークスアプリケーションズ
POWER EGG: ディサークル (※)
Global Portal: パナソニックソリューションテクノロジー
NI Collabo 360: NIコンサルティング (※)
クロジカ(aipo): TOWN
Knowledge Suite: ブルーテック(ナレッジスイート)
Zoho Connect: ゾーホージャパン
GroupSession: 日本トータルシステム
OfficeView: Knowlbo(ナルボ)
Workplace from Meta: Meta(Facebook) (※)
Microsoft Teams: 日本マイクロソフト (※)
Skype: 日本マイクロソフト (※)
Zoom: ZVC Japan (※)
Google Meet/Chat: グーグル (※)
Webex: シスコシステムズ
V-CUBE: ブイキューブ
Slack: セールスフォース・ジャパン (※)
InCircle: ブルーテック(AI CROSS)
Chatwork: Chatwork
LINE WORKS: ワークスモバイルジャパン
LiveOn: ジャパンメディアシステム
bellFace: ベルフェイス
RemoteView: RSUPPORT
TeamViewer: TeamViewer
Confluence/Trello: Atlassian
ChatLuck: ネオジャパン
CYBERCHAT: サイバーソリューションズ
NeWork: NTTコミュニケーションズ (※)
その他の製品/サービス:
ERP/基幹系システムの一機能として利用
独自開発システム


本リリースの元となる調査レポート

『2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
10分野に渡る業務アプリケーションの導入済み/導入予定の社数シェア、運用形態(オンプレミス/クラウド)、端末形態、導入年、導入費用、課題、ニーズを全て網羅した中堅・中小市場のIT活用提案における必携書
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他:
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【全体の構成】
有効回答件数1300社の中堅・中小企業に対して、まず最初に以下に列挙した10分野の業務アプリケーションのうちで 導入済み/導入予定の分野を尋ねる。その後、「導入済み/導入予定」と回答した分野について、製品/サービス名称を列挙した社数シェア、運用形態、端末形態、導入年、導入費用、課題とニーズ(分野によって選択肢は異なる)を尋ねた結果を集計/分析している。
また、業務アプリケーションの導入/更新に関する全般的な方針についても尋ねている。
P1. ERP
P2. 生産管理P7. コラボレーション(グループウェア/ビジネスチャット/Web会議)
P3. 会計管理
P4. 販売・仕入・在庫管理
P5. 給与・人事・勤怠・就業管理
P6. ワークフロー・ビジネスプロセス管理
P7. コラボレーション(グループウェア/ビジネスチャット/Web会議)
P8. CRM
P9. BI
P10. 文書管理・オンラインストレージサービス

【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
各分野について10~20ページからなる分析サマリが計10ファイル、「業務アプリケーションの導入/更新に関する方針」をまとめた分析サマリが1ファイル、さらに全分野を横断する形で法制度対応およびデータ分析/生成AIに着目した分析サマリが2ファイルの計13ファイルのPDFドキュメントが収録されている。P1~P10の10分野の分析サマリは以下の章構成となっている。(章構成は共通だが、分析/提言の内容は各分野の傾向や特性に応じて大きく異なる)
第1章:製品/サービスの導入状況とシェア動向
製品/サービスの「導入状況」、「製品/サービスの導入社数シェア」、最も主要な製品/サービスの「導入年」、「導入元」、「評価概況」といったデータの中から、分野毎に重要なポイントを分析している。
第2章:運用形態と端末環境
最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」と「端末環境」に着目し、クラウド移行の状況や端末環境の多様化などについて分野毎の傾向を分析している。
第3章:製品/サービスの評価、課題、ニーズ
最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべきと考える機能や特徴」を尋ねた結果を分析している。
付表:選択肢として記載した製品/サービス一覧
本調査において選択肢に記載された製品/サービスの一覧を掲載している。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況を踏まえて選定され、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 リンク
【発刊日】 2023年10月20日 【価格】 180,000円(税別) 特定分野のみの個別販売は行っておりません

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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
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Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp

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