2023年 インボイス制度と改正電子帳簿保存法に伴う業務システム提案で留意すべきポイント

ノークリサーチはインボイス制度ならびに改正電子帳簿保存法に伴う業務システム提案に際して、IT企業が留意すべきポイントを分析した結果を発表した。

<法制度改正の内容や期限に応じて、訴求する業務システムの分野やニーズを柔軟に変える>
■デジタルインボイスが実現するデータ連携などを業務改善ニーズと結びつけることが大切
■販売管理を起点とした方が入金消込などの日々の業務にもたらす利便性は伝わりやすい
■改正電帳法の猶予期限間際には、文書管理・オンラインストレージサービスの訴求も有効

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2023年9月25日

2023年 インボイス制度と改正電子帳簿保存法に伴う業務システム提案で留意すべきポイント

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)はインボイス制度ならびに改正電子帳簿保存法に伴う業務システム提案に際して、IT企業が留意すべきポイントを分析した結果を発表した。本リリースは「2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<法制度改正の内容や期限に応じて、訴求する業務システムの分野やニーズを柔軟に変える>
■デジタルインボイスが実現するデータ連携などを業務改善ニーズと結びつけることが大切
■販売管理を起点とした方が入金消込などの日々の業務にもたらす利便性は伝わりやすい
■改正電帳法の猶予期限間際には、文書管理・オンラインストレージサービスの訴求も有効


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■デジタルインボイスが実現するデータ連携などを業務改善ニーズと結びつけることが大切
2023年10月1日からはインボイス制度が施行開始となり、2023年12月31日には改正電子帳簿保存法の猶予期間が終了する。いずれも中堅・中小企業の業務システムに大きな影響を及ぼす法制度改正であり、対応に向けた取り組みも既に進んでいる。法改正に伴う業務システムの導入や更新はIT企業にとっては確実な需要を見込める機会だが、ユーザ企業にとっては負担となる面が大きい。IT企業としては単に法改正に対応するだけでなく、業績改善に寄与するシステム導入/更新を提案することが大切だ。 本リリースの元となる調査レポート「2023年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」では、会計管理、販売・仕入・在庫管理、給与・人事・勤怠・就業管理、コラボレーション(グループウェア / ビジネスチャット / Web会議)、ワークフロー・ビジネスプロセス管理、CRM、BIなど10分野に渡る業務システムのシェアや評価を集計/分析している。
以下のグラフは調査レポートの中から、会計管理の製品/サービスを導入済みのユーザ企業に対して機能や特徴のニーズを尋ねた結果を抜粋したものだ。選択肢は23項目に及ぶが、以下のグラフではインボイス制度に関する3項目(※1)、改正電子帳簿保存法に関する3項目(※2)、データ分析やシステム連携に関連する3項目(※3)のみをプロットしている。
法制度対応は不可避ではあるが、ユーザ企業が自ら望む取り組みではない。そのため、予実管理/ワークフロー連携/AI活用といった※3と比べるとニーズ割合は低いことがわかる。IT企業としては法制度の要件を満たすだけでなく、デジタルインボイスが実現するデータ連携や改正電子帳簿保存法に伴う文書保存環境の整備を活かして、※3の項目にも寄与するシステム提案を進めることが今後の重要な差別化ポイントとなってくる。次頁では販売・仕入・在庫管理システムに関する留意点を述べる。


■販売管理を起点とした方が入金消込などの日々の業務にもたらす利便性は伝わりやすい
本リリースの元となる調査レポートでは前頁の会計管理だけでなく、販売・仕入・在庫管理の製品/サービスに対するニーズについても以下のような選択肢を列挙して集計/分析を行っている。
<<データ活用に関連する項目>>
・データ分析によって商材別の需要予測を行える
・データ分析によって顧客別の商材提案を作成できる
・データ分析によって顧客を属性別に分類/整理できる
・経済環境の全体予測に基づく売上分析ができる
・顧客管理システムと連動した売上分析ができる
・少量多品種の商材に対応した売上分析ができる
・売掛/債権データを入金データと照合して自動で消込できる
・デジタルインボイスの標準規格に沿ったデータ連携ができる
<<在庫管理に関連する項目>>
・スマートグラスを用いたAR活用で作業を効率化できる
・委託先や外注先も含めた在庫数を把握できる
・センサやカメラを用いた効率的な検品ができる
・入荷予定を考慮した在庫数を把握できる
・商品マスタの重複や表記揺れを解消できる
<<店舗管理に関連する項目>>
・実店舗とeコマースを統合した売上分析ができる
・店舗の売上データなどをリアルタイムで把握できる
<<顧客や取引先に関連する項目>>
・ISDNサービス終了に伴うEDIの変更に対応できる
・CRMやSNSと連携して顧客との関係を深化できる
・SCMやEDIと連携して仕入先との連携を強化できる
<<クラウドに関連する項目>>
・パッケージとSaaSを選択/併用できる
・様々なクラウドサービスと連携できる
<<その他>>
・締処理をせずに最新の販売状況を常に確認できる
・与信枠や粗利率をチェックして不正取引を防止できる
・承認機能によって不正受注や赤字見積を防止できる
・その他:
・欲しいと考える機能や特徴は全くない(排他)
ここでは詳細は割愛するが、会計管理と同様に販売・仕入・在庫管理においてもインボイス制度や改正電子帳簿保存法よりもデータに基づく売上分析や顧客理解に関するニーズ項目の方が高い回答割合を示している。(調査レポートではこれらの点に関する詳細な分析と提言を述べている) さらに留意すべき点は同じ法制度対応に関する項目であっても、会計管理と販売・仕入・在庫管理のどちらの業務システムの領域で訴求するのか?によってユーザ企業の反応が異なるという点だ。以下のグラフは会計管理および販売・仕入・在庫管理の製品/サービスを導入済みのユーザ企業に対してインボイス制度に関する2つのニーズ項目を尋ねた結果を比較したものだ。 「売掛/債権データを入金データと照合して自動で消込できる」と「デジタルインボイスの標準規格に沿ったデータ連携ができる」のいずれのニーズ項目も会計管理と比べて販売・仕入・在庫管理における値の方が若干ながら高くなっていることがわかる。
つまり、インボイス制度が日々の業務現場にもたらす利便性を訴求する際には、売掛/債権などと関連の深い販売・仕入・在庫管理システムの方がユーザ企業に伝わりやすいと考えられる。法制度改正には企業会計に関連するものも多いため、IT企業の提案も会計管理を起点とした内容に偏りやすい。上記の結果が示すように、法改正の中身に応じて訴求する業務システム分野を柔軟に変えるといった工夫も必要だ。次頁では文書管理・オンラインストレージの領域と法改正の関連について述べる。


■改正電帳法の猶予期限間際には、文書管理・オンラインストレージサービスの訴求も有効
本リリースの元となる調査レポートでは会計管理、販売・仕入・在庫管理、給与・人事・勤怠・就業管理などの基幹系システムだけでなく、 コラボレーション(グループウェア/ビジネスチャット)、ワークフロー・ビジネスプロセス基盤、文書管理・オンラインストレージサービスといった情報系システムにおけるシェア、課題、ニーズについても集計/分析を行っている。
以下のグラフは文書管理・オンラインストレージサービスを導入済みのユーザ企業に対して、改正電子帳簿保存法に関する3つのニーズ項目を尋ねた回答割合を会計管理を導入済みのユーザ企業における同じ項目の回答割合と比較したものだ。
回答割合の差は僅差であるが、既に会計管理や文書管理・オンラインストレージサービスを導入済みのユーザ企業においては改正電子帳簿保存法への対応は概ね会計管理システムの範疇として対応しようと考えている傾向が垣間見える。 一方、以下のグラフは会計管理および文書管理・オンラインストレージサービスを導入する予定のユーザ企業に対して、改正電子帳簿保存法に関する3つのニーズを項目を尋ねた回答割合を比較した結果である。
2023年12月31日の猶予期間終了に向けて新たに業務システムを導入しようとするユーザ企業では、改正電子帳簿保存法で求められる「検索/改ざん防止要件に対応できる」および「タイムスタンプ要件に対応できる」といった要件を会計管理ではなく、文書管理・オンラインストレージサービスの範疇で捉えている傾向が読み取れる。そのため、猶予期間終了が近づいた時点では会計管理だけでなく、文書管理・オンラインストレージサービスの範疇においても訴求を図ることが有効と考えられる。
このように、法制度対応の期限が近づくにつれて訴求すべき業務システム分野も変わってくる場合がある点についても留意しておく必要がある。


本リリースの元となる調査レポート


『2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
10分野に渡る業務アプリケーションの導入済み/導入予定の社数シェア、運用形態(オンプレミス/クラウド)、端末形態、導入年、導入費用、課題、ニーズを全て網羅した中堅・中小市場のIT活用提案における必携書

【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他:
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分) 【全体の構成】
有効回答件数1300社の中堅・中小企業に対して、まず最初に以下に列挙した10分野の業務アプリケーションのうちで 導入済み/導入予定の分野を尋ねる。その後、「導入済み/導入予定」と回答した分野について、製品/サービス名称を列挙した社数シェア、運用形態、端末形態、導入年、導入費用、課題とニーズ(分野によって選択肢は異なる)を尋ねた結果を集計/分析している。また、業務アプリケーションの導入/更新に関する全般的な方針についても尋ねている。
P1. ERP
P2. 生産管理
P3. 会計管理
P4. 販売・仕入・在庫管理
P5. 給与・人事・勤怠・就業管理
P6. ワークフロー・ビジネスプロセス管理
P7. コラボレーション(グループウェア/ビジネスチャット/Web会議)
P8. CRM
P9. BI
P10. 文書管理・オンラインストレージサービス

【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
各分野について10~20ページからなる分析サマリが計10ファイル、「業務アプリケーションの導入/更新に関する方針」をまとめた分析サマリが1ファイル、さらに全分野を横断する形で法制度対応およびデータ分析/生成AIに着目した分析サマリが2ファイルの計13ファイルのPDFドキュメントが収録されている。P1~P10の10分野の分析サマリは以下の章構成となっている。
(章構成は共通だが、分析/提言の内容は各分野の傾向や特性に応じて大きく異なる)
第1章:製品/サービスの導入状況とシェア動向
製品/サービスの「導入状況」、「製品/サービスの導入社数シェア」、最も主要な製品/サービスの「導入年」、「導入元」、「評価概況」といったデータの中から、分野毎に重要なポイントを分析している。
第2章:運用形態と端末環境
最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」と「端末環境」に着目し、クラウド移行の状況や端末環境の多様化などについて分野毎の傾向を分析している。
第3章:製品/サービスの評価、課題、ニーズ
最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべきと考える機能や特徴」を尋ねた結果を分析している。
付表:選択肢として記載した製品/サービス一覧
本調査において選択肢に記載された製品/サービスの一覧を掲載している。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況を踏まえて選定され、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 リンク
【発刊日】 2023年10月20日 【価格】 180,000円(税別) 特定分野のみの個別販売は行っておりません

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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp

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