国内初、ソフトウェア分野における脱炭素化に向けた CO2排出量算定ルールの策定へ ~「経済産業省 令和5年度 GX 促進に向けたカーボンフットプリントの 製品別算定ルール策定支援事業」への参画~


 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、経済産業省が公募した「令和5年度 GX促進に向けたカーボンフットプリントの製品別算定ルール策定支援事業」に、株式会社NTTデータグループ、NTTアドバンステクノロジ株式会社、NTTテクノクロス株式会社、NTTコムウェア株式会社、株式会社クニエ、株式会社日立製作所、日本電気株式会社、富士通株式会社とともに参画します。(※1)
 本事業では、これまでハードウェアを中心に推進されてきた脱炭素化について、新たにソフトウェア分野にも脱炭素化の取組みを促すことを狙いとして、国内初となるソフトウェアに関するCFP(※2)の算定ルールを策定し、標準的な算定ルールの下でソフトウェアのCO2排出量可視化を推進します。また、グローバル・サプライチェーン全体のCO2削減に貢献していくことをめざします。

1.背景
 世界の消費電力におけるIT業界の割合は2015年で10%程度でしたが、2030年には20%を超えると予想(※3)されています。こうした中、パリ協定で定められた「2030年までにICT分野における温室効果ガス排出量を45%削減」を目標に掲げたGreen Software Foundation(※4)が2021年5月に設立され、ソフトウェアによるCO2排出量の削減(グリーンなソフトウェア開発)に必要な開発標準や開発ツール・ベストプラクティスの策定と業界への普及展開をミッションとした活動が推進されるなど、ソフトウェア業界としてもCO2排出量削減の重要性が高まっています。
 現状、ソフトウェアのCO2排出量算定を行う場合には、一般的にソフトウェア開発コストを基にCO2排出量を算定(※5)していますが、ソフトウェア開発コストには必ずしも開発時のCO2 排出量の削減努力が加味されていないため、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減が促進されるようなソフトウェア開発コスト以外の標準的な算定ルールを確立する必要があります。

2.グリーンソフトウェア開発・運用技術の取組み
 NTTでは、ソフトウェア分野の脱炭素化に向け「より少ない電力」「より少ないハードウェア」で「賢く電力を利用する」ことをコンセプトとしたグリーンソフトウェア開発・運用技術の研究開発を2021年から開始しました。
 これまで、ソフトウェア開発時の消費電力計測実験を実施し、CO2排出に関わるデータの収集/可視化/削減手法の確立、ソフトウェア開発コストに代わるソフトウェアのCO2排出量の算定ルールや可視化/削減に向けたガイドライン/ツール等を検討し、NTTグループ内への普及展開を目的にグリーンソフトウェア連絡会を開催してきました。(※6)

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図1. グリーンソフトウェア開発・運用技術の取組み概要

3.事業概要
 本事業の目的はグローバルスタンダードを視野に入れたグリーンソフトウェアの公平な算定・比較に向け、ソフトウェア業界で統一された算定ルールを確立することです。
 NTTは、これまでのグリーンソフトウェアに関する研究開発によるソフトウェア開発時の消費電力計測技術やソフトウェアのLCA分析に関する知見を基に、本取組みにおける旗振り役の立場でソフトウェアの標準的なCFPの算定ルールを提案し、本事業に参画するコアメンバー企業と協議・合意形成を進めていきます。


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図2.事業推進体制


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図3.本事業の取組みスケジュール

4.今後の展開
 NTTは、ソフトウェア分野における脱炭素化の実現に向けたグローバルスタンダードな算定ルールの確立をめざし、本取組みにより確立した算定ルールに基づきCO2排出量を算定・可視化するガイドラインの策定や実証実験を実施します。また、将来的にはソフトウェア分野のCO2排出量の更なる削減に向けたグリーンソフトウェア開発・運用技術の研究開発を推進していきます。


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図4.グリーンソフトウェア開発・運用技術がめざす将来像

<用語解説>
※1 GX促進に向けたカーボンフットプリントの製品別算定ルール策定支援事業の参加団体決定について
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※2 CFP(Carbon Footprint of Products)
自社の製品のサプライチェーン上におけるCO2排出量を、ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点から算定したもの。
カーボンフット プリントレポート
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カーボンフットプリント ガイドライン
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※3 How to stop data centres from gobbling up the world’s electricity(Nature)
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※4 Green Software Foundation
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※5 平成17年度情報通信技術(ICT)の環境効率評価ガイドライン(日本環境効率フォーラム)
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※6 グリーンソフトウェア開発・運用技術の取組み
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