タレントの井上咲楽さんが現地で歴史を学ぶ国内最大級の産廃不法投棄事件の軌跡を後世に

～瀬戸内オリーブ基金×GU・UNIQLO　植樹ボランティア活動～

　ファーストリテイリングはこのほど、タレントの井上咲楽さんとともに、1980年代を中心に国内最大級の産業廃棄物の不法投棄事件が起きた豊島（香川県土庄町）で、原状回復のプロジェクトの一環として植樹ボランティア活動を行いました。



　豊島では、事件の発端から約半世紀を経て、今年3月、産廃処理事業が一つの節目を迎えます。井上さんは以前から環境問題に関心を寄せていたことから、この活動への同行が決定。1泊2日で現場を探訪しながら、豊島の不法投棄事件の歴史を学びました。ファーストリテイリンググループのジーユー・ユニクロでは2001年から、瀬戸内海地域の環境保全に取り組む瀬戸内オリーブ基金との活動を通じ、地元の方々とともに島の再生支援に取り組んでおり、今回のボランティア活動はコロナ禍での中断を経て、3年ぶりの開催となりました。

　豊島では、国の財政支援を受けられる期限が迫り、県による現場の整地作業が大詰めを迎える一方、かつての緑豊かな情景を取り戻すにはさらに長い年月を要すると言われています。日本だけではなく、世界で問題となっている産業廃棄物の不法投棄問題にも通じる豊島の教訓と回復への道のりを、未来を担う若い世代の目線を交え、風化をさせずに今後も環境問題への関心を高めていきたいという思いから、今回は井上咲楽さん自身の言葉による情報発信もしていただきました。

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歴史を振り返り「みんなが知って、刻んでいくことが大事」
　井上咲楽さんは、ジーユー・ユニクロの従業員約20名とともに、事件の経緯を記録した資料館を訪問。豊島の住民代表として事件と向き合ってきた島民から、当時の様子を聞き、不法投棄の現場へ足を運びました。
　2日目は、現場近くの環境回復のため、島の小中学生30名とツツジを植樹しました。自然が壊される前は、ツツジが咲き誇ったという島の情景を思い浮かべ、子どもたちと「将来お花見ができたらいいね」と笑顔を交わしながら作業にあたりました。
　初めての来島だった井上さんは、今回の活動を通して事件を知ったと言います。「本当にひどい歴史だなと思った」と語り部の言葉を振り返り、「一人でも多くの人にこれを知ってもらって、こういうことがあったんだっていうことをみんなが知って、刻んでいくことが大事なのかなと思いました」と語りました。

◆当日の様子は、井上咲楽さんのnoteオフィシャルアカウントでもご覧いただけます
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◆井上咲楽(いのうえ・さくら) さんについて
　1999年10月2日生まれ、栃木県益子町出身。2015年に「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」で特別賞を受賞。野山に囲まれた環境で育ち、島めぐりなど自然に親しむアクティビティなどに関心が高く、2022年6月にはユニクロの「JOIN:THE POWER OF CLOTHING」地球をより良くする活動に貢献するキャンペーン発表会に登壇。これをきっかけに、さらに深く環境問題について学びたいと、今回のボランティア活動へ参加することとなりました。

◆瀬戸内オリーブ基金 について
　瀬戸内オリーブ基金は、産業廃棄物の不法投棄事件があった豊島をはじめとする瀬戸内海の島々や沿岸部に、かつての豊かな自然を再生する目的で、2000年に安藤忠雄氏と中坊公平氏が呼びかけ設立されました。ジーユーおよびユニクロは、この基金の趣旨に賛同し、2001年から店舗での募金活動を開始しました。また、従業員の中からボランティアを募り、豊島で植樹や海岸清掃などの活動も行っています。

◆豊島（香川）の不法投棄事件とは
　1980年代、瀬戸内海に浮かぶ豊島（香川県土庄町）に産廃処理業者が大量の自動車の破砕くずや廃油などの産廃を捨てた国内最大規模の不法投棄事件。不法投棄は90年に兵庫県警が強制捜査に乗り出すまで続き、業者側の有罪が確定。しかし、大量の産廃が島に残されました。
　93年に住民らが香川県に対して産廃撤去などを求めた公害調停が2000年に成立。県は03年から産廃処理事業を開始。19年７月までに、約91万トンの産廃を島から撤去しました。さらに22年10月には現場の整地工事が始まりました。一方で、住民側との返還条件になっている地下水の環境基準達成については見通しが立っておらず、住民への返還は道半ばの状態です。今年３月末には国の財政支援が受けられる特定産業廃棄物支障除去特別措置法（産廃特措法）の期限を迎えることもあり、それまでに県は整地完了をめざしています。
　約半世紀続く豊島の事件は、環境への高い意識を持つべきアパレル企業にとっても持続可能な社会とは何かを考える、もっとも重要な現場の一つです。


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記載クレジット：ファーストリテイリング提供

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