2022年 ノーコード/ローコード開発ツールについて中堅・中小企業が考える利点と課題

ノークリサーチはノーコード/ローコード開発ツールの活用に際して中堅・中小企業が考える利点や課題に関する調査を行い、その結果を発表した。

<IT企業が利用するツールとユーザ企業が利用するツールを上手く使い分けて提案することも大切>
■多くのユーザ企業が考える利点は「自作」ではなく、要件の反映/セキュリティ/不具合削減
■「自由度の高さ」は幅広く訴求できる利点、小規模企業層ではEUCに類似した弊害に注意
■PaaS分野では「kintone」や「Power Apps」が上位、利用の広がりと共にスキル面の課題も

PRESSRELEASE(報道関係者各位) 2022年12月19日

2022年 ノーコード/ローコード開発ツールについて中堅・中小企業が考える利点と課題

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニTEL:03-5361-7880 URL:http//www.norkresearch.co.jp)はノーコード/ローコード開発ツールの活用に際して中堅・中小企業が考える利点や課題に関する調査を行い、その結果を発表した。本リリースは「2022年版中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<IT企業が利用するツールとユーザ企業が利用するツールを上手く使い分けて提案することも大切>
■多くのユーザ企業が考える利点は「自作」ではなく、要件の反映/セキュリティ/不具合削減
■「自由度の高さ」は幅広く訴求できる利点、小規模企業層ではEUCに類似した弊害に注意
■PaaS分野では「kintone」や「Power Apps」が上位、利用の広がりと共にスキル面の課題も


対象企業:年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責:情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■多くのユーザ企業が考える利点は「自作」ではなく、要件の反映/セキュリティ/不具合削減
本リリースの元となる調査レポート「2022年版中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」では、中堅・中小企業が考えるノーコード/ローコード開発ツールの利点や課題は何か?を分析し、同ツールの提案を成功に導くためのポイントを提言している。
以下のグラフは16項目に渡って尋ねた「ノーコード/ローコード開発ツールの利点」の中から5項目を抜粋し、ツールの導入状況別(導入済み/導入予定)に集計した結果である。(全ての選択肢の一覧は次頁を参照) 「導入済み」と比較した「導入予定」の増減を見ると、「ユーザがアプリケーションを作成できる」が大幅に減少していることわかる。業務システムを利用するためにはコーディング以外にも要件定義、設計、管理/運用といった様々な要素が不可欠であり、それら全てをユーザ企業自身で担うことは難しい。ユーザ企業もそうした本質を理解しており、IT企業による支援が不要となるわけではないと考えていることが読み取れる。一方、「ユーザの要求仕様を自由に反映できる」と 「ユーザの都合に合わせて改変できる」は導入済み/導入予定の双方で3割超の高い値を示している。つまり、ユーザ企業は自らアプリケーションを作成するのではなく、運用開始後も含めて自社の要件を反映しやすいという点をノーコード/ローコード開発ツールの利点と捉えていることがわかる。また「セキュリティ対策の負担が軽減される」や「アプリケーションの不具合を減らせる」を利点と捉える割合も増加が予想される。したがって、今後はフルスクラッチのシステム開発などと比べた場合のセキュリティ面での安全性や不具合の削減といった利点も訴求していくことが有効と考えられる。次頁以降ではこうしたノーコード/ローコード開発ツールの利点や課題に関する分析結果の一部を調査レポートのサンプル/ダイジェストとして紹介している。


■「自由度の高さ」は幅広く訴求できる利点、小規模企業層ではEUCに類似した弊害に注意
本リリースの元となる調査レポートで計16項目に渡る以下の選択肢を列挙して、中堅・中小企業のユーザ企業がノーコード/ローコード開発ツールの利点と考えるポイントは何か?を集計/分析している。
<<ユーザの要件に関連する項目>>
・ユーザがアプリケーションを作成できる(※1)
・ユーザの要求仕様を自由に反映できる(※2)
・ユーザの都合に合わせて改変できる (※3)
・幅広い業務内容や用途に適用できる
・自社固有の業務ルールを反映できる
<<費用や作業の負担に関連する項目>>
・アプリケーションを短期間で作成できる
・アプリケーションを安価に作成できる
・セキュリティ対策の負担が軽減される(※4)
・アプリケーションの不具合を減らせる (※5)
・運用/保守の費用が安価になる
・運用/保守の作業が手軽になる
<<他システムとの兼ね合いに関する項目>>
・レガシーシステムの移行に有効である
・他のクラウドサービスと連携しやすい
・RPAによる自動化の代替手段となる
・Microsoft Excelの代替手段となる
・モバイル対応も同時に実現できる
<<その他>>
・その他:
・利点は全くない(排他)
前頁のグラフは上記の中から(※1)~(※5)の項目を抜粋し、年商500億円未満の中堅・中小企業全体で「導入済み」と「導入予定」に分けて集計したものだ。さらに、以下のグラフは(※1)~(※3)の「導入予定」における回答割合を年商規模別に集計したものである。これによって、今後はどのような利点を訴求すべきか?をユーザ企業の年商規模別に知ることができる。
前頁で確認したように、中堅・中小企業全体では「ユーザがアプリケーションを作成できる」(※1)を利点と考える割合が今後は減少していく。しかし上記のグラフを見ると、小規模企業層は依然として(※1) を利点と捉えていることが確認できる。IT企業が小規模かつ簡易なアプリケーション開発で十分な収益を得ることは容易でないため、ユーザ企業が自作できる手段を提供することはユーザ企業とIT企業の双方にとって有効な解決策の1つとなりうる。ただし、業務全体やデータの整合性を無視してアプリケーションが乱立する状況は避けなければならない。小規模企業層に(※1) の利点を訴求する際には旧来のエンドユーザコンピューティングで生じた弊害が再発しないように注意を払うことが大切だ。
また、「ユーザの都合に合わせて改変できる」 (※3)と比較すると「ユーザの要求仕様を自由に反映できる」 (※2)は年商規模による差が小さい。そのため、幅広いユーザ企業層に訴求しやすいという観点では(※2)のような「自由度の高さ」をアピールすることが有効と考えられる。


■PaaS分野では「kintone」や「Power Apps」が上位、利用の広がりと共にスキル面の課題も
さらに、本リリースの元となる調査レポートで計13項目に渡る以下の選択肢を列挙して、中堅・中小企業がノーコード/ローコード開発ツールを活用する際に直面する課題を尋ねた結果についても集計/分析している。
<<アプリケーションの作成における課題>>
・開発ツール固有のスキルが必要になる(※)
・複雑な処理はプログラムが必要になる(※)
・実現できる機能や性能に制限がある(※)
・既存の業務システムと連携できない
<<アプリケーションの管理における課題>>
・アプリケーションの仕様が不明確になる
・アプリケーションの中身が見えなくなる
・部署毎にアプリケーションが乱立する
・アプリケーションが管理できなくなる
・設置場所としてクラウドを選択できない
・設置場所として自社内を選択できない
<<開発ツールに起因する課題>>
・開発ツールの更新/刷新が負担となる
・開発ツールの存続が不明確である
・適切な開発ツールを選択できない
<<その他>>
・その他:
・課題は全くない(排他)
以下のグラフは上記の中から(※)の項目を抜粋し、ノーコード/ローコード開発ツールの6つの分野のうちで「超高速開発ツール」「PaaSとして提供されているもの」「iPaaS/データ連携ツール」のそれぞれを導入する予定のユーザ企業に分けて集計したものだ。
(ノーコード/ローコード開発ツールの6分野に関する詳細は右記を参照 リンク
グラフで一番上に記載された全体傾向を見ると、「複雑な処理はプログラムが必要になる」が最も高く、「開発ツール固有のスキルが必要になる」が最も低い。昨今では一般の従業員にも分かりやすいユーザインターフェースを備えたツールも多いため使い勝手の面では改善が進んでいると考えられる。
一方、現段階では完全なノーコード/ローコード開発を実現できていないことが大きな課題となっている。「超高速開発ツール」の状況は全体傾向と概ね同様だが、「PaaSとして提供されているもの」「iPaaS/データ連携ツール」では「開発ツール固有のスキルが必要になる」の値が相対的に高くなっている点に注意が必要だ。
右記のグラフはノーコード/ローコード開発ツールの6分野のうちで「PaaSとして提供されているもの」および「カジュアルデータベース」の導入予定の社数シェアを示したものだ。「PaaSとして提供されているもの」では「kintone」や「Power Apps」などが上位に位置しており、いずれも個々の従業員や小規模な部門にも利用が広がりつつある。
PaaSとして提供されているノーコード/ローコード開発ツールにおいて、ツール固有のスキルが課題として挙げられる背景にはこうした動向も影響していると考えられる。 冒頭に述べた内容も踏まえると、今後はIT企業が利用するツールとユーザ企業が利用するツールを上手く使い分けて提案していくことも重要になると予想される。ここでは一部の課題項目について、ノーコード/ローコード開発ツールの3分野における傾向を俯瞰したが、調査レポートでは6つの分野全てについて、用途/利点/課題といった様々な視点での集計/分析を行っている。


本リリースの元となる調査レポート

『2022年版中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート』

「RPAは機能重視と価格重視のどちらの方向に進むのか?」、「ノーコード/ローコードが適したシステム開発の用途は?」など、IT企業が直面する様々な疑問に1300社のユーザ企業を対象とした調査データに基づく分析で答えを示した一冊

【本調査レポートの背景】
中堅・中小企業においても基幹系、情報系、運用管理系、顧客管理系、分析など既に多種多様な業務アプリケーションが導入されており、その運用形態もパッケージの社内設置からSaaSに至るまで多岐に渡っている。だが、その一方で、
・紙面からの転記やシステム間のデータ加工/統合など、ヒトによる手作業が残っている
・プロジェクト単位の情報管理など、既存システムでカバーできない隙間の業務がある
・レガシー化した資産や過去に構築した業務システムを素早く刷新/再構築できない
といった課題を抱えるユーザ企業も少なくない。こうした課題を解決する手段として、中堅・中小企業においても注目を集めているのが、RPAとノーコード/ローコード開発ツールである。そこで、本調査レポートではこれら2つに関する導入状況、課題とニーズ、導入済み/導入予定の製品/サービスを尋ねた調査結果を元に、IT企業がRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用提案を成功させるためのポイントを分析/解説している。
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商:5億円未満/5億円以上~10億円未満/10億円以上~20億円未満/20億円以上~50億円未満/50億円以上~100億円未満/100億円以上~300億円未満/300億円以上~500億円未満
従業員数:10人未満/10人以上~20人未満/20人以上~50人未満/50人以上~100人未満/100人以上~300人未満/300人以上~500人未満/500人以上~1,000人未満/1,000人以上~3,000人未満/3,000人以上~5,000人未満/5,000人以上
業種:組立製造業/加工製造業/建設業/卸売業/小売業/流通業(運輸業)/IT関連サービス業/一般サービス業/その他(公共/自治体など)
地域:北海道地方/東北地方/関東地方/北陸地方/中部地方/近畿地方/中国地方/四国地方/九州・沖縄地方
その他の属性:「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)

【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の章構成】
第1章.RPAの導入割合と用途
RPAの導入状況を経年変化で確認した上で、14項目に渡るRPAの用途から今後有望なものはどれなのか?を提言
第2章.RPAの課題とニーズ
23項目に渡るRPAの「課題」、19項目に渡るRPA活用の「基本方針」、21項目に渡る「必須となる支援や仕組み」を分析
第3章.RPA製品/サービスのシェア
国内ベンダ、外資系ベンダ、各種の自動化ソリューションなど、42項目に渡る製品/サービスの社数シェアを集計/分析
第4章.ノーコード/ローコード開発ツールの導入割合と用途
ノーコード/ローコード開発ツールの導入状況を確認した上で、10項目に渡る用途から今後有望なものはどれか?を提言
第5章.ノーコード/ローコード開発ツールの利点と課題
ノーコード/ローコード開発ツールの活用における利点(16項目)および課題(13項目)を分析し、提案時のポイントを解説
第6章.ノーコード/ローコード開発ツールのシェア
ノーコード/ノーコード開発ツールを6分野に整理した上で、計33項目に渡る製品/サービスの社数シェアを集計/分析
第7章.ノーコード/ローコード開発ツールの分野別動向
ノーコード/ローコード開発ツールの6つの分野によって、用途/利点/課題の傾向がどのように異なるか?について分析
【レポート案内(設問項目、試読版など)】リンク
【発刊日】2022年12月22日
【価格】180,000円(税別)RPAのみ、またはノーコード/ローコード開発ツールのみの個別販売は行っておりません

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
引用・転載のポリシー:リンク

当調査データに関するお問い合わせ

株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室
TEL03-5361-7880FAX03-5361-7881
Mail:inform@norkresearch.co.jp
Web:www.norkresearch.co.jp

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]