2021年 中堅・中小市場において販社/SIerが注力すべきDX評価指標

ノークリサーチは1300社の中堅・中小企業を対象とした調査を通じて、販社/SIerがDX時代に注力すべき評価指標に関する分析を実施し、その結果を発表した。

<DX時代には「プライム率」だけでなく、「経費削減に寄与する提案/販売時の活動評価」などにも着目すべき>
■中堅・中小市場では、「プライム率が高い販社/SIer =DXの有望な担い手」とは限らない
■DXの前段階として「経費削減」が重要となるが、プライム販社/SIerの強みが生きていない
■HCIやRPAなど「経費削減+DX基盤作り」に寄与するIT商材の提案力を高めることが重要

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2021年12月8日

2021年 中堅・中小市場において販社/SIerが注力すべきDX評価指標

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は1300社の中堅・中小企業を対象とした調査を通じて、販社/SIerがDX時代に注力すべき評価指標に関する分析を実施し、その結果を発表した。本リリースは「2021年版 中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<DX時代には「プライム率」だけでなく、「経費削減に寄与する提案/販売時の活動評価」などにも着目すべき>
■中堅・中小市場では、「プライム率が高い販社/SIer =DXの有望な担い手」とは限らない
■DXの前段階として「経費削減」が重要となるが、プライム販社/SIerの強みが生きていない
■HCIやRPAなど「経費削減+DX基盤作り」に寄与するIT商材の提案力を高めることが重要


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■中堅・中小市場では、「プライム率が高い販社/SIer =DXの有望な担い手」とは限らない
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、過去三年以内に業務システムの委託/購入を行った販社/SIerのうちで、最も主要なものを尋ねた結果である。縦軸には回答割合(販社/SIerとしての社数シェア)の上位24社を順に列挙し、横軸には各々の販社/SIerがユーザ企業にとって最も主要な委託先/購入先となっている割合(=プライム率)を帯グラフとして示している。
グラフが示すように社数シェアの高い販社/SIerではプライム率も概ね高くなる傾向が見受けられる。中堅・中小企業がDXに取り組むためには自社のIT活用を総合的に把握/支援できる販社/SIerの存在が不可欠だ。その点で、「プライム率」は販社/SIerにとっても重要な指標といえる。だが、次頁以降の分析が示すように「プライム率が高い=DXの有望な担い手」とは限らない。本リリースの元となる「2021年版 中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート」では、DX時代に販社/SIerが顧客を維持/拡大するために注力すべき評価指標は何か?に関する分析と提言を述べている。次頁以降では、その一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。


■DXの前段階として「経費削減」が重要となるが、プライム販社/SIerの強みが生きていない
本リリースの元となる調査レポートでは前頁に述べた「社数シェア」や「プライム率」だけでなく、プライムの販社/SIerから最も直近で導入したIT関連資産やサービスに関する「導入効果」や「費用」の評価を以下のような項目で尋ねている。
導入効果に関する評価
「売上改善」の観点: 導入によって期待していた売上の増額幅が期待を上回った場合は「○」、下回った場合は「×」、売上改善を期待していなかった場合は「N/A」
「経費削減」の観点: 導入によって期待していた経費の削減幅が期待を上回った場合は「○」、下回った場合は「×」、経費節減を期待していなかった場合は「N/A」
選択肢は上記の2つの観点を組み合わせた以下の(3×3= 9通り)となる。
<<売上改善が期待通りだった場合>>
1 売上改善:○、経費削減:○
2 売上改善:○、経費削減:×
3 売上改善:○、経費削減:N/A
<<売上改善が期待通りでなかった場合>>
4 売上改善:×、経費削減:○
5 売上改善:×、経費削減:×
6 売上改善:×、経費削減:N/A
<<売上改善を期待していなかった場合>>
7 売上改善:N/A、経費削減:○
8 売上改善:N/A、経費削減:×
9 売上改善:N/A、経費削減:N/A

費用に関する評価
「導入費用」の観点: 初期導入に要した費用が予定の金額以内だった場合は「○」、超過した場合は「×」
「運用費用」の観点: 保守/サポート費用が予定の金額以内だった場合は「○」、超過した場合は「×」
<<導入費用と運用費用の双方が予定内だった場合>>
1 導入費用:○、運用費用:○
<<導入費用は予定内だったが、運用費用が超過した場合>>
2 導入費用:○、運用費用:×
<<導入費用は超過したが、導入費用は予定内だった場合>>
3 導入費用:×、運用費用:○
<<導入費用と運用費用の双方が超過した場合>>
4 導入費用:×、運用費用:×
大企業と異なり、中堅・中小企業では「DXに取り組みたいが、費用面や人材面の余裕がなく、何処から始めたら良いか?も分からない」という悩みを抱えていることも少なくない。そのため、販社/SIerとしては、経費削減に寄与するIT活用提案を行いDXに取り組むための基盤整備を支援することが重要となってくる。そこで、左下の一覧表に記載した社数シェア上位24社について、プライム率(横軸)と「経費削減:○」と回答した顧客企業の割合(縦軸)をプロットしたものが右下のグラフである。
A 大塚商会(n=217)
B NTTデータ(系列企業を含む)(n=122)
C オービック(n=72)
D リコー(系列企業も含む)(n=72)
E 富士通Japan(富士通マーケティング、富士通エフ・アイ・ピー)(n=52)
F 富士通(関連会社や子会社を除く)(n=49)
G 富士ソフト(n=40)
H キヤノンマーケティングジャパン(系列企業を含む)(n=35)
I 富士フィルムビジネスイノベーション(富士ゼロックス)(n=33)
J 日本ユニシス(系列企業を含む)(n=31)
K NECソリューションイノベータ(n=27)
L 日立システムズ(n=27)
M NECネクサソリューションズ(n=26)
N 野村総合研究所(NRI)(n=23)
O 日本IBM(関連会社や子会社を除く)(n=22)
P 日立ソリューションズ(n=20)
Q TISインテックグループ(TIS、インテック)(n=19)
R NEC(関連会社や子会社を除く)(n=17)
S TKC(n=15)
T 東芝デジタルソリューションズ(n=15)
U ミロク情報サービス(n=14)
V 内田洋行グループ(n=13)
W CTC(系列企業を含む)(n=12)
X 富士通エフサス(n=11)
右上のグラフが示すように、プライム率の高さと「経費削減:○」の回答割合には明確な相関は見られない。つまり、現段階では「ユーザ企業のIT活用を総合的に支援できる」というプライムの販社/SIerとしての強みが「IT活用による経費削減」という成果に必ずしも結びついていない状況といえる。次頁では、こうした状況を打開するために何が必要か?に関する分析結果を述べる。


■HCIやRPAなど「経費削減+DX基盤作り」に寄与するIT商材の提案力を高めることが重要
本リリースの元となる調査レポートでは前頁までに述べた内容に加えて、プライムの販社/SIerに対するユーザ企業の評価を「提案/販売時の活動」 (13項目×肯定的/否定的の2通り=計26項目) 、「金額提示」 (7項目×肯定的/否定的の2通り=計14項目) 、「システム構築力」 (12項目×肯定的/否定的の2通り=計24項目) 、「保守/サポート」 (11項目×肯定的/否定的の2通り=計22項目)といった様々な観点から尋ねている。 以下に列挙した項目は「提案/販売時の活動」に関する肯定的な評価項目の選択肢一覧である。(調査レポートでは「提案/販売時の活動」「金額提示」「システム構築力」「保守/サポート」の全てについて、以下と同様の分析を行っている)
提案/販売時の評価(肯定的な項目、計13項目)
<<DXに関連する項目>>
・ DXとは何か?を具体的に示し、業績改善につながる提案を行ってくれる
・ DXを適切に推進していくための新しいIT商材を積極的に提案してくれる
・ 自社の業務を理解し、DXに必要な社内の改革を一緒に推進してくれる
・ DXを推進するための自社の人材育成にも積極的に協力してくれる
<<コロナ禍に関連する項目>>
・ 在宅勤務だけでなく、コロナ禍のビジネス維持に役立つ提案をしてくれる
・ コロナ禍におけるビジネス環境変化を踏まえたIT活用を提案してくれる
<<提案内容に関連する項目>>
・ ITの進歩やビジネス環境の変化を数年先まで見越して提案してくれる
・ IT活用が経営にどのようにプラスになるのかを具体的に説明してくれる
・ 自社の業種や規模を個別に考慮して、経営に役立つ助言をしてくれる
・ 売上増やコスト削減に直結するIT活用のコンサルティングを行ってくれる
・ IT関連の専門用語を乱用せず、具体的にわかりやすく説明してくれる
<<商材や人材に関連する項目>>
・ 扱う商材が幅広く、どんな商材でも窓口を一本化して対応してもらえる
・ 人材が豊富であり、コンサルティングから保守まで一括で依頼できる
DX評価スコアの計算方法
左記に列挙した13項目の回答割合を以下の2通りのウェイトを加味して合計することでスコアを算出
・赤点線のDX関連項目は他の項目と比べて1.5倍のウエイトをかける
・中堅中小企業全体の回答割合で各項目の回答割合を按分する
(多くの企業が挙げる項目は相対的な重要度が高いため)
右下のグラフは前頁に列挙した社数シェア上位24社について、「経費削減:○」と回答した顧客企業の割合(横軸)と上記に記載した計算方法で算出した「DX評価スコア」をプロットしたものだ。さらに、左下のグラフは上記のDX関連評価項目から、※の回答割合を抜粋してプロットしたものである。 右記のグラフが示すように、プライム率と異なり、提案/販売時の活動におけるDX評価スコアが高い販社/SIerは「経費削減:○」の回答割合も高くなる傾向が見られる。
実際に販売・提案時の活動では、サーバ環境におけるHCI、業務システムにおけるRPAのように経費削減に寄与しつつ、DXに向けた基盤作りに役立つIT商材の提案が重要となる。
こうした取り組みに該当する評価項目が※であり、左記のグラフから※において高い評価を得ている販社/SIerはどこかを確認することができる。
このように、今後はDXを加味した評価項目の高い販社/SIerの取り組みを参考にすることが有効と考えられる。


本リリースの元となる調査レポート

『2021年版 中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート』

【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)

【分析サマリの概要】
第1章: 本調査レポートの概要と構成
本調査レポートで述べられている内容の背景/概略と次章以降の流れに関する解説
第2章: 導入社数シェアとプライム率
IT商材を購入/導入する業者としての社数シェアと最も主要な業者となっている割合(プライム率)に関する分析
第3章: 商材分野別ポートフォリオ
各種業務システム、ハードウェア、事務機器、データセンタサービス、アウトソーシング、クラウドなど計12に及ぶIT商材分野で見た時の代表的な販社/SIerのポートフォリオに関する分析
第4章: 導入効果に関するユーザ企業の評価
代表的なプライムの販社/SIerから直近で購入/導入したIT商材の導入効果(売上改善、経費削減)に関する分析
第5章: 費用に関するユーザ企業の評価
代表的なプライムの販社/SIerから直近で購入/導入したIT商材の費用(導入費用、運用費用)に関する分析
第6章: 提案/販売時の活動に関するユーザ企業の評価
代表的なプライムの販社/SIerに対する提案/販売時の活動(肯定的な内容:13項目、否定的な内容:13項目、計26項目)に関する評価の分析
第7章: 金額提示に関するユーザ企業の評価
代表的なプライムの販社/SIerに対する金額提示(肯定的な内容:7項目、否定的な内容:7項目、計14項目)に関する評価の分析
第8章: システム構築力に関するユーザ企業の評価
代表的なプライムの販社/SIerに対するシステム構築力(肯定的な内容:12項目、否定的な内容:12項目、計24項目)に関する評価の分析
第9章: 保守/サポートに関するユーザ企業の評価
代表的なプライムの販社/SIerに対する保守/サポート(肯定的な内容:11項目、否定的な内容:11項目、計22項目)に関する評価の分析

【価格】 180,000円(税別) 【発刊日】 2022年1月初旬
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、集計データ例など】 リンク

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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp

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