2021年 オンラインサロン市場に関する調査

株式会社 ICT総研 (東京都中央区)は10月13日、「2021年 オンラインサロン市場に関する調査」の概要をまとめた。

■オンラインサロン利用者数は2021年に74万人・市場規模98億円、2025年に倍増の見込み

 SNS(ソーシャルネットワークサービス)の世界では様々なコミュニティが形成されているが、10年ほど前から著名人や有識者が主催するオンラインサロンが急速に普及してきた。オンラインサロンの多くは月額会員制のクローズドなコミュニティで、多種多様な情報やコミュニケーションの場を得られることから人気を集めている。代表的なオンラインサロンとして、HIU(堀江貴文イノベーション大学校)、西野亮廣エンタメ研究所、PROGRESS(中田敦彦online community)などがあり、数万人規模の会員を有する大規模なコミュニティとなっている。
 日本国内におけるオンラインサロン利用者の総数は2019年末に25万人、2020年末に53万人へと倍増しており今後も成長を続ける見込みだ。利用者数は2021年末で74万人、2025年末には145万人に達すると予測する。年間の利用総額(会費の年間合計)は2020年で74億円、2021年で98億円、2025年には183億円に達する見込みである。


■ オンラインサロンサービス事業者の利用者数シェアはDMMオンラインサロンが15.6%でトップ

 オンラインサービス事業者はオンラインサロンの運営者に対して運営用のプラットフォームを提供している。使いやすく信頼性の高いプラットフォームが存在することで会員が安心してオンラインサロンのサービスを受けられ、課金システムなども安全に利用できる仕組みだ。
 オンラインサービス事業者のプラットフォーム別に見た利用者数シェアでは、DMMオンラインサロンが15.6%で業界トップであった(2021年6月末時点)。DMMオンラインサロンのプラットフォーム上では、堀江貴文イノベーション大学校、落合陽一塾、オンラインカルチャースクールZEN(市川海老蔵主催)などの人気サロンが運営されている。この他にも様々なジャンルのサロンが運営されているDMMオンラインサロンは、年間利用総額でも業界トップだ。
 次いでプラットフォームの利用者数が多いのはシェア10.9%のCAMPFIREコミュニティで、つんく♂エンタメ♪サロン、箕輪編集室などが運営されている。Salon.jpもシェア10.7%で多くの利用者を抱えるプラットフォームであり、西野亮廣エンタメ研究所が多数の会員を有している。シェア4位はnoteで10.0%、次いでIDOBATAが7.3%となっている。この他にもmusic.jpオンラインサロン、A-portオンラインサロンなどの大手プラットフォームが存在しており、オンラインサービスプラットフォーム業界は活況を呈している。


■ネットユーザーの17.0%がオンラインサロンを利用中、15.3%が今後利用したいと回答

 ICT総研が8月に実施したWebアンケートでは、アンケート回答者の17.0%が何らかのオンラインサロンを利用していると回答した(ただしこの中には無料オンラインサロン利用者も含まれる)。1年以内にオンラインサロンを利用したいと回答した人は3.5%、いずれ利用したいとの回答は11.8%であった。これらの回答結果から15%以上の潜在ユーザーが存在すると推測できるため、今後もオンラインサロンの利用者は拡大する見通しだ。


■利用者満足度1位はDMMオンラインサロン(76.8ポイント)、2位はIDOBATA(73.3ポイント)

 Webアンケートで、現在利用しているオンラインサロンのプラットフォームについて聞いたところ、利用者全体の満足度は70.3ポイントであった(4段階の満足度を100ポイントに換算)。
 そのうち最も満足度が高いオンラインサービス事業者はDMMオンラインサロンで76.8ポイントとなった。第2位はIDOBATAで73.3ポイント、ほぼ同等のポイントでCAMPFIREコミュニティが73.2ポイントであった。以下A-portオンラインサロン、Meet meが71.5ポイント、music.jpオンラインサロンが71.1ポイント、Brainが70.7ポイント、Salon.jpが69.4ポイントと続く。


■オンラインサロン認知度は「中田敦彦」 「西野亮廣」 「堀江貴文」がトップ3

 オンラインサロンの利用者による認知度を確認したところ、「中田敦彦」 「西野亮廣」 「堀江貴文」が主催するサロンの認知度が高かった。この他にも「田村淳」「つんく」「小室哲哉」などのオンラインサロン認知度が高い傾向があり、芸能界のタレント、著名人のサロン人気が高いことが窺える。数万人規模の大規模な会員を集めるオンラインサロンは著名人が運営するものに偏りがちではあるが、特定のジャンルで知見やスキルを有する主催者のサロンも会員を増やす傾向が見られる。
 これまで各地で開催されてきた講演会やセミナーがコロナ禍で実施できなくなった影響もあり、コロナ感染リスクのないオンラインサロンの需要が高まっている。オンラインサロンの利用者層は20代~40代が中心だが、従来型の講演会・セミナーでは50代以上の参加者も多かった。オンラインサロンはこれらのニーズを吸収していく可能性があり、今後も市場は拡大する見込みだ。

このプレスリリースの付帯情報

表1.オンラインサロン利用者数・利用総額 需要予測

(画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。)

用語解説

【オンラインサロンの定義】

*オンラインサロンとはインターネット上で開催される会員制のクローズドコミュニティ。HIU(堀江貴文イノベーション大学校)、西野亮廣エンタメ研究所、PROGRESS(中田敦彦 online community)などがある。
*オンラインサロンサービス事業者とはオンラインサロン運営者に運営用プラットフォームを提供するサービス事業者。
*表1の利用者数は有料会員が対象、金額は年間の総流通額(会費の年間合計)。月額会費に該当しないクラウドファンディング等の金額は含まない。
*Webアンケート回答には無料オンラインサロンの利用者が含まれる。


【本資料の調査結果・推計データについて】

*この調査は、オンラインサロン運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー21,992人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。アンケート実施日は2021年8月16日から8月23日。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
*本資料は報道・ニュースメディア向け資料であり、ICT総研の許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁止する。
*本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。

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