ノークサーチは中堅・中小企業がDX/コロナ禍に伴うITソリューションに対して、どれくらいの費用を捻出できるのか?また、その市場規模はどれくらいになるか?に関する調査を行い、その分析結果を発表した。
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2021年8月16日
2021年 中堅・中小企業におけるDX/コロナ禍に伴うIT支出額と市場規模
調査設計/分析/執筆: 岩上由高
ノークリサーチ(本社: 〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業がDX/コロナ禍に伴うITソリューションに対して、どれくらいの費用を捻出できるのか?また、その市場規模はどれくらいになるか?に関する調査を行い、その分析結果を発表した。本リリースは「2021年版DXとコロナ禍を踏まえた中堅・中小企業のIT投資レポート」のサンプル/ダイジェストである。
<DX/コロナ禍に伴う具体的なITソリューションの導入意向と拠出額を数字で把握することが重要>
■DX/コロナ禍に伴う中堅・中小IT活用の市場規模は1兆2300億円、小規模企業にも要注目
■「起点の選択(DX orコロナ禍)」「業種固有のシナリオ」「経営課題の把握」の3点が大切
■業種別分析例:組立製造業では「スマートファクトリー」の前段階となる2つのIT活用が有効
調査対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業700社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
調査対象職責: 経営層およびIT活用の導入/選定/運用に関わる立場
調査実施時期: 2021年5月中旬
※詳細は右記の調査レポート案内を参照 リンク
■DX/コロナ禍に伴う中堅・中小IT活用の市場規模は1兆2300億円、小規模企業にも要注目
DXを契機とした新たなIT活用は大企業のみならず、中堅・中小企業にとっても不可避の取り組みだ。しかし、成功事例として紹介されるDX関連のITソリューションには革新的なものが多く、「今すぐに始める必要はない取り組み」と捉える中堅・中小企業も少なくない。その結果、ベンダや販社/SIerが中堅・中小向けのITソリューションを検討しようとしても、「具体的に何を提案すれば良いのか?」に悩むことになる。
この課題を解消するためには「1.中堅・中小企業が無理なく導入できるDX関連ソリューションを具体的に例示する」「2.喫緊の課題であるコロナ禍への対応も含めたソリューション体系を考える」の2点が重要となってくる。そこで、ノークリサーチでは有効回答件数700社の中堅・中小企業に対して、DX/コロナ禍に伴うITソリューション(具体的な項目は次頁に掲載)の導入意向と拠出可能な金額を尋ね、年商/業種/地域などの多角的な視点から分析している。
以下のグラフは中堅・中小企業におけるDX/コロナ禍に伴うIT支出市場規模(導入予定のITソリューションに対して、初年度に拠出可能な金額を元に算出)を年商別に集計した結果である。
中堅・中小企業の市場規模合計は約1兆2300億円に達し、小規模企業層(5億円未満)や中小企業層(5~50億円)の占める割合が高い。これは先進的なDXだけでなく、小規模な企業でも導入可能なITソリューションにも着目しているためだ。大企業を含む日本全体のDXを実現するためには中堅・中小企業におけるIT活用の底上げも欠かせない。
次項以降ではそうした観点での分析結果の一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。
■「起点の選択(DX orコロナ禍)」「業種固有のシナリオ」「経営課題の把握」の3点が大切
前頁で述べたように中堅・中小企業におけるDX/コロナ禍に伴うITソリューションを活性化させるためには、無理なく導入可能なITソリューションを具体的に提示することが大切だ。本リリースの元となる調査レポートでは、様々な調査や取材などを元に以下のようなITソリューション項目を列挙し、中堅・中小企業の導入意向や拠出可能額などについて集計/分析している。
全業種共通のITソリューション項目
S1-a1 人材の採用/教育の遠隔化/オンライン化
例) 採用面接や業務トレーニングをインターネットを介して実施する
S1-a2 営業活動や商談の遠隔化/オンライン化
例) 営業担当が製品の説明/紹介をインターネットを介して実施する
S1-a3 従業員の出退勤や健康状態の高度な管理
例) 出勤時の声紋認証で従業員の体調やストレス状況を把握する
S1-a4 点検/保守/警備の自動化/効率化
例) ドローンや監視カメラを用いて建物内や敷地内の警備を行う
例) 駆動音をマイクで収集して分析し、機器の故障を予知する
S1-a5 仮想の店舗やショールームの活用
例) 実店舗の代わりに仮想空間上で製品やサービスを紹介する
例) インターネット上で開催されるバーチャル展示会に出展する
S1-a6 サブスクリプションサービスの提供
例) 利用する商品を途中で変更できる月額サービスを提供する
S1-a7 クラウドファンディングの活用
例) 新製品の開発費用を不特定多数からの少額出資で賄う
S1-a8 設備や人材のシェアリング
例) 複数の飲食店が厨房や配達業者を共同で利用する
例) SNSを活かして短時間かつ単発で人材を募集する
S1-a9 バックオフィス処理の自動化
例) 会計、販売、人事、給与などの事務作業処理を自動化する
S1-a10 ペーパレス化/脱印鑑化
例) 契約書類などを電子化し、印鑑による捺印も不要とする
S1-a11 その他(全業種共通)
組立製造業、加工製造業に固有のITソリューション項目
S1-b1 製品の開発/改善におけるデジタル化
例) 仮想空間で製品の動作をシミュレーションする(デジタルツイン)
例) 3Dプリンタを用いて、設計データから試作品を即座に作成する
S1-b2 製品を製造する工程の可視化/自動化
例) センサを用いて製造工程の所要時間を計測し、最適化を図る
例) ヒトとロボットが分担/協働することによって作業を効率化する
S1-b3 製品への付加価値サービスの追加
例) 家電にカメラを装備し、高齢者向け見守りサービスを提供する
S1-b4 サプライチェーンの安定化や強化
例) ビジネス交流サービスを活用して、取引先を複数確保しておく
S1-b5 製造工程における他社との連携
例) データを共有して自社と他社の工場を連携する(スマート工場)
S1-b6 その他(製造業)
建設業に固有のITソリューション項目
S1-c1 設計データを活用したシミュレーション
例) 仮想現実で間取りを再現し、顧客が家具などの配置を試せる
例) 河川の氾濫などをシミュレーションして災害対策に役立てる
S1-c2 現場の測量や撮影の自動化/効率化
例) ドローンを用いた空撮によって作業現場の地形などを把握する
例) GPSによって水道管の見取図と作業現場の照合を精緻化する
S1-c3 データに基づく施工の自動化/効率化
例) 事前に測定された現場データを元に建設機械を自動で動かす
S1-c4 通信技術を用いた施工の遠隔化
例) ローカル5Gネットワークを用いて、建設機械を遠隔操作する
S1-c5 施工途中での顧客サービス向上
例) 住宅の建設状況を撮影し、インターネットを介して施主に見せる
S1-c6 その他(建設業)
運輸業に固有のITソリューション項目
S1-d1 データを活用した経路選択の最適化
例) 道路の混雑状況を元に、トラック配送の最適な経路を選択する
例) 街中の混雑状況を元に、タクシーの配車を最適化する
S1-d2 他社との協業による配達手段の多様化
例) 駅に宅配ボックスを設置し、宅配便の受取場所として利用する
例) スーパーと老人ホームの間の送迎サービスを提供する
S1-d3 顧客との対話による配達/送客の改善
例) 宅配便の受取人とチャットで会話して配達時刻を調整する
例) スマートフォンを用いて顧客が現在地までタクシーを呼べる
S1-d4 入出庫作業の無人化または省力化
例) 車輪とセンサを備えたパレットで倉庫の荷物を自動で仕分ける
S1-d5 複数の輸送手段を連携したサービス
例) バスツアーと自転車レンタルが一体となったサービスを提供する
S1-d6 その他(運輸業)
卸売業、小売業、サービス業(IT関連サービス業/一般サービス業)に固有のITソリューション項目
S1-e1 顧客データを活用したサービス品質の向上
例) スマートバンドで得た健康データを元に保険料が決まるサービス
例) 実店舗で試着した衣服を元にオンライン店舗の推奨内容を変える
S1-e2 キャッシュレスや支払いの自動化/省力化
例) スマートフォン決済やセルフレジの仕組みを導入する
S1-e3 仮想空間やオンラインを活用した代替提供
例) 顧客の代わりに現地を旅行して、その様子をネット越しに伝える
例) 仮想空間内でアバターを用いて参加するイベントを開催する
S1-e4 設備や施設におけるヒトの動線把握と改善
例) カメラで店舗内の顧客の流れを把握し、密状態を回避する
S1-e5 遠隔やオンラインでのサービス提供
例) インターネットを介して学習塾の授業や習い事のレッスンを行う
S1-e6 販売やサービスの無人化や自動化
例) カメラやキャッシュレスを駆使した無人の店舗を開設する
例) 飲食店で顧客に料理を届ける自走ロボットを活用する
S1-e7 その他(卸売業、小売業、サービス業)
ここで押さえるべき重要なポイントは「1.ITソリューション毎にDXとコロナ禍のどちらを起点とするかを適切に判断する」「2.業種固有のIT活用シナリオを提示する」「3.IT活用の阻害要因(経営課題)を把握する」の3点だ。関連する下記のリリースでは、この3点についての分析/提言の一部を紹介している。
1.に関連するリリース リンク
2.に関連するリリース リンク
3.に関連するリリース リンク
■業種別分析例:組立製造業では「スマートファクトリー」の前段階となる2つのIT活用が有効
冒頭に記載した市場規模は「企業数」「導入意向」「拠出可能額」によって決まるため、市場規模の値が同じであっても「企業数は多いが、導入意向と供出可能額が低い」、「企業数は少ないが、導入意向と拠出可能額が高い」など様々なケースがある。そのため、ベンダや販社/SIerがITソリューション提案を行う際は、ITソリューション毎に導入意向や拠出可能額を把握しておく必要がある。
以下のグラフは組立製造業に対して、前頁に列挙したITソリューションの導入意向を尋ねた結果である。
組立製造業における大企業向けDXでは「スマートファクトリー」に注目が集まっているが、中堅・中小企業における該当項目(「S1‐b4.サプライチェーンの安定化や強化」や「S1‐b5.製造工程における他社との連携」)への取り組み意向はまだ低い。グラフの3つの赤帯が示すように中堅・中小の組立製造業に対しては「デジタル化、可視化、自動化による社内の業務改善」および「社外への遠隔/オンラインでのアプローチ」を両輪としたIT活用提案による下地作りが有効と考えられる。
さらに、組立製造業において上記に赤帯で示したITソリューションを導入するために拠出可能な初年度合計額を尋ねた結果が以下のグラフだ。(ここでの「初年度合計費用」とは、該当するITソリューションを導入する際に費やしたハードウェア、ソフトウェア、コンサルティング、システムインテグレーションといった支出の初年合計額を指す)
※1は他業種にも横展開しやすい業種共通のITソリューションだが、拠出額は低い。一方、※2や※3は※1と比べて拠出額が高いが、組立製造業の業態を深く理解しておく必要がある。ベンダや販社/SIerは上記のデータを活用しながら、自社の戦略や得意分野なども踏まえて、「どのITソリューションから訴求していくか?」を適切に判断することが大切だ。ここでは組立製造業における分析例の一部を紹介したが、調査レポートには加工製造業、建設業、卸売業、小売業、運輸業、IT関連サービス業、一般サービス業についても同様の集計/分析を行っている。
本リリースの元となる調査レポート
『2021年版 DXとコロナ禍を踏まえた中堅・中小企業のIT投資レポート』
既存システムのクラウド移行や無償のWeb会議導入だけに留まらないDXやコロナ禍に求められるIT活用とは何か?
【対象企業属性】(有効回答件数:700社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~50億円未満 / 50億円以上~100億円未満 /100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 / 100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満 /500人以上~1000人未満/ 1000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 運輸業 / IT関連サービス業 / 一般サービス業
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 / 四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの章構成】
第1章:DX/コロナ禍に伴うIT活用状況
第2章:DX/コロナ禍に伴う業種別ITソリューション
第3章:ITソリューション導入の目的と効果
第4章:DX/コロナ禍に伴うITソリューションの市場規模
第5章:IT活用における経営課題と求められる支援策
【価格】 180,000円(税別) 【発刊日】 2021年7月5日
詳細は右記の調査レポート案内をご参照ください リンク
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