2020年 業務システムのデータストアとしての文書管理・オンラインストレージサービス

ノークリサーチは中堅・中小企業における文書管理・オンラインストレージサービスの活用実態と今後の 展望に関する調査を実施し、その結果を発表した。

<「機能面の課題解決」と「多様な端末環境への対応」を両立できるか?が今後の焦点>
■「オンラインストレージサービス」が浸透する一方で、オンプレミス主体の「文書管理」も存続
■「クラウド連携」よりも「オンプレミス連携」、「権限管理」よりも「個人サービスの禁止」が課題
■他のアプリケーション分野と比べて、「社外利用」や「タブレット/スマートフォン利用」が多い

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2020年10月29日

2020年 業務システムのデータストアとしての文書管理・オンラインストレージサービス

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業における文書管理・オンラインストレージサービスの活用実態と今後の展望に関する調査を実施し、その結果を発表した。本リリースは「2020年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の文書管理・オンラインストレージサービスに関するサンプル/ダイジェストである。


<「機能面の課題解決」と「多様な端末環境への対応」を両立できるか?が今後の焦点>
■「オンラインストレージサービス」が浸透する一方で、オンプレミス主体の「文書管理」も存続
■「クラウド連携」よりも「オンプレミス連携」、「権限管理」よりも「個人サービスの禁止」が課題
■他のアプリケーション分野と比べて、「社外利用」や「タブレット/スマートフォン利用」が多い


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■「オンラインストレージサービス」が浸透する一方で、オンプレミス主体の「文書管理」も存続
本リリースの元となる調査レポートでは、例年1300社の中堅・中小企業を対象に10分野に渡る業務アプリケーションのシェアと 評価に関する調査を行っている。以下のグラフはその中から、文書管理・オンラインストレージサービスのシェア(単一回答)を「導入済み」と「新規予定」に分けて集計したものである。(本リリースの末尾に記載されているようにオンプレミス主体の「文書管理」とクラウドサービスとしての「オンラインストレージサービス」の双方が集計/分析の対象となっている)
クラウドやスマートデバイスの普及によって、企業においても文書の置き場所としてオンラインストレージサービスを利用する機会が増えている。しかし、「導入済み」と「新規予定」の値を比べると、今後の新規導入では「文書管理」を選ぶユーザ企業が増える可能性がある。この傾向を理解するためには、従業員が各自の端末で利用するファイルの保存先としてだけでなく、業務システムのデータストアとしての文書管理・オンラインストレージサービスの役割を視野に入れる必要がある。次頁以降では、そうした観点からの分析結果の一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。


■「クラウド連携」よりも「オンプレミス連携」、「権限管理」よりも「個人サービスの禁止」が課題
本リリースの元となる調査レポートでは中堅・中小企業が文書管理・オンラインストレージを利用する際に抱えている課題を以下のような項目を列挙して尋ねている。(調査レポートでは下記の「現状の課題」だけでなく、本リリースの末尾に記載した「今後のニーズ」についても尋ねている)
<<データの共有や連携に関する項目>>
既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できない
既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できない
システム連携の仕組み(APIなど)が十分でない
取引先や顧客とのデータ共有が手軽にできない
一旦ダウンロードしないとファイルを編集できない
フォルダ/ファイル単位の共有設定ができない
様々なクラウドサービスと連携できない
<<セキュリティに関する項目>>
権限さえあれば、どんなファイルでも登録できてしまう
個人向けファイル共有サービスの利用を禁止できない
ファイルの持ち出しや印刷を禁止することができない
ActiveDirectoryやLDAPと認証/権限を連携できない
従業員によるファイルの読み書きを監視できない
ファイル操作の権限を従業員毎に設定できない
多数のアカウントを一括で管理できない
<<クライアント環境に関連する項目>>
スマートデバイスに適した画面が備わっていない
Webブラウザでは限られた機能しか利用できない
<<費用に関する項目>>
データ容量に上限のある定額課金で利用できない
データ容量に上限がない定額課金で利用できない
データ容量に応じた従量課金で利用できない
利用人数に上限がある定額課金で利用できない
利用人数に上限がない定額課金で利用できない
利用人数に応じた従量課金で利用できない
<<その他>>
その他:
以下のグラフは上記に列挙された項目の中から(※)のついたものを抜粋し、中堅・中小企業全体で集計した結果である。
データの共有や連携に関する項目では「フォルダ/ファイル単位の共有設定」(※3)や「クラウドサービス連携」(※4)よりも、「情報系システム連携」(※1)や「基幹系システム連携」(※2)が課題となっている。したがって、現状ではオンプレミス環境との連携がより大きな課題となっていることがわかる。
また、セキュリティに関する項目では「ファイル操作に関する従業員毎の権限設定」(※7)や「アカウントの一括管理」(※8)よりも、「権限さえあれば、どんなファイルでも登録できてしまう」(※5)や「個人向けサービスの利用を禁止できない」(※6)が課題となっている。登録しようとするファイルを事前にチェックしたり、個人向けサービスの利用を把握/制御するためには端末側に相応の機能を持ったモジュールが必要となる可能性もある。


■他のアプリケーション分野と比べて、「社外利用」や「タブレット/スマートフォン利用」が多い
さらに本リリースの元となる調査レポートでは以下のような選択肢によって、文書管理・オンラインストレージサービスを利用する際の端末環境についても複数回答設問形式で尋ねている。
用語の定義と説明:
社内利用 端末をオフィス内で利用することを指す
社外利用 端末を社外に持ち出して利用することを指す
企業所有 自社で端末を購入して社員が業務に利用することを指す
個人所有 社員が個人として所有する端末を業務に利用することを指す(BYOD)
第三者利用 取引先や一般消費者が自ら所有する端末を用いて社外からアクセスすることを指す
デスクトップPC 据え置き型のPCを指す
ノートPC 持ち運び型のPCであり、キーボードによる入力を主体とするものを指す
タブレット/スマートフォン 携帯用の情報端末で、タッチパネルによる入力を主体とするものを指す
設問の選択肢(複数回答形式):
・デスクトップPC ・タブレット/スマートフォン(社内利用&企業所有)
・ノートPC(社内利用&企業所有) ・タブレット/スマートフォン(社内利用&個人所有)
・ノートPC(社内利用&個人所有) ・タブレット/スマートフォン(社外利用&企業所有)
・ノートPC(社外利用&企業所有) ・タブレット/スマートフォン(社外利用&個人所有)
・ノートPC(社外利用&個人所有) ・第三者利用
以下のグラフは文書管理・オンラインストレージサービスにおける端末環境を尋ねた結果を「導入済み」と「新規予定」のそれぞれについて中堅・中小企業全体で集計したものだ。
「デスクトップPC」と「ノートPC(社内利用&企業所有)」の回答割合が高い点は全ての業務アプリケーションに共通する傾向である。だが、文書管理・オンラインストレージサービスは他の業務アプリケーションと比べて「ノートPC(社外利用&企業所有)」と「タブレット/スマートフォン(社内利用&企業所有)」の回答割合が「導入済み」と「新規予定」の双方で2割前後と比較的高い値を示している。前頁ではクライアント/サーバ形態を採用することで、システム連携やセキュリティ管理の課題を解消することも選択肢の一つであることを述べた。だが、「社外利用」や「タブレット/スマートフォン」に対応させるためにはVPNなどのネットワーク関連の工夫やタブレット/スマートデバイス向けのモジュール開発も必要となる。そのため、課題解決のための機能拡充と多様な端末環境へ対応をどのように両立させるか?が今後の大きな焦点になると予想される。


補記:「課題/ニーズに関する設問項目」と「製品/サービスの選択肢一覧」

本リリースの元となる調査レポートの課題/ニーズに関する選択肢は製品/サービスに対するニーズを尋ねた以下の2つの設問
P10-6A.最も主要な製品/サービスに関して評価/満足している機能や特徴(複数回答可)
P10-6C.最も主要な製品/サービスが今後持つべきと考える機能や特徴(複数回答可)
の選択肢(上段の一覧)と製品/サービスにおける課題を尋ねた以下の設問
P10-6B.現時点で抱えている課題(複数回答可)
の選択肢(下段の一覧)の2通りがある。

ニーズを尋ねた 設問(P10-6A、 P10-6C)の選択肢:

<<データの共有や連携に関する項目>>
既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できる
既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できる
属性検索や全文検索などの多彩な検索方法を利用できる
システム連携の仕組み(APIなど)が豊富に揃っている
取引先や顧客に一時的なアクセスURLを提示できる
システム内でファイルを編集することができる
フォルダ/ファイル単位で共有設定が行える
様々なクラウドサービスと連携できる
<<セキュリティに関する項目>>
申請/承認などでファイル登録の正当性を担保できる
個人向けファイル共有サービスの利用を禁止できる
ファイルの持ち出しや印刷を禁止することができる
ActiveDirectoryやLDAPと認証/権限を連携できる
従業員によるファイルの読み書きを監視できる
ファイル操作の権限を従業員毎に設定できる
多数のアカウントを一括で管理できる
<<クライアント環境に関連する項目>>
スマートデバイスに適した画面が用意されている
Webブラウザで大半の機能が利用できる
<<費用に関する項目>>
データ容量に上限のある定額課金で利用できる
データ容量に上限がない定額課金で利用できる
データ容量に応じた従量課金で利用できる
利用人数に上限がある定額課金で利用できる
利用人数に上限がない定額課金で利用できる
利用人数に応じた従量課金で利用できる
<<その他>>
その他:

課題を尋ねた設問(P10-6B)の選択肢:

<<データの共有や連携に関する項目>>
既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できない
既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できない
システム連携の仕組み(APIなど)が十分でない
取引先や顧客とのデータ共有が手軽にできない
一旦ダウンロードしないとファイルを編集できない
フォルダ/ファイル単位の共有設定ができない
様々なクラウドサービスと連携できない
<<セキュリティに関する項目>>
権限さえあれば、どんなファイルでも登録できてしまう
個人向けファイル共有サービスの利用を禁止できない
ファイルの持ち出しや印刷を禁止することができない
ActiveDirectoryやLDAPと認証/権限を連携できない
従業員によるファイルの読み書きを監視できない
ファイル操作の権限を従業員毎に設定できない
多数のアカウントを一括で管理できない
<<クライアント環境に関連する項目>>
スマートデバイスに適した画面が備わっていない
Webブラウザでは限られた機能しか利用できない
<<費用に関する項目>>
データ容量に上限のある定額課金で利用できない
データ容量に上限がない定額課金で利用できない
データ容量に応じた従量課金で利用できない
利用人数に上限がある定額課金で利用できない
利用人数に上限がない定額課金で利用できない
利用人数に応じた従量課金で利用できない
<<その他>>
その他:

以下に列挙したものは本リリースの元となる調査レポートで選択肢に記載された「文書管理・オンラインストレージサービス」の一覧である。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況に基づいて選定を行い、前年の調査で自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに追加し、一定期間以上シェア数値がないものは割愛するという形で年毎に調整を行っている。製品/サービス毎の評価などの詳細な集計はサンプル件数が一定以上の条件を満たした(※)のみが対象となる。

製品/サービス名 開発元
<オンプレミス主体>
DocuWorks(※) 富士ゼロックス
Ridocシリーズ(※) リコー
imageWARE Document Manager(※) キヤノン
eValue NS/V(※) OSK(大塚商会)
楽々Document(※) 住友電工情報システム
SharePoint Server(※) 日本マイクロソフト
intra-mart Accel Documents(※) NTTデータイントラマート
ドキュメント管理システム サピエンス
uCosminexus DocumentBroker(※) 日立製作所
活文 Contents Lifecycle Manager 日立ソリューションズ
楽2ライブラリ PFU
活文 File Server Optimizer 日立ソリューションズ
GDMS ジャストシステム
<オンラインストレージサービス>
Microsoft Office 365(※) 日本マイクロソフト
Google Drive(※) グーグル
Dropbox Business(※) Dropbox
OneDrive for Business(※) 日本マイクロソフト
Box Box
クラウドファイルサーバー(※) 富士通
Bizストレージ ファイルシェア(※) NTTコミュニケーションズ
AZCLOUD ファイルサーバ 富士通マーケティング
BIGLOBEクラウドストレージ ビッグローブ
KDDIファイルストレージ KDDI
PrimeDrive ソフトバンクテレコム
フレッツ・あずけ~るPROプラン NTT東日本
たよれーる どこでもキャビネット(※) 大塚商会
InternetDisk ASP ジャストシステム
GigaCC ワムネット
<その他>
専用のアプライアンス機器を利用
コラボレーションの一機能として利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム

本リリースの元となる調査レポート

『2020年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』

10分野の業務アプリケーション(ERP、会計管理、生産管理、販売・仕入・在庫管理、給与・人事・勤怠・就業管理、ワークフロー、コラボレーション、CRM、BI、文書管理・オンラインストレージサービス)のシェアと評価を網羅

【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの概要】
各分野について、以下の章構成からなる分析サマリ(各20ページ前後)で重要ポイントと今後に向けた提言を詳説

第1章:製品/サービスの導入状況とシェア動向
製品/サービスの「導入状況」と「製品/サービスの導入社数シェア」を確認した後、最も主要な製品/サービスの「導入年」と「評価概況」についても分析を行っている。

第2章:運用形態と端末環境
最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」と「端末環境」について分析を行っている。

第3章:製品/サービスの評価、課題、ニーズ
最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべきと考える機能や特徴」を尋ねた結果を分析している。さらに、業務アプリケーションの導入/更新に関する全体的な方針を尋ねた設問「P0」と各分野の製品/サービスとの関連についても分析している。

付表:選択肢として記載した製品/サービス一覧および課題とニーズの項目
本調査において選択肢に記載された製品/サービスの一覧を掲載している。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況を踏まえて選定され、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
さらに、導入済みの製品/サービスについて評価/満足している機能や特徴および現状の課題を尋ねた設問の選択肢、および導入済み/導入予定の製品/サービスが今後持つべきと考える機能や特徴を尋ねた設問の選択肢も掲載している。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 リンク
【発刊日】 2020年10月30日 【価格】 180,000円(税別) 特定分野のみの個別販売は行っておりません

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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp

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