セルシオンの進行性卵巣がんを対象としたOVATION 1試験において、GEN-1の無増悪生存期間での高い治療効果が示される

~メディデータの合成対照群で臨床プログラムを加速~

• 第一相の治療群における無増悪生存期間(PFS)のハザード比が0.53と高い有効性
• 合成対照群を用いることで、新たに診断を受けたステージIII/IVの卵巣がんを対象としたGEN-1臨床プログラムを加速させる戦略の評価が可能に

(2020年3月26日 米国報道発表資料抄訳)がん治療薬開発で世界をリードするセルシオン(NASDAQ:CLSN)及びダッソー・システムズ傘下のMedidata(メディデータ)は、メディデータが提供する合成対照群(SCA)の患者データと、既に完了した第Ib相 用量漸増型OVATION I試験結果を比較したところ、ステージIII/IVの卵巣がん患者を対象としたGEN-1投与による無増悪生存期間(progression-free survival : PFS)において肯定的な結果が得られたと発表しました。ハザード比(HR)は包括解析(intent-to-treat: ITT)群で0.53と非常に高い有効性を示しました。セルシオン独自のTheraPlasプラットフォーム技術を用いたGEN-1は、インターロイキン12(IL-12)DNAプラスミドベクターを非ウイルス性ナノ粒子デリバリーシステムに封入したもので、細胞トランスフェクション後にIL-12タンパク質を持続的かつ局所的に分泌させることができます。

セルシオンは、米食品医薬品局(FDA)が新たに卵巣がんと診断された進行性卵巣がんの患者を対象としたGEN-1の臨床開発プログラムを加速するための戦略を検討する際に、今回発表されたデータがGEN-1の有効性を保証すると考えています。2019年3月、FDAはセルシオンに対し、第Ib相のOVATION I試験の予備的な所見は興味深いものであるとしながらも、優れた腫瘍反応や手術の成績、PFSに対するGEN-1単独の効果を評価するのに必要となる対照群が欠如している点を指摘していました。FDAはGEN-1の開発プログラムの継続を促し、ファスト・トラックや画期的治療薬などの指定につながる新しい知見があるかFDAと協議するよう求めていました。

GEN-1 の強力で期待の持てる治療効果は合成対照群によって証明され、全生存期間のサロゲートエンドポイントとしてFDAが認めているPFSの顕著な改善の可能性を示唆しており、悪性腫瘍と戦うために免疫系の生得的および適応的要素を取り込むIL-12の能力を裏付けしていると考えられます。既に発表されているトランスレーショナルデータによってGEN-1治療による腫瘍の微小環境における免疫学的な変化が示されており、この強力なPFSのtrendが支持されています。

セルシオンが現在実施している進行性卵巣がん患者を対象とした第II相無作為化試験「OVATION 2試験」は、2020年後半に開始される予定であり、現行の標準治療と比較した場合に、PFSが33%改善(HR=0.75)することを実証するために設計されています。本試験においてはPFSが主要評価項目となります。

合成対照群(Synthetic Control Arms : SCA)は、特定のがんにおける適応症や無作為化比較対照試験が倫理的かつ実用的な理由から適切でないと考えられる一部疾患の臨床試験を一変させる可能性を秘めています。SCAは、新しい治験薬で治療される患者の人口統計学的特徴と疾患特徴が一致するよう、過去の臨床試験から慎重にコントロール群の患者を抽出して作成されています。

SCAは従来の無作為化比較対照試験の結果との相似を示しており、SCAと比較することで治療薬の効果を明らかにできます。SCAは単群試験の科学的妥当性を向上し、特定の適応症における時間やコストを削減し、効果が見込めないプラセボや既存の標準治療を受ける患者を少なくすることに役立ちます。メディデータは、2万件近い過去の臨床試験により収集した600万人以上の患者の匿名データへのアクセスを有することから、目的に合った合成対照群を構築することができます。

メディデータ傘下のAcornAIのデータサイエンスチーム、バイス・プレジデントのルーシー・ダビ(Ruthie Davi)博士は次のように述べています。
「メディデータ傘下のAcornAIは、アンメット・メディカルニーズがある進行性卵巣がんの患者を対象としたこの重要な臨床試験において合成対照群を作成し、セルシオンに協力できることを誇りに思います。これは、患者さん、医療コミュニティ、そして医薬品業界全体にとって革新的な変化をもたらす可能性があります。OVATION I試験でSCAを用いることで実証されたように、私たちは今、生命を救う可能性のある治療法の開発を加速させるために、早期に科学的な理解を深められるようになりました。

GEN-1とSCAを比較するこの分析から生成されたPFSデータは以下を示しています。
GEN-1 Population          PFS ハザード比
ITT解析、n=15             0.53 (95% CI 0.16, 1.73); log-rank p=0.29
Per-protocol解析、n=14        0.33 (95% CI 0.08, 1.37); log-rank p=0.11

セルシオンの医療担当部長であるニコラス・ボリス(Nicolas Borys)博士は、次のように述べています。
「OVATION I試験のGEN-1群の患者では、合成対照群に比べて実質的にがん抑制が2倍になったことが示されました。今回の結果は、例数が少ないため統計的には有意とは言えませんが、優れた結果が得られました。今回確認できた治療が高い効果を示すという速報的な証拠は、当社のGEN-1プログラムに取り組む強い企業姿勢を後押しするものであり、今後、規制当局や研究者とともに、開発を推し進めていくための方策を積極的に検討してまいります。」

第Ib相OVATION I試験では、新たに診断されたステージIII/IVの卵巣がん患者を対象に、インターバル・デバルキング手術を行う前に3サイクルのネオアジュバント化学療法(NACT)と3サイクルのNACTを併用して、GEN-1(36mg/m²、47mg/m²、61mg/m²、79mg/m²)を増量させながら腹腔内投与し、その後3サイクルのNACTを実施しました。以前に報告されたデータでは、すべての用量コホートにおいて、PFSの中央値は、per-protocolの集団で21ヶ月、intent-to-treatの集団で17.1ヶ月であり、過去に報告されているPFSの中央値12ヶ月と比較して良好な結果が得られています。

OVATION I試験では、GEN-1の最高用量(79mg/m²)を投与された全ての患者で腫瘍の完全切除(R0)が達成され、OVATION I試験では約86%の患者で完全奏効または部分奏効が認められました。また、全ての患者において、最新の来院時にCA-125タンパク質レベルが臨床的に有意に低下していました。CA-125は特定のがんの治療中および治療後のモニタリングで用いられています。CA-125は卵巣がん細胞において他の細胞よりも高濃度に存在しています。また、GEN-1は忍容性が高く、用量制限毒性は検出されませんでした。GEN-1 の腹腔内投与は幅広い患者受け入れられ、実行可能なものでした。

セルシオンの会長、社長兼CEOであるマイケル・タドゥグノ(Michael H. Tardugno)氏は、次のように述べています。
「Medidata SCAのデータが高品質であることに大変な感銘を受けています。当社の第Ib相OVATION I試験における患者の特徴とほぼ完璧に一致するデータが合成対照群として提供されました。メディデータが持つ強みと、GEN-1の優れた可能性を踏まえ、進行性卵巣がんを対象とした第I/II相OVATION2試験の第II相試験では、部分的に合成対照群を用いていく予定です。試験の一部にSCAを使用することでコストを削減し、患者は偽薬ではなくGEN-1を受ける可能性が高くなるため、治験への登録率を向上させることができると確信しています。」

Medidata(メディデータ)について
メディデータはより多くの患者さんの希望を実現できるよう、ライフサイエンス分野におけるデジタルトランスフォーメーションを推進しています。新しい治療の価値最大化、リスク最小化、アウトカム最適化のために、製薬企業、バイオテクノロジー企業、アカデミア、医療診断・機器メーカーなどで日々、取り組んでいる研究者が確たるエビデンスを見出し、新たなインサイトを獲得できるよう支援しています。1400社以上のライフサイエンス企業や団体に採用され、100万人以上の認定ユーザーが日々利用する、臨床開発、コマーシャルさらにはリアルワールドデータの活用において世界で最も使われているプラットフォームを提供しています。ダッソー・システムズ(ユーロネクスト・パリ:#13065、DSY.PA)の傘下にあり、米国ニューヨークに本社を置くメディデータは世界各国に拠点を置き、お客様のニーズにお応えしています。より詳細な情報はwww.medidata.com/jp、LinkedIn / Facebookの日本語公式アカウントページなどをご覧ください。
Medidata, Medidata Rave and AcornAI はDassault Systèmes子会社であるMedidata Solutions, Inc.の登録商標です。

Acorn AIについて
メディデータのAcorn AIは、データ、テクノロジー、および深い専門知識を組み合わせて、ライフサイエンス企業が臨床開発の全過程にわたって実用的な洞察を得られるよう支援します。Acorn AIの高度な分析機能は、画期的なイノベーションの加速、研究の実行と商業的成功の最適化、治療法の価値の実証など、研究開発と商業化における最も重要な問題に答えます。AcornAIは約2万件の臨床試験と600万人以上の患者データをもとに構成されるMedidataプラットフォーム上に構築され、リアルワールドデータ、トランスレーショナルデータ、およびその他のデータセットとつながった、構造化・標準化された業界最大の臨床データレポジトリとなっています。より詳細な情報はwww.medidata.com/jp/acornaiをご覧ください。

Celsion Corporationについて
セルシオンは誘導型化学療法、免疫療法、RNAまたはDNAベースの治療法など、革新的ながん治療薬のポートフォリオを開発することに注力している総合がん治療企業です。主力製品であるThermoDox®は、ドキソルビシンの熱活性化リポソームカプセル化製剤で、現在、原発性肝がんを対象とした第III相臨床試験を実施中です。また、卵巣がんの局所治療を目的としたDNAベースの免疫療法であるGEN-1もパイプラインに含まれています。 セルシオンは、新規の核酸ベースの免疫療法やその他の抗がん剤のDNAまたはRNA療法を開発するための2つのプラットフォーム技術を保有しています。より詳細な情報はwww.celsion.comをご覧ください。
*本原稿は2020年3月26日に英語で発表された原稿の抄訳版です。より詳細な発表内容については原文の英語版をご参照ください。

報道関係者お問い合わせ先
ボックスグローバル・ジャパン(広報代理)/人見 / 03-6204-4320 / ayako.hitomi@voxglobalasia.com

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