日本の「職場におけるAI」調査:AI利用は、世界10カ国・地域の中で日本は最下位


回答者の76パーセントが、「マネージャーよりもロボットを信頼する」と回答

日本オラクル株式会社(本社:東京都港区、執行役 最高経営責任者:ケネス・ヨハンセン)は本日、日本の「職場におけるAI(人工知能)」に関する調査結果を公表しました。職場で何らかの形でAIを利用していると回答した日本の回答者は29パーセントで、世界10カ国・地域の中で最下位でした。一方で、「マネージャーよりもロボットを信頼する」と回答した人は、日本は76パーセントで、10カ国・地域の平均である64パーセントを上回りました。本調査から、日本の職場でAIが適用されている業務と普及率、AI時代におけるマネージャーとの関係、AIに対する期待が判明しました。
*1:調査結果のグラフ・データは リンク でご覧いただけます。
*2:2019年10月に発表した10カ国・地域の調査に関する抄訳リリースは
リンク でご覧いただけます。

本調査は、オラクルと、人材の発掘、開発、従業員エンゲージメントに生じる”ディスラプション”に備えてビジネス・リーダーを支援する調査会社であるFuture Workplace社(リンク )が共同で実施し、世界10カ国・地域(米国、英国、フランス、中国、インド、オーストラリア/ニュージーランド、シンガポール、UAE、ブラジル、日本)の合計8,370名が回答、そのうち415名が日本における企業・団体の従業員、マネージャー、人事部門リーダーです。

職場における人とAIの期待と現実
世界中の従業員、マネージャー、人事リーダーは、職場でAIの利用が増加していること、および多くの人々がAIを好意的に受けとめていることが判明しました。

職場で何らかの形でAIを利用していると回答した人は、10カ国・地域で50パーセントとなった一方、日本で利用していると回答した人は29パーセントに留まりました。上位3カ国であるインド(78パーセント)、中国(77パーセント)、UAE(66パーセント)は、日本(29パーセント)の2倍以上、職場でAIを使用しています。
日本の職場で現在、AIがよく使われる業務の上位は、「従業員や顧客のデータ収集」、「お客様からの質問への応答」、「デジタル・アシスタント」と回答しており、他の国・地域と大きな違いはありませんでした。
日本の回答者による、AIに最もしてもらいたい仕事の上位は、「経費精算」、「休暇申請」、「コーチング」だったのに対し、10カ国・地域では「経費精算」、「支払・入金」、「社員への給付金」でした。
AI活用によりもたらされる機会の上位について、日本の回答者は、「自由時間が増える」、「新たなスキルを学ぶ」、「より戦略的な仕事に時間を使う」を挙げ、10カ国・地域と同じでした。

マネージャーよりもロボットを信頼する従業員が他国より多い日本
職場でAIが浸透するに連れ、従業員とマネージャーとの関係に影響を及ぼし、人事部門やマネージャーの役割は変化していくと予測されます。

世界10カ国・地域平均で64パーセントの人々は、マネージャーよりもロボットを信頼すると回答し、日本ではそれを上回る76パーセントが同様の回答をしました。マネージャーよりもロボットを信頼しているとの回答は比率が多い順に、インド(89パーセント)、中国(88パーセント)、シンガポール(83パーセント)、ブラジル(78パーセント)、日本(76パーセント)、UAE(74パーセント)、オーストラリア/ニュージーランド(58パーセント)、米国(57パーセント)、フランス(56パーセント)、英国(54パーセント)でした。
日本において、女性(84パーセント)は、男性(74パーセント)以上にマネージャーよりもロボットを信頼しています。
将来的に、ロボットがマネージャーに置き換わるか、という質問に10カ国・地域では32パーセント、日本では19パーセントがそうであると回答しました。



ロボットはマネージャーよりも何が優れているのかを質問したところ、日本において、バイアス(偏見)のない情報の提供(53パーセント)、仕事のスケジュールの維持・管理(47パーセント)、予算管理(43パーセント)という回答が上位でした。
マネージャーはロボットよりも何が優れているのかを質問したところ、日本において、従業員の感情の理解(53パーセント)、従業員の指導(47パーセント)、職場文化の創出(43パーセント)という回答が上位3つを占め、10カ国・地域の回答とほぼ同じでした。

慶應義塾大学大学院 岩本隆特任教授からのコメント
「職場におけるAI」に関する調査データから、慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授である岩本隆氏は、次のように述べています。
「マネージャーよりもロボットを信頼すると回答した日本の人は76パーセントに達しています。すでにAIやロボットを受け入れる土壌は整いつつあり、日本のマネージャーは変化することが求められることを示唆しています。上意下達で部下を指導する旧来のやり方ではなく、その人でしかできないマネジメント手法がないと、マネージャーの存在価値はどんどん薄れていくでしょう。特に日本ではマネージャーは現場を把握すべきといった考え方が根強く、そのため、報告のミーティングがびっしり入ることになってしまう。こうしたミーティングに意味があるのか、考え直さなければなりません」
「これからは人事、経理、総務といったバックオフィス部門でも、データ・サイエンティストなどの専門家とコミュニケーションしたりプロジェクトをマネジメントするスキルは必要になると思います。自身が専門家になる必要はありませんが、データの活用やテクノロジーの導入に向け、データ・サイエンティストなどと折衝する力は必要になっていきます。そして、早く始めなければ、どんどん競合に差を付けられることになります。場合によっては企業価値に影響するといったことにもなりかねません。まずAIをはじめとするテクノロジーを使い始め、自社の業務内容などに合わせて改善する。そういった取り組みを継続して行うべきでしょう。」

日本オラクル 原 智宏からのコメント
日本オラクル株式会社 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・エンジニアリング事業本部長である原 智宏は、次のように述べています。
「機械学習とAIが急速に進化し、お客様やパートナー企業との関係、上司や部下とのコミュニケーションに大きな変化が生じています。オラクルでは、バックオフィス領域におけるAI活用の進化について、「データの収集・一元化」、「インサイトの提示」、「業務の優先順位付け」、「業務への推奨」といった段階があり、それらに応じて得られる価値も増幅していくと考えています。グローバルでは、「インサイトの提示」や「業務の優先順位付け」にAIを適用させている一方、日本の企業の多くは「データの収集・一元化」にAIを導入したばかりで、“AIジャーニー”の出発点にいます。」

調査方法
Savantaが2019年7月2日から8月9日に実施したグローバル調査に基づく調査結果です。調査に最後まで回答したのは合計8,370名です。調査は、10カ国・地域(6言語)を対象にオンラインで行われました。調査への参加資格を持つのは、18~74歳の正社員です。対象となったのは、人事リーダー、マネージャー、従業員です。回答者の募集は、多数の異なるメカニズムを通じて、また、パネルへの参加や市場調査への参加のための異なるソースを通じて行われました。すべての回答者は、調査に加わる前に二度のオプトイン・プロセスを通過し、平均300のプロファイリング・データ・ポイントを完了しています。回答者への参加の呼びかけはメールで行われ、少額の謝礼が支払われました。

日本オラクルについて
人々が、新たな方法でデータを捉え、知見を導き出し、無限の可能性を得ることをミッションにしています。データ・ドリブンなアプローチにより情報価値を最大化するクラウド・サービス、それらの利用を支援する各種サービスを提供しています。オラクル・コーポレーションの日本法人。2000年に東証一部上場(証券コード:4716)。 リンク

オラクルについて
Oracle Cloudは、セールス、サービス、マーケティング、人事、経理・財務、製造などを網羅する広範なアプリケーション群、「Oracle Autonomous Database」に代表される、高度に自動化され、高いセキュリティを備えた第2世代インフラストラクチャを提供しています。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、リンク  をご覧ください。

Future Workplaceについて
Future Workplaceは、ワークプレイスの再考と再想像を専門とするエグゼクティブ開発会社です。Future Workplaceは、リクルート、従業員開発、エンゲージメントに影響する変化への準備のために、人材管理、人事、企業学習などの責任者と連携しています。Future Workplaceは、2020 Workplace Networkを開催します。これは、今後のワークプレイスと従業員に「次に」何が影響するかを話し合い、共有するために、企業学習、人材管理、人事の責任者50名以上が集うエグゼクティブ・カウンシルです。

【本件に関するお問い合わせ先】
日本オラクル株式会社 広報室 谷地田
Tel: 03-6834-4837 / Fax: 03-6834-6129/ E-mail: pr-room_jp@oracle.com
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