「国際動脈硬化学会」および「残存リスク低減イニシアチブ」が、新療法の合意声明を発表  

IAS and R3i 2019年09月03日 10時58分
From 共同通信PRワイヤー

「国際動脈硬化学会」および「残存リスク低減イニシアチブ」が、新療法の合意声明を発表  

「国際動脈硬化学会」および「残存リスク低減イニシアチブ」が、残存心血管リスクに対する新療法の合意声明を発表

AsiaNet 80306


2019年9月3日、イタリア ミラノ、スイス バーゼル -「国際動脈硬化学会(IAS)」および「残存リスク低減イニシアチブ(R3i)」の世界的専門家50名によると、新たな選択性の高い治療である「α型ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体モジュレーター(SPPARM-α)アゴニスト」は、心臓発作ならびに脳卒中の発症リスクが高い患者において、残存リスク管理におけるギャップ対処に役立つであろうことが明らかにされました。高血圧、コレステロール、グルコースはガイドライン治療推奨となっているにも関わらず、この残存心血管リスクは未だに残っています。この未解決な医学的課題は、IAS-R3iの共同合意声明の焦点であり、2019年9月1日にフランスのパリでディスカッションが行われました。

残存心血管リスクを軽減するために鍵となる潜在ターゲットは、アテローム性脂質異常症にあります。これは、高トリグリセライド(TG)-リッチリポタンパク質と、高比重リポタンパク質コレステロール(HDL-C)の低量残存物として定義されます。アテローム性脂質異常症は、2型糖尿病患者ならびに肥満の人に観察される症状です。IAS理事長のラウル・サントス教授によると、「アテローム性脂質異常症は、残存心血管リスクに関与しています。しかしながら安全性の問題や他の薬剤との相互作用のため、現在の治療法は限られています。」

答えを見つけるために、専門家は「プレシジョン・メディシン」アプローチを採択し、1300以上の化合物を合成およびスクリーニングした結果、SPPARM-α活性を有する新規有効成分であるぺマフィブラートを特定しました。「ぺマフィブラートは特異な遺伝子セットを活性化および抑制するため、従来の非選択的「α型ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)アゴニスト」であるフィブラートと比較して、高い効力および選択性を有します。」と、R3iファウンデーション理事長のジャン=シャルル・フリュシャール教授は述べています。

臨床試験のフェーズ2および3において、ぺマフィブラートはアテローム性脂質異常症のすべてのマーカーを改善することが確認され、TGは最大50%減少し、心血管症のリスク要因となる残存コレステロールは最大80%減少しました。ぺマフィブラートは、C反応性タンパクなどの炎症マーカーも低下することが判明しました。重要なこととして、ぺマフィブラートは肝臓や腎臓に対して有害作用を示さず、血清クレアチニンを増加させませんでした。
「これらの臨床試験は、慢性腎臓疾患を含む幅広い患者において、フィブラートに比してぺマフィブラートの方が優れたベネフィット・リスクプロファイルを明確に示しています。」と、これらの臨床試験における主要研究者である東京大学の児玉龍彦教授はコメントしています。

また、ぺマフィブラートは前臨床試験においてアテローム性動脈硬化症の進行を抑えることが確認されています。日本動脈硬化学会 理事長の山下静也教授は次のように述べています。「あらゆる結果が示しているように、ぺマフィブラートはアテローム性脂質異常症に対する高いリスクを有する患者、特に2型糖尿病患者における残存心血管リスクを軽減するための新たなアプローチを提供できる可能性があります」。
これはまさに、PROMINENT(Pemafibrate to Reduce cardiovascular OutcoMes by reducing triglycerides IN diabetic patiENTs)試験に答えを提起します。この国際的臨床試験は、スタチン治療を受けている2型糖尿病のハイリスク患者1万人を対象として、ぺマフィブラートがTG-リッチリポタンパクを減少させることにより心血管イベントを減らすかどうかをテストしています。以前のフィブラート試験とは異なり、PROMINENTでは効果的なスタチン治療を含む現在の標準的な併用療法を受けている2型糖尿病およびアテローム性脂質異常症の患者を対象としています。「科学界は、4~5年後に発表されるこのPROMINENTの結果を待ち望んでいます。これによってSPPARM-α理論が医療における心血管アウトカムを改善できるかどうかが明らかにされるでしょう。」と、ハーバード大学医学部&ブリガムアンドウィメンズ ホスピタルのピーター・リビー教授は述べています。

IASについて

「国際動脈硬化学会(IAS)」は、世界各国の科学学会メンバーからなる連盟です。IASの主要な役割は、アテローム性動脈硬化症の病因、予防、治療に関する科学的理解を促進することにあります。IASは、関連学会間の科学的情報のやり取りを組織し、アテローム性動脈硬化症の発症にかかわる研究を促進し、その成果を疾患の予防と治療をねらいとしたプログラムの有効性向上に役立てます。

R3iについて

「残存リスク低減イニシアチブ(R3i)」は、各国の様々な分野を統合した学術的非営利団体です。その主なねらいは、脂質の異常値に対する現在の標準的な治療を受けている患者にみられる心血管系ならびに微少血管系合併症の高いリスクに効果的に対処することにあります。R3iは、学術研究、教育、擁護の各側面におけるグローバルでイノベーティブな主導を通じてこのねらいの達成に取り組んでいます。

コンタクト:info@r3i.org


ソース:IAS & R3i

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参考

Fruchart JC. et al.The selective peroxisome proliferator-activated receptor alpha modulator (SPPARMα) paradigm: conceptual framework and therapeutic potential.A consensus statement from the IAS and the R3i Foundation.Cardiovasc Diabetology (2019) 18:71.


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(日本語リリース:クライアント提供)

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