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はじめに
前回に引き続き、2016年に公開された論文「Deep Neural Networks for YouTube Recommendations」をもとにして、ビデオストリーミングサービス(YouTube)のレコメンデーションシステムを支える機械学習のアーキテクチャーを紹介します。前回の図2に示したように、このシステムでは、「候補選択モデル」と「ランキングモデル」を組み合わせた仕組みが用いられています。今回は、候補選択モデルの部分について、その仕組みを少し掘り下げて解説したいと思います。
協調フィルタリングの復習
前回の最後に少し触れたように、候補選択モデルの仕組みは、レコメンデーションのアルゴリズムとして有名な「協調フィルタリング」に類似した部分があります。そこでまず、協調フィルタリングの仕組みを簡単に復習しましょう。協調フィルタリングでは、それぞれのユーザーとレコメンデーション対象のアイテム群を同一空間のベクトルにマッピングします。このマッピングを適切に学習することで、ユーザーのベクトルとアイテムのベクトルの内積が大きいほど、ユーザーとアイテムの相性が良い(ユーザーがアイテムを気に入る可能性が高い)という状況を作り出します(図1)。
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