ノークリサーチは中堅・中小企業向けERPのシェア動向とユーザ企業が抱く課題/ニーズとの関連をテーマとした調査ならびに分析の結果を発表した。
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2018年10月4日
2018年 中堅・中小向けERPのシェア動向とユーザ企業が抱く課題/ニーズの関連
調査設計/分析/執筆: 岩上由高
ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業向けERPのシェア動向とユーザ企業が抱く課題/ニーズとの関連をテーマとした調査ならびに分析の結果を発表した。本リリースは「2018年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のERPカテゴリにおけるサンプル/ダイジェストである。
<主要ベンダによる刷新/リニューアルが導入社数シェアにも反映され、市場の動きが活性化>
■新たなERP製品を投入した代表的なベンダ3社は2017~2018年に導入社数シェアを拡大
■中小企業向けERPでは「独自開発システム」も無視できない競合として意識しておくべき
■中堅・中小企業における「クラウドERP」の割合は9.4%、ベンダによる定義の違いにも注意
■「評価の高い機能や特徴」に対する更なる改善への期待が「新たな課題」となることもある
対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク
■新たなERP製品を投入した代表的なベンダ3社は2017~2018年に導入社数シェアを拡大
本リリースの元となる調査レポートでは次頁に列挙した40超に及ぶERP製品/サービスの選択肢を提示し、中堅・中小企業におけるERP製品/サービスの導入社数シェア、機能や特徴の評価、現状の課題、今後のニーズなどの分析を行っている。
以下のグラフはその中から中堅・中小市場における代表的なERP製品/サービスをピックアップし、年商500億円未満の中堅・中小企業全体における導入社数シェアを2017年と2018年で比較したものだ。 2016~2017年にかけては中堅・中小市場における代表的なERP製品/サービスの刷新/リニューアルが活発となり、富士通の「GLOVIA iZ」、OSK(大塚商会)の「SMILE V」、NECの「EXPLANNER/Z」などが新たに投入された。上記のグラフを見ると富士通、OSK(大塚商会)、NECのいずれも2017年から2018年にかけて導入社数シェアを伸ばしており、新たなERPの投入が導入社数シェアにも寄与している状況が確認できる。
2018年以降の中堅・中小企業におけるERP市場では、こうした代表的な製品/サービスの新規導入やバージョンアップの提案によってユーザ企業における課題やニーズの検討・見直しが活性化し、製品/サービスのリプレースも増加すると予想される。
本リリースの元となる調査レポートでは多岐に渡るデータを元に、ERPを開発/販売するベンダや販社/SIerがERP拡販を実現するために何をすべきか?の分析/提言を行っている。次頁以降ではその一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。
■中小企業向けERPでは「独自開発システム」も無視できない競合として意識しておくべき
以下に列挙したものは、本リリースの元となる調査レポートにおいて選択肢に記載したERP製品/サービスの一覧である。
製品/サービス名 開発元
SAP ERP/ SAP Business All-in-one SAPジャパン
SAP S/4 HANA SAPジャパン
SAP Business ByDesign SAPジャパン
SAP Business One SAPジャパン
NetSuite ネットスイート
Workday Workday
IFS Applications IFSジャパン
Infor ERP/CouldSuite インフォアジャパン
COMPANY ワークスアプリケーションズ
HUE ワークスアプリケーションズ
ProActive SCSK
Future Stage(GEMPLANET) 日立製作所
ビズインテグラル(SCAWを含む) NTTデータ・ビズインテグラル
Oracle Fusion Applications(EBS、PeopleSoftも含む) 日本オラクル
JD Edwards Enterprise One 日本オラクル
MCFrame/mcframeシリーズ 東洋ビジネスエンジニアリング
GLOVIA smart / iZ / SUMMIT 富士通
OBIC7 オービック
ROSS ERP(iRenaissanceを含む) アプティアン・ジャパン
SuperStream-NX/CORE スーパーストリーム
GRANDIT GRANDIT
Microsoft Dynamics AX/365 日本マイクロソフト
Microsoft Dynamics NAV PBC(パシフィックビジネスコンサルティング)
SMILEシリーズ OSK(大塚商会)
奉行 V ERP OBC(オービックビジネスコンサルタント)
スーパーカクテル デュオ 内田洋行
Super Cocktail Innova 内田洋行
PCA Dream21 ピー・シー・エー
MJSLINK NX-I/NX-Plus ミロク情報サービス
Galileopt NX-I/NX-Plus ミロク情報サービス 大臣エンタープライズ(大臣 ERPは除く) 応研
アラジンオフィス アイル
Enterprise Vision JBCC
ZAC Enterprise オロ
Infini One ERP(FUTUREONE ERP)(NewRRR) FutureOne(フューチャーアーキテクト)
DS-mart ERP 電算システム
Exact Globe Exactソフトウェア
クラウドERP freee freee
MFクラウド マネーフォワード
SuiteWorks/ClearWorks スマイルワークス
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの) ※1
独自開発システム(完全なスクラッチ開発)※2
選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況に基づいて選定を行い、前年の調査で自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
ERP製品/サービスの刷新/リニューアルによって導入社数シェアにも今後変動が予想されることは前頁でも触れた通りだが、独自開発システム(上記の一覧表における※1および※2)の動向についても留意しておく必要がある。
以下のグラフはERPを導入済みの中堅・中小企業のうち、独自開発システムを選択しているユーザ企業の割合を年商別に集計したものである。
年商5億円未満の小規模企業層では独自開発システムとしてのERP導入は見られないが、年商5~50億円の中小企業層においては年商規模が大きくなるにつれて独自開発システムの割合が高くなっている。一方で、年商50~500億円の中堅企業層では逆に年商規模が大きくなるにつれて独自開発システムの割合は低くなる傾向を示している。
こうした傾向を踏まえると、年商5~50億円の中小企業層を主な顧客とするERPのベンダや販社/SIerは他社の製品/サービスだけでなく、独自開発システムも競合として捉えておく視点が重要と考えられる。このように中堅・中小企業におけるERP導入に取り組む際には「どこまでを競合として捉えるべきか?」についても意識しておくことが大切だ。
■中堅・中小企業における「クラウドERP」の割合は9.4%、ベンダによる定義の違いにも注意
左のグラフは「導入済みの最も主要なERP製品/サービスの運用形態」を中堅・中小企業全体で集計した結果である。
(グラフ中の選択肢が指し示す内容については下記を参照)
「社内設置」が依然として多くを占めるが、今後は「クラウドERP」の動向も注視しておく必要がある。 パッケージ(社内設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、社内に設置して利用する
パッケージ(データセンタ設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、データセンタに預けて運用する
パッケージ(IaaS/ホスティング利用):
ハードウェア/OSは購入せず、IaaS/ホスティングを基盤としてミドルウェアやパッケージを購入/導入して利用する
独自開発システム(社内設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェアを購入し、独自開発されたシステムを社内に設置して利用する
独自開発システム(データセンタ設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェアを購入し、独自開発されたシステムをデータセンタに預けて運用する
独自開発システム(IaaS/ホスティング利用):
ハードウェア/OSは購入せず、IaaS/ホスティングを基盤として独自開発されたシステムを利用する
独自開発システム(PaaS利用):
ハードウェア/OS/ミドルウェアは購入せず、PaaSを基盤として独自開発されたシステムを利用する
ASP/SaaS利用:
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを購入せず、ASP/SaaS形態のサービスを利用する
ここで留意すべきなのは「クラウドERP」の指し示す内容を常に明確にしておくことだ。例えば、「設置場所が社外であること」を「クラウドERP」の定義とするならば、「IaaS/ホスティング利用」「PaaS利用」「ASP/SaaS利用」だけでなく「パッケージ(データセンタ設置)」や「独自開発システム(データセンタ設置)」も含まれる。「ユーザ企業がハードウェアを所有しないこと」を「クラウドERP」の基準とする場合は上記の中から「パッケージ(データセンタ設置)」や「独自開発システム(データセンタ設置)」が除外される。あるいは、「業務アプリケーションもサービスとして利用する」ことを「クラウドERP」と定義する場合は「ASP/SaaS利用」のみが該当することになる。
ノークリサーチにおける「クラウドERP」の定義では「ユーザ企業がハードウェアを所有しないこと」を基準としており、グラフ中の選択肢では以下の項目が該当し、中堅・中小企業全体における割合は9.4%となる。
・パッケージ(IaaS/ホスティング利用)
・独自開発システム(IaaS/ホスティング利用)
・独自開発システム(PaaS利用)
・ASP/SaaS利用
ERPを開発/販売するベンダや販社/SIerが「クラウドERP」と言った場合、それがどの定義に基づく「クラウドERP」なのか?を意識し、定義を確認した上で詳細に目を通すことが重要といえる。
■「評価の高い機能や特徴」に対する更なる改善への期待が「新たな課題」となることもある
本リリースの元となる調査レポートでは、導入済みの最も主要なERP製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」(※1)、「現時点で抱えている課題」(※2)、「今後持つべき機能や特徴」を様々な観点から尋ね、ERPを開発/販売するベンダや販社/SIerが今後どのような機能を充実させていくべきか?に関する分析と提言を行っている。
以下のグラフは代表的なERP製品/サービスにおける「評価/満足している機能や特徴」の集計結果の一部を抜粋したものだ。
「SAP ERP/ SAP Business All-in-one」における「複数モジュール間のデータ連携が容易である」、「GLOVIA smart/iZ/SUMMIT」における「様々なデータを集計/分析して経営に活かせる」などといったように、製品/サービスによって高い評価を得ている項目が異なることが確認できる。また、「評価/満足している機能や特徴」として「プログラミングをせずにデータ連携を実現できる」の回答割合が高いが、「現時点で抱えている課題」として「プログラミングしないとデータ連携を実現できない」の回答割合も高いといったケースもある。これはデータ連携の対応力が高いことでユーザ企業の評価も高くなる一方、さらに高度な機能を求める声も上がっている状況といえる。 このようにユーザ企業が「現時点で抱えている課題」の中には製品/サービスが持つ強みが反映されていることも多く、「評価/満足している機能や特徴」と照らし合わせながら課題を確認していく取り組みが重要となってくる。
本リリースの元となる調査レポート
『2018年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
10分野の業務アプリケーション(ERP、会計管理、生産管理、販売・仕入・在庫管理、給与・人事・勤怠・就業管理、ワークフロー、グループウェア、CRM、BI・帳票、文書管理・オンラインストレージサービス)のシェアと評価を網羅
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの概要】
各分野について、以下の章構成からなる分析サマリ(各30ページ前後)で重要ポイントと今後に向けた提言を詳説
第1章:製品/サービスのシェア動向
「導入率」「製品/サービスの導入社数シェア」「製品/サービスの導入年」「製品/サービスの導入背景といった設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、製品/サービスのシェア動向に関する分析を行っている。
第2章:運用形態と端末環境
導入済みの最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」「端末環境」「導入費用」といった設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、製品/サービスのシステム環境に関する分析を行っている。
第3章:現状の評価/課題と今後のニーズ
導入済みの最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべき機能や特徴」を尋ねた設問項目の集計結果から重要ポイントをピックアップし、今後どのような機能を充実させていくべきか?などに関する分析と提言を行っている。 【レポート案内(設問項目、試読版など)】
リンク
【価格】 180,000円(税別)
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