メルクが基礎的ゲノム編集技術でオーストラリアのCRISPRニッカーゼ特許を取得

メルク(Merck) 2018年08月16日 09時28分
From 共同通信PRワイヤー

メルクが基礎的ゲノム編集技術でオーストラリアのCRISPRニッカーゼ特許を取得

AsiaNet 74772 (1415)

【ダルムシュタット(ドイツ)2018年8月15日PR Newswire=共同通信JBN】
*特許は、オフターゲット作用を低減させ、遺伝子治療・研究を前進させるためのペアCas9ニッカーゼ技術を網羅

*遺伝子治療患者の遺伝子欠損を修復するために必要な、同社の基礎的なCRISPR切断・インテグレーションの知的財産権(IP)が拡大

*メルクがCRISPR関連特許を利害関係者に使用許可へ

活気に満ちた科学・技術企業であるメルク(Merck)(リンク )は15日、オーストラリア特許庁がペアCRISPRニッカーゼ使用に対する同社の特許出願を許可したと発表した。ペアニッカーゼは、オフターゲット作用を低減するための非常に柔軟かつ効率的なアプローチを通して特異性を高めることで、安全性を向上させる重要な一歩となる。これはCRISPRの欠損遺伝子修復能力を向上させる一方、健康な遺伝子には影響を与えない。

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メルクのウディット・バトラ取締役兼ライフサイエンス事業部門最高経営責任者(CEO)は「われわれはCRISPR技術の進化で近年、驚異的な躍進を遂げたが、これは科学研究において極めて重要な時期である。メルクのペアニッカーゼCRISPR技術は、治療困難な疾患の治療法を開発する際、非常に正確な方法を必要とする研究者にとって重要である。今回新たに特許が認められたことで、CRISPRが可能にする治療法の安全性が大幅に向上する」と述べた。

許可された特許出願は、ペアCRISPRニッカーゼが共通の遺伝子目標を標的とし、共同で染色体配列の反対の鎖をニッキングまたは切断することで二本鎖切断を産生する、基礎的なCRISPR戦略を網羅している。このプロセスには、メルクの特許取得済みCRISPRインテグレーション技術と同じ方法で挿入するための外因性またはドナー配列を、任意に含めることができる。2つのCRISPR結合事象の必要条件は、ゲノムの他の場所でのオフターゲット切断の機会を大幅に減少させる。

オーストラリア特許庁は、ペアニッカーゼの特許出願を認めただけでなく、最近、4つの独立した、匿名による異議申し立ての取り下げを受け、メルクの2017 CRISPRインテグレーション特許の正式な許可を発表した。

メルクのCRISPRインテグレーション特許ポートフォリオには、オーストラリア、カナダ、中国、欧州、イスラエル、シンガポール、韓国の特許が含まれている。これらのCRISPR特許は、望ましいゲノム変更を行うための、染色体組み込み、あるいは真核性細胞の配列の切断と合成外因性DNA配列の挿入を対象としている。

ペアCRISPRニッカーゼ法は、CRISPRインテグレーションを含むメルクのCRISPR特許ポートフォリオの他の技術を基礎にしている。商業組織は、遺伝子治療患者の体細胞の遺伝子欠損を修復しようとする際、CRISPRに基づくDNA挿入のためメルクの知的財産権が必要になる。メルクは、この特許ポートフォリオのあらゆる分野での使用に許可を与えていく。

ゲノム編集のイノベーションに過去14年間携わってきた企業として、メルクは、ゲノム編集が生物学的研究や医学に大きな進歩をもたらしたことを認識している。同時に、ゲノム編集技術の潜在的可能性の高まりは、科学的、法的、社会的な懸念を生み出している。ゲノム編集技術のユーザー、サプライヤーの両方の立場で、メルクは倫理的、法的基準を慎重に考慮してゲノム編集の研究をサポートしている。メルクは、ゲノム編集に関する、あるいはゲノム編集を利用した研究を含む、同社の事業が関与する研究の指針づくりのため、Bioethics Advisory Panel(生命倫理諮問委員会)(リンク )を設立。研究および応用分野で使用できる有望な治療アプローチ情報を提供する際、科学的、社会的問題を考慮した上で、経営上の立場を明確にしている(リンク )。

メルクは、全世界にゲノム編集用のカスタム生体分子(TargeTron(TM)RNA誘導グループIIイントロンおよびCompoZr(TM)ジンクフィンガーヌクレアーゼ)を提供し、世界中の研究者によるこれら技術の採用を推進した初の企業だった。メルクは、ヒトゲノム全体をカバーする配列CRISPRライブラリーを作成した初の企業でもあり、科学者の根本原因についてのさらなる疑問探求を可能にすることで病気の治癒を加速している。

基本的なゲノム編集研究に加えて、メルクは遺伝子および細胞ベースの治療法の開発を支援し、ウイルスベクターを製造している。メルクは2016年、ゲノム編集から遺伝子医薬品製造までカバーする新たな形式の研究を進めるためのゲノム編集イニシアチブを立ち上げ、専任のチームとリソースの強化を通じて、この分野への同社のコミットメントをさらに強固なものにした。

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▽メルクについて
メルク(Merck)は、医療、ライフサイエンス、高機能素材分野の大手科学・技術企業である。約5万3000人の従業員が、がんや多発性硬化症治療用のバイオ医薬品、科学的研究・生産のための最先端システムから、スマートフォンや液晶テレビ向け液晶まで、生活を改善、向上させる技術のさらなる開発に努めている。メルクは2017年、66カ国で153億ユーロの売上高を達成した。

メルクは1668年創業の世界最古の製薬・化学薬品企業である。創業家が今も、上場企業グループの株式の過半数を所有している。メルクは、「メルク」の名称とブランドに対する世界的な権利を保有している。唯一の例外は米国とカナダで、同社は両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ(MilliporeSigma)、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っている。

ソース:Merck

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Gangolf Schrimpf
+49 6151 72 9591

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