2018年中堅・中小企業におけるIT活用の注目ポイント その2:業務アプリケーション編

ノークリサーチは2018年の中堅・中小企業におけるIT活用の注目ポイントのうち、業務アプリケーションに関連するトピックをまとめた調査結果と今後の見解を発表した。

<2018年はベンダ各社による「製品リニューアル」や「クラウド採用」の成果が試される>
■導入社数シェアが変動する時には常に「ユーザ企業が抱える課題やニーズの変化」がある
■製品刷新が相次ぐERPでは、課題/不満を解消する機能ニーズの把握が今後を左右する
■グループウェアやCRMでは「課題を解決する手法の選択」がクラウド移行の進展を決める
■BI・帳票の導入率の向上には「DWH不要な環境」と「インターネット上のデータ活用」が有効

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2018年1月10日

2018年 中堅・中小企業におけるIT活用の注目ポイント その2:業務アプリケーション編

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2018年の中堅・中小企業におけるIT活用の注目ポイントのうち、業務アプリケーションに関連するトピックをまとめた調査結果と今後の見解を発表した。


<2018年はベンダ各社による「製品リニューアル」や「クラウド採用」の成果が試される>
■導入社数シェアが変動する時には常に「ユーザ企業が抱える課題やニーズの変化」がある
■製品刷新が相次ぐERPでは、課題/不満を解消する機能ニーズの把握が今後を左右する
■グループウェアやCRMでは「課題を解決する手法の選択」がクラウド移行の進展を決める
■BI・帳票の導入率の向上には「DWH不要な環境」と「インターネット上のデータ活用」が有効


■導入社数シェアが変動する時には常に「ユーザ企業が抱える課題やニーズの変化」がある
中堅・中小企業における業務アプリケーション動向は「導入社数シェア」に注目が集まりやすい。だが、導入社数シェアが変動する背後には常にユーザ企業が抱える課題やニーズの変化がある。2017年は「主要ベンダによる製品リニューアル」や「クラウド移行も含めた運用形態の変化」といった動きが見られ、2018年はベンダ間のシェア競争も激しくなると予想される。その際にはこれまで以上に「ユーザ企業が抱える課題やニーズの変化」を的確に捉え、製品/サービスへの反映を迅速に行っていくことが重要となる。下図は上記に述べた点を踏まえて 「2018年の業務アプリケーションにおける注目ポイント」を整理したものだ。次頁以降では下図に示したそれぞれのポイントについて詳しく述べていく。


■製品刷新が相次ぐERPでは、課題/不満を解消する機能ニーズの把握が今後を左右する
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して「導入済みERPの運用形態」を尋ねた結果を2016年と2017年で比較したものだ。「独自開発システム」の割合が下がる一方で、「パッケージ」および「ASP/SaaS」の占める割合が高まっていることがわかる。また、「パッケージ」の中では依然として「社内設置」が最も多くを占めるものの、「データセンタ設置」や「IaaS/ホスティング利用」の割合も徐々に高くなっており、運用形態が多様化しつつある状況が確認できる。
いずれのERPベンダも現段階では既存顧客のバージョンアップが主体となっているが、それらが一巡した後は新規のERP導入提案や他社からの移行提案が活発になっていくと予想される。
このように2018年のERP市場は「運用形態の多様化」や「主要ベンダの製品リニューアル」によって、シェア変動が起きやすくなる。こうした状況下では、 『ユーザ企業が潜在的に抱えている課題や不満を解消すること 』 が重要となる。以下のグラフはERP導入済みの中堅・中小企業に「現在の製品を導入した背景」を尋ねた結果のうち、否定的な項目を抜粋したものだ。
「機能がニーズに合致していないが、継続利用している」や「価格がニーズに合致していないが、継続利用している」など、何らかの不満を抱えながら利用を続けているユーザ企業が少なくないことが確認できる。こうしたユーザ企業は運用形態の多様化や製品リニューアルに伴ってベンダを変更する可能性がある。したがって、ERPを開発/販売するベンダや販社/SIerにとっては「ユーザ企業がどのような課題/不満を抱えており、それらを解消する機能として何が求められているか」を的確に把握することが重要となる。ノークリサーチとしても、2018年にはこうした取り組みを支援するための様々な調査/分析を実施していく。


■グループウェアやCRMでは「課題を解決する手法の選択」がクラウド移行の進展を決める
中堅・中小企業の業務アプリケーションにおける変化はERPを含めた「基幹系」だけでなく、グループウェアなどの「情報系」やCRMなどの「顧客管理系」においても起きつつある。以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、導入済みのグループウェアおよびCRMの運用形態を尋ねた結果を2016年と2017年で比較したものだ。
グループウェアは以前から「ASP/SaaS利用」の割合が高く、現時点では3割超にも達する。
ただし、「パッケージ(社内設置)」にも若干の増加が見られる点に留意しておく必要がある。
一方、CRMではWebサイト/メール/SNSなどを自動的に連携させて顧客との関係性を深める「MA (マーケティングオートメーション)」 への注目が集まりつつある。MAでは外部サービスとの連携も重要となるため、MAの認知や導入が進むにつれて、「ASP/SaaS利用」の割合がさらに高まっていく可能性がある。
上記に述べた運用形態の変化を考える際は、「ユーザ企業が抱える課題」との関連を理解しておくことも大切だ。以下のグラフはグループウェアおよびCRMを導入済みのユーザ企業に対して、それぞれの課題を尋ねた結果の一部を抜粋したものだ。
(本リリースの元となる調査レポートでは20項目以上に渡る課題について、年商別/業種別などで集計したデータが含まれる) グループウェアでは「働き方改革」に関連した提案も多い。だが 実際は左記グラフのように「独自アプリケーション作成」や「ワークフロー連携」を課題として挙げる割合の方が高い。
こうした課題の解決手段がクラウドを主体としたものになるか?(PaaS連携など)、または「IBM Notes/Domino」の独自データベースに見られたようなグループウェア自体の機能を強化する方向に進むか?が今後の運用形態を大きく左右していくと考えられる。
CRMでは外資系ベンダが「ASP/SaaS利用」によって攻勢を強めている。そこへMAの要素が加わることで、クラウドへの移行がさらに進むと予想される。だが、グラフが示すように既存の業務システムとの連携も無視できない課題となっている。CRMを開発/販売するベンダや販社/SIerとしては「MAの要素を取り入れつつ既存システム連携をどのように実現するか?」が今後の重要な取り組みとなってくる。
このように、「運用形態の変化(クラウド移行の進展状況)」と「ユーザ企業が抱える課題とその解決策」との関係性を見極めることもノークリサーチが2018年の調査/分析において重点を置いているテーマである。


■BI・帳票の導入率の向上には「DWH不要な環境」と「インターネット上のデータ活用」が有効
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、「BI・帳票の導入状況」および「導入済みBI・帳票の運用形態」を尋ねた結果を2016年と2017年で比較したものだ。左下のグラフが示すように、BI・帳票は他の業務アプリケーションと比べて導入率がまだ低い。しかし右下のグラフを見ると、独自開発システムからパッケージへの移行は進んでいることがわかる。BI・帳票の製品/サービスを開発/販売するベンダや販社/SIerにとっては「ユーザ企業にとって役立つ機能を備えた製品/サービスの提供」への取り組みを続けていくことが重要となってくる。 以下のグラフはBI・帳票を既に導入している年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、「評価/満足している機能や特徴」を尋ねた結果の一部を2016年と2017年で比較したものだ。2016年と比較してて2017年の回答割合が大幅に高くなっている項目があれば、それらを製品/サービスに取り入れる必要性が高いということになる。 上記のグラフでは「データウェアハウスを構築せずに集計/分析を行える」および「インターネット上のデータを集計/分析の対象にできる」の2つの項目の回答割合が2016年から2017年にかけて大幅に高くなっている。そのため、BI・帳票パッケージの機能を改善/強化する際には、これら2つの項目の優先度が高くなってくる。
ここではBI・帳票における機能ニーズに関する分析結果の一部を紹介したが、中堅・中小企業における導入率がまだ低い分野では機能面を充実させていくことが特に重要な取り組みとなってくる。
本リリースの元となる調査レポート(詳細は次頁参照)では、ERP/生産管理/会計管理/販売・仕入・在庫管理/給与・人事・勤怠・就業管理/ワークフロー/グループウェア/CRM/BI・帳票/文書管理・オンラインストレージサービスの10分野における機能ニーズの詳しい集計/分析が網羅されている。


本リリース内で引用した調査レポートや関連する調査リリース

『2017年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
ユーザ企業1300社、全10分野に渡る業務アプリケーションの社数シェアとユーザ評価を集計/分析
【サンプル/ダイジェスト】
「ERP訴求では「潜在的な不満」の把握が不可欠」 リンク
「生産管理は富士通とOSK(大塚商会)が同率首位」 リンク
「会計管理は「機能で解決できない課題」が焦点」 リンク
「販売管理は「売上分析&クラウド」+αが必要」 リンク
「人材の有効活用が人事給与の新たな役割」 リンク
「クラウドがもたらすワークフローの新たな役割」 リンク
「グループウェアのシェア首位争いは2強体制へ」 リンク
「CRMは「MA」の要素も含めた進化がカギ」 リンク
「BI・帳票は汎用ツールとの差別化機能が必要」 リンク
「主要な文書管理基盤に求められる機能とは?」 リンク
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、試読版など)】 リンク 【価格】180,000円(税別)

【その他、ご好評いただいている調査レポート】
『2017年版中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート』
中堅・中小企業がIT活用の成否を委ねるプライム販社/SIerを選択する際に重視する評価ポイントとは何か?
【サンプル/ダイジェスト】
「販社/SIerの社数シェアと導入効果の関連」 リンク
「中堅・中小企業が導入するIT商材の変化」 リンク
「販社/SIerが実践すべき必須16項目とは?」 リンク
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、試読版など)】 リンク
【価格】180,000円(税別)
『「ひとり情シス」の類型と分布に関する調査(Quarterly Report2017年春版) 』
【サンプル/ダイジェストおよびレポート案内】 リンク
【価格】125,000円(税別)

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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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