2017年中堅・中小企業における「CRM」の導入社数シェアと現状の課題

ノークリサーチは2017年の国内中堅・中小市場におけるCRMの導入社数シェアおよび現状の課題に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<マーケティングオートメーションの要素も加味したクラウド主体の進化が今後のカギ>
■僅差でシェアを争う状況から、セールスフォースと日本マイクロソフトがやや抜け出る展開
■運用形態に占める「ASP/SaaS利用」の割合は16.7%(2016年)から32.4%(2017年)に大幅増
■優先すべき課題は「Webページ最適化」より「メールマーケティング」と「既存システム連携」

PRESSRELEASE(報道関係者各位)2017年10月4日

2017年中堅・中小企業における「CRM」の導入社数シェアと現状の課題

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2017年の国内中堅・中小市場におけるCRMの導入社数シェアおよび現状の課題に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「CRM」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。
本リリースの内容は以下のURLにも掲載されております。
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<マーケティングオートメーションの要素も加味したクラウド主体の進化が今後のカギ>
■僅差でシェアを争う状況から、セールスフォースと日本マイクロソフトがやや抜け出る展開
■運用形態に占める「ASP/SaaS利用」の割合は16.7%(2016年)から32.4%(2017年)に大幅増
■優先すべき課題は「Webページ最適化」より「メールマーケティング」と「既存システム連携」


対象企業:日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責:以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期:2017年7月~8月
有効回答件数:1300社(有効回答件数)※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■僅差でシェアを争う状況から、セールスフォースと日本マイクロソフトがやや抜け出る展開
以下のグラフは導入済みの主要な「CRM」製品/サービス(複数回答可)を尋ねた結果を年商500億円未満全体で集計したものだ。(本リリースの元となる調査レポートでは年商別、業種別、地域別などの様々な集計データが含まれる)
CRMは以前から多数の製品/サービスが僅差で導入社数シェア順位を争う状況が続いてきた。しかし、2017年はこの状況に変化が生じ、「SalesforceSales/Service/MarketingCloud」と「MicrosoftDynamicsCRM/365」の2つの製品/サービスが2割超の導入社数シェアで他の製品/サービスとやや差をつける状況となっている。いずれも外資系ベンダであり、ASP/SaaS形態に注力しているという点で共通している。
また、2017年の調査レポートでは「営業支援(SFA)」を起源とする製品/サービスだけでなく、「マーケティングオートメーション(MA)」を主体とした製品/サービスも選択肢に加えている。(具体的な製品/サービスの一覧は本リリース末尾を参照)上記の導入社数シェア順位で10位に位置している「カスタマーリングス」はそうした具体例の1つだ。マーケティングオートメーションの導入割合は現時点ではまだ少ないが、eコマースの重要性などが更に高まるにつれて中堅・中小市場においても注視しておくべき動きになっていくと予想される。


■運用形態に占める「ASP/SaaS利用」の割合は16.7%(2016年)から32.4%(2017年)に大幅増
本リリースの元となる調査レポートでは冒頭で触れた導入社数シェアだけでなく、製品/サービスの運用形態についても詳しい集計/分析を行っている。「運用形態」の選択肢は以下のように「パッケージか、独自開発か?」「オンプレミスかクラウドか?」といった複数の観点を網羅している。
【パッケージ】
パッケージ(社内設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、社内に設置して利用する
パッケージ(データセンタ設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、データセンタに預けて運用する
パッケージ(IaaS/ホスティング利用):
ハードウェア/OSのいずれも自社では購入せず、IaaS/ホスティングを基盤としてミドルウェアやパッケージを購入/導入して利用する
【独自開発システム】
独自開発システム(社内設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェアを自社で購入し、自社向けに独自開発されたシステムを社内に設置して利用する
独自開発システム(データセンタ設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェアを自社で購入し、自社向けに独自開発されたシステムをデータセンタに預けて運用する
独自開発システム(IaaS/ホスティング利用):
ハードウェア/OSのいずれも自社では購入せず、IaaS/ホスティングを基盤として自社向けに独自開発されたシステムを利用する
独自開発システム(PaaS利用):
ハードウェア/OS/ミドルウェアのいずれも自社では購入せず、PaaSを基盤として自社向けに独自開発されたシステムを利用する
【ASP/SaaS】
ASP/SaaS利用:
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージのいずれも自社では購入せず、ASP/SaaS形態のサービスを利用する
以下のグラフは導入済みの最も主要な「CRM」製品/サービスの運用形態を尋ねた結果を年商500億円未満全体で集計し、2016年と2017年で比較したものだ。
2016年と2017年を比較すると、「独自開発システム」に該当する項目の回答割合はいずれも低くなる一方、「パッケージ(社内設置)」と「ASP/SaaS利用」に該当する項目の回答割合が高くなっている。特に「ASP/SaaS利用」については回答割合が前回の調査と比べて2倍近く伸びており、大幅に増加していることがわかる。この結果は「SalesforceSales/Service/MarketingCloud」や「MicrosoftDynamicsCRM/365」といったASP/SaaS形態に注力する製品/サービスの導入社数シェアが伸びている状況と符合する。マーケティングオートメーションにおいてもASP/SaaS形態のサービスやソリューションが多く見られるため、今後は中堅・中小企業のCRM市場においてもASP/SaaS形態の普及が加速していく可能性がある。


■優先すべき課題は「Webページ最適化」より「メールマーケティング」と「既存システム連携」
本リリースの元となる調査レポートでは「CRM」に関して「現状で抱えている課題」や「今後持つべき機能や特徴」などを尋ね、その結果を年商別や製品/サービス別に詳しく分析している。例えば「現状で抱えている課題」に関する選択肢は以下の通りである。
【機能に関連する項目】
・Webサイトのアクセス分析やページ最適化ができない
・メールによる顧客の開拓やニーズ分析ができない
・SNSによる顧客の開拓やニーズ分析ができない
・店舗とオンラインを横断した顧客管理ができない
・人工知能や機械学習による分析ができない
・eコマースサイトを自社で開設できない
・他のeコマースサイトと連携できない
【システム連携に関連する項目】
・既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できない
・既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できない
【個別の機能要件への対応力】
・プログラミングしないと項目や画面を作成できない
・プログラミングしないとデータ連携を実現できない
・公開されたテンプレートが十分に提供されていない
【クラウドに関連する項目】
・パッケージとクラウドを選択/併用できない
・クラウドサービスと連携することができない
【クライアント環境に関連する項目】
・スマートデバイスに適した画面が備わっていない
・Webブラウザでは限られた機能しか利用できない
【その他】
・導入や保守サポートの費用が高価である
・バージョンアップの費用が高価である
以下のグラフは上記に列挙した「現状で抱えている課題」から幾つかの項目を抜粋してプロットしたものだ。(以下に抜粋した項目の回答割合が全項目の中で最も高いわけではない点に注意)(調査レポートには全ての評価項目に関する集計結果が含まれる)
「Webサイト(特にランディングページ)の最適化」(※1)と「メールマーケティングの強化」(※2)を比較した場合には後者の方が多くの課題を抱えている(改善ニーズが高い)ことがわかる。また、こうした取り組みを収益増に確実に結び付けるためには「既存システムとの連携」(※3)も不可欠であることがわかる。これらの項目と比べて、「導入やバージョンアップの費用負担」を課題として挙げる割合はやや低い。そのため、ユーザ企業としては相応の費用をかけても「メールマーケティングの強化」や「既存システムとの連携」を進めたいと考えていることがわかる。ここで例示したものは「現状で抱えている課題」のごく一部であり、CRM導入を訴求していくためには上記に列挙した様々な課題を視野に入れておくことが重要となる。
本リリースの元となる調査レポートでは「現状で抱えている課題」だけでなく、「今後持つべき機能や特徴」についても18項目に渡る選択肢を列挙して詳しい集計と分析を行っている。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査においては、CRMを「営業支援システム(SFA)やマーケティングオートメーション(MA)も含めた顧客情報管理や顧客とのコミュニケーションを担うアプリケーション」と定義している。以下の選択肢は過去の調査結果に基づいて、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
【営業支援システム(SFA)を中心としたもの】
OracleCRM:日本オラクル
OracleServiceCloud(RightNow):日本オラクル
SAPCRM:SAPジャパン
eMplex:エンプレックス
inspirX:バーチャレクス・コンサルティング
SalesforceSales/Service/MarketingCloud:セールスフォース・ドットコム
MicrosoftDynamicsCRM/365:日本マイクロソフト
eセールスマネージャー:ソフトブレーン
SMILEシリーズ:OSK(大塚商会)
BizMagic:カイエンシステム
戦略箱ADVANCED:インフォファーム
desknet’sCAMS/SSS:ネオジャパン
SalesForceAssistantシリーズ(顧客創造など):NIコンサルティング
やよいの顧客管理:弥生
顧客大臣NX/NXERP:応研
GRIDYSFA/ナレッジスイート:ナレッジスイート
【マーケティングオートメーション(MA)を中心としたもの】
SHANONMARKETINGPLATFORM:シャノン
Marketo:マルケト
b→dash:フロムスクラッチ
Dr.Marketing:アイアンドディー
Sansan/Eight:Sansan
カスタマーリングス:プラスアルファ・コンサルティング
メールワイズ:サイボウズ
ApproachDAM:NIコンサルティング
SATORI:SATORI
SPIRAL:パイプドビッツ
CloudCMO:イノーバ
Pardot:セールスフォース・ドットコム
MAJIN:ジーニー
【その他】
グループウェアの一機能として利用
ERPの一機能として利用
PaaSを基盤として独自に構築
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(完全なスクラッチ開発)

本リリースの元となっている「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
〒120-0034東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL03-5244-6691FAX03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
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