2017年中堅・中小企業における「ワークフロー」の導入社数シェアと今後のニーズ

ノークリサーチは2017年の国内中堅・中小市場におけるワークフローの導入社数シェアや今後のニーズに関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<クラウド普及に伴う「ワークフローに求められる新たな役割」を見据えておくことが大切>
■導入社数シェア上位5つの製品/サービスは同じ顔ぶれだが、順位には変動が生じている
■「設定した条件に従って複数のクラウドサービスを連携させる」という新たな役割に要注目
■「既存システムとの連携」は中小企業層にとっても「費用を抑えたい」を上回るニーズ項目

PRESSRELEASE(報道関係者各位)2017年10月2日

2017年中堅・中小企業における「ワークフロー」の導入社数シェアと今後のニーズ

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2017年の国内中堅・中小市場におけるワークフローの導入社数シェアや今後のニーズに関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「ワークフロー」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。
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<クラウド普及に伴う「ワークフローに求められる新たな役割」を見据えておくことが大切>
■導入社数シェア上位5つの製品/サービスは同じ顔ぶれだが、順位には変動が生じている
■「設定した条件に従って複数のクラウドサービスを連携させる」という新たな役割に要注目
■「既存システムとの連携」は中小企業層にとっても「費用を抑えたい」を上回るニーズ項目


対象企業:日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責:以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期:2017年7月~8月
有効回答件数:1300社(有効回答件数)※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■導入社数シェア上位5つの製品/サービスは同じ顔ぶれだが、順位には変動が生じている
以下のグラフは導入済みの「ワークフロー」製品/サービス(複数回答可)を尋ねた結果を年商500億円未満全体で集計し、導入社数シェア上位5つの製品/サービスを前回調査(2016年)と今回調査(2017年)で比較したものだ。(本リリースの元となる調査レポートでは2017年の結果を年商別、業種別、地域別などの様々な集計データが含まれる)
2016年と2017年で導入社数シェア上位5つの製品/サービスの顔ぶれは2016年と同じだが、「FlowLites,EXPLANNER/FL」がシェア首位を堅持する一方で、「X-Point, Agile Works」がシェア順位を5位から2位に上げるなどの変動が見られる。
本リリースの元となる調査レポートでは年商別の導入社数シェアや導入年の状況などを元に上記に述べた導入社数シェアの変動などに関する詳しい分析を行っている。


■「設定した条件に従って複数のクラウドサービスを連携させる」という新たな役割に要注目
以下のグラフは導入済みの最も主要な「ワークフロー」製品/サービスの運用形態を尋ねた結果を年商500億円未満全体で集計し、2016年と2017年で比較したものだ。
2016年と2017年を比較すると、「独自開発システム」に該当する項目の回答割合はいずれも低くなる一方、「パッケージ」に該当する項目が高くなっている。システムを社外に設置する形態では「パッケージ(IaaS/ホスティング)」の回答割合は若干低くなっているが、「パッケージ(データセンタ設置)」は高くなっており、「ASP/SaaS利用」についても若干高くなっている。
さらに、以下のグラフは導入済みの最も主要な「ワークフロー」製品/サービスの端末環境を尋ねた結果を年商500億円未満全体で集計し、2016年と2017年で比較したものだ。「社外利用&企業所有」に該当する項目の回答割合が高くなっている。
運用形態における「ASP/SaaS利用」や端末環境における「社外利用」の増加が今後のワークフローにもたらす変化についても目を向けておくことが大切だ。昨今ではグループウェアや文書管理における「ASP/SaaS利用」が急速に普及してきている。それを受けて、ワークフローにも「設定した条件に従って複数のクラウドサービスを連携させる」といった新たな役割が生じつつある。「IFTTT」や「Microsoft Flow」などはそうした具体例の1つだ。2017年には「IFTTT」によるサービス間連携に機械学習の要素を加えた「MateVerse」やAppleが買収した「Workflow」(iPhone上で様々なサービスとの自動連係を実現するアプリケーション)といった動きも見られる。いずれも現段階では国内の中堅・中小企業において「ワークフロー」として広く認知されているわけではないが、こうした「ワークフローの新たな役割」についても今後の動向を注視しておくことが重要と考えられる。


■「既存システムとの連携」は中小企業層にとっても「費用を抑えたい」を上回るニーズ項目
本リリースの元となる調査レポートでは「ワークフロー」に関して「評価/満足している機能や特徴」「現状で抱えている課題」「今後持つべき機能や特徴」を尋ね、その結果を年商別や製品/サービス別に詳しく分析している。例えば、「今後持つべき機能や特徴」を尋ねた設問の選択肢は以下の通りである。
【システム連携に関連する項目】
・既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できる
・既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できる
【申請/承認の処理に関連する項目】
・複雑な申請/承認の経路にも対応することができる
・申請/承認の経路や画面を部品化して再利用できる
・申請/承認のマスタデータを他システムから取得できる
・申請/承認の書式において紙面と同じものを再現できる
・決裁状況を視覚的にわかりやすく把握することができる
・承認処理中に人事異動があっても柔軟に対応できる
【業務の効率化に関連する項目】
・システム間のデータ転記作業を自動化できる
・複数システムを連結して処理を自動化できる
・データから処理内容を自動で判断できる
・紙面データの入力作業を自動化できる
【個別の機能要件への対応力】
・プログラミングをせずに項目や画面を作成できる
・プログラミングをせずにデータ連携を実現できる
・公開されたテンプレートを取捨選択できる
【クラウドに関連する項目】
・パッケージとクラウドを選択/併用できる
・様々なクラウドサービスと連携できる
【クライアント環境に関連する項目】
・スマートデバイスに適した画面が用意されている
・Webブラウザで大半の機能が利用できる
【その他】
・導入や保守サポートの費用が安価である
・バージョンアップの費用が安価である
・バージョンアップが適切に継続している
以下のグラフは上記に列挙した今後のニーズ項目のうち、「システム連携に関連する項目」と「その他」の中の費用に関連する項目の回答結果をプロットしたものだ。(以下に抜粋した項目の回答割合が全項目の中で最も高いわけではない点に注意)(調査レポートには全ての評価項目に関する集計結果が含まれる)
「既存システムとの連携」に関するニーズは「導入やバージョンアップの費用を抑えたい」というニーズよりも高いことがわかる。
さらに以下のグラフは上記の結果を年商5億円以上~50億円未満の中小企業層に限定して集計したものだ。年商50億円以上~500億円未満の中堅企業層だけでなく、中小企業層にとっても「既存システムとの連携」が「費用を抑えたい」というニーズと比較しても重要な取り組みとなっていることが確認できる。ここでは詳細を割愛しているが、調査レポートでは上記に列挙したその他のニーズ項目に関する集計/分析を通じて、ワークフローを開発/販売するベンダが今後訴求すべき機能に関する提言を行っている。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査においては、ワークフローを「業務における申請/承認の管理/設定や実行を担うアプリケーション」と定義している。アンケート回答者はワークフローを含む10種類のアプリケーションカテゴリから導入済みのものを選び、選ばれたカテゴリの中から導入済みの製品/サービス名称を選択する。
ワークフローの製品/サービスはERPを構成するラインアップの1つやグループウェアの1機能として提供されているものと、単体のアプリケーションとして提供されているものがある。個々の製品/サービスがどちらに該当するかの認識は開発元/販売元とユーザ企業の間で必ずしも一致しない。そのため仮に製品/サービスは同じであっても、それを「ERPやグループウェアの一部」と見なしているか、「個別のアプリケーション」と見なしているのかによって本調査における回答状況は変わってくる。本調査においてはこういった違いそのものも「中堅・中小企業におけるワークフローの活用実態」を反映する重要な傾向と捉え、回答企業の認識をそのまま結果に反映している。
ワークフローの製品/サービスとしてのシェアや評価はワークフローに関する「分析サマリ」の中で全て網羅されているが、「自社の製品/サービスは単体のワークフローとしてだけでなく、ERPまたはグループウェアの一部も構成しているという場合はERPやグループウェアに関する「分析サマリ」も併せて参照することで、更に有用な情報を得られる可能性がある。(調査レポートには全てのカテゴリに関する「分析サマリ」が同梱されている)
また、以下の選択肢は過去の調査結果に基づいて、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。

FlowLites, EXPLANNER/FL:NEC
CNAP Workflow Pro:コムチュア
intra-martワークフロー:NTTデータイントラマート
X-Point, Agile Works:エイトレッド
パソコン決裁DocGear:シヤチハタ
Web Plant:キヤノンソフトウェア
Business Workflow:新日本コンピュータマネジメント
eValueNS/Advance-Flow:OSK(大塚商会)
楽々WorkflowII:住友電工情報システム
ExchangeUSEワークフロー:富士電機
Cosminexus電子フォームワークフロー:日立製作所
Hi-PerBTワークフロー:日立ソリューションズ西日本
快速フロー:日立システムズ
StampLess:リコー
OpenCubeシリーズ:NTTデータ(OpenCubeDATA LLP)
GreenOfficeWorkflow:京セラコミュニケーションシステム
GLOVIA smart ワークフロー(Interstageも含む):富士通
MajorFlow, 総二郎:パナソニックネットソリューションズ
Create!Webフロー:インフォテック
MELDandy:三菱電機情報ネットワーク
GlobalFlow:パナソニックソリューションテクノロジー
コラボフロー:コラボスタイル
ワークフローEX:ナルボ
グループウェアの一機能として利用
ERPの一機能として利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(完全なスクラッチ開発)

本リリースの元となっている「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
〒120-0034東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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