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バイオ医薬品の血中安定性を向上させる副作用の少ない技術を開発 -- 東京工科大学大学院バイオニクス専攻

東京工科大学 2017年08月22日 08時05分 [ 東京工科大学のプレスリリース一覧 ]
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東京工科大学(東京都八王子市片倉町、軽部征夫学長)大学院バイオニクス専攻の佐藤淳教授、志賀有貴博士課程学生らの研究グループは、バイオ医薬品の血中安定性を向上させ、かつ副作用のリスクが少ないIgG Fc(CH2-CH3)(注1)融合技術を開発した。同グループでは、この技術をヒトラクトフェリンに応用し、肝炎や敗血症の治療薬の開発を目指しているほか、幅広いバイオ医薬品への応用が期待される。
本研究は、国立医薬品食品衛生研究所、産業技術総合研究所、鳥取大学農学部、(株)NRLファーマとの共同研究によるもので、2017年8月1日に米科学誌「Molecular Pharmaceutics」に掲載された。


【背景】
 IgG Fc融合は、バイオ医薬品と抗体の一部であるIgGのFc領域を融合させる技術で、血中安定性を向上させることを目的としている。しかし従来の技術は、抗体の一部に「ヒンジ領域」を含むFc領域を有することから、免疫エフェクター機能を介した細胞傷害性(注2)による副作用の可能性が危惧されている。本研究では、免疫エフェクター機能を示さない「ヒンジ欠失型」CH2-CH3融合技術の開発に取り組んだ。また、この融合技術を用いて、自然免疫で機能するヒトラクトフェリンとの融合タンパク質(hLF-Fc)を作製し(図1)、従来のIgG Fc融合技術を用いて作製した融合タンパク質とその活性と安定性を比較した。

【成果】
 研究では、ヒンジ領域のアミノ酸変異により、免疫エフェクター機能の低下が報告されていたことをヒントに、ヒンジ欠失型のCH2-CH3融合技術を開発。これを応用したhLF-Fcの作製に成功した。この融合タンパク質は、従来のIgG Fc融合技術を用いて作製したhLF-Fcと同等の活性を保持しており、血中での安定性が大幅に向上したことになる(図2)。また、従来型のhLF-Fcは免疫エフェクター機能を示したのに対し、ヒンジ欠失型hLF-Fcは示さなかった(図3)。

【社会的・学術的なポイント】
 この融合技術を用いることで、従来の問題点であった免疫エフェクター機能を介した細胞傷害性による副作用を示さない、高い安全性を有したバイオ医薬品の開発への応用が期待される。現在、バイオベンチャー企業の(株)NRLファーマと共同でヒンジ欠失型hLF-Fcの特許を取得(特許第5855239号)し、肝炎や敗血症の治療薬の開発を進めている。

【用語解説】
(注1)IgG Fc:IgGとは免疫で機能する分子であり、体内に侵入してきた外敵に結合して、排除する機能を持つ。Fcはその配列の一部であり、ヒンジ、CH2、CH3の各領域から構成される。本研究では、ヒンジ領域が欠失したCH2-CH3の融合技術を開発。

(注2)免疫エフェクター機能による細胞傷害性:細胞表面に結合したIgGのFcと、NK細胞や好中球、補体が結合することで引き起こされる細胞の除去機構。抗体制癌剤の癌細胞の除去機構で利用されている。

■東京工科大学応用生物学部 佐藤淳・中村研究室(生物創薬)
遺伝子組換え、生化学、細胞培養技術を基盤とした生物創薬に関する研究を行っている。
工学的な発想で、創薬という「モノ作り」を推進している。
[主な研究テーマ]
1. 自然免疫で機能する多機能性タンパク質であるラクトフェリンの機能解析(特に抗腫瘍作用)
2. 体内安定性を高めたラクトフェリンのバイオ医薬品としての開発
3. 疾患に関連する糖鎖を標的とするバイオ医薬品の開発
4. ファージディスプレイ法を用いた新規機能ペプチドの創製
5. 体外循環モジュールを用いる新しい治療法の開発

▼研究内容に関しての報道機関からのお問い合わせ先
 東京工科大学 応用生物学部 佐藤淳教授
 Tel: 042-637-2197(研究室直通)
 E-mail: atsato(at)stf.teu.ac.jp
 ※(at)は@に置きかえてください

【リリース発信元】 大学プレスセンター リンク

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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