SMMT:英国の自動車生産は記録的拡大から伸び悩み、日本はアジア第2の市場
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【ロンドン2017年7月27日PR Newswire=共同通信JBN】
*2017年上半期の英国自動車生産は前年同期比2.9%減の86万6656台に。生産ラインは新モデル車に向けて準備
*上半期の実績は2.9%減の86万6656台
*国際的需要が上半期の生産を後押し。英国生産乗用車の78.9%は輸出。需要は前年同期比0.9%減とほぼ安定
*独立系リポートは、英自動車業界は2020年に200万台生産の大台を達成できないと予測
*日本は引き続きアジアで2番目に大きい英国車の市場。1万2656人が英国車を購入したが、この数字は前年同期比13.9%の減少
英国の自動車製造販売協会(Society of Motor Manufacturers and Traders、SMMT)が27日発表したデータによると、2017年上半期の英国の自動車生産は2.9%減少し、生産ラインを出てきた完成車は86万6656万台だった。生産台数は小幅減少したが、上半期としては過去12年間で2番目の多さ。新型車の導入に向けて生産日程が上半期中に変更された(注1)。
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2017年は輸出向け生産が生産台数を押し上げ続けた。上半期に英国製乗用車への国際的な需要はわずか0.9%の減少で、68万3826台が輸出された。輸出向けに製造された乗用車の割合は78.9%で、過去5年間で最高だった(注2)。一方、国内市場の需要は9.5%減の18万2830台。英国の新車市場は長く記録的に拡大してきたが、予想通り伸び悩んでいる。
最新の独立系予測によると、2017年下半期の生産は活発化する見通し(注3)。この予測は年内に生産が計画されている新モデル車や新型車の数に基づくが、その多くが高級ブランド車。それにより、英国はドイツに続く世界第2の高級車生産国の地位を固めている(注4)。しかし、英国と一部主要輸出市場では弱さもあり、2017年予測が改定されることもあり得る。将来に目を向けると、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉の暫定合意を見込んだ基本シナリオは改定されており、2020年までに200万台生産という野心的目標をわずかに達成できず、199万3750台にとどまると分析されている。
今年上半期には国際的な需要が多くの市場で拡大した。EUに次ぐ英国の最大輸出地域の米国では特に、多くの新モデル車の販売開始のおかげで輸出が3分の1以上(37.6%)増えた。現在は英輸出車全体で購入者の6人に約1人が米国人である。
日本での英国車の販売は上半期に13.9%減少したが、アジアでは日本が中国に次いで2番目に大きな市場であることに変わりはない。2017年上半期には1万2000人以上の日本のバイヤーが英国車を選んだ。これは輸出全体の1.9%に当たる。
EUは引き続き英国にとって最大の貿易パートナーであり、輸出車全体の半分以上を占めている(54.6%)。ドイツとイタリアは英国にとって第2、第3の大きな市場である。実際にEU諸国は英国車の輸出先上位10カ国の半分を占め、自由貿易存続の重要性が分かる。
SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は「世界クラスのエンジニアリングと製品、政府との強い協力、多額の投資に助けられ、英国車はグローバルなサクセスストーリーになった。世界の自動車業界が緊密に統合されていることを考慮すると、世界中の消費者の利益のためには、われわれが顧客やサプライヤーとの開かれた貿易を維持することが極めて重要だ。日本は英国の重要な貿易パートナーであり続けており、最近のEUと日本の自由貿易協定合意の発表は、日英双方のわれわれの業界にとって歓迎すべきニュースである。ただブレグジット後の英国の利益には、英国がEUと日本の双方と貿易協定を結ぶことが必要で、ブレグジット交渉中に適切な貿易合意を得ることの重要性が浮き彫りになっている」と語った。
自動車生産 16年6月 17年6月 伸び% 16年累計 17年累計 伸び%
合計 158,641 136,901 -13.7% 892,384 866,656 -2.9%
国内 35,252 29,631 -15.9% 202,018 182,830 -9.5%
輸出 123,389 107,270 -13.1% 690,366 683,826 -0.9%
輸出% 77.8% 78.4% 77.4% 78.9%
▽編集者注
(注1)過去最高は2016年1-6月の89万7157台。2004年上半期は87万3660台。
(注2)2012年1-6月は英国生産車の82.7%が輸出された。
(注3)この生産見通しは、AutoAnalysisが委託した英国自動車製造の独立系予測。予測は市場や生産サイクルの変動に合わせて年4回改定される。5月に出た最新リポートは、2017年を192万台と予測している。
(注4)新モデル車と新型車に含まれるのはレンジローバー・ヴェラール(Range Rover Velar)、日産キャシュカイ(Nissan Qashqai、モデルチェンジ)、アストンマーティン・ヴァンテージ(Aston Martin Vantage)、ジャガーXFスポーツブレーク(Jaguar XF Sportbrake)、アストンマーティンV8ヴァンテージ(Aston Martin V8 Vantage)、ロータス・エヴォーラ400ロードスター(Lotus Evora 400 Roadster)
▽SMMTと英国自動車業界について
自動車製造販売協会(SMMT:Society of Motor Manufacturers and Traders)は英国で最大級の最も影響力のある事業者団体である。政府、ステイクホルダー、メディアと連携する立場を強め、英国内外で英自動車業界の利益を支援している。
自動車産業は英経済の基幹部分であり、775億ポンド以上の売上高と215億ポンドの付加価値を生んでいる。16万9000人が直接雇用されて製造に携わり、幅広い自動車業界で81万4000人が雇用されている。英国の商品輸出総額では12.0%を占め、自動車の研究開発に毎年27億5000万ポンド投資している。
英自動車についての詳しい情報はSMMTのMotor Industry Facts 2017をリンク で参照。
ソース:SMMT
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