シャイアー、血友病Aの遺伝子治療薬候補 「SHP654」の治験薬申請書をFDAに提出

シャイアー・ジャパン株式会社 2017年07月14日 15時30分
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本資料は、2017年7月6日(現地時間)にシャイアー社が発表した英語版プレスリリースを翻訳・編集し、配信するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。英文のプレスリリースは、以下のサイトからご覧下さい。 リンク

マサチューセッツ州、レキシントン – 2017年7月6日 –希少疾患の患者さんへの貢献に重点をおくバイオテクノロジーのリーディング・カンパニーであるShire plc(シャイアー社、LSE:SHP、NASDAQ:SHPG)は、SHP654の治験薬申請書を米国食品医薬品局(FDA)に提出したことを本日発表しました。SHP654はBAX888とも呼ばれ、血友病A治療のための、治験中である第VIII因子(FVIII)遺伝子治療です。SHP654は長期的に一定レベルの因子発現をもたらすことにより、血友病A患者さんを出血から保護することを目的としています(※1)。SHP654の治験薬申請は、血友病Aと血友病Bの両方の患者さんたちに有望であることを示したシャイアーの遺伝子治療プログラムにおける最新の進歩です。

「シャイアーは、血友病患者さんを対象とした遺伝子治療の研究を進めるため、血友病分野で何十年にもわたる科学的なリーダーシップを活用しています」とシャイアーの遺伝子治療部門のシニアメディカルディレクターであるポール・モナハンは述べています。「シャイアーは、自社の豊富な資産を利用し、現在の標準治療を進歩させて、この疾患の負担を最小限にすることを目指した、遺伝子治療の開発を持続的に支援する能力を十分に備えています。SHP654は、身体の自然なメカニズムに近い第VIII因子レベルを持続的に産生するように設計された、独自の技術プラットフォームを用いています。血友病の遺伝子治療に関する当社の目標は、安全性と有効性の基準を最大限に維持することです」

血友病Aを対象としたシャイアーの遺伝子治療プログラムでは、選択的に肝臓を標的とする組換えアデノ随伴ウイルスセロタイプ8(rAAV8)ベクターを使用しています(※1,2)。同プログラムでは、凝固因子に基づいた治療に頼らず、肝臓に第VIII因子の機能性コピーを運んで自ら第VIII因子を産生できるようにします(※1)。SHP654はrAAV8ベクターを用い、コドンが最適化されたBドメイン除去型第VIII因子(BDD-FVIII)遺伝子を患者さんの肝臓に特異的に運びます。第VIII因子は肝臓内で産生され、出血の管理に利用されます(※1)。肝臓特異的トランスサイレチン(TTR)プロモーター/エンハンサーを組み込むことで、患者さんの第VIII因子発現をさらにコントロールします(※1)。

SHP654の治験薬申請は、前臨床試験と第1相試験の結果に基づいて行われました。これらの試験では、この候補因子の潜在的有用性が以下のように裏付けられ、その結果は、2017年7月8日から13日にかけて、ベルリン(ドイツ)で開催される第26回国際血栓止血学会(ISTH)で発表されます。

・ SHP654の開発、血友病Aの治療に対する高効率AAV8を基盤とするBDD-FVIII遺伝子治療ベクター 
    ・セッション:血友病の遺伝子治療(臨床、口演発表#OC13.6)
    ・日時:7月10日、17:45~19:00(現地時間)
    ・場所:ホールB(※1)

・ 遺伝子組換え(r)FVIIIアデノ随伴ウイルス(AAV8)のマウスにおける組込み部位が示す優れたバイオセーフティプロファイル
    ・セッション:ポスターセッション(#PB1094)
    ・日時:7月11日、12:00~13:15(現地時間)
    ・場所:展示ホール 4.2(※3)

・ 血友病AマウスにおけるヒトFVIIIによる遺伝子治療用構成体の用量反応および長期的発現 
    ・セッション:ポスターセッション(#PB1101)
    ・日時:7月11日、12:00~13:15(現地時間)
    ・場所:展示ホール 4.2(※2)

・ マウスにおけるヒトFVIIIによる遺伝子治療用構成体の非臨床的安全性評価 
    ・セッション:ポスターセッション(#PB 1099)
    ・日時:7月11日、12:00~13:15(現地時間)
    ・場所:展示ホール 4.2(※4)

治験薬申請は、ヒトへの治験薬投与についてのFDAに対する認可の要請です(※5)。FDAによってSHP654の治験薬申請が受領された後、シャイアーは世界中の多施設でSHP654の試験を実施して安全性を評価し、第VIII因子の活性度を増強させて血友病による出血に影響を与えるために必要な用量を検討し、この新たな技術を世界中で上市することを目指していきます。

SHP654について
シャイアーはSHP654(BAX 888)を開発中で、それにはAsklepios Biopharmaceutical, Inc.から分離独立したChatham Therapeutics, LLCから取得した技術が含まれます。SHP654は、治験中の遺伝子治療用第VIII因子(FVIII)であり、血友病Aの治療を目的としています。SHP654は、組換えアデノ随伴ウイルスセロタイプ8(rAAV8)ベクターを使用して、コドンが最適化されたBドメイン除去型FVIII(BDD-FVIII)遺伝子を患者さんの肝臓に特異的に運び、肝臓でFVIIIが産生され、出血の管理に用いられます(※1,2)。

血友病Aについて
血友病Aは最も一般的なタイプの血友病で、血中の凝固第VIII因子の欠損により、通常より長い出血を引き起こす希少な出血性疾患です(※6)。血友病Aの重症度は血中の第VIII因子の量によって決まり、第VIII因子が少ないほど重症度は高くなります(※7)。血友病A患者さんの半数以上が重症です(※7)。そのうち約25~30%でインヒビターが発生します(※8)。インヒビターは、血友病患者さんが凝固因子濃縮製剤による治療に対して、免疫反応を示したときに生じる可能性のある深刻な医学的問題です(※9)。血友病は主に男性が罹患し、発症率は男性の5,000人に1人です(※7,10)。

シャイアーについて
シャイアーは、希少疾患や特殊疾患の患者さんを専門とした、グローバルなバイオテクノロジーのリーディング・カンパニーです。血液、免疫、神経科、眼科、ライソゾーム病、消化器・内科・内分泌、遺伝性血管性浮腫(HAE)、そして、成長中の腫瘍領域フランチャイズにおいて、革新的な医薬品の開発に努めています。シャイアーの製品は、100ヶ国以上で提供されています。
世界中に多くいる、希少疾患・特殊疾患をもつ患者さんや、効果的な治療法がない患者さんが、より質の高い日常生活を過ごすことができるよう、革新的な医薬品を開発し提供するという使命のもと、シャイアーの社員は日々尽力しています。www.shire.com

日本のシャイアーについて
日本においても、Shire plc(シャイアー社)のグループ会社であるシャイアー・ジャパン株式会社およびバクスアルタ株式会社は、希少疾患および特殊疾患の治療薬の開発・販売のほか、それら疾患の認知向上に力を入れています。40年以上の実績をもつ血友病治療分野では、血友病A治療薬「アディノベイト(R)静注用」「アドベイト(R)静注用」、血友病インヒビター治療薬「ファイバ(R)静注用」、血友病B治療薬「リクスビス(R)静注用」と、幅広いラインアップをもち、患者さんに貢献しています。さらに、本態性血小板血症治療薬「アグリリン(R)カプセル」、ゴーシェ病治療薬「ビプリブ(R)点滴静注用」、低並びに無ガンマグロブリン血症治療薬「ガンマガード(R)静注用」を販売しており、2017年5月には、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「インチュニブ(R)錠」を発売しました。なお、「インチュニブ(R)錠」においては、塩野義製薬株式会社が承認を取得しており、プロモーション提携をしています。www.shire.co.jp


参考文献
1. Falkner et al. “Development of SHP654 a highly efficient AAV8-based BDD-FVIII gene therapy vector for treatment of hemophilia A.” International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress. Berlin, Germany July 8-13, 2017. Available at: リンク
2. Hoellriegl et al. “Dose response and long-term expression of a human FVIII gene therapy construct in hemophilia A mice.” International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress. Berlin, Germany July 8-13, 2017.
Available at: リンク
3. Hoellriegl et al. “Integration site analysis in mice demonstrates excellent biosafety profile of a recombinant (R) FVIII adeno-associated virus (AAV8) gene therapy product.” International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress. Berlin, Germany July 8-13, 2017.
Available at: リンク
4. Hoellriegl et al. “Nonclinical safety evaluation of a human FVIII gene therapy construct in mice.” International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress. Berlin, Germany July 8-13, 2017.
Available at: リンク
5. U.S Food and Drug Administration. “Investigational New Drug (IND) or Device Exemption (IDE) Process (CBER).” U.S Food and Drug Administration website. リンク
Accessed June 28, 2017.
6. World Federation of Hemophilia. “What is hemophilia?” World Federation of Hemophilia website. リンク Accessed June 23, 2017.
7. National Hemophilia Foundation. “Hemophilia A.” National Hemophilia Foundation website. リンク Accessed June 23, 2017.
8. World Federation of Hemophilia. “Who is at risk of developing inhibitors?” World Federation of Hemophilia website. リンク Accessed June 23, 2017.
9. World Federation of Hemophilia. “What are inhibitors?” World Federation of Hemophilia website. リンク Accessed June 23, 2017.
10. Centers for Disease Control and Prevention. “Hemophilia.” Centers for Disease Control and Prevention website.

将来見通しに関する記述
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