工業都市が中国全土の汚染対策の行動模範を示す
AsiaNet 68224 (0577)
【蘭州(中国)2017年4月19日新華社=共同通信JBN】マ・シャオビンさんが煙の管理装置に投資をして自分のケバブの店を格上げしたときはあまり気が進まなかったが、いまでは商売は以前よりはるかにうまくいっていいる。
甘粛省蘭州のマさんは「それまでは1日に子羊の脚4本を焼いていた。いまは1日に約20本必要だ。食べに来る人は多いし、これまでで一番忙しい」と語っている。
中国の乾燥した北西部の黄河渓谷にある蘭州市は、かつては中国で最も汚染された都市の1つだった。汚染がひどいために、人々は衛星画像ではこの街は見えないと冗談を飛ばしていたほどだった。
強力な汚染規制措置でこの街のPM10とPM2.5の濃度は2013年水準の75%以下にまで低下した。1年間に青空の見える日が昨年は50日増えて年間243日に達した。
中央検査チームによると、省都である蘭州は「大気の質の改善のモデル」になった。同市の石炭の年間消費量は2012年の1000万トンから昨年は約600万トンに減少した。
蘭州が成し遂げたことの1つは基層幹部をこの戦いに加えたことである。分区事務所事務官のヤン・ミンヤン氏は1万人に上る同市の汚染監視官の1人である。
「毎朝私は自分の責任地域をチェックし、だれが何を燃やしているか、標準以下の石炭、薪が使われていないかを調べる。問題を発見したらだれの責任であろうとやめるよう求める。私の言うことを聞かない場合はこの問題を上部機関に報告する」とヤン氏は語っている。
すべての市には汚染防止政策があるが、蘭州では非常に厳しく実行されている。
「一部の市は経済への影響を恐れて環境保護について大企業を恐れたり、対処できなかったりするが、蘭州ではそのような問題はない」と蘭州環境保護局のシン・リフェン副局長は述べている。
同局は有力な国営石油化学会社に罰金を科したことさえあり、いくつかの企業に対して市民への謝罪を求めたことがある。
何人かの当局者は汚染対策の義務を適切に果たさなかったために処罰され、一方でより熱心な態度を示したほかの当局者は昇進した。
シン局長は「実際、われわれの対策の多くは非常に革新的なものではなかったが、蘭州を汚染する者には法律が全力で対象とする」と語っている。
石家荘や鄭州など汚染のひどいいくつかの市は当局者を蘭州に派遣してその経験を実地で学ばせた。
蘭州の成功の多くはほかの場所に簡単に移植できたと蘭州大学のマ・ジアミン氏は語っている。
例えば、オンライン・モニタリングのデータがすべて良好であったとしても、蘭州では大規模汚染者を実際に訪ね、起きていることを正確に自分の目で見るのが担当者の標準行為なのだと同氏は話している。
政府は大気の質が良い日が2020年までにすべての省レベルの市で全日の80%以上に達することを期待している。これは野心的な目標であり、蘭州でもまだ達成されていない目標である。
蘭州の環境当局者であるチェン・イミン氏は「蘭州にはこの目標を達成できる道がいまでもいくつかある。汚染は管理が最も簡単なことに取り組むことによってはじめは減少する。従って汚染管理は次第に難しくなり、われわれの仕事は成功するたびにより難しくなる」と述べている。
ソース:Lanzhou Environmental Protection Bureau
御社のプレスリリース・イベント情報を登録するには、ZDNet Japan企業情報センターサービスへのお申し込みをいただく必要がございます。詳しくは以下のページをご覧ください。