確実なビジネス・メリットにより、アジア太平洋地域におけるIoTの採用が2019年までに86%に到達する見込み


*本プレスリリースは、米Aruba, a Hewlett Packard Enterprise Companyが2017年2月28日(現地時間)
に米国で発表したプレスリリースに、日本独自の情報を加え再編集したものです。

Aruba, a Hewlett Packard Enterprise company(NYSE: HPE、米国カリフォルニア州サニーベール、以下「HPE Aruba」)は、『The Internet of Things: Today and Tomorrow(IoTの現在と未来)』を発表し、アジア太平洋地域の組織の86%[1]が2019年までに何らかの形態のIoTを導入する見込みであることを明らかにしました。世界中のエンタープライズならびに製造業、医療、小売、行政機関等をはじめとする全産業領域で、組織はIoTを採用して効率とイノベーションの向上というビジネス・メリットを享受していますが、一方でHPE Arubaの調査では、無数の「モノ」を既存の企業ネットワークに接続することで、新たなセキュリティ課題が生じ、組織の大半がセキュリティ侵害を経験していると警告しています。

本調査は、2016年11月~12月に、世界20か国、合計3,100名のITおよびビジネス担当の意思決定者にインタビューを実施しました。回答者は、公共部門と民間部門双方の、従業員500名以上の組織に所属する人物で、特に産業、政府機関、小売、医療、教育、建設、金融、IT/テクノロジー/通信分野に重点が置かれました。インタビューはオンラインと電話によって実施し、厳密な多層審査プロセスを用いて、適切な候補者のみが参加機会を得られるようにしたものです。対象国は、英国、イタリア、ドイツ、フランス、オランダ、スペイン、スウェーデン、ノルウェー、トルコ、UAE、サウジアラビア、米国、シンガポール、日本[2]、オーストラリア、インド、ブラジル、メキシコ、中国、韓国の20か国です。

この調査では、アジア太平洋地域(オーストラリア、中国、インド、日本、シンガポール、韓国)の回答者1,150名のうち97%がIoTを知っている[3]ものの、その多くがIoTの正確な定義や組織にもたらされる価値について明確に理解しているわけではないことも明らかになりました。テクノロジーの先見者で「Internet of Things」という用語を初めて使ったケビン・アシュトン(Kevin Ashton)氏は、HPE Arubaからの委託で執筆した新刊電子書籍『The Internet of Things:Today Tomorrow .(モノのインターネット:現在と今後)』の中で、IoTを次のように定義しています。

「『Internet of Things』とはインターネットに接続されたセンサーであり、オープンなアドホック接続を行い、データを自由に共有し、予期しないアプリケーションを許可することでインターネットのように動作します。これによりコンピューターは周囲の世界を理解し、人間の神経系統になることができます」

期待の配当: 「大幅な向上」への期待を、実際に「大幅に向上した」現実が大きく上回る
アシュトン氏はIoTのビジネス・メリットを調査するなかで、IoTから得られる実際のメリットが、きわめて多くの局面で当初の期待を上回っていることに気づきました。アジア太平洋地域ではこの傾向は、収益性とセキュリティという2つの主要業績分野において最も顕著であり、事業効率と収益性は全世界の組織の中でも際立っていました。

たとえばビジネス・リーダーの35%が、IoT導入後に大幅に増益したと回答し、IoT投資による多額の増益を見込んだリーダー(15%)よりも20%多い結果となりました[4]。同様に、IoT戦略によってセキュリティが大幅に改善すると期待した経営幹部は35%でしたが、実際の結果では、IoTを導入した経営幹部の半数(50%)がセキュリティ上の大きなメリットを実感[5]していました。

HPE Arubaのマーケティング担当バイスプレジデントであるクリス・コザップ(Chris Kozup)は、次のように説明します。「IoTのビジネス・メリットが期待を上回っていることから、企業が2019年までにIoTの大規模採用に向かうことは驚くに当たりません。ただし、多くの経営幹部はIoTを自社のビジネスに適用する方法をまだ明確には理解していないため、現時点でIoTの導入に成功すれば、競争優位性を得るための好位置につけることになります」

組織における世界のIoT活用状況
HPE Arubaの調査により、IoTの成熟度は業種によってばらつきがあることが明らかになりました。以下の5つのセグメントではIoTの採用をリードしており、的を絞ったユースケース・アプローチによって実践的なビジネス・メリットを得ています。
エンタープライズはスマート・ワークプレイスを構築して生産性と効率性を向上:
72%のエンタープライズが、IoTデバイスを職場に導入しています。従業員の生産性向上につながる最も有望な活用例としては、屋内位置情報に基づくサービスが2位に入っています(1位は遠隔モニタリング)。20%が、既に活用している主な事例として建物の照明や室温の遠隔操作をあげましたが、今後のIoT導入予定についての設問では、その割合は倍以上の53%に達しました。

• すでに実現している具体的な成果としては、78%が職場へのIoT導入によりITチームの有効性が向上したと回答し、75%が生産性向上をもたらしたと回答しています。

製造業では、IoT対応のモニタリングとメンテナンスを通じて事業効率と可視性を向上:
• 製造業の回答者のうち62%が、すでにIoTを導入していました。同分野で最も効果的な活用事例にあげられたのは、IoTによる不可欠な製造プロセスのモニタリングとメンテナンスでした。一方、製造業の組織内において、IPベースの監視カメラによって物理的セキュリティを確保するという用途はまだ初期段階であり、導入しているのはわずか6%でしたが、将来の導入予定となると、監視用途が約5倍の32%にまで急上昇しました。

• この分野全体では、83%が事業効率が向上したと回答し、80%が組織全体にわたる可視性の向上を実感していました。

医療分野はIoTを導入して患者のモニタリングを改善し、コストを削減し、イノベーションを促進:
• IoT導入が3番目に進んでいる医療分野では、全世界の医療組織の60%が施設内にIoTデバイスを導入しています。

• 同分野全体にわたり、経営幹部の42%が、IoTの最大の用途としてモニタリングとメンテナンスをあげており、この割合は他の産業より高くなっています。現代の医療業界におけるIoT対応の患者モニタリングの重要性を裏付けています。

• 10人中8人の回答者がイノベーションの向上を報告し、73%がコスト削減を報告しました。

小売業界では屋内位置情報技術を用いて顧客との関わりを強化し、売上を拡大:
• IoT技術を利用している小売企業はわずか49%でしたが、そのうち81%がカスタマー・エクスペリエンスの向上を報告しています。カスタマー・エクスペリエンスの向上は、顧客ロイヤルティと、最終的には収益に大きな影響をもたらす可能性があります。

• 個人個人に最適化された提案や製品情報を買い物客に提供する店舗内位置情報サービスは、モニタリングおよびメンテナンスと併せて、IoTの最も重要な導入事例として評価されていました。10社中4社の小売企業が、活用事例上位3つの中に「監視」をあげていました。

行政機関はIoT採用が遅れ、旧式の技術に苦労しているものの、コストを削減:
• 行政機関はこの5業種の中ではIoT採用が最も遅く、IoTデバイスやセンサーを導入している地方自治体はわずか42%でした。IT部門責任者の約3分の1(35%)が、上級管理職層はIoTをほとんど、あるいはまったく理解していないと回答し、この割合は世界平均の2倍に達していました。教育の不足が、同分野における大規模採用の最大の障壁であることが分かります。

• 行政機関のIT部門の約半数(49%)が従来の技術に苦労している一方、公共部門でIoTを採用した10機関中7機関では、主なメリットとしてコスト削減と組織の可視性向上をあげています。


データ・コンテキストとセキュリティの課題
本調査では、IoT導入によるこうした効果や利点が明らかになった一方、ITリーダーが感じている多くの障害によって、IoTによってもたらされるべき各種のビジネス・インパクトが制限されている様子も明らかになりました。アジア太平洋地域の組織は、IoT導入の妨げとなるものトップ3に導入コスト(53%)、メンテナンスのコスト(52%)、従来の技術との連携・統合の難しさ(47%)を大きな課題としてあげ、これは全世界での傾向[6]と一致していました。

IoTによって大幅なセキュリティ・メリットが得られるものの、多くのIoT導入組織に共通してセキュリティの不備が見られました。本調査によると、アジア太平洋地域の組織の88%がIoT関連でのセキュリティ侵害[7]を1度は経験しており、これは中東欧州アフリカ、米州地域に比べ世界で最も高い割合でした。回答者の半分以上は、外部からの攻撃が、IoT戦略立案上の主な妨げになっている[8]と答えています。このことは、強固なネットワーク・アクセス・コントロールとポリシー管理に基づく包括的なIoTセキュリティ戦略が、企業を保護するのみならず、IoTにおけるセキュリティ・アプローチをシンプルにすることにもつながることを示唆しています。

HPE Arubaのマーケティング担当バイスプレジデントであるクリス・コザップ(Chris Kozup)は、次のように述べています。「IoTのビジネス・メリットが期待を上回っていることから、企業が2019年までにIoTのより大規模な採用に向かうことはほぼ間違いないでしょう。ただし、多くの経営幹部はIoTを自社のビジネスに適合させる方法をまだ明確には把握できずにいるため、ここでIoTの導入に成功すれば、競争優位性を確保する絶好の位置につけることになります」

アシュトン氏は、IoTとはデータを取得して効果的に使用する能力であると説明していますが、これはこれからの組織にとって明らかな課題になると思われます。IoTを採用した組織のほぼすべて(98%)が、データ分析は可能だと考えている一方、その大半がこのデータから価値を引き出すことが困難[9]だと認めています。同地域の組織の3分の1以上(35%)が、未だ企業ネットワーク内のデータを抽出または分析しておらず[10]、これらを活用してビジネス上の意思決定を改善しうる洞察を見逃しています。

アシュトン氏は次のように結んでいます。「IoTは1999年の誕生以降、嘲笑され、批判され、誤解され続けてきました。それにもかかわらず、20年もたたないうちに、何万もの組織がIoTによって数億ドルのコスト削減や利益獲得を成し遂げ、自動運転車や乗客を感知する地下鉄の駅、命にかかわる疾病を電話で診断するアルゴリズムなど、かつては不可能に思えた技術が既に利用されています。未来には、さらに驚くべきことが約束されています。今下すべき最も重要な決断は、そこに加わる方法です」

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電子書籍 『The Internet of Things: Today and Tomorrow』 (ケヴィン・アシュトン氏による著作、邦題「モノのインターネット:現在と今後」」(日本語版カラー42ページ)は、以下よりダウンロードして頂けます。リンク

また、各種企業・組織のIoT導入、活用を強力に支援する支えるHPE Arubaの提案(各種レポート、業種別ビデオ、業界別IoT状況を表したインフォグラフィック等)は、以下よりご参照下さい
リンク

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本プレスリリースの原文はこちらよりご参照下さい。
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Aruba, a Hewlett Packard Enterprise companyについて
Aruba, a Hewlett Packard Enterprise companyは、全世界のあらゆる規模の企業に次世代ネットワーク・ソリューションを提供する主要プロバイダです。モバイルに精通し、仕事やプライベートのあらゆる場面でクラウドベースのビジネス・アプリを活用する新世代の能力を企業が最大に引き出せるよう支援するITソリューションを提供しています。
HPE Arubaについての詳細は、リンク)では、モビリティとHPE Aruba製品に関する最新の技術的討論を覧いただけます。


本件に関する報道関係からのお問い合わせ先
日本ヒューレット・パッカード株式会社 マーケティング 宮川、杉江
TEL:03-6809-1540
Email:jinfo@arubanetworks.com

広報代行 株式会社プラップジャパン 谷本、石谷
Email:aruba_pr@ml.prap.co.jp
TEL: 03-4570-3191


[1] 世界平均では85%、日本で、2019年までに何らかの形態のIoTを導入する見込みであると回答した割合は63%と調査20ヶ国中で最下位でした。

[2] 日本からは150名の回答者

[3] IoTの定義に関する設問に「わからない」と回答した割合を100%から引いたもの。世界平均(3100名)では98%、日本では6%が「わからない」と回答したため、同割合は94%

[4] 日本でも同様に、収益性の「大幅な向上」を期待する人(11%)に対し、実際に「大幅な向上」が見られたと回答した人は19%と、1.7倍の割合になっています。

[5] 日本では、セキュリティの「大幅な向上」を期待する人33%に対し、実際に体感した人も33%で同割合でした。世界平均では、期待36%に対し実感48%となっています。

[6]世界平均でもトップ3は、導入コスト(50%)、メンテナンスコスト(44%)、従来の技術との連携・統合の難しさ(43%)。 日本で「IoTの積極的展開にとって障害となっているもの」トップ3は、(1)セキュリティ上の懸念(54%)、(2)メンテナンスコスト(49%) 同(2) 従来の技術との連携・統合の難しさ(49%)で、導入コストは44%の4番目でした。最大の懸念事項にセキュリティを挙げたのは、世界で最も高い割合(54%)だった日本の他、サウジ(52%)のみで、またセキュリティ上の懸念の回答者が50%を上回っているのも、両国の他、豪(51%)のみでした。他に米38%、独47%など

[7] IOTの導入を既に開始していると回答した人への質問。グローバルでは84%。日本でIOT関連でセキュリティ侵害の経験ありとした回答は、91.3%で、中国の93%、スウェーデンの91.9%に次ぐ第三位の高い割合でした。他に米(78.2%、16位)、ドイツ(77.8%、17位)など

[8] IoT導入を既に開始している組織の回答者に対し、「所属組織のIoTシステムに対する大きな脅威または懸念要因となるものを選択してください」と多肢選択複数回答で質問したところ、外部からの攻撃を挙げた割合が世界(52%)、日本(61%)、米(52%)等多くの国で最も高いポイントとなりました。「偶発的なデータ消失」の割合が最大だった国、地域も多く(偶発消失%-外部攻撃%)で並べるとAPAC(56-51),独(43-41)中(73-53)等。

[9] 「IOT機器から収集されたデータから価値を引き出すうえで、組織にとって最も大きな課題は何か」を聞いたところ、独を除く全ての国で「大量のデータを管理すること」との回答が最も多く、グローバル49%、日本49%、米55%等。ドイツでは同項目が大きな課題だとした割合は33%と最も低く、「分散した複数デバイスからのリアルタイムでのデータ取り込み(43%)」 「複数部門と同時ユーザー(たとえば、ビジネス・アナリスト、データ・サイエンティスト、アプリケーション開発者)によるデータアクセスのブローカリング(37%)」を大きな課題と捉えた割合の方が高くなっています。

[10] 既にIoT導入を開始している組織の回答者に対し「IoTによって得られるデータの利用方法」を5肢選択で尋ねたところ、「企業ネット内のIoT機器データを抽出分析し、得られた洞察をビジネス判断やプロセス向上に利用中」と回答したのはアジア平均65%、グローバル平均61%、日本54%、米65%、独56%など。  他の肢は以下の通り(カッコ内は日本の回答者の割合) 「IoT機器からのデータ分析は可能だが、それを別の業務プロセスには適用していない(35%)」「企業ネット内のIoT機器から有意なデータを抽出することは極めて困難であることが分かった(12%)」「IoTデータを分析することはできない(0)」「わからない(0)」等。

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