日本の科学生産高(論文数)、10年間の停滞も引用論文のインパクト度は一流で依然強力

クラリベイト・アナリティクス(Clarivate Analytics) 2017年03月23日 16時44分
From 共同通信PRワイヤー

日本の科学生産高(論文数)、10年間の停滞も引用論文のインパクト度は一流で依然強力

AsiaNet 67909 (0433)

【フィラデルフィア2017年3月23日PR Newswire=共同通信JBN】
*コンピューターサイエンス、分子生物学、免疫学の分野は最も大きな低下を示したが、選び抜かれた専門分野では世界クラスの研究および研究者が依然存在する

過去10年間の日本の研究業績を調査したクラリベイト・アナリティクス(Clarivate Analytics)のWeb of Science(TM)による最近の分析によると、日本の科学生産高(scientific output)は顕著な低下を示し、他の主要国のペースに後れを取っていることが明らかになった。この所見は、The Nature Index(リンク )の中で報告されているもので、The Nature Indexは日本の停滞する実績の影響を探求し、この下向きの動向を反転させるために政府の政策立案者や資金提供者が現在やろうとしている対策を論議している。

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日本の研究者が2015年にWeb of Scienceに索引のある国際的に影響力の強い科学雑誌に掲載した論文数は、2005年に比べ約600件少なかった。減少率は1%弱だが、世界の論文掲載に占める日本のシェアは8.4%から5.2%に低下した。中国および韓国でWeb of Scienceの諸雑誌への論文掲載数が加速し、成熟した科学的基盤のある諸国より速い成長率を示しており、米国、英国、ドイツおよび日本の世界的なシェアは、世界の生産パーセンテージはゼロサムゲームであるので、低下する可能性があるとみられる。

クラリベイト・アナリティクス(リンク )の上級引用アナリスト、デービッド・ペンドルベリ氏は「日本は、絶対的な意味でいずれも伸びておらず、特殊なケースだ。日本は2015年に、11の分野で論文掲載数が2005年より少なかった。日本が歴史的に強い分野である素材科学とエンジニアリングで、日本の論文掲載数は10%以上減少した。最も急落したのは、バイオケミストリーおよび分子生物学、コンピューターサイエンス、そして日本が従来強かった分野である免疫学だ」と指摘した。日本が平均を上回る実績を示した唯一の分野は天文学だった。

しかしペンドルベリ氏は、日本は依然、多くの世界クラスの科学者を抱えており、日本はさまざまな特殊専門分野や最先端分野の最前線に立っていると指摘。「研究活動や業績に関しては、データを深く掘り下げると、ちょうど玉ねぎの皮をむくときのように、常に異なったストーリーが見出されるものだ」と述べた。

例えば、分析ツールの1つでWeb of Scienceの一部であるInCites(TM)のデータによると、日本の論文掲載数の一部分として、引用数のトップ10%以内にランク入りした論文数は過去10年間、変わらず安定している。引用インパクトでトップ1%にランクされた論文数は実際に約25%増加した。さらに、過去10年間で論文掲載数が3分の1減少した免疫学のような分野においてさえ、トップ1%に入る論文の掲載数は、予想よりも19%から26%増加した。

ペンドルベリ氏はまた、以下の日本のエリート科学者の特殊例を挙げている。
有機物と金属を組みあわせた柔軟なフレームワークを創案した京都大学の北川進、マルチフェロイックスの巨大電気磁気効果システム研究を先導する東京大学の十倉好紀、金の触媒作用研究の第一人者の首都大学東京の春田正毅の3氏。ペンドルベリ氏は「クラリベイト・アナリティクスは、日本のこれら3氏およびその他科学者を、その論文が極めて多く引用され、いずれノーベル賞受賞につながると期待される研究者『Citation Laureates』(引用賞受賞者)に指名した」と述べている。

ペンドルベリ氏はまた「論文と引用データの注意深い分析は、科学政策立案および資金調達のためのデータ主導のアプローチを代表するものであり、弱点に対処し、強みを拡大するための重要な戦略となりうる」と指摘する。

クラリベイト・アナリティクスの科学的学問的リサーチのグローバル責任者であるジェシカ・ターナー氏は「われわれは、正確で偏向のないデータおよび引用を使用することがいかに重要であるかを理解している。これらのデータは、研究成果、アイデアや科学的発見の進展、長年にわたる革新的なアイデアの影響力に関する重要な洞察を明るみに出す。50年以上にわたり当社は、信頼された引用データ、包括的な引用分析、および30年以上にわたる文献計量学の専門知識・技術を提供することにより、科学および学問のコミュニティーに奉仕してきた。われわれは、Nature Indexがその日本に関する特別リポートで重要な知見を明らかにするために当社のWeb of Scienceの引用データと分析を活用していることをうれしく思う」と述べた。

Web of Scienceの詳細は (リンク )を参照

▽クラリベイト・アナリティクスについて
クラリベイト・アナリティクス(Clarivate(TM)Analytics)は、世界中の顧客に信頼の置ける知見や分析を提供することでイノベーションを加速させ、新しいアイデアのより迅速な発明・発見、保護、事業化を可能にする。トムソン・ロイターのIP & Science事業を前身とする当社は、科学・学術研究、特許分析・規制基準、医薬品・バイオテック情報、登録商標保護、ドメイン・ブランド保護、知的所有権(IP)管理に注力する一連の主要なサブスクリプションベースの事業を保有し、運営している。クラリベイト・アナリティクスはいまや4000人以上の従業員を擁し、世界100カ国以上で事業展開する独立会社であり、Web of Science(TM)、Cortellis(TM)、Thomson Innovation(TM)、Derwent World Patents Index(TM)、CompuMark(TM)、MarkMonitor(R)、Techstreet(TM)など有名ブランドを保有している。
詳細な情報については当社ウェブサイトClarivate.com(リンク )を参照。

ソース:Clarivate Analytics

▽問い合わせ先
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Clarivate Analytics, Director, External Relations
+1 215 823 5646 (o)
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heidi.siegel@clarivate.com

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Clarivate Analytics, Regional Communication Manager, Asia Pacific
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