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2017年製造業のIoT投資意向を左右する訴求方法の違いに関する分析

ノークリサーチは「製造業のIoT投資意向を左右する訴求方法の違い」に関する分析結果を発表した。

<製造業のIoT活用では生産工程の効率化/省力化とセキュリティ啓蒙を同時に訴求する>
■「勘と経験」だけでは、最適なIoTソリューションを無駄なく迅速に展開することはできない
■「IoT活用シーンへの投資意向」だけでなく、「IoTに関するユーザ企業意識」が重要となる
■「確率推論モデル」はIoT投資における潜在的な意思決定プロセスのシミュレートにも有効
■「予防保守」よりも「生産工程の効率化/省力化」を優先して訴求する方が投資意向は高い
■「セキュリティリスクの啓蒙」も大切だが、単独で訴求した場合は高い効果が期待できない

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2017年3月6日

2017年 製造業のIoT投資意向を左右する訴求方法の違いに関する分析

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は「製造業のIoT投資意向を左右する訴求方法の違い」に関する分析結果を発表した。
本リリースは「2016年版スマートデバイス/PCから見たIoT活用の実態と展望レポート」のデータに対し、発展的な分析手法である「カスタムリサーチ・プラス」を適用した実施例である。
下記のリリース内容は以下のURLにも掲載されております。
発行元URLをご案内いただく際は以下のURLの記載をお願い致します。
リンク

<製造業のIoT活用では生産工程の効率化/省力化とセキュリティ啓蒙を同時に訴求する>
■「勘と経験」だけでは、最適なIoTソリューションを無駄なく迅速に展開することはできない
■「IoT活用シーンへの投資意向」だけでなく、「IoTに関するユーザ企業意識」が重要となる
■「確率推論モデル」はIoT投資における潜在的な意思決定プロセスのシミュレートにも有効
■「予防保守」よりも「生産工程の効率化/省力化」を優先して訴求する方が投資意向は高い
■「セキュリティリスクの啓蒙」も大切だが、単独で訴求した場合は高い効果が期待できない


用いた手法: 「カスタムリサーチ・プラス」(ベイジアンネットワークによる有効施策の探索)
対象データ: 「2016年版スマートデバイス/PCから見たIoT活用の実態と展望レポート」
カスタムリサーチ・プラスの詳細: リンク
対象となった調査レポートの詳細:
リンク


■「勘と経験」だけでは、最適なIoTソリューションを無駄なく迅速に展開することはできない
大企業のみならず、中堅・中小企業においても「IoT(Internet Of Things)」の関心は高く、ITソリューションを提供する側においても、製造業を中心とした新たなIT活用を訴求する機会として期待が高まっている。だが、具体的なソリューションの立案/策定を行おうとすると、
「製造機器の予防保守」と「製造工程の効率化/省力化」のどちらを優先して訴求するのが得策か?IoT活用に伴うセキュリティリスクを早い段階から啓蒙することはプラス/マイナスどちらに働くのか?といった課題に直面することが少なくない。ビジネス環境やIT関連技術は急速に変化しており、こうした課題を「勘と経験」で解決するというアプローチでは多大な時間と労力を要することになり、すぐに周回遅れの状況に陥ってしまう。そこで有効な取り組みの1つが、調査データを元に推論とシミュレーションを行う手法である。以下のグラフは 『製造業における4つのIoT活用シーンの投資意向が、ITを提供する側の訴求方法の違いによってどう変化するのか?』を分析した結果を示している。
本リリースでは以下に示した分析の過程および「結果をどう読み解くべきか?」についての解説と紹介を行っている。


■「IoT活用シーンへの投資意向」だけでなく、「IoTに関するユーザ企業意識」が重要となる
ノークリサーチの調査レポート「2016年版 スマートデバイス/PCから見たIoT活用の実態と展望レポート」では様々な業種における具体的なIoT活用シーンを定義し、それらに対するユーザ企業の投資意向や投資予定金額などを尋ねている。以下に示したものは同調査レポート内に収録されている製造業に関する4つのIoT活用シーンである。
活用シーンPS1:複数の企業を跨いだ稼動状況の共有
例) 複数の製造業があたかも一つの工場であるかのように稼働する「スマート工場」の実現(ドイツの「インダストリー4.0」など)
活用シーンPS2:製造装置の予防保守や稼働率の向上
例) 従来のSCADAやPLCを用いた製造工程の監視/管理を最新のIT技術を用いてオープン化/高度化する
活用シーンPS3:在庫や輸送に関する管理/効率の改善
例) ICタグやバーコードを用いて、製造元から卸業者/小売業者を網羅した一気通貫の在庫管理を実現する
例) 製品やパレットにセンサを取り付け、製品を破損させない運送ルートや運転方法のノウハウを蓄積する
活用シーンPS4:製造物のネット接続による付加サービス
例) 自動車にネット接続可能なセンサを取り付け、駐車場所をスマートフォンに表示したり、走行状態に応じた買い替え/メンテナンスの提案を行う
例) 電気ポットなどの家電製品にセンサやカメラを取り付け、使用状態をネット経由で把握することで「高齢者の見守りサービス」などを実現する
さらに同調査レポートでは以下のような項目を列挙し、「製造業におけるIoT活用に関するユーザ企業の意識」についても詳しく尋ねている。
PItem1.製造装置の予防保守よりも製造工程の効率化/省力化の方が重要
PItem2.仮に安価に実現できたとしても、他社とは製造工程を共有したくない
PItem3.今後は製造だけでなく、それを起点としたサービスを自ら展開したい
PItem4.今後も製造に特化し、自社ではサービスへの事業拡大は行わない
PItem5.大手製造業の方針に従わなければならず、自社では決められない
PItem6.複数企業を横断した効率化においては標準規格の作成が不可欠
PItem7.ドイツのインダストリー4.0と同様の取り組みを日本で行うのは困難
PItem8.IoT活用に向けて、今後は異業種間の協業や買収が増えていく
PItem9.製造業のIoT活用には公的機関が主導する支援事業が必要
PItem10.製造業のIoT活用は民間による自発的な普及を目指すべき
PItem11.製造装置がネットワークで繋がることによるセキュリティリスクが不安
PItem12.センサを導入しなくても製造装置の状況が把握できるようにしたい
PItem13.製造装置の予防保守などは従来の仕組みで既に実現できている
PItem14.稼動状況を集約するのではなく、個々の作業現場で処理したい
PItem15.投資対効果が見えないため、まずは試験的な導入を行いたい
ここで、活用シーンPS1~PS4の投資意向とPItem1~PItem15の関連性を把握することができれば、冒頭に述べた「製造機器の予防保守」と「製造工程の効率化/省力化」のどちらを優先して訴求するのが得策か?IoT活用に伴うセキュリティリスクを早い段階から啓蒙することはプラス/マイナスどちらに働くのか?に対する答えを事前に知ることができ、無駄のない迅速なIoTソリューション展開を行うことが可能となる。だが、PItem1~PItem15で示されるユーザ企業の意識と活用シーンPS1~PS4は互いに複雑に絡み合っており、ただ単に投資意向が高いユーザ企業におけるPItem1~PItem15の結果を参照するだけでは最善の訴求方法を選び出すことは難しい。そこで有効なアプローチの1つが「カスタムリサーチ・プラス」(ノークリサーチが提供する調査サービス)で用いる「ベイジアンネットワーク分析」である。次頁以降ではその結果を解説/紹介している。


■「確率推論モデル」はIoT投資における潜在的な意思決定プロセスのシミュレートにも有効
調査レポートのアンケート(年商500億円未満の企業700社に対して実施)に回答する際、ユーザ企業は前頁に列挙した「IoT活用シーンPS1~PS4の投資意向」および「PItem1~PItem15の15項目に渡るIoT活用に関連する意識」に対し、個々に回答を行っている。 つまり、アンケートの段階では「IoT投資を考える上で重要と考える項目は何か?」を直接的に尋ねるのではなく、IoTに関する「投資意向」と「意識」を敢えて切り離して尋ねることで、ユーザ企業の自然な意思を汲み取るようにしている。
こうして得られたアンケート結果に対してベイジアンネットワーク分析を適用し、条件付き確率に基づく 「IoT活用シーンPS1~PS4の投資意向」と「PItem1~PItem15の15項目に渡るIoT活用に関連する意識」との関連性を以下のような有向グラフとして表現する。このアプローチによってアンケート結果のクロス集計やユーザ企業に対するヒアリングだけでは得ることが難しい「IoT投資意向を左右するユーザ企業の意思決定における潜在的な関連性」を探ることが可能となる。(ただし、コンピュータの計算に全てを委ねるのではなく、事前の予備分析や取材などのアナログ的な手法で蓄積した知見を制約条件設定などの形で通じて適切に反映することが重要となる。 詳細は右記URLを参照リンク
以下に示された丸印は「ノード」と呼ばれ、アンケートで得た回答割合に基づく確率値を持つ「事象」を表している。ノード間は「エッジ」と呼ばれる矢印で繋がっており、「ノードAからノードBにエッジが引かれている」= 「ノードAはノードBの事象発生に影響を与えている」ことを示す。「PS1S」~「PS4S」と書かれたノードはそれぞれ活用シーンPS1~PS4に対応しており、「投資する=1、投資をしない=0」のどちらの値を取るか?の確率値がエッジを通じて割り当てられている。「PItem1」~「PItem15」はPItem1~PItem15として列挙したユーザ企業におけるIoTに関する意識に対応する。ノードに付記された意識の内容について、「記載された意識を持っている=1、持っていない=0」のどちらの値を取るか?の確率値がエッジを通じて割り当てられている。
ユーザ企業がアンケートに回答する時点では個々の設問に答えているだけだが、それらの関連性を確率論に基づく推論によって整理すると、ユーザ企業の意思決定プロセスを図式化したグラフが得られるということになる。
各ノードに割り当てられた確率値は条件付き確率によって互いに関連しており、あるノードにおける確率値の変化は関連する他ノードの確率値に影響を及ぼす。これは「確率伝播」と呼ばれ、ベイジアンネットワーク分析の大きな特徴でもある。例えば、ユーザ企業が『複数企業を横断した効率化においては標準規格の作成が不可欠』という認識を持った場合、各活用シーンの投資意向は通常の状態よりも高くなるか、それとも低くなるか?を知りたいとする。その場合はPItem6=1とした時に他ノードの確率値がどう変化するか?を見れば良い。これによって、「標準規格の重要性を強く啓蒙することはIoT投資意向を高める上で有効に働くか?」をシミュレートすることができる。次頁以降では、このプローチによって冒頭に述べた課題に対する答えを導き出していく。


■「予防保守」よりも「生産工程の効率化/省力化」を優先して訴求する方が投資意向は高い
まず、冒頭に述べた課題の1点目である、
「製造機器の予防保守」と「製造工程の効率化/省力化」のどちらを優先して訴求するのが得策か?について見ていくことにする。上記に関連するユーザ企業のIoTに関する意識に関する設問項目は「PItem1.製造装置の予防保守よりも製造工程の効率化/省力化の方が重要」なので、前頁で得られたベイジアンネットワークにおいてPItem1=1という値を設定する。すると、以下のように赤丸で示したPItem1の変化が他のノードへと伝播していき、青丸で示した4つのIoT活用シーンに対する投資意向にも影響を与える。
ノード間の矢印は事象の因果関係ではなく、ノード間に条件付き確率が設定されていることを表している。そのため、矢印とは逆の方向に影響が波及することもある点に注意する必要がある。(下図の赤矢印は確率伝播をイメージ化したもの)「指定なし」と「PItem1=1」のそれぞれで4つのIoT活用シーンの投資意向がどう変化したか?を表したものが左記の数表だ。
いずれのIoT活用シーンについても「PItem1=1」の方が「指定なし」と比べて高い値を示していることがわかる。つまり、IoT活用を訴求する上ではユーザ企業が「製造装置の予防保守よりも製造工程の効率化/省力化の方が重要」という意識を持っている状態が望ましいということになる。
言い換えれば、ITソリューションを訴求する側としては『 「製造機器の予防保守」よりも「製造工程の効率化/省力化」を訴求するという取り組みが有効』ということになる。この結果を図示したものが、冒頭に挙げたグラフの青帯と赤帯である。


■「セキュリティリスクの啓蒙」も大切だが、単独で訴求した場合は高い効果が期待できない
さらに、冒頭に述べた課題の2点目である、
IoT活用に伴うセキュリティリスクを早い段階から啓蒙することはプラス/マイナスどちらに働くのか?についても同じように見ていくことにする。上記に関連するユーザ企業のIoTに関する意識に関する設問項目はPItem11.製造装置がネットワークで繋がることによるセキュリティリスクが不安なので、前頁で得られたベイジアンネットワークにおいてPItem11=1という値を設定する。
「指定なし」と「PItem1=11」のそれぞれで4つのIoT活用シーンの投資意向がどう変化したか?を表したものが左記の数表だ。
いずれのIoT活用シーンについても「指定なし」より投資意向は高いものの、「PItem1=1」の場合と比べると低い。そのためITソリューションを訴求する側にとっては『 IoTのセキュリティリスクを早期に啓蒙するという施策も有効だが、製造工程の効率化/省力化を優先的に訴求するほどの効果は期待できない』ということになる。(冒頭のグラフでは赤帯と緑帯に該当)
では両者を同時に訴求した場合はどうだろうか?以下の図は「PItem1=1 かつ PItem11=1」という条件設定を行った場合の確率伝播を表したものだ。
上記の数表に「PItem1=1 かつ PItem11=1」における投資意向を加えたものが左記である。いずれのIoT活用シーンについても「PItem1=1 かつ PItem11=1」における投資意向は「PItem1=1」と同等もしくはさらに 高い値を示している。
したがって、ITソリューションを訴求する側としては、『製造工程の効率化/省力化」訴求と同時にセキュリティリスクの啓蒙も進めるという取り組みが最も有効』ということになる。
この結果を図示したものが、冒頭に挙げたグラフの紫帯である。
ここではユーザ企業がIoTに対して抱く意識のごく一部に関する分析結果を紹介したが、IoTソリューションを訴求する際にはこのような形で「無駄のない確実なソリューション展開の優先度」を事前に把握しておくことが重要となる。


参考リリースと関連調査レポート

【参考リリース1】2017年中堅・中小企業におけるIT活用の展望その1:業務システム/IoT/RPA編
リンク

【参考リリース2】2017年中堅・中小企業におけるIT活用の展望その2:クラウド(PaaS/SaaS)編
リンク

【参考リリース3】2017年中堅・中小企業におけるIT活用の展望その3:ハードウェア(サーバ/PC等)編
リンク

【関連調査レポート】
2016年版スマートデバイス/PCから見たIoT活用の実態と展望レポート
「中堅・中小企業に受け入れられるIoTソリューションとは何か?」をPC/スマートデバイスの視点も交えて解明する
※本リリースで参照したデータが含まれる調査レポートとなりますが、 本リリースで具体例を紹介している
「カスタムリサーチ・プラス」による分析/提言は別途となります。 「カスタムリサーチ・プラス」を含めた調査サービス全般については下記をご参照ください
リンク
【サンプル/ダイジェスト】
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【レポート案内(サンプル属性、設問項目、集計データや分析サマリの試読版】
リンク
【価格】180,000円(税別)


カスタムリサーチのご案内

「カスタムリサーチ」はクライアント企業様個別に設計・実施される調査とコンサルティングです。
1.調査企画提案書の提示:
初回ヒアリングに基づき、調査実施要綱(調査対象とスケジュール、費用など)をご提案させていただく
2.調査設計:
調査企画提案に基づき、具体的な調査方法の選定、調査票の設計/作成やインタビュー取材計画立案を行う
3.実施と集計:
設計された調査を実施し、その結果を集計する多彩な調査方法が活用できます。
定量調査(アンケート調査)
ユーザ企業の実態とニーズを数値的に把握したい
販社やSIerが望む製品やサービスの動向を知りたい
定性調査(インタビュー調査)
ユーザ企業が抱える課題を個別に詳しく訊きたい
販社やSIerがベンダに何を期待しているかを訊きたい
デスクトップリサーチ
競合他社の動向などを一通り調べたい
4.分析:
集計結果を分析し、レポートを作成する
5.提言:
分析結果を基にした提言事項を作成し、報告する


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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
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