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2017年中堅・中小企業におけるIT活用の展望その2:クラウド(PaaS/SaaS)編

ノークリサーチは2017年の中堅・中小企業におけるIT活用の展望のうち、クラウド(PaaS/SaaS)に関連するトピックをまとめた調査結果と今後の見解を発表した。

<2017年は「ちょい足し」でのPaaS/SaaS活用が業務システムに与える影響に注目すべし>
■業務システムの隙間を埋める「ちょい足し」としてのPaaS活用が今後も引き続き伸びていく
■「PaaSの役割がオンプレミス/クラウド双方に広がるか?」が業務システムの将来を決める
■クラウドソーシングなどの要素を含む「業務支援クラウド」は少子高齢化を見据えた有効策
■「業務支援型ソリューション」ではオンプレミスとクラウドを適材適所で選択することが大切

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2017年1月11日

2017年中堅・中小企業におけるIT活用の展望その2:クラウド(PaaS/SaaS)編

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2017年の中堅・中小企業におけるIT活用の展望のうち、クラウド(PaaS/SaaS)に関連するトピックをまとめた調査結果と今後の見解を発表した。

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<2017年は「ちょい足し」でのPaaS/SaaS活用が業務システムに与える影響に注目すべし>
■業務システムの隙間を埋める「ちょい足し」としてのPaaS活用が今後も引き続き伸びていく
■「PaaSの役割がオンプレミス/クラウド双方に広がるか?」が業務システムの将来を決める
■クラウドソーシングなどの要素を含む「業務支援クラウド」は少子高齢化を見据えた有効策
■「業務支援型ソリューション」ではオンプレミスとクラウドを適材適所で選択することが大切


■業務システムの隙間を埋める「ちょい足し」としてのPaaS活用が今後も引き続き伸びていく
本リリースは2017年の中堅・中小企業におけるIT活用の展望をまとめた3部構成の2番目に位置付けられ、クラウド(PaaSおよびSaaS)を主なテーマとしている。(IaaSについては3番目のリリースで取り上げる)以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対して、「PaaSを利用して構築済み/構築予定の最も重要なシステム用途」を尋ねた結果を導入時期別(予定も含む)に集計したものだ。現段階ではIT活用に積極的な一部のユーザ企業が「ビジネスの新規開拓や刷新」を目的としてPaaSを活用しているが、1年後や2年後には「Excelや紙文書による業務管理からの移行」や「業務システムを補完する取り組み」が増えていくことがわかる。その中でも期待されるのが、2年後にPaaS活用を予定している企業において2割超に達する「業務システムを補完する取り組み」である。具体的には「複数の業務システム間のデータ連携」や「社員が人手で担う業務フローの管理」などといった活用シーンが該当する。
PaaSはサーバ/ストレージなどのハードウェアがサービス化されたIaaSやアプリケーションがサービス化されたSaaSとの対比においては「開発プラットフォームやミドルウェアをサービス化したもの」と位置付けられる。だが、昨今のPaaSは単に既存の開発プラットフォームやミドルウェアをサービス化するだけでなく、「プログラミングを伴わない迅速なアプリケーション作成」や「既存業務システムパッケージとの連携」が手軽に行えるといった特徴を備えたものも少なくない。こうした特徴は上記に述べた「業務システムを補完する取り組み」とも符合する。実際、中堅・中小企業においても「業務パッケージは導入済みであるがシステム間や部署間の情報共有が不足しており、Excelやメールで何とか対応している」といったケースが少なくない。
そこにPaaSを適用すれば、ユーザ企業固有の業務に合わせたシステム改善を柔軟かつ迅速に行える。このようにして業務システムの隙間を埋める「ちょい足し」としてのPaaS活用事例が今後も増えていくと予想される。( 以下のグラフを含むPaaS関連の詳細については、本リリース末尾の【関連調査レポート1】を参照)


■「PaaSの役割がオンプレミス/クラウド双方に広がるか?」が業務システムの将来を決める
さらに以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対して、「PaaS活用に際して必須と考えられる事柄」を尋ねた結果を導入時期別(予定も含む)に集計したものである。
「プログラミングをせずにアプリケーションが作成できる」や「導入済み業務システムパッケージと連携/併用できる」といった項目に対するニーズは今後も高くなっていく。この結果から、前頁で触れた「プログラミングを伴わない迅速なアプリケーション作成」や「既存業務システムパッケージとの連携」といったPaaSの特徴が今後も重視され、「ちょい足し」に対するニーズが高まっていくことがあらためて確認できる。
ここで留意すべきなのが、「自社内設置型のシステムへ容易に移行できる」や「他社のPaaSにも容易に移行することができる」といった項目が示す傾向である。上記の2項目と比べて回答割合はやや低いものの、同様に今後のニーズは徐々に高まっていくことがわかる。これは「ちょい足し」が増えていくことで、既存の業務システム自体がクラウドへと移行していくことになるのか?または逆にオンプレミスで「ちょい足し」を実現することも考えられるのではないか?(※)といった問いかけにも深く関連してくる。
以下のグラフは「業務システムの隙間を埋める『ちょい足し』をオンプレミスや他のPaaSでも実現したいと考えるユーザ企業が少なからず存在し、その割合は今後増えていく」ということを示している。つまり、(※)に対する答えは「ちょい足しを実現する手段としてはオンプレミスとクラウドの双方が考えられ、ユーザ企業のニーズに応えるには双方に対応することが望ましい」ということになる。オンプレミスとクラウドの選択は一元的に決まるものではなく、個々のユーザ企業の業務実態によって大きく異なる。また、同一のユーザ企業でもビジネスやシステムの成長段階によって取るべき選択が変わる可能性もある。
つまり、既存の業務システムとPaaSを取り巻く今後の展開としては以下の4通りが想定される。
1. 業務システムのクラウド移行に大きな変化はなく、PaaSはそれらを繋ぐ役割を果たす(現状維持)
2. PaaSによる「ちょい足し」を契機として、既存の業務システムについてもクラウド移行が進んでいく
3. オンプレミスでも「ちょい足し」と同等の取り組みが行われるようになり、PaaSの役割が縮小する
4. 「ちょい足し」を実現する要素がPaaSから分離し、クラウドとオンプレミスの双方で実現可能となる
ユーザ企業に対して最も幅広い選択肢を与えられるのは4.の展開だ。「Windows Azure Pack」や「IBM Bluemix Local」のようにオンプレミスでPaaS/IaaSと同等の環境を実現する手段も既に存在する。こうした取り組みが広く受け入れられれば、4.の展開が現実味を帯びてくると予想される。2.は業務システムにおけるクラウド移行が進む流れ、3.は数多くのオンプレミス環境が今後も存続していく流れに該当する。このようにPaaSを活用した「ちょい足し」への取り組みは業務システムの今後のあり方にも影響を与える可能性があり、「ちょい足し」の普及と共にPaaSがどのように進化していくのか?を注視しておく必要がある。(PaaSに関連した今後の展開については本リリース末尾に掲載した【関連調査レポート1】でも詳しく触れている)


■クラウドソーシングなどの要素を含む「業務支援クラウド」は少子高齢化を見据えた有効策
また、こうした「ちょい足し」の動きはPaaSのみならずSaaSにおいても見られる。昨今のSaaS市場では以前からパッケージとして存在していた業務システムをクラウドへと移行したもの(会計、販売、グループウェア、セキュリティなど)に加えて、交通費精算や名刺管理などの部分的な業務をサービス化した形態も多く見られる。ノークリサーチでは後者を「業務支援クラウド」と呼び、詳しい集計/分析を行っている。業務支援クラウドの具体例としては以下のようなものが挙げられる。(ここでは例として5種類のみ掲載しているが、調査レポートでは20種類に渡るサービス種別を定義し、それらに対する調査/分析を行っている)
「オンライン契約仲介サービス」
紙面の契約書をデジタル化することで、印紙代や郵送代を不要にする 例) 弁護士ドットコム「CloudSign」
「オンライン秘書サービス」
秘書業務をオンラインでアウトソースし、遠隔で事務関連作業を依頼する 例) キャスター「キャスタービズ」
「オンラインマニュアル発行/管理サービス」
業務マニュアルをデジタル化し、スマートデバイスなどで最新版を共有する 例) スタディスト「Teachme Biz」
「複数サービスの価格/内容比較サービス」
同じ種類の複数サービスの情報を自動的に収集し、価格や内容を比較する 例) スマートキャンプ「Boxil」
「業種毎の共同検索/予約サービス」
店舗を検索サイトに掲載し、事前決済付きオンライン予約の仕組みを利用する 例) クービック「Coubic」
「士業のクラウドソーシングサービス」
仲介サービスを通じて会計士、税理士、社労士などに業務を依頼する 例) BEC「Gozal」
こうした「業務支援クラウド」の中にはクラウドソーシングやマッチングサービスの要素を取り入れたものもあり、労働力人口が減少する将来を見据えた場合、ユーザ企業が業務効率を向上させる有効な手段の一つになると考えられる。以下のグラフは中堅・中小企業に対して、「業務支援クラウドの利用意向」を尋ねた結果を年商別に集計したものだ。企業規模が大きくなるにつれて業務支援クラウドの利用意向も高くなり、年商300~500億円未満の中堅上位企業層では過半数のユーザ企業が利用意向を示している。年商5億円未満の小規模な企業においても2割強のニーズがあり、幅広い企業層での活用が期待される。
このように、SaaSにおいても既存の業務パッケージを単にサービス化するだけではない進化が見られる。その過程においてはクラウドソーシングやマッチングサービスといった新たなビジネススタイルも織り込まれてくる。ITソリューションを提供する側としてはこうしたビジネス視点から見た時の変遷にも目を向けておくことが重要となる。(業務支援クラウドに関する詳細については本リリース末尾に掲載した【関連調査レポート2】でも詳しく触れている)


■「業務支援型ソリューション」ではオンプレミスとクラウドを適材適所で選択することが大切
さらに以下のグラフは中堅・中小企業に対して「業務支援クラウドを利用すると想定した場合に望む事柄」を尋ねた結果を中堅・中小企業全体(青帯)と利用したいと考える具体的なサービスがある企業(赤帯)に分けて集計したものである。
「機能やバージョンを利用企業毎に個別に選択できる仕組み」や「国際的な基準に基づくセキュリティ認証の取得」といったようにサービス自体の機能や品質に関連する項目については中堅・中小企業全体と利用意向のある企業の間で回答割合に大きな差は見られない。
一方で、「既存の業務システムとデータや認証を連携できる仕組み」、「全く同じ機能を社内設置型サーバ上で再現できる仕組み」、「データを社内に置き、処理だけをクラウドで実行する仕組み」といったように既存の業務システムならびにオンプレミス環境との連携/併用に関連する項目については回答割合に大きな差が見られる。
つまり、PaaSの場合と同様に「業務支援クラウド」についてもユーザ企業は既存業務システムやオンプレミス環境との連携や併存を求める傾向にあるといえる。したがって、既存の業務システムと「業務支援クラウド」を取り巻く今後の展開にも以下の4通りが考えられる。
1. 業務システムのクラウド移行に大きな変化はなく、「業務支援クラウド」は補完的な役割を果たす(現状維持)
2. 業務支援クラウドの活用を契機として、既存の業務システムについてもクラウド移行が進んでいく
3. 業務支援クラウドと同じ仕組みがオンプレミスでも増え、業務システムのクラウド移行が鈍化する
4. 業務支援クラウドの持つ要素がSaaSから分離し、クラウドとオンプレミスの双方で実現可能となる
「業務支援クラウド」の中には「交通費精算」のように既にオンプレミスとクラウドの双方で実現されている領域もある。一方で、「士業のクラウドソーシング」のように企業と士業を仲介する役割を果たす場合にはクラウドが現実的な選択肢となるだろう。
このように1~4のどの展開へと進むか?は「業務支援クラウド」の種別によって異なってくると考えられる。こうした業務支援型ソリューションの実現手段については、オンプレミスとクラウドを適材適所で使い分けるという意識をさらに強く持つことが重要となってくる。(以下のグラフも含めた業務支援クラウドに関する詳細は本リリース末尾に掲載した【関連調査レポート2】で詳しく触れている)


本リリース内で引用した調査レポート一覧
【関連調査レポート1】
2016年版中堅・中小企業におけるPaaS活用の動向予測レポート
単なるミドルウェアのサービス化に留まらないPaaS活用において、一歩先を行くためには何をすべきなのか?
【サンプル/ダイジェスト】
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【レポート案内(サンプル属性、設問項目、集計データや分析サマリの試読版】
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【価格】180,000円(税別)

【関連調査レポート2】
2016年版中堅・中小企業における業務支援クラウドの動向予測レポート
従来型業務システムのクラウド化とは異なる新たなSaaS 『業務支援クラウド』 の最新動向を網羅した一冊
【サンプル/ダイジェスト】
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【レポート案内(サンプル属性、設問項目、集計データや分析サマリの試読版】
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【価格】180,000円(税別)

【関連調査レポート3】
2016年版中堅・中小企業におけるクラウドERP導入の動向予測レポート
今後一年以内に何割のユーザ企業がERP/基幹系システムを刷新し、クラウド環境へと移行していくのか?
【サンプル/ダイジェスト】
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【レポート案内(サンプル属性、設問項目、集計データや分析サマリの試読版】
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【価格】180,000円(税別)
調査レポートのお申込み方法: ホームページ(リンク)から、またはinform@norkresearch.co.jp宛にメールにてご連絡ください


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