第66回IAA国際商業車ショーが22日開幕、デジタル化や電気モビリティーがテーマ
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【ベルリン2016年9月19日PRNewswire=共同通信JBN】
*ウィスマン会長、自信を持ってハノーバーに行く
世界の輸送と物流、モビリティーで最も重要な見本市、第66回IAA国際商業車ショー(66th IAA Commercial Vehicles)が2016年9月22日、ハノーバーで一般公開される。9月29日までの期間中、52カ国の2013社が最新の成果を公開する。ビジターは国際優良企業332社、欧州優良企業101社の展示を体験する。IAAの予約はほぼいっぱいで、27万平方メートルの敷地が埋まり、商業車ショーが1992年に独立した展示会になって以来、最も盛況となった。
IAAはドイツ自動車工業会(VDA)の主催。マティアス・ウィスマンVDA会長は開会直前に「われわれは自信を持ってハノーバーへ行く。IAAの成功の条件はそろった。世界で最も重要な今回の見本市は特にデジタル化、コネクティビティー、自動運転、代替パワートレインといった未来志向のテーマが特徴だ。本当の意味で『Driven by Idea(アイデアが原動力)』を明らかにする」と語った。
商業車業界は長らくモビリティーと物流のサービス提供に徹してきた。「デジタル化と代替パワートレインは世界の貨物交通の効率と環境保護を高める大きなチャンスになる」とウィスマン会長は強調した。
今回の商業車ショーは国際的な要望に完全に対応している。海外企業の展示割合は61%に上る。参加企業が多い5カ国は中国(229社)、イタリア(145社)、オランダ(121社)、トルコ(92社)、フランス(85社)。出展企業の5社に1社強は(ドイツを除く)欧州から、5社に1社はアジアからだ。大型トラックやバン、バス、トレーラー、部品の各メーカーのほか、多くのサプライ企業、テレマティックス(移動体通信技術)といったサービス企業など商業車の国際バリューチェーンのすべてがこのIAAに登場する。
これまでに取材申請書類を提出したジャーナリストは57カ国の約1700人。ほぼその半分がドイツ国外からだ。9月21日水曜日のプレスデー、9月22日の木曜日のプレスデーおよび一般公開初日には、100以上の記者会見があり、そのうち半分以上は水曜日に開かれる。
ウィスマン会長は「商業車業界は今年のIAAのスローガンをDriven by Ideasとし、業界がソリューションを提示するメガトレンドを浮き彫りにする。そのトレンドとは何よりもまずコネックテッド・自動運転。ここでは業界全体のデジタル進化について語る。それから商業車やバスでますます普及している代替パワートレインがある。キーワードは電気、ハイブリッド運転、天然ガス。そして街や都会の交通と物流をもっと効率良く、また環境に優しくするアーバン・ロジステック(都市物流)がある」と説明した。
こうしたテーマをもっと強く訴えるため、初めてIAA商業車ショーは特別テーマ「New Mobility World logistics」を設けた。この新しい試みは未来のデザイン、新物流コンセプト、出展企業の提示とサービスに光を当てるのが目的で、ビジターによる出展企業への認知度を高め、新規企業とビジターグループの利益をつなげる狙い。New Mobility World logisticsは未来の物流と交通のテーマも増幅する。ウィスマン会長は「このようにしてわれわれはあらゆるステークホルダーの間で対話ができる新しい枠組みを創る。イノベーションのこうした傾向はもはや単独の企業にとどまらない。このIAAで業界はイノベーションのこうした分野での進歩と取り組みの完全な構図を明らかにする」と述べた。
今年のIAAでは全体にわたって、特に展示企業のブースやさまざまな会議などで、こうしたことが体験できる。野外展示のNew Mobility World LIVEは、ダイナミックで双方向の運転のデモをビジターに披露する。さらに独自のガイドツアーでは、出展企業が参加ビジターにイノベーションを提示する。約20台の電気自動車(EV)は展示グランドでテストドライブが可能だ。40台以上の軽・大型商業車のテストドライブは一般道で行われる。
ウィスマン会長は「デジタル化はメーカーで推進されている。しかしここでもまた、サプライヤー抜きには何もできない。サプライヤーもこの方面に力を入れている。目標ははっきりしている。コネクティビティーは交通をもっと効率良く、安全にすることだ。デジタルでつながる将来の大型トラックは、自動車専用道で集団で自動運転される。われわれはそれをプラトーニングと呼んでいるが、エネルギー消費を減らすと同時に路上での安全性を向上させる」と訴えた。
電気・ハイブリッド運転はバンやバスで利用されるだけでなく、大型トラックのエネルギー消費と二酸化炭素(CO2)排出量を減らす。天然ガスなど代替燃料もトラックから出るCO2を削減する可能性がある。ウィスマン氏は「コネクティビティーと電気のモビリティーは将来のアーバン・ロジステック、つまりラスト・マイルを、より早くかつゼロエミッションで展開できる」と説明した。
「今回のIAAは、われわれが将来は幅広いドライブトレインの組み合わせを利用できることを明らかにする。ディーゼルは長距離交通、いわば大型トラックでは主役であり続ける。最新の排気処理技術によってディーゼルは効率的かつ経済的であるばかりでなく、クリーンにもなった。今日のEuro VI式トラックとバスはテストでも路上でも非常に低排出だ。こうした排出物の低減は商業車で成功している」とVDA会長は指摘した。
ただアーバン・ロジステックのトレンドは明確に代替パワートレインに向かっている。ウィスマン氏のよると「ハイブリッド・電気自動車はますます重要になっている。これはバンやトラックにも言えることで、そう遠くなく地元配給の大型トラックにも導入される」という。
このほかIAAはほぼすべての関連課題でスペシャリストを交えた27のイベントを開く。その課題とは廃棄物日や積み荷の確保といった従来からもののほか、デジタル化、スタートアップフォーラムLab16を含むコネクティビティー、アーバン・ロジステックなどのイベントである。交通や物流に関する研修のイベントも幾つかある。
IAAを支えているのは西欧の商業車市場の現状である。昨年大型トラックの新車登録は14%増の25万9000台に上った。今年は7月までで12%増えている。今年全体では8%増の28万台と予想されている。中国も拡大を続けているが、米市場は6年連続の成長の後に一服している。ロシアとブラジルの市場も引き続き軟調だ。世界全体の商業車(6トン以上)は今年、3%増の280万台になりそうだ。
▽問い合わせ先
Eckehart Rotter
German Association of the Automotive Industry (VDA)
Press Department
Tel.: +49-30-897842-120
E-mail: rotter@vda.de
ソース:German Association of the Automotive Industry (VDA)
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