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コンプラ問題、企業内で理解は進むが、意識や行動に遅れ 


 コンプライアンス(企業倫理・法令順守)問題に対する認知や理解は企業内で進んでいるが、肝心な従業員の意識や行動はそこまでついて行っていない――。株式会社日経リサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三宅 誠一)が実施した「コンプライアンス意識調査」でこんな結果が明らかになりました。昨年も東芝や旭化成の子会社など一流企業でコンプライアンスの問題が噴出、トップが辞任に追い込まれ、経営を揺るがす事態に陥りました。また、社内における劣悪な労働環境やハラスメントの横行などの指摘を受け、「ブラック企業」と名指しされる有名企業も少なくありません。あなたの企業は大丈夫か、調査結果を基に、一度振り返ってみてはいかがでしょう。
 今回の調査は全国の企業や役所、団体などで働く約10万人を対象に、2016年3月に実施しました。ここではその10万人の中から、民間企業の正社員約6万7千人と非正規社員(契約社員・嘱託社員・派遣社員・パート・アルバイト)約1万9千人から得られた調査結果を、2014年12月にほぼ同じ内容で実施した調査(以下、前回または前回調査とします)の結果と比較しながら、ご紹介します。


■勤務先の規定、8割超の正社員が理解

 まず、勤務先のコンプライアンス関連規定をどの程度理解しているか聞きました。正社員は「かなり理解している」と「ある程度理解している」の合計が83.7%となり、前回調査から理解度は6.1ポイント上昇しました。一方、非正規社員の理解度は65.6%と正社員に比べるとかなり低水準にとどまりましたが、前回よりは4.8ポイントのアップで、コンプライアンス問題に関する理解は着実に進んでいることが分かりました。
 一方、企業側の態勢はどうでしょう。勤務先にコンプライアンスに関する相談・通報制度が「ある」と答えたのは正社員の51.4%、非正規の40.1%で、前回に比べると、正社員で3.3ポイント、非正規で2.3ポイントの上昇となりました。企業側も少しずつですが、相談体制の認知・理解を進めている様子がうかがえます。

■コンプラの悩み相談、社内の部署より家族や友人

 ただし、それらの制度が十分活用されているとは言い難いようです。職場でコンプライアンスによる問題で悩んだ時、誰に相談するか、複数回答で尋ねたところ、正社員はトップが「上司」で46%、「同僚」が30.7%で2位になりました。「誰にも相談をしない」がこれに続き、「社内のコンプライアンス関係部署」は16.0%で、「家族・友人・知人」も下回って5位に留まりました。家族・友人・知人に相談すると、社内の機密情報が外部に漏えいするリスクが高まりかねません。決して望ましいことではないのですが、前回に比べ4.6ポイント増とかなりの伸びを示しています。
 これが非正規社員になると、さらにこの傾向が強まります。トップは正社員と同じ上司でしたが、その割合は正社員を7.4ポイント下回り、2位の同僚との差は6.3ポイントに縮まっています。一方、前回は4位だった家族・友人・知人は4.8ポイントの大幅増で3位に浮上しました。社内のコンプライアンス関係部署はここでも5位に低迷しています。非正規社員にも使いやすい社内制度の整備が望まれます。

■業務手順のマニュアルに従う適正派が大幅ダウン

 さらに、コンプライアンス問題の発生が懸念される状態にある企業が増えていることも分かりました。業務手順がマニュアルに従って、適正な方法で行われているかという質問で、自分や自分の周囲があてはまる(「かなりあてはまる」と「ややあてはまる」の合計)という回答者は正社員で35.8%、非正規社員で37.9%、あてはまらない(「あまりあてはまらない」と「全くあてはまらない」の合計)は正社員26.0%、非正規21.4%でしたが、前回の結果と比べると、あてはまるは正社員で10.3ポイント、非正規で11.4ポイントも低下したのに対し、あてはまらないは正社員で11.3ポイント、非正規で8.9ポイント上昇しました。マニュアルからの逸脱は思わぬ事故につながりかねません。

 何がこうした状態を招いたのでしょうか。その一因ではないかと思われるのが、組織風土の悪化です。今回の調査で「あなたの職場では、コンプライアンスより、業績の向上を優先する傾向があると思いますか」というストレートな質問を投げかけたところ、そう思わない(「あまりそう思わない」と「全くそう思わない」の合計)が正社員29.6%、非正規社員26.9%だったのに対し、そう思う(「とてもそう思う」と「ややそう思う」の合計)は正社員38.0%、非正規29.8%となり、自分の職場はコンプライアンスより業績優先だと思う社員が思わない社員を上回りました。ところが、前回の結果をみると、正社員はそう思うが25.1%だったのに対し、そう思わないは45.7%もあり、非正規もそう思うが21.3%、そう思わないが43.0%となっていて、正規・非正規とも自分の職場はコンプライアンスを重視していると考える社員が大きく上回っていたのです。この2年間で多くの企業の組織風土に何らかの変化があったことがうかがえます。

 コンプライアンス問題は企業にとって致命的な打撃につながりかねません。当然、どの企業もコンプライアンスには力を入れています。しかし、経営者が気づかぬうちに、組織の間にコンプライアンスを軽視する風潮が生まれてきている恐れがあります。あなたの会社は本当に大丈夫か、一度、確認してみてはいかがでしょうか。

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