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レーザー照射するだけで簡単に銅配線が形成できる技術を開発 -- 芝浦工業大学

芝浦工業大学 2016年04月01日 08時05分
From Digital PR Platform


応用化学科の大石 知司 教授は、特定の銅錯体にレーザーを当てるだけで簡単に銅配線が形成でき、電子デバイスの製造プロセスを大幅に簡略化できる技術を開発した。酸化が進行してしまうために困難だった通常環境(大気中)での銅の処理を可能とし、数10~200μm幅の微小な配線形成ができるものである。


 近年、印刷技術を利用して集積回路やデバイスを作る技術(プリンタブルエレクトロニクス)が注目されている。その配線材料には低コスト・高導電性を持つ銅が多く使われている。しかし、銅は大気中での扱いが難しく、大がかりな真空設備や、複雑な作製プロセスを必要とし、結果的にコストや時間がかかる問題があった。本技術では、特別な環境下や機器を用いることなく銅配線形成を可能にするもので、ディスプレイやスマートフォンなどを容易かつ低コストに生産する技術として期待される。

・銅配線形成プロセスの動画: リンク

■背景
 従来、電子デバイスの配線材料には、高い性能を備えるものの高価な金・銀が用いられてきた。近年は、比較的高い性能を備え、安価な銅の活用が進んでいる。しかし銅は容易に酸化するため、真空環境下で作業をする、複雑な工程を経る必要があるなど、結果的にコストや時間がかかってしまうことが課題となっていた。

■今回の成果
 熱分解性を持つ銅錯体溶液をガラス基板上に塗布し、レーザー照射することで銅錯体に化学反応を促し、連続的に照射することで銅を定着させることに成功。つまり、銅微細配線が高速で形成できることを確認した。本技術では、環境に依存することなく通常環境(大気中)でも銅配線が形成でき、銅以外は気体(CO2など)として空気中に放出されるため、複雑な後処置も必要ない。現在、数10~200μm幅での配線形成が可能であることを確認している。
 また、従来必要であった複雑な工程や、その際用いる処置剤なども不要であるため、大幅なプロセス簡略化に加え、低コストで環境にもやさしい技術といえる。

■今後の展開
 今回の技術は、電子ペーパー、デジタルサイネージなどの普及にともない注目されている「プリンタブルエレクトロニクス」の更なる発展に寄与する可能性がある技術である。
 たとえば、図面回路に合わせてレーザーを照射するだけで複雑な回路を形成することなどが可能になる。

 大石教授は、プラスチックなどの樹脂を基板として用いた軽くて薄く、丸めたり折り曲げたりできるフレキシブルディスプレイの研究も並行して進めており、本技術を適用したフレキシブルデバイスの実用化を目指している。今後、企業等と連携し、更なる微細配線形成やプロセスの精密化について検討を行っていく。

●写真の説明
[レーザー照射の様子]
 図面回路に合わせて連続的にレーザー照射することで銅配線形成ができる。

[レーザー照射した箇所のみピンポイントで配線可能]
 銅錯体が溶けた溶液(青色)を塗布後、レーザーにより銅が析出。その後、熱処理で簡単に溶液を除去し目的形状が得られる(透明)。

▼本件に関する問い合わせ先
 芝浦工業大学 経営企画部 企画広報課
 〒108-8548 東京都港区芝浦3-9-14
 TEL: 03-6722-2900
 FAX: 03-6722-2901
 E-mail: koho@ow.shibaura-it.ac.jp

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