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主要な肝がん研究、緩和ケアコホート群登録を完了

Otto von Guericke University Magdeburg / Medizinische Fakultaet 2016年03月08日 11時47分
From 共同通信PRワイヤー

主要な肝がん研究、緩和ケアコホート群登録を完了

AsiaNet 63682

マクデブルク(ドイツ)、2016年3月7日/PRニュースワイヤー/ --

ソラフェニブ投与前のSIR-Spheres(R) Y-90樹脂微小球による局所進行原発性肝がんの治療に関するSORAMIC試験の緩和ケア群が目標としていた患者登録者数420人に達しました。

マクデブルク大学放射線学部教授、Jens Ricke博士は、同じく教授のPeter Malfertheiner博士と共同監督しているヨーロッパ全域対象SORAMIC[1] 試験の緩和ケア群が、切除不能原発性肝がん(肝細胞がんまたはHCC)の患者420人の登録者数目標に達したことを発表しました。HCCは、世界第3位のがんによる死亡原因となっています。

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SORAMICは、初めての大規模なランダム化比較試験(RCT)であり、緩和ケアコホート群でのHCCの治療において、ソラフェニブ投与のみに対して、標準全身療法にソラフェニブ(ドイツのバイエルのネクサバール)とSIR-Spheres(R) Y-90樹脂微小球(オーストラリアのSirtex Medical LimiteのSIR-Spheres(R))による向肝臓選択的内部放射線治療(SIRT)を併用することの有効性と安全性を比較するものです。SORAMIC試験の緩和ケアコホート群に参加した原発性肝がんの患者は、切除手術やアブレーションを受けられず、化学療法溶出性ビーズで肝腫瘍を局部的に治療するインターベンション技術である肝動脈化学塞栓療法(TACE)に適した候補者でもありませんでした。SORAMIC試験の結果は2018年に出る予定です。

SORAMICは、「Sorafenib and Micro-therapy Guided by Primovist(R)-Enhanced MRI in Patients with Inoperable Liver Cancer(手術不可能な肝がん患者におけるソラフェニブ投与とプリモビスト(R)造影MRIによるマクロ波療法)」の頭字語であり、医師主導治験(IIT)です。この試験は診断パートと治療パートの2つのパートで構成されます。診断パートでは、造影磁気共鳴画像診断(MRI)とコンピューター断層撮影法(CT)の比較が行われ、初期治療の決定と患者管理の指針において、MRIがHCC病変の特定に関してCTと同程度以上かどうかを判断します。入手可能な結果に基づいて、Gd-EOB-DTPA(ドイツのバイエルのPrimovist(R))造影MRIがHCC病変の検知の精度を上げることが可能だと推測できます。もし正しければ、これによって適切な治療の選択性が向上するはずです。治療パートでは、複数の治療手段の新たな併用と今日の一般的な医療行為の比較が行われます。緩和ケアコホート群は、局所進行性HCC、つまり骨やリンパ節転移の患者が対象です。

SORAMICは、治癒目的での別の試験(高周波アブレーション[RFA]とソラフェニブの併用対RFAとプラセボ併用)および診断的下位研究のコホート群への募集を継続します。

マクデブルクで放射線学と核医学診療所の院長を務めるRicke博士は、次のように述べています。「この10年間、ソラフェニブは、進行性HCC、あるいは肝臓以外にも転移した全てのHCC患者に対する唯一の標準治療でした。今回の大規模なRCTの結果により、ソラフェニブとY-90樹脂微小球の併用が、外科的切除やアブレーションを受けることのできない進行性HCC患者にとって新しい治療基準になる可能性があります。」

ソラフェニブは、主要なSHARPランダム化比較試験の結果に基づいて、進行性HCC患者に対する標準治療として確立されました。その試験では、プラセボと比較して、全生存期間中央値が7.9から10.7か月に伸びました。[2]

多くの学問領域にわたるSORAMIC試験は、6年前の2010年2月に開始されました。緩和ケア調査コホート群に登録した最初の40人の患者からのデータに基づいた安全性に関する中間解析では、局部急性HCCの患者において、Y-90樹脂微小球とその後のソラフェニブの投与量増加による治療は、ソラフェニブ単独治療と比較して毒性の増加には関係がないことが示されています。併用療法を受けた患者は、ソラフェニブ単独治療を受けた対照患者と同じソラフェニブ治療の強度と期間が有効でした。[3]

SARAH RCTに関する結果は今年後半に明らかになる予定ですが、SARAH RCTでは、TACEに失敗したあるいは受けることのできない切除不能HCC患者における、ソラフェニブの有効性・安全性とY-90樹脂微小球の有効性・安全性とを直接比較しています。SARAHと同じ内容で行われる2回目のRCTとなるSIRveNIBは、今年中に参加者募集を完了する予定です。

肝細胞がん(HCC)について
肝細胞がん(HCC)は、肝臓から生じたがんである原発性肝がんのもっとも一般的な腫瘍です。HCCは、世界で7番目に多いがんであり、がんによる死亡原因の3位となっています。 [4]このがんは、主として、ウイルス性肝炎やアルコール依存症などの何らかの原因による肝硬変の患者に影響を及ぼし、アジア太平洋地域や南ヨーロッパなど、肝炎と診断される人口が多い地域で最も発症が多くなっています。HCCは、外科的には、切除手術や移植手術での対応が可能で、長期生存の可能性が幾分あります。しかし、大半の患者がこれらの選択肢の対象にはなっていないのが現実です。切除不能HCC患者にとって、見通しは暗く、生存期間は、診断時の腫瘍の程度と肝臓の状態に大きく左右され、数か月から約2年間です。 [5]この10年近く、大規模な研究で成功裏に試験された新たな選択肢はないままです。

スポンサーであるマクデブルクのオットー・フォン・ゲーリケ大学医学部について
この大学のマクデブルクにある医療センターは、オットー・フォン・ゲーリケ大学医学部とマクデブルク大学病院(Otto von Guericke University Magdeburg / Medical Faculty)からなる公共機関であり、密接な学際的協力に取り組む、50以上の診療所、機関、サービス施設を備えています。この大学医療センターの本質は、研究、医師の教授と学問的教育、および特に重篤な疾患の治療の間にある切り離せないつながりにあります。

マクデブルク大学医療センターは、4,300人以上の医師、看護スタッフ、科学者、研究員、管理職員を抱えています。1,500人以上の未来の医師が現在医学部で学んでいます。

Nexavarはバイエルの登録商標です。

Primovist(R)は、バイエルの登録商標です。

SIR-Spheres(R)は、Sirtex SIR-Spheres Pty Ltdの登録商標です。

参考:
1.手術不可能な肝がん患者におけるPrimovist造影MRIによるソラフェニブとマイクロ波治療(SORAMIC):リンク
2.SHARP治験責任医師研究グループのLlovet J、Ricci S、Mazzaferro V、他。進行性肝細胞がんにおけるソラフェニブ。『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』2008年発行、359: 378-390。
3.Ricke J、Bulla K、Kolligs F、他。進行性肝細胞がんにおける放射線塞栓療法とソラフェニブの併用の安全性と毒性:ヨーロッパ多施設治験SORAMICの分析、『Liver International』2015年2月発行:35(2):620-626。
4.Ferlay J, Soerjomataram I, Ervik M et al. Globocan 2012. v1.0, Cancer Incidence and Mortality Worldwide: IARC CancerBase No. 11 [Internet]. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer; 2013. Available from: リンク accessed on 4/March/2016. [Age-standardised rates]
5.欧州肝臓学会(European Association for the Study of the Liver)、欧州がん研究・治療機構(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)。EASL-EORTC臨床診療。

ソース: Otto von Guericke University Magdeburg / Medizinische Fakultaet


(日本語リリース:クライアント提供)

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