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2016年中堅・中小企業のIT活用における注目ポイントと展望(基本インフラ編)

ノークリサーチは基本インフラに関する2016年の中堅・中小企業におけるIT活用の注目ポイントと展望を発表した。

<「Software-Defined」や「クラウド」を知ることがH/W販売の拡充にもつながる>
■「Software-Defined」は手軽な価格で小規模なサービスを始める際にも有効な手段となる
■スマートデバイス端末の販売/提案は一般消費者向けとの違いを理解することが出発点
■PC販売を活性化させるためには「端末の多様化」や「業務システム」に基づく視点も必要
■まず「広義のサーバ」視点での知識を習得し、その上でクラウド商材の比率を検討すべき
■ストレージ機器については中堅企業を主な対象に細かな機能による差別化提案が有効

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2016年1月18日

2016年中堅・中小企業のIT活用における注目ポイントと展望(基本インフラ編)

調査設計/分析/執筆
株式会社ノークリサーチ
シニアアナリスト 岩上由高


株式会社ノークリサーチ(〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は基本インフラに関する2016年の中堅・中小企業におけるIT活用の注目ポイントと展望を発表した。本リリースは2015年の調査結果を振り返り、そこから読み取れる2016年の年頭所感をまとめたものである。

下記のリリース内容は以下のURLにも掲載されております。
発行元URLをご案内いただく際は以下のURLを記載ください。
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<「Software-Defined」や「クラウド」を知ることがH/W販売の拡充にもつながる>
■「Software-Defined」は手軽な価格で小規模なサービスを始める際にも有効な手段となる
■スマートデバイス端末の販売/提案は一般消費者向けとの違いを理解することが出発点
■PC販売を活性化させるためには「端末の多様化」や「業務システム」に基づく視点も必要
■まず「広義のサーバ」視点での知識を習得し、その上でクラウド商材の比率を検討すべき
■ストレージ機器については中堅企業を主な対象に細かな機能による差別化提案が有効


■「Software-Defined」は手軽な価格で小規模なサービスを始める際にも有効な手段となる
本リリースでは既に公表済みの「新規IT活用領域編(※1)」と「業務システム編(※2)」に続き、PC/スマートデバイス、サーバ、ストレージ、ネットワークといった基本インフラに関する今後の注目ポイントと展望について述べている。
※1 リンク
※2 リンク
スマートデバイス活用は中堅・中小企業においても引き続き関心の高いテーマの一つである。しかし年商500億円未満の中堅・中小企業に対して尋ねた以下のグラフが示すようにスマートデバイス活用には様々な課題が存在する。
その中でも「通信に要する月額料金負担が大きい」という課題はユーザ企業や販社/SIerの工夫や努力だけでは解決が難しい。また「新規IT活用領域編」で述べたIoT関連市場の発展においても通信コストが今後の課題となってくる。
2015年の年頭所感ではこうした課題の解決策として「法人向けMVNO」について言及した。だが、不要な付加機能を削ったとしてもMVNO提供側のコスト削減には限界があり、中堅・中小企業を対象とした安価な通信サービスが広まるまでには至らなかった。2016年にはこうした状況に大きな変化が生じる可能性がある。その契機となるのが、ソラコム社に代表される「SD-MVNO」(SD=Software-Defined)とも呼ぶべき取り組みだ。同社の通信サービス「SORACOM Air」は基地局のみを大手キャリアから借り受け、従来ハードウェアが担っていた交換機などの機能をAWSのクラウド上にソフトウェアで実現している。そのため利用料金が安価かつ詳細に体系化されており、大手ではないIT企業やユーザ企業によるコンソーシアムなどが業種や規模に合わせた企業向けMVNO、さらにはそれを基盤としたIoTソリューションを提供することも可能となる。
これまで、ストレージやネットワークにおける「Software-Defined」では大規模用途におけるスケーラビリティに注目が集まることが多かった。2016年には「手軽な価格で小規模から始められるサービス構築のための基盤」として「 Software-Defined」が再び注目を集めるのではないかと期待される。


■スマートデバイス端末の販売/提案は一般消費者向けとの違いを理解することが出発点
今後はスマートフォンやタブレットといったスマートデバイスに加えて、ウェアラブル端末やデジタルサイネージといった様々な機器がビジネスシーンに登場すると予想される。ITソリューションを提供する側としては「どのような形状やOSを備えた端末をどのような用途において提案すべきか?」の見極めが重要となる。その前段としてまず必要となるのが「企業におけるスマートデバイス活用に求められる要件を把握する」という取り組みだ。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「スマートデバイス端末の形状やOSを選択する際の重視事項」を尋ねた結果のうち、幾つかの項目を抜粋してプロットしたものだ。※全ての項目に関する調査結果については、該当する調査レポート(本リリース末尾に紹介)を参照
企業におけるスマートデバイス活用に求められる要件として留意しなければならないのは「一般消費者向け端末とのニーズの違い」である。一般消費者向けにおいては「ディスプレイ画面が精細であること」「カメラで綺麗な写真が手軽に撮れること」などが重視されることが多い。一方、企業用途で最も重要なのは「業務が停滞しないこと」だ。上記のグラフにおいて(※1)が最も多く挙げられている要因にはこうした背景がある。
また、一般消費者向けでは次々と新しい端末を打ち出していくことが重要となる。一方で、企業向けでは端末の保守負担を抑える必要があるため、端末やOSが毎年のように変わる状況は好ましくない。その結果、(※3)や(※5)が示すように「同じ端末/OSの供給を長期間受けられる」ことが重視されることになる。
さらに、管理/運用の負担が大幅に増えないことも大切だ。そのため、(※2)が示すように既存のPC環境と管理/運用の手法がある程度共通していることを望む傾向が見られる。この点は端末のOS選択にも大きな影響を与える要素といえる。
新たな収益を見込めるビジネスシーンを発案し、それに向けてスマートデバイス導入やシステム構築を行えれば理想的だが、そうした攻めのスマートデバイス活用に最初から取り組むことのできるユーザ企業は少ない。まずは既存の業務システムをスマートデバイスから利用し、何らかの利便性がないかを模索するところから始めるのが現実的だろう。その際には(※6)のポイントが重要となってくる。
(※7)は前頁でも述べた通信コストの課題とも深く関連する。スマートデバイスの活用シーンでは「外出中の営業担当者が在庫状況を確認する」などのように即時性が求められることも少なくない。したがって、相応の通信速度も必要となってくると考えられる。


■PC販売を活性化させるためには「端末の多様化」や「業務システム」に基づく視点も必要
スマートデバイスに注目が集まる一方、従来型のPCについては現状維持志向が強まっている。2015年7月末にはWindows10の無償アップグレードが開始されたが、国内の中堅・中小企業はまだ慎重な姿勢を示している。また、2014年4月のWindowsXPサポート終了において多くのユーザ企業がPCを刷新したことも、こうした現状維持志向の大きな要因の一つとなっている。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対し、「PCのOSに関する基本方針」を尋ねた結果である。(年商別や業種別の集計結果も含めた全データが掲載された調査レポートについては本リリース末尾を参照)
「新しいOSが普及するのを待ってから導入する」と「サポート終了期限まで現在のOSを使い続ける」の合計割合は7割超に達している。この結果から、「OSバージョンアップと同期する形でPC端末の更新/刷新を訴求する」というサイクルを回すことが容易ではなくなっていることがあらためて確認できる。したがって、今後は「業務システムの刷新/更新に合わせてPC端末についても刷新/更新を訴求する」という逆の取り組みも必要になってくる。とくに重要となるのが前頁で述べたスマートデバイスを含む端末の多様化と業務システムとの兼ね合いだ。以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対し、「業務システム刷新/更新と端末との兼ね合いに関する考え方」を尋ねた結果である。(年商別や業種別の集計結果も含む全データが掲載された調査レポートについては本リリース末尾を参照)
上記のグラフを見ると、端末の多様化が「業務システムの刷新」(選択肢の※1)や「既存端末も含めたOSの統一」(選択肢の※2)に繋がる可能性があることが読み取れる。例えば、「営業担当者が社外でも文書を閲覧できるようにタブレットを導入」⇒「社外で在庫も参照したいというニーズが生じ、販売管理システムをバージョンアップ」という流れは端末の多様化が業務システムの更新につながったケースといえる。ここからさらに「可搬性が高く、かつ細かいキー入力も行いやすい端末としてタブレットPCを導入する」といった展開に進むことも十分考えられる。さらに、本リリースの「業務システム編」(※3)で触れたワークスタイル改革も業務システムと端末の双方に影響を与える可能性がある。その流れの中でデスクトップ仮想化を含むPC端末の更新/刷新につながる提案を模索する価値も十分あると考えられる。PC端末についてはNECとLenovo の合弁やPC関連事業における東芝、富士通、VAIOの今後の展開など、市場シェアの観点から見た大きな動きが注目を集めている。
もちろんこうした観点も重要だが、PC販売/提案を担う個々のIT企業としては「スマートデバイスも含む端末の多様化や業務システムの視点からのニーズ」も視野に入れておくことが必要となってくる。
※3 リンク


■まず「広義のサーバ」視点での知識を習得し、その上でクラウド商材の比率を検討すべき
次にサーバ関連について見ていくことにする。以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「今後一年以内に予定している最も重要なサーバ導入/更新においてどのような形態を選ぶか?」を尋ねた結果である。(実際には年商別などの軸で見たデータも合わせて見ておく必要がある。全てのデータが含まれた調査レポートの紹介については本リリース末尾を参照)
サーバH/Wを購入しない形態(ホスティングおよびIaaS)の合計割合は32.7%に達していることがわかる。したがって中堅・中小企業向けにおいても、今後のサーバ市場を考える際は「ユーザ企業がサーバH/Wを所有する形態」だけでなく、「ユーザ企業がサーバH/Wを所有しない形態」も含めた以下のような「広義のサーバ」の視点から全体を俯瞰することが重要となってくる。
サーバを提案/販売する販社/SIerが上記のようなデータを見た場合、見解は大きく2つに分かれる。1つは「最近の動きとして実感している通り」というもの、もう1つは「相変わらず社内設置が多く、実感とは異なる」というものだ。ここではグラフを割愛するが、「2015年版 中堅・中小企業におけるクラウド活用の実態と展望レポート」(ノークリサーチ)に興味深いデータがある。
販社/SIerにクラウド提案/販売に取り組む理由を尋ねた結果のトップは「顧客からの求めに応じるため」(35.1%)だった。一方、クラウド提案/販売に取り組まない理由を尋ねた結果では「顧客からクラウドを求める声が挙がってこない」(29.8%)がトップに挙げられた。他の様々な調査データも加味して上記の結果を解釈すると、クラウドについて言及していない販社/SIerに対してはユーザ企業が 「この販社/SIerはクラウドは商材として扱っていないようだ」と判断し、別の販社/SIerに相談している可能性が高いと考えられる。
したがって、「実際にクラウド商材にどこまで注力するか?」に関係なく、まずは「クラウドとは何か?」というユーザ企業からの問いかけに答えられるようにしておくことが重要といえる。「この販社/SIerはクラウドとは無関係」と判断され、最初の相談すら来ない状態となってしまうと、最終的にはオンプレミスのサーバH/W導入となるべきだった案件も喪失してしまう恐れがある。
サーバを販売/提案する販社/SIerとしては「広義のサーバ」視点に基づく基礎知識を一通り習得し、ユーザ企業からの初回の相談を漏らさず受けられる状態を作っておくことがまず重要となる。その上で、自社の方針や顧客のニーズを踏まえてクラウド(ホスティングやIaaS)にどこまで注力すべきか?のポートフォリオを検討するといった流れをとることが望ましいと考えられる。


■ストレージ機器については中堅企業を主な対象に細かな機能による差別化提案が有効
中堅・中小企業向けのサーバ市場については、オンプレミス/クラウドのいずれの形態についても「仮想化」や「管理/運用」といった幾つかのトピックを除けば「価格」が大きな選定要因となりやすい。一方で、ストレージ機器については対象となる年商規模がやや高くなるものの、細かい機能面での差別化要素が「価格」よりも優先されるケースが見受けられる。
以下のグラフは年商50~100億円未満の中堅下位企業層に対し、最も重要度の高いストレージ機器において「実際に活用している機能や特徴」(※1)と 「今後新たに活用したい機能や特徴」(※2)をそれぞれ尋ねたものだ。(※1は青色の帯、※2は赤色の帯でプロットされている)(全てのデータが含まれた調査レポートの紹介については本リリース末尾を参照)
[活用中]と 比べて[活用予定]の回答割合が比較的高い項目(今後ニーズが高まると予想される機能)としては「システムのレプリケーション」、「プライマリデータの圧縮/重複排除」、「オールフラッシュストレージ」、「異種ディスク混在RAID」がある。
データの回答件数が少ない点に注意が必要だが、こうした細かい差別化要素を地道に積み上げることが重要となってくる。
「データのレプリケーション」および「システムのレプリケーション」における[活用中]と[活用予定」の比率を比べると「データのレプリケーション」に取り組んできたユーザ企業が今後は「システムのレプリケーション」を実現しようとする流れがあることが読み取れる。ITソリューションを提案するメーカや販社/SIerとしてはデータ複製だけでなく、迅速かつ手軽にシステムそのものを複製できる仕組みを訴求していくことが有効と考えられる。
「プライマリデータの圧縮/重複排除」と「バックアップデータの圧縮/重複排除」も上記と同じ関係にある。「バックアップデータの圧縮/重複排除」に取り組んできたユーザ企業が今後は「プライマリデータの圧縮/重複排除」を実現する段階へと進む可能性がある。ただし、データの圧縮/重複排除の目的はあくまでコスト削減であるため、圧縮/重複排除の導入によって逆にコスト高となったり、データ読み書き速度の低下や管理/運用の煩雑化といった副作用を生じさせないことが大前提となる点に注意する必要がある。
「オールフラッシュストレージ」のニーズは存在するものの、現段階では依然として中堅・中小企業にとって敷居の高い選択肢といえる。ここで重要となるのが既存ストレージ資産を有効活用し、新たなストレージ機器導入の予算を捻出する取り組みだ。例えば、[活用中]に比べて[活用予定]の割合が高い項目の1つである「異種ディスク混在RAID」はストレージ機器筐体を従来よりも長く活用したい場合に有効だ。そこで、更新需要としてのストレージ機器導入時にこの機能を持つストレージ機器を提案しておけば、既存ストレージ機器が長く活用できることによって別の新たなストレージ機器を訴求する際の予算が確保しやすくなる。機能面での差別化要素を訴求する際にはこうした複数のストレージ機器を総合的に見た上での提案力も重要となる。


本リリースで参照した市場データを含む調査レポート一覧

「2015年版 中堅・中小企業におけるPC/スマートデバイス活用の実態と展望レポート」
スマートフォンやタブレットはPC市場を侵食していくのか?既存のPC販売とスマートデバイスへの転換は両立できるのか?
レポート案内:
ダイジェスト(サンプル):
Windows 10の中堅・中小企業への影響
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PCとスマートデバイスの選択比率と方針
リンク
スマートデバイス端末の形状やOSの選択
リンク
スマートデバイス提案に有効な活用シーン
リンク
価格:180,000円(税別)

サーバ関連レポート3部作 各冊180,000円(税別)、2冊同時購入時:240,000円(税別)、3冊同時購入時:380,000円(税別)
「2015年版 中堅・中小におけるサーバ/IaaS選定の実態と展望レポート」
IaaSベンダ間の競争が激しさを増す中、中堅・中小企業におけるクラウドへの遷移はどこまで進んでいるのか?
レポート案内: リンク
ダイジェスト(サンプル): リンク

「2015年版 中堅・中小におけるサーバ仮想化活用の実態と展望レポート」
中堅・中小企業におけるサーバ仮想化活用をさらに進めるために必要となる次の一手とは何か?
レポート案内: リンク
ダイジェスト(サンプル): リンク

「2015年版 中堅・中小におけるサーバ導入/保守の実態と展望レポート」
中堅・中小企業はサーバの調達先をどのように選定するのか?導入/運用における作業は誰が担っているのか?
レポート案内: リンク
ダイジェスト(サンプル): リンク

「2015年版 中堅・中小企業におけるクラウド活用の実態と展望レポート」
クラウド形態で提供すべき業務システム、提供すべきでない業務システムは何か?その際に留意すべき事項は何か?
レポート案内: リンク
ダイジェスト(サンプル):
クラウドへの移行状況と障壁および解決策
リンク
クラウドサービスのユーザ企業による評価
リンク
クラウドが販社/SIerの選択に与える影響
リンク
価格:180,000円(税別)

「2015年版 中堅・中小企業におけるストレージ環境の実態と展望レポート」
業務システムにおけるサーバ接続ストレージ、ファイルサーバ、オンラインストレージサービスの動向を全て網羅
レポート案内: リンク
ダイジェスト(サンプル): リンク
リンク
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価格:180,000円(税別)


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株式会社 ノークリサーチ
調査設計、分析、執筆:岩上由高
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