企業の二酸化炭素排出報告は全面的見直しが必要とKPMG調査

KPMG International 2015年12月03日 14時13分
From 共同通信PRワイヤー

企業の二酸化炭素排出報告は全面的見直しが必要とKPMG調査

AsiaNet 62698(1557)

【パリ2015年12月3日PR Newswire=共同通信JBN】
*重要な情報が年次財務報告書と企業責任報告書から抜けている

*世界規模のガイドライン設定が一貫しない取り組みの是正に役立つ

KPMG Survey of Corporate Responsibility Reporting(KPMGの企業責任報告調査)2015年版によると、世界の大企業による二酸化炭素情報には一貫性がなく、利害関係者が企業の実績を他社と容易かつ正確に比較することをほとんど不可能にしている。

KPMGメンバーファームのプロフェッショナルは世界の大企業250社が財務報告書および企業責任報告書の中で公表した二酸化炭素情報を分析、5社のうち4社がこれらの報告書で二酸化炭素について報告しているものの、公表された情報のタイプや質が大きく異なることが分かった。

例えば、250社の半数(53%)は企業報告の中で二酸化炭素の削減目標を明確にしているが、このうちの3分の2はその目標をなぜ選択したかを説明する理論的根拠を提供していない。

報告された排出のタイプも大きく異なる。報告を出した企業の大半は自社操業からの排出(84%)と調達電力からの排出(79%)は報告しているものの、サプライチェーンの排出は半数(50%)が報告しているにすぎない。さらに少数、10社のうち1社未満(7%)が製品・サービスの利用および廃棄に起因する排出の情報を含んでいるだけである。

企業報告書の中で二酸化炭素を取り上げた約半数の企業(51%)は投資家向けのCDPデータベースなど他の情報源の詳細情報を読者に提供している。残り半数はそうしていない。

オランダのKPMGのパートナーでKPMGのサステナビリティー分野における報告と保証業務の責任者であるヴィム・バーテルズ氏がこのKPMG調査の筆頭作成者である。同氏は次のように語った。

「すべての利害関係者は、企業の年次財務報告書ないしは企業責任報告書から企業の二酸化炭素関係実績の高品質で比較可能な情報に素早く容易にアクセスできるべきである。現在はそのようになっていない」

「明らかに改善する必要があり、二酸化炭素に関する世界規模の報告ガイドラインがこの問題の是正に役立つ。これの作成を企業だけに任すべきではない。業界団体、規制機関、基準決定機関、投資家をはじめすべてがその役割を担う」

KPMG調査は、融資者、保険業者、投資家などの利害関係者による実体リスクの把握に役立つ企業の一貫性のある気候関連情報開示制度を開発するタスクフォースの設置を金融安定理事会がG20に最近提案したことに沿っている(注1)。Climate Standards Disclosure Board(CDSB)は企業が主要な財務報告書の中に投資家に関係する気候情報を含めることを促進するための自発的な枠組みも導入した(注2)。

KPMG調査には、企業が年次財務報告書および企業責任報告書で二酸化炭素情報を公表する際に従わなければならないとKPMGメンバーファームが考えるデータ、目標、コミュニケーションに関するガイドラインも含まれている。

KPMGリサーチャーは、大企業250社の各社報告書の品質を評価するために使用したこれらのガイドラインに基づく採点法を考案した。主な調査結果は次の通り。

*鉱業、建設、化学など二酸化炭素高排出部門の大企業5社のうち1社は年次財務報告書ないしは企業責任報告書の中で二酸化炭素について報告していない。

*欧州企業は世界の他地域の企業より高品質な報告書を提出している。

*輸送&レジャー部門の企業は部門別では最も高品質な報告書を作成し、石油&ガス企業は最低品質である。

*年次財務報告書ないしは企業責任報告書の中で二酸化炭素について報告している企業の半数は、二酸化炭素削減がどのように事業に恩恵をもたらしているかを説明している

▽企業責任報告の世界的なトレンド

KPMG Survey of Corporate Responsibility Reportingは、45カ国にある4500社の報告書の分析に基づくCR報告の世界的なトレンドに関する所見を含んでいる。

調査は、CR報告の比率が欧州や米州よりもアジア太平洋地域で大きいことを示している(アジア太平洋地域の企業の79%がCRについて報告している)。

CR報告の最高比率はインド、インドネシア、マレーシア、南アフリカのような新興経済国に見られる。比率が高いのは、大抵の場合、政府ないしは証券取引所の規制によって促されているからである。

調査はまた、年次財務報告書の中にCR情報を含めることが標準的な商習慣になっていることを明らかにしている。調査した4500社の半数以上(56%)がこれを実行している。

▽調査について
KPMG Survey of Corporate Responsibility Reportingは今回が9回目で、1993年に初めて公表された。調査はKPMGメンバーファームのプロフェッショナルによって実施され、企業責任報告書、年次財務報告書、ウェブサイトで企業が公表した公開情報に基づいている。

2015年版では、世界の大企業250社のサンプルは、2014年のフォーチュン500社リストに基づく(注3)。CR報告の世界的なトレンドは45カ国のそれぞれの国で収益がトップの100社の報告書調査に基づいている。

詳細情報および調査コピーのダウンロードは、ウェブサイトリンク を参照。

▽KPMG Internationalについて
KPMGは監査、税務、アドバイザリーサービスを提供する専門企業の世界的ネットワークである。世界155カ国で業務を行い、メンバーファーム全体で16万2000人以上が働いている。KPMGネットワークの独立したメンバーファームは、スイスの組織体であるKPMG International Cooperative(KPMG International)に加盟している。個々のKPMGメンバーファームは法律上独立した別の組織体で、その旨を明らかにして事業を展開している。

(注1)出典(リンク )2015年11月17日に閲覧

(注2)(リンク )2015年11月19日に閲覧

(注3)リンク

▽問い合わせ先
Mark McKenzie
Climate Change & Sustainability Center of Excellence
KPMG International
+31 6 4676 1884 (mobile)
mmckenzie@kpmg.com

Ellie Austin
Climate Change & Sustainability Center of Excellence
KPMG International
+44 7789 942159 (mobile)
eleanor.austin@kpmg.co.uk

ソース:KPMG International

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