2015年度Enlighten Awardのノミネート企業を発表

受賞者は8月のCAR Management Briefing Seminarsにて発表

Altairは、2015年度Enlighten Awardのノミネート企業17社を発表しました。今回3年目を迎える同賞は、Center for Automotive Research(CAR)と共同で、2015年8月3日~6日にミシガン州トラバース市で開催される2015年度CAR Management Briefing Seminarsにて授与されます。

本賞は、オートバイから乗用車、軽トラック、商用車やバスまで、自動車産業での軽量化における成果を評価することを目的としています。世界各国の自動車業界の専門家で構成される審査委員会は、CARの社長兼CEO、およびCARのCoalition for Automotive Lightweighting Materials(CALM: 自動車軽量化素材連合)の取締役であるJay Baron博士が委員長を務め、ノミネート企業の評価および最終的な受賞者の選定に当たります。

Baron博士は次のように述べています。「ますます厳しくなる燃費および温室効果ガスの基準を満たすために、車両の軽量化は大きな技術的変革の波にさらされています。どの国の自動車メーカーにおいても、軽量化は戦略的な技術の1つと認識されています。Enlightenのこのノミネートは、軽量化ソリューションを押し進めているサプライヤーやメーカー各社がしのぎを削る戦場での革新的な応用事例を提示しています」。

2015年度Enlighten Awardのノミネート企業は以下の通りです。

Automotive Performance Materials(APM)社およびFaurecia社 – Peugeot 308のインストルメントパネル、センターコンソール、ドアパネルに耐久性の高い設計を導入しました。具体的には、天然の麻繊維にポリプロピレンを編み込むことで複雑な形状と構造の作成を可能にしたと同時に、20~25パーセントの重量削減を達成しています。

BAIC Group社(オフロード車両技術センター)– CFRP、マグネシウム、アルミニウムの使用に加え、ボンネット、ロアコントロールアーム、シートフレーム、ルーフおよびフレームに画期的な最適化構造を採用することにより、同社の新しい車両モデルのBJ40で88.2ポンド(約40kg)の重量削減を達成しました。

BASF社、Ford社、Magna Exteriors社 – – Ford Shelby GT 350 Mustangにおいて、炭素繊維複合材製のグリルオープニング補強材(GOR)を用いてフロント部分のボディ全体剛性を強化するとともに、24パーセントの重量削減を達成しました。

Continental Structural Plastics(CSP)社およびGeneral Motors社(Corvette)– 先進的な複合材TCA Ultra Liteを開発しました。用途によってはアルミニウムと同等の重量になります。この新しい複合材は、2016 Chevrolet Corvette C7のアッパーボディ構造のほとんどで使用されているほか、複合材製のクラスAボディパネルにも使用されています。このシステムにより、1車両あたり44ポンド(約20kg)の重量削減を達成しました。

Dana Holding Corporation社 – 2015 Ford F-250~F-550において、シリンダーヘッドカバーの重量を29パーセント削減しましたが、Trexel Industries社からライセンスを受けた鋳造技術MuCell®を適用することにより、耐久性と安定性については現状を維持しています。

Dow Automotive Systems社 – 2014 BMW i3における設計上の問題に対処するために、構造用接着剤BETAFORCE™を開発しました。この2液型ポリウレタン系接着剤によって軽量車両の製造が可能になり、二酸化炭素排出量、燃料消費、汚染物質の大幅な削減につながります。新旧のモデルにおける重量削減効果は非常に大きく、176~440ポンド(約80kg~200kg)近い軽量化に成功しています。

Faurecia社: Emissions Control Technologies部門 – 2014 Chevrolet SilveradoおよびGMC Sierraの開発に解析主導設計および仮想検証プロセス(ALDVV)を導入しました。マフラーのインレットパイプ、オーバーアクスルパイプ、テールパイプの管厚を減らすことで、排気系の重量を2.5ポンド(約1kg)削減しました。

Ford Motor社 – 2015 F-150で最大700ポンド(約318kg)の軽量化を達成しました。フレーム全体で高張力鋼の使用量を増加させ、クラス最高水準のミリタリーグレードのアルミニウム合金ボディやその他の軽量部品を導入することで実現しました。

FTE Automotive USA社 – 2015 Audi A4、Q5、A6、C8のダブルクラッチトランスミッション向けに、油圧を機械的ストロークに変換することでギヤを変える、35パーセント軽量なギヤシフトアクチュエーターモジュールを設計しました。

General Motors社: Cadillac – コンピューター支援エンジニアリング(CAE)開発手法を用いて、Alphaアーキテクチャで163.1ポンド(約73.9kg)の重量削減を達成しましたが、質量効率、剛性、安全性、構造上の乗り心地を維持し、かつ、オンロードのパフォーマンス特性を劣化させることなく燃費の改善を実現しています。

Maxion Wheels社 – シミュレーションと最適化を利用した新しい設計プロセスを適用し、10ポンド(約4.5kg)の重量削減を達成しました。この構造がBiaxialと呼ばれる世界で最も厳しい耐久性試験の認定を受けたことで、製品の認定水準と品質を向上させることができました。

Trinseo社 –LGF-PPとTPO化合物の最適な組み合わせを選び、熱可塑性プラスチック製のテールゲートを開発しました。このテールゲートは商品化され、2015 Renault Espaceの大量生産に組み込まれています。これにより、以前の金属製テールゲートから10パーセントの重量削減に成功しました。

Sika Automotive社 – 高伸長性と超高弾性率を備えた高粘性の1液型の半構造用接着剤を開発しました。この接着剤は、BMW i3のシャーシのアルミニウムと炭素繊維強化プラスチックのような異種素材の接着などに使用しました。

Volvo-Eicher Commercial Vehicle社: アクスル – 材料除去技術によって中小型トラックのフロントアクスルの重量を20ポンド(約9kg)削減しました。また、設計最適化プロセスからの結果から直接製造可能な設計ソリューションを開発しました。

Volvo-Eicher Commercial Vehicle社: 荷台 – 設計最適化技術の使用、ブリム形式パネルの組み込み、ベースフレームクロスメンバーの間隔と側面構造の間隔の見直しにより、1車両当たり396.8ポンド(約180kg)の重量削減を達成しました。

Volvo-Eicher Commercial Vehicle社: キャビンのウィンドディフレクター – 設計最適化プロセスを利用することで、ウィンドディフレクターの重量を元の設計から25パーセント削減しました。

Volvo-Eicher Commercial Vehicle社: トランスミッション – 新しい設計プロセスの導入に加え、CAE、プロトタイピング、検証、製造ラインの改善により、コストを増加させることなく30パーセントの重量削減を達成した上に、製品のパフォーマンス、信頼性、耐久性、安全性も改善しました。

AltairのGlobal AutomotiveのVice Presidentを務めるDave Masonは、次のように述べています。「エントリー数は毎年増加しており、多種多様な技術がエントリーされています。そしてそのどれもが、エンジニアリングのノルマに挑戦し、結果として自動車の重量削減技術を生み出しています。3年前の初開催時と比べて競争が激化しているため、今年の受賞企業が発表されるのを全員が心待ちにしています」。

Altair Enlighten Awardの目的は、その年の車両軽量化における最高の業績を称え、産業界、エンジニア、政治家、教育者、学生および社会からの関心を集めて、業界での新たなアイデアをさらに競い合う機会を創出し、技術的な進歩を共有できるようにすることです。

この賞はCARのCALMの目標とも合致します。CALMは、様々な材料をコスト効率の高い方法で統合し、材料部門と自動車メーカーが連携することにより、車両質量の大幅な削減を実現することを目指しています。

【お問い合わせ】
アルテアエンジニアリング株式会社
マーケティング
03-5396-1341(代)
marketing@altairjp.co.jp

このプレスリリースの付帯情報

2015年度Enlighten Award

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用語解説

Altairについて
Altairは、ビジネスパフォーマンスの改善のために、設計、プロセス、意思決定を統合かつ最適化するシミュレーション技術の開発と様々な分野への適応に注力しています。 2500人を超える従業員を擁する非上場企業であるAltairは、米国ミシガン州トロイに本拠を置き、24ヵ国に45以上のオフィスを構えています。 顧客は多種多様な業種にわたり、その数は5000社以上にも及んでいます。 詳細については、www.altairjp.co.jpをご覧ください。

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