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クアルコムにおけるInternet of Everythingへの取り組み

FIFイノベーションワークショップ2015「IoTでビジネスを変える~第四次産業革命の最前線~」第2回

フューチャー イノベーション フォーラム(略称=FIF、代表=牛尾治朗・ウシオ電機株式会社会長、金丸恭文・フューチャーアーキテクト株式会社会長)は、7月3日にイノベーションワークショップ2015の第2回を開催しました。
本ワークショップは次世代リーダーの育成と業界を超えた企業同士の交流を深める場として2007年にスタートしました。本年は「IoTでビジネスを変える」をテーマに全3回シリーズで開催します。ドイツと米国で進行しているIoTビジネスの事例を中心に、IoTが製造業だけでなく流通や小売り、サービス業でもビジネスを変える可能性があることを示唆し、日本ならではのビジネスのあり方や自社ビジネスの変革について議論を重ねます。



[画像: リンク ]

【開催概要】
 講演者:クアルコムジャパン株式会社 特別顧問 山田純
 テーマ:クアルコムにおけるInternet of Everythingへの取り組み
 コーディネーター:サイバー大学 IT総合学部 専任教授 前川徹
 コメンテーター:東京大学 先端科学技術研究センター 教授 森川博之
 日 時: 2015年7月3日(金)18:00 ~ 20:10
 会 場: フューチャーアーキテクト株式会社

【講演概要】
米国半導体大手のクアルコムは、スマートフォン向けのチップや移動通信技術を強みとしているが、昨今IoTの分野でも力を発揮している。同社はIoTではなくIoE(Internet of Everything)というコンセプトを打ち出し、現在、世界で160社以上の企業が参画する世界最大のオープンソースイニシアチブ「AllSeen Alliance」を主導し、自社の技術をオープンに提供しつつ利益をあげるというビジネスモデルを確立している。既に2014年度の決算ではIoE分野の売上が10億米ドルを超え、スマートフォンで培った技術を横展開することで今後もIoE分野への投資を加速させる。クアルコムのケースをもとに日本企業がどのように自社の技術を活かし、他企業と新たなビジネスを行っていくべきか示唆する。

◆Internet of Everything市場とクアルコムのアプローチ
シリコンバレーでは、IoTに関わっていないともはやプレイヤーではないと思われるほど様々な企業が新たなサービスの実現を目指している。IoTビジネスに関しても様々な市場予測がなされているが、IoT自体の定義が企業の立場によって千差万別であり、個人の感覚としては今ようやく虚構から現実にシフトしている段階だと感じている。
クアルコムでは「移動体通信およびスマートフォン以外のデバイスをインターネットに繋ぐこと」をIoEと定義し、「エッジコンピュータ(端末側)のインテリジェントが高まっていく」という仮説のもと多様なサービスの実現を後押ししている。既に当社の通信技術やチップは様々な企業に採用され、HaierのスマートオーブンやLIFXのLEDランプなど携帯やスマートフォン以外のデバイスのインターネット化に貢献している。その結果、2014年度の決算ではIoEの分野の売上が10億米ドルを超えた。今年度は売上の10%以上を占めると予測している。

◆キーテクノロジー
IoTの分野は多岐にわたり、また必要とされる技術も幅広いことから当社でもそれぞれの端末やサービスに応じたチップの開発を進めている。なかでも通信と知能化に関連する3つの技術を重要な要素と捉えている。
一つめは、次世代高速大容量通信「LTE-A,B」である。現在、この技術をさらにバージョンアップさせた「MTC(Machine-Type Communications)」を開発しており、年内には業界標準としてリリースできる見込みだ。MTCは低速小容量のデータ通信を実現することで電力消費を減らすというものだ。IoTの代表的な活用例であるM2M(Machine to Machine)の広がりを背景に、通信に関わるバッテリーの持ち時間を大幅に延ばすべきというマーケットのリクエストを受け、とくに力を入れている。Wi-Fiが繋がらないような遠隔地でもセンサーとMTCを導入すれば環境が整うため農業などの分野でも活用できると考えている。
二つめは、「AllJoyn」というオープンソースのソフトウェアフレームワークである。AllSeen AllianceではAllJoynをIoT規格のベースとしており、ライセンスフリーでの使用を推進している。ディスカバリー&ハンドシェイクというコンセプトのもと従来ネット端末でなかったものも含め、機器同士がメーカー間の壁を越えて通信し合うことで新たなサービスの創出を目指している。
三つめは、「Cognitive Computing」である。その代表的なアプリケーションは人工知能だが、人間が認知、推論する技術をコンピュータが担うことを目指している。すべての情報はクラウドに直結し、インテリジェントはWebに依存すればいいというWoT(Web of Things)という考え方もあるが、クアルコムでは今後のIoT分野でのニーズを見据え、端末側がインテリジェントの役割を担うことを研究している。

◆AllJoynの活用例とIoEの未来
多種多様なインターネット対応機器がこれまで市場に投入されてきたが、メーカーや機器ごとにアプリケーションが存在するため機器間の連携ができないという問題があった。しかし、「AllJoyn」という統一規格を活用すれば、テレビやスピーカーなどの端末を自宅のネットワークに繋ぐだけで機器同士が互いに認識し、連携するようになる。各端末にモニター画面を搭載する必要はなく、一つのスマートフォンやタブレットでの操作が可能だ。また、録画の残り時間や冷蔵庫の開閉状況といった機器からの情報を一元管理でき、自宅で何らかのトラブルが発生した場合、ライトで警報することもできるようになる。各端末が発信する情報を繋ぎ連携させて、これまでにない新たなサービスを生み出そうと「AllSeen Alliance」では、こうしたIoTがもたらすソリューションをテーマに年中議論を重ね、ブラッシュアップを図っている。現在、世界160社以上の企業が参画しているが、サムスン電子とインテルが主導する「OIC(Open Interconnect Consortium)」をはじめAppleやGoogleもそれぞれにIoT関連のコンソーシアムを設立しており、正直なところ、これからどこがコンシューマー系のIoTの覇権を握るのかは不透明だ。
今後も通信モジュールはあらゆる機器に搭載されていくだろうが、クアルコムも自社の技術を応用しながらビジネスチャンスを広げたいと考えている。日本企業にも言えることだが、IoTというこれから大きく成長する可能性を秘めた新市場においてプレイヤーになるためには、自社の技術や強みをよりオープンにし、提供していくことが重要だと感じている。

【本ワークショップに関するお問い合わせ】FIF事務局 TEL:03‐5740‐5817

プレスリリース提供:PRTIMES リンク

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