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不十分な抗凝血管理とハイリスクスコアが非弁膜性AF患者の死亡率、脳卒中を高める  GARFIELD-AF研究データ

Thrombosis Research Institute (TRI) 2015年06月23日 16時22分
From 共同通信PRワイヤー

不十分な抗凝血管理とハイリスクスコアが非弁膜性AF患者の死亡率、脳卒中を高める  GARFIELD-AF研究データ

AsiaNet 60965 (0832)

不十分な抗凝血管理とハイリスクスコアが非弁膜性AF患者の死亡率、脳卒中を高める
GARFIELD-AF研究データ発表

【トロント(カナダ)2015年6月23日PRN=共同通信JBN】
*GARFIELD-AF Registry研究による1年間の転帰は、ビタミンK拮抗薬(VKA)による管理が不十分でハイリスクスコアが、新たに診断された心房細動(AF)患者の死亡率および脳卒中を高めることを示している

Global Anticoagulant in the FIELD-Atrial Fibrillation(GARFIELD-AF)に登録されたほぼ1万7200人の患者から得られた実生活データは、ビタミンK拮抗薬(VKA)による抗凝血(凝固)の適切な管理の達成に至らなかったこととハイリスクスコアが、非弁膜性の心房細動(AF)にかかった患者の死亡率や脳卒中のリスクを増大することを確認した。これら所見は(トロントで開かれている)2015年国際血栓止血学会(ISTH)で23日に報告された。

ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの外科教授でThrombosis Research Institute(TRI、血栓研究所)所長のアジャイ・カッカール教授は「GARFIELD-AF Registry研究後に新たに心房細動と診断された患者は、診断後の最初の1年で重大な疾病負荷を持つことになる。GARFIELD-AF研究で発表された最近のデータは、新たに診断された心房細動にかかった特定の患者に有効となる抗凝血剤の恩恵を明らかにした」と語った。

ISTH会議の発表は以下の通り。

▽GARFIELD-AFで新たに診断された心房細動患者のリスクプロフェイルと1年間の転帰

非弁膜性AFと新たに診断されて1年後の脳卒中/全身性閉塞症(SE)、死亡、大量出血の発症例は、診断で提供された患者のベースライン(基本)特性と抗血栓剤療法によって分析された。その結果は以下の通り。

 *死亡率はAFとの診断後最初の1年で最も高い負荷を示した。
 *Higher risk scores(CHA2DS2-VASスコアおよびHAS-BLEDスコア)が死亡、脳卒中/SE、大量出血症例のリスク増に関連する。
 *75歳以上の喫煙、抗凝血治療の欠如、肝臓疾患はまた、死亡、脳医卒中/SE、大量出血のリスク増加に関連する。
 *ベースラインでの心不全は、死亡のリスク増に関連するが、ベースラインでの高血圧は死亡のリスクを減らす。

▽ビタミン拮抗剤(VKA)管理と1年転帰の質:GARFIELD-AF registryからの世界的見通し

同研究は、人口統計、医療設定、1年転帰に関連して新たに診断された非弁膜性AF患者について、国際標準化比(目標標準値2.0-3.0を使って)の治療域(TTR)で時間を分析した。TTRはVKA管理の質の指標であり、転帰の指標としても利用される。欧州心臓病学会のガイドラインは、70%以上のTTR(注1)を推奨している。その結果は以下の通り。

 *VKA管理が不十分なことは、死亡率と脳卒中/SEのリスク増に関連する。
 *TTRが60%から70%に増加することは、脳卒中/SEのリスクを減らす。
 *病院で診断される少数の患者は、オフィスあるいは抗凝血クリニック/血栓センターで診断される患者と比較して良好な管理が可能。
 *アルコール摂取過剰は、不十分な管理を受けている患者により多く発生する。
 *全体的に良好なVKA管理は、大きな臨床上の意義がある。

これら新たなGARFIELD-AF分析は、2010年から2013年の間に登録された1万7168人の患者を含めて、第1集団(群)と第2集団のデータに基づいている。

GARFIELD-AFは独立系の学術研究活動で、英国ロンドンのThrombosis Research Institute(TRI、血栓症研究所)の援助を受けて国際的な運営委員会が指揮している。これまでにGARFIELD-AFは35カ国で新たにAFと診断された患者を約4万人募集し、この治療分野で最大の観察研究となっている。第5群の募集も近く開始の予定で、Registryはいずれ最大5万7000人の患者を含むことになる。

▽GARFIELD-AF Registryについて
GARFIELD-AFは新たに診断された心房細動(AF)患者を観察するマルチセンターによる国際的な予測研究である。GARFIELD-AFは米州、東西欧州、アジア、アフリカ、オーストラリアの35カ国の少なくとも1000カ所のセンターから5万7000人の患者を予測研究する。Registryの開始は、AFを治療する非ビタミンK阻害経口凝固剤(NOAC)分野と同時に始まった。

心房細動について現在理解されていることは、比較臨床試験で集められたデータに基づいている。新しい治療の効果と安全性を評価することは重要であるが、これら臨床試験は日常の臨床診療行為ではないので、この疾患に対する実生活上の負荷や管理について不確定要素が存在する。GARFIELD-AFはこの患者集団に見られる血栓塞性、出血性の合併症における抗凝固療法の影響について知識提供を試みる。それは代表的な多様な患者グループ、さらには特徴的な患者集団の治療と臨床的な転帰を改善する可能性のある機会についてより良い理解を提供する。これは医師と医療システムが、患者や患者集団に最善の転帰をもたらすよう技術的進歩を適切に採用することを支援する。

患者の登録は2009年12月に開始された。GARFIELD-AFプロトコルの4つの主要な特徴的意図は以下の通り。

 *予測され、新たに診断された患者の5つの逐次的患者集団(群)について、個別の時間周期による比較研究を容易にし、治療と転帰の変化を類型化する。
 *治験担当医の配置は、調査対象施設は、慎重に割り当てられた全国的な心房細動医療設定配分の中で無作為に選択され、確実に登録される患者集団を代表することになる。
 *患者登録の選択の偏りを排除するため、治療法に関わらず持続的に適格患者を登録する。
 *フォローアップ・データは、診断後最短2年、最長8年間収集され、毎日の臨床診療での治療決定と転帰に関する包括的なデータベースを作成する。

研究対象の患者は過去6週間以内に非弁膜性心房細動(AF)と診断され、脳卒中につながるクロット(血塊)を予防する抗凝固剤療法の候補者になる可能性があるなど、脳卒中に対する少なくとも1つの追加的なリスク要因がなければならない。患者の脳卒中リスク要因を特定するのは治験担当医であり、リスク要因は確立されたリスク・スコアに含まれるものに限定する必要はない。患者は抗凝血療法を受けるものも受けないものも含まれ、従って現在および将来の治療戦略と失敗は患者の個人のリスク特性との関連で適切に理解されうる。

GARFIELD-AF RegistryはBayer Pharma AGから無制限の研究資金供与を受けている。

▽AFの負担
世界人口の最大2%が心房細動(AF)にかかっている(注2)。欧州の約600万人(3)、米国の300-500万人(4)(5)、中国の最大800万人がAFである(6)(7)。世界の人口が高齢化するため罹患率は2050年までに倍増すると推定されている。AFは脳卒中のリスクを5倍高め、脳卒中全体の5分の1はこの不整脈が原因とされている。AFに伴う虚血性脳卒中は死亡することが多く、生き延びた患者はより頻繁により重症の障害者となり、ほかの原因の脳卒中患者より再発に苦しむことが多い。そのため、AF関連脳卒中の死亡リスクは2倍であり、ケアのコストは50%増加する(8)。

AFは心房の一部が非協調的な電気信号を発信するときに起こる。これが早すぎて不規則な心室の拍出を起こし、血液を完全に送り出すことできない(9)。その結果、血液は心室にたまり、クロットをつくり、血栓に至る。これが世界第1位の心臓血管キラーである(10)。血液のクロットが左心房を離れると、脳を含む人体の他の場所で動脈にとどまる可能性がある。脳動脈中の血液クロット1個が脳卒中を起こす。死に至った脳卒中の92%は血栓によって起きている(10)。またAFの人は心不全、慢性疲労、その他の心拍上の問題のリスクも高い(11)。脳卒中は世界の主要な死因、長期障害の主因であり、毎年670万人が死亡(12)し、500万人が終生身体障害になっている(13)。

▽Thrombosis Research Institute(TRI、血栓症研究所)について
TRIは慈善財団であり、血栓症と関連疾患の研究に打ち込んでいる学際的な研究所である。TRIの使命は優れた血栓症研究、教育を提供し、血栓症の予防と治療のための新戦略を開発し、それによってケアの質を向上させ、臨床結果を前進させ、健康管理コストを減らすことである。TRIはユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(University College London)のPartners Academic Health Science Systemのメンバーである。

さらに詳しい情報はリンク を参照。

(注)
1. Camm AJ, Lip GY, De Caterina R, et al. 2012 focused update of the ESC Guidelines for the management of atrial fibrillation: an update of the 2010 ESC Guidelines for the management of atrial fibrillation. Developed with the special contribution of the European Heart Rhythm Association. Eur Heart J. 2012;33(21):2719-47.

2. Davis RC, Hobbs FD, Kenkre JE, et al. Prevalence of atrial fibrillation in the general population and in high-risk groups: the ECHOES study. Europace 2012; 14(11):1553-9. 6/16/15. Available at: リンク

3. The Lancet Neurology. Stroke prevention: getting to the heart of the matter. Lancet Neurol 2010; 9(2):129. 6/16/15.

Available at:リンク Lancet%20Neurology-%20getting%20to%20the%20heart%20of%20the%20matter.pdf

4. Naccarelli GV, Varker H, Lin J, et al. Increasing prevalence of atrial fibrillation and flutter in the United States. Am J Cardiol 2009; 104(11):1534-9.

5. Colilla S, Crow A, Petkun W, et al. Estimates of current and future incidence and prevalence of atrial fibrillation in the U.S. adult population. Am J Cardiol 2013; 112(8):1142-7. 6/16/15. Available at: リンク(13)01288-5/fulltext

6. Zhou Z, Hu D. An epidemiological study on the prevalence of atrial fibrillation in the Chinese population of mainland China. J Epidemiol 2008; 18(5):209-16. 6/16/15.
Available at: リンク

7. Hu D, Sun Y. Epidemiology, risk factors for stroke, and management of atrial fibrillation in China. JACC 2008; 52(10):865-8. 6/16/15.
Available at: リンク

8. European Heart Rhythm Association; European Association for Cardio-Thoracic
Surgery, Camm AJ, Kirchhof P, Lip GY, et al. Guidelines for the management of
atrial fibrillation: the Task Force for the Management of Atrial Fibrillation
of the European Society of Cardiology (ESC). 8/22/14. Eur Heart J 2010;
31(19):2369-429. 6/16/15.
Available at: リンク

9. National Heart, Lung, and Blood Institute. What is Atrial Fibrillation? 6/16/15.
Available at: リンク

10. International Society on Thrombosis and Haemostasis. About World Thrombosis Day. Available at: リンク

11. American Heart Association. Why Atrial Fibrillation (AF or AFib) Matters. 8/22/14.
Available at: リンク
Atrial-Fibrillation-AF-or-AFib-Matters_UCM_423776_Article.jsp

12. World Health Organization. The top 10 causes of death. Fact sheet N!a310. Updated May 2014. 6/16/15.
Available at: リンク

13. World Heart Federation. The global burden of stroke. 6/16/15.
Available at :リンク

ソース:Thrombosis Research Institute (TRI)

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