2014/2015年度 PCサーバー出荷調査報告

ノークリサーチでは2014年度の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2015年度の予測も併せて調査、報告している。

<2014年度PCサーバー市場のポイント>
■2014年度511,075台、対前年比95.9%で微減。
-台数は前年比4.1%マイナスで、511,075台
-金額は前年比4.1%アップで、3,195億円
■NEC、富士通、HPの上位3社変わらず。レノボは再スタート6位から。
■2015年度は501,350台と台数の漸減傾向が続く。

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2015年6月22日

2014/2015年度 PCサーバー出荷調査報告

担当: 伊嶋謙二

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)では2014年度の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2015年度の予測も併せて調査、報告している。


<2014年度PCサーバー市場のポイント>
■2014年度511,075台、対前年比95.9%で微減。
-台数は前年比4.1%マイナスで、511,075台
-金額は前年比4.1%アップで、3,195億円
■NEC、富士通、HPの上位3社変わらず。レノボは再スタート6位から。
■2015年度は501,350台と台数の漸減傾向が続く。


◇対象期間 :(2014年度実績)2014年4月~2015年3月 (2015年度予測)2015年4月~2016年3月
◇対象メーカー :電子情報技術産業協会(JEITA) 自主統計参加及び未参加メーカー
日本電気、富士通、デル、レノボ(日本IBM)、日本HP、日立製作所、東芝、三菱電機など
◇対象機種 :電子情報技術産業協会(JEITA)定義に準ずる
◇調査方法 :当該メーカーに対する直接取材及び弊社データベースによる分析
◇調査時期 :2015年5月~6月


―2014年度511,075台、対前年比95.9%で微減。
2014年度全体では511,075台で前年比95.9%という実績となった。上期は前年比96.3%、下期も95.5%と通期でも95.9%となっている。
2014年度下期のサーバー市場は、景気の回復を背景に上期の落ち込みからすると活性化してきたといえよう。特に、下期後半は大企業の製造業を中心としてIT投資への需要が戻ってきた。昨年度は消費税増税前の特需があったため、2013年度比で見ると台数は減少となっているが、クラウド化の進行によるオンプレからDCなどへのPCサーバーの集約化、仮想化は進みながらも、現状はオンプレの需要も一定の規模を維持した。そのため2014年度通年のPCサーバーの台数市場は若干の前年比割れながらも95.9%に留まっている。
サーバーの形状別にみると、ラック型サーバーが構成比では57.2%となって過去10年間で最も大きな割合を示した。台数としても約29万台の過去最高の出荷台数となった昨年には及ばないものの、対前年比99.0%とほぼ同水準にて推移した。集約効果の高いラックサーバーに需要が集中しつつある。タワー型のサーバーは35.9%の構成比となって再度ウェイトを高めた。NEC、富士通による大型案件が寄与している。
ブレードは、35,160台で全体の構成比は6.9%とひとケタ台となった。前年比95.9%となっている。データセンターなどの集約需要がラック型サーバーに収斂しつつあるなかで、ブレードは高可用性を生かした独自な統合プラットフォームとしての利用やHPC用途として一定の需要を満たしているのが現状だ。
出荷金額では、3,195億円となり、対前年比104.1%で前年を上回った。その背景には仮想化、集約化によるディスクやメモリーを多く搭載したサーバーが多くなっていることに加え、円安による実質的な値上げにより平均単価が高まり、その結果として金額市場は伸びている。


「2014年度シェア概況」
- NEC、富士通、HPの上位3社変わらず。レノボは再スタート6位から-
1位はNECで、2014年度は昨年の25.0%から25.2%へポイントを上げてトップシェアを維持した。形状別ではタワー型サーバーが昨年の29.1%から30.8%と1.7ポイント上げて、これもトップシェアとなった。ラック型サーバーは22.9%から21.7%と1.2ポイント下げた。ブレード型サーバーは22.5%から24.7%と2.2ポイントのシェアアップだ。年間を通じて大型の案件は少なかったものの、数百台クラスの案件を製造業などの大手企業を中心に安定的に確保できていることが特徴だ。合わせて全国の販売チャネルを経由した販売力と既存のユーザー企業の存在は、EOSなども含めた小規模なリプレース需要を確保して同社の実績を支えている。
2位は富士通で23.4%から23.6%へシェアを高めシェア2位だ。しかしタワーは昨年の31.0%から28.9%となってシェア1位をNECに譲っている。またラックは昨年20.6%から22.0%とシェアを高めた。富士通のPCサーバーは大手企業から中堅・中小企業への直販とチャネル販売、オープンチャネルといわれる全国の同社の系列以外の販売網での総合的な販売力でNECと双璧をなし、総合的な出荷実績を収めているが、2014年度では台数では前年比96.7%と減速した。
3位はHPで22.3%のシェアで昨年21.8%をプラス0.5ポイント上回った。ラックは24.1%とトップシェアを維持した。ブレードは30.3%とプラス6.4ポイントシェアアップし、ラック同様にトップシェアである。ブレードは、製造業などの技術計算用途(HPC)を中心に数多くのエンクロージャーを設置している実績もあり、安定した需要を獲得している。通年で円安による影響は受けながらも、得意な通信業界、ネット関連業界、大手民間企業への案件で昨年台数を上回る実績を残した。
4位はデルで10.7%のシェアで昨年の10.8%を下回った。昨年度は、システム障害による出荷トラブルがあったために、消費増税前の駆け込み特需などの恩恵を受けられなかった。そのため2014年度下期は対前年比107.6%と唯一前年を上回っている。大口以外の実績でみると、チャネル販売の強化による実績が思うように伸びていない点が指摘される。
5位は日立製作所で6.3%から6.0%へ若干のシェアダウンだ。同社の強みである大企業、官庁、金融、交通インフラ企業への固い需要層への導入は順調のようである。同社は国内だけでなくストレージなどシステム全体としてのソリューションで海外への展開も視野に入れた展開が特徴だ。
6位はレノボ(日本IBM)で7.8%から4.6%にシェアダウンだ。ラックは8.4%から5.4%へ、ブレードは14.6%から8.1%へシェアダウンとなっている。2014年度はIBMからレノボへの切り替えもあり、文字通りの再スタートであり、6位からの巻き返しを2015年度は狙う。


「2015年度見通し」
―2015年度は501,350台と台数の漸減傾向が続く
2015年度、PCサーバー市場にとって市場構造の端境期となっている。PCサーバーはオンプレからクラウドなどへの集約利用が進む中で、まさに変わり目の時期にいる。多くの企業では現状のオンプレのシステムも持ちながら、順次クラウドへの移行を検討、実行している、まさにハイブリッドな利用を試行している時期となっている。そのためPCサーバー市場が一気に集約利用、高付加価値サーバーへの転換によって、それに伴い台数も大きくシュリンクということにはならないだろう。2015年度は501,350台とかろうじて50万台を維持することが予想される。そして外的な要因としては景気回復、円安、マイナンバー、消費増税などのエポックがPCサーバー市場にどのような影響を与えるかが期待される。
「PCサーバー市場の2015年度の見通しのポイントは次の3点。」
1. 大企業やDC、ネットワーク系企業、クラウドインフラ企業などの集約利用の需要が中心
2. 円安、株高などの経済環境が企業のIT投資を増進させることが期待される
3. マイナンバー制度をきっかけにセキュリティ面などの守りの強化がPCサーバー市場を刺激


当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ
担当:伊嶋謙二
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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