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夏の山開き前に必読! 登山やトレッキングでの脱水・熱中症 その予防と対策

教えて!「かくれ脱水」委員会 2015年05月27日 17時00分
From 共同通信PRワイヤー

20150527

教えて!「かくれ脱水」委員会

夏の山開き前に必読!
登山やトレッキングでの脱水・熱中症 その予防と対策

近年、中高年を中心に山登りやトレッキングが人気です。中高年のグループ登山だけでなく、“山ガール”というコトバも生まれたように、近年では若い女性たちの間でも定着しています。一方で山という場所は、そこに立ち入るだけでも平地とは異なる脱水になりやすい環境。放置すると脱水・熱中症につながるだけでなく、「かくれ脱水」状態が思わぬ山岳事故を引き起こすこともあります。7月初頭の夏の山開きを前に、山岳医療の立場から、 登山やトレッキング時の脱水症の予防と対策について、教えて!「かくれ脱水」委員会の大城和恵委員に聞きました。
 

◆そもそも山歩きは脱水症・熱中症になりやすい

大城委員は「山に登ると多かれ少なかれ『かくれ脱水』になります」と指摘。
カラダの水分はつねに失われていますが、とくにカラダに強い負担がかかる登山では知らない間に多くの汗をかき、呼吸が荒くなって呼気から失われる水分(不感蒸泄)が増えるからです。

さらに、途中でトイレに行かなくても済むように水分摂取を控えたり、荷物を軽くするために携行する水分を制限することが、脱水症のリスクを高くします。また、水を持っているのに、立ち止まって仲間との歩行ペースが乱れることを避けるために水分補給を怠る人も多く、こうした気づかいが一層脱水状態を進行させてしまうことがあるようです。

◆集団から誰かが遅れ始めたら要注意

「山でカラダがだるいと感じたときには、単なる疲れではなく、脱水のサインだと考えてください」と大城委員。ほかにサインとして、「歩いているときに足がつる人は、水分を補給しているつもりでも、汗で失う塩分の補給が足りていない可能性が。また、脱水が進むと食欲が落ち、疲れて水分補給が億劫になり、脱水状態をそのままにしておくと重篤な脱水症になる恐れがあります。周囲の人も注意してあげること」などを挙げます。

また、グループで山に入る場合、途中で元気がなくなったり、ペースが落ちたりする人が出てくることが少なくありません。そういう人はいち早く脱水状態になっていることが多いので、みんなで休みを取って水分補給をすべき。たちくらみやめまいといった症状は脱水症がかなり進行しているサインでもあり、高山病のサインでもあるので注意が必要です。

■山での「かくれ脱水」を見つける6つのサイン
・何となくカラダがだるい
・足がつる
・食欲がない
・ペースが落ちて集団から遅れ始める
・いつもよりも尿が少ない
・イライラする

◆平地以上に、山では脱水予防を重視

山という環境では、脱水・熱中症になって救助要請しても、病院に行くまでに時間がかかり、その間に症状が悪化する場合があります。したがって脱水に対する事前の予防が重要です。

予防の基本はこまめ、早めの水分補給。山に登る前に500mlほどの水分を摂り、最低2リットルの水分を携行。30分おきに200~250mlを目安に水分を補給し続けます。山では50分歩いて10分休むというペースが一般的ですが、25分歩いたら5分の休みを取り、その間に水分を摂りましょう。高山などの極度に乾燥する環境下で、登山のような激しい運動をすると、呼吸数が増えて吐く息などから不感蒸泄として水分が大量に失われるため、脱水対策として多量の水分と塩分が必要になります。しかし真水のみの補給では塩分が不足し、経口補水液やスポーツドリンクをそのままの濃度で何リットルも補給するのも、塩分が過剰になりおすすめできません。「山では脱水時に皮膚にかけてカラダを冷やしたりもできる、真水がいちばん利用価値が高いので、私自身は経口補水液やスポーツドリンクのパウダー(粉末)を携行し、必要に応じてパウダーを真水に溶かして塩分などの電解質と糖質を補います」と大城委員。

もちろん、夏の低山においても、平地とは違い涼しく乾燥しやすい環境ですし、急な坂道を上下するのですから、トレッキング程度でもたっぷり汗をかくものです。事前に登山ルート近くにある水場を確認し、必要に応じて携行する水を増やしましょう。途中で水が手に入る場合、必要に応じて水を買うようにすると良いでしょう。十分な水分を摂取していると、尿意も自然に高まります。女性などは自分からトイレに行きたいとアピールしにくいので、リーダーや山岳ガイドが率先してトイレタイムを取るようにしてください。水を飲んでいるのに尿意がないのは、意識しない軽い脱水状態「かくれ脱水」のサインです。

■山での「かくれ脱水」予防策
・登山前に500mlほどの水分を飲む
・最低2リットルの水分を携行
・30分おきに200~250mlの水分を補給
・25分動いたら、5分の休憩
・午前10時から午後2時は行動を控える
・コース上の水場を事前に確認
・リーダーが早めにトイレタイムを取る
・食べ物から糖質をしっかり補給
・余計な汗をかかないように服の着脱を工夫

◆脱水症(熱中症)を疑ったときの対策

脱水症はなかなか自覚できないもの。集団から遅れるなど、先に挙げた脱水症のサインが出ていないかを仲間同士で互いにチェックすること。脱水症や熱中症が疑われる場合はすぐに対策を。

まず、意識がしっかりしていて自分で水が飲める場合、経口補水液のように水分と塩分と糖質が入ったものを最低1リットル飲んでもらいます。同時に、日差しが避けられる涼しい場所に移動。カラダを横にして、ザックなどに乗せて足を高くして安静にし、脱水で少なくなった血液を心臓に集めます。さらに手足など露出しているところに水をかけ、タオルなどであおいで水を蒸発させて気化熱を奪い、体温を少しでも下げます。飲むわけではないので、かけるのは沢の水でもOK。

「30分ほどで回復して普通に動ける場合は予定通りに行動しても良いと思いますが、それ以上回復に時間がかかるときはそばに誰かがついて経過を観察しながら下山します。山ではいちばん弱い人に合わせて行動するのが鉄則です」と大城委員。手足が動かない、意識がもうろうとするなど、脳と神経へのダメージが疑われる場合は、携帯電話などですぐに警察に救助を要請。ヘリコプターによる救助でも、到着まで40分以上かかることがあります。その間は、上記のような措置をして経過を観察し、水を飲ませてもむせるようであれば飲ませるのをやめましょう。

教えて「かくれ脱水」委員会のホームページ『かくれ脱水JOURNAL』にて、
PDF版とともに公開しています。
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大城和恵(おおしろ・かずえ) 心臓血管センター北海道大野病院・附属駅前クリニック 医学博士

2010年9月 国際山岳医 UK Diploma in Mountain Medicine(UIAA(国際山岳連盟)/ICAR(国際山岳救助協会)/ISMM(国際登山医学会)認定)日本人初の資格取得。 同年 5月 日本登山医学会認定山岳医研修会実行委員兼講師に就任。 同年12月 心臓血管センター北海道大野病院・附属駅前クリニックにて登山者外来開始。2011年北海道警察山岳救助アドバイザー医師に就任。ほかに、Wilderness Medical Societymember、日本登山医学会評議委員、日本登山医学会認定山岳医判定委員、日本登山医学会First Aid in Mountain Rescue 委員長、日本循環器学会認定内科専門医、日本内科学会認定内科専門医、日本リウマチ学会認定専門、日本心臓リハビリテーション学会認定指導士、日本医師会認定産業医




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