乳歯が永久歯に生えかわる小学生の低学年は、永久歯の土台ができる大事な時期です。
その一方で、むし歯や歯肉炎といったトラブルが起こりやすく、親の適切なサポートが欠かせません。今回は、生えかわり期の子どもの歯と歯ぐきについて、歯科医の高柳篤史先生に解説していただきます。
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■「六歳臼歯」のむし歯に要注意!
生えかわり期の子どもにとって、とくにむし歯に注意すべき歯は「六歳臼歯」です。「六歳臼歯」とは、5~6歳のころに初めて生える永久歯で、ものをかむ力の約6割を占める大切な歯です。また、続いて生えかわるほかの永久歯の歯並びや、かみ合わせの基礎となる「基本の歯」なのです。
六歳臼歯は、完全に生えるまで半年以上かかります。生えはじめの歯はエナメル質が弱いため、酸におかされやすく、むし歯になりやすいという特徴があります。また、ほかの永久歯は乳歯が抜けてその下から生えてくる歯ですが、「六歳臼歯」は、今まで歯が生えていないところに新たに生える歯なので、生えていることに気づかず、放置しがちです。
さらに、生えてからしばらくの間は、手前の乳歯より背が低いためハブラシが届きにくく、汚れがたまりやすいので、むし歯になりやすいのです。
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■小学生の4割が歯肉炎!?
「歯肉炎」とは、歯ぐきが炎症を起こし、赤くはれたり出血したりする状態です。厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、小・中学生の4割が歯肉炎という報告があります(グラフ参照)。永久歯の表面には周波条(しゅうはじょう)と呼ばれるミクロの溝があり、歯ぐきに近いほど深くなっています。この部分ハブラシの毛先が届きにくいため歯垢がたまりやすいのです。歯と歯ぐきの間に歯垢が残ると、歯肉炎を引き起こす原因になってしまいます。
■むし歯も歯肉炎も原因は磨き残しの歯垢
生えかわり期の子どもの歯は、乳歯と永久歯が混在したり、抜けたところもあったりと凸凹やすき間が多いもの。また、ハブラシを上手に歯や歯と歯の間にあてることができない
ので、どうしても磨き残しがちになります。汚れを落としやすくするために、顆粒が入ったハミガキもあります。
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監修:高柳篤史先生
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