原発性肝がん治療:SARAH臨床試験患者登録完了、結果は2016年後半発表の予定

AH-HP 2015年03月13日 10時10分
From 共同通信PRワイヤー

原発性肝がん治療:SARAH臨床試験患者登録完了、結果は2016年後半発表の予定

AsiaNet 59709

原発性肝がん治療:SARAH臨床試験患者登録完了、結果は2016年後半発表の予定

パリ、2015年3月3日/PRニュースワイヤー/ --

パリの総合病院Assistance Publique - Hopitaux de Paris (AP-HP)によって2011年12月に開始された「SARAH」 - 高度進行肝細胞がん(HCC)患者にイットリウム90微小球を使った放射線塞栓療法とソラフェニブと比較するフランスの全国共同無作為比較対象研究。400人以上の患者が登録し、結果は2016年後半に発表する予定。  

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SARAH臨床試験の治験担当医であるバレリー・ビルグレーン医学博士(Beaujon Hospital, AP-HP放射線科)、パリ・ディドロ大学、ソルボンヌ大学によると、高度進行肝細胞がん(HCC)患者を対象とするフランスのSARAH臨床試験は、当初の目標の400人を超える患者の登録を完了しました。

AP-HPが後援をする無作為・比較対象SARAH臨床試験は、イットリウム90(Y-90)微小球を使った放射線塞栓療法(オーストラリアのSirtex Medical LimitedによるSIR-Spheres(R) Y-90微小球)の有効性と手術不可能な高度進行肝細胞がん(HCC)患者の標準治療法になっている全身治療ソラフェニブ(Nexavar(R)、ドイツのBayer HealthCare Pharmaceuticals社開発)を直接比較します。

「SARAH臨床試験は、標的内照射療法あるいは肝臓に標的に高度進行肝細胞に直接行う治療と原発性肝がんにおいて標準療法である全身療法を比較する最大の無作為試験です。SARAH臨床試験チームは、患者登録が完了したことを嬉しく思います」とバレリー・ビルグレーン医博は述べました。

SARAH試験(進行した肝細胞がんに対するソラフェニブ治療薬対放射線塞栓療法)は、フランスの高度進行肝細胞がん(HCC)患者(バルセロナクリニック肝臓病期分類システムによってがんのステージC)のためのな多くの治療センターで実行した無作為非冒険臨床試験フェーズIIIです。患者は、門脈血栓症がある(ない)、肝外に移転がない、前回の治療から病気が悪化、または再発した、切除・除去・肝臓移植が不適任であるものを対象にしています。[1],[ 2]

SARAH試験の主要目的は、イットリウム90微小球を使った放射線塞栓療法がソラフェニブと比較して高度進行肝細胞がん(HCC)患者により高い生存率を提供することができるかを評価する試験です。この試験はさらに、患者の生活の質や治療の許容なども比較しています。

バレリー・ビルグレーン医博の-で、フランス全国25のスペシャリストがんセンターがこの臨床試験に関わっています。SIR-Spheres Y-90 樹脂微小球が、この独立した共同全国研究の試験研究に選ばれました。「登録患者数の目標は約3年で達成しました。これは、治療法の選択がほとんど証明されていない治療が難しいがんを対象とするこの規模の1国の試験にとっては異例のことです。」とバレリー・ビルグレーン医博は述べました。

SHARP無作為・比較対象試験において偽薬投与と比較して生存期間の中央値が8ケ月から11ケ月上昇したことが示された後、治療薬ソラフェニブは、高度進行肝細胞がん(HCC)患者の標準的治療法として確立しました。[3] しかし、ソラフェニブを服用した患者の80%は、治療に伴う副作用を経験しました。

SIR-Spheres Y-90 樹脂微小球を使ったSIRTは、手術不可能な肝腫瘍には承認されている治療法です。これは、大量の高エネルギーベータ放射線を腫瘍に直接あてる最小限に侵襲的な治療です。SIRTは、インターベンショナル・ラジオロジストが患者に対して治療を行います。肝臓の血液供給を利用し腫瘍に供給する肝臓動脈にカテーテルを通して数百万の放射性マイクロスフェア(直径20-60ミクロン)を注ぎます。腫瘍の血供給を使うことによって、マイクロスフェアは、健常組織を傷つけないようにしつつ従来の放射線治療よりも40倍高い放射線で肝腫瘍を狙います。

患者に対してSIR-Spheres Y-90 樹脂微小球を使ったSIRTの無作為・比較対象試験への関心は、かなりの数のオープンラベル単一グループ臨床試験に基づいていること、さらに手術不可能な高度進行肝細胞がん(HCC)患者のSIR-Spheres Y-90 樹脂微小球の生存率と安全性に関する長期的な結果に関する大規模で多くの治療センターで実行されたーロッパの試験であることです。[4] 高度進行HCC患者合計400人が対象のオープンラベル単一グループ試験13件において、Y-90マイクロスフェアによる放射線塞栓療法後の全生存の中央値の合計の見積もりは15ケ月(7ケ月~27ケ月の範囲)でした。

SIR-Spheres Y-90 樹脂微小球の現在のアベイラビリティ
SIR-Spheres Y-90 樹脂微小球は手術不可能なな肝腫瘍の治療のため、オーストラリア、欧州連合(CEマーク)、アルゼンチン(ANMAT)、ブラジル、インドやシンガポールなどのアジア諸国での利用が承認されています。SIR-Spheres Y-90 樹脂微小球は、フロキシウリジンの肝動脈化学療法とともにFDAによる市販前承認を受けており、アメリカでは大腸がん原発巣から切除不能な転移性肝腫瘍を治療するために処方されています。

肝細胞がんについて
肝細胞がんは、一般的に肝炎やアルコール中毒などによる肝臓機能の低下、あるいは肝硬変から発症します。肝細胞がんは世界で最も多いがんの一つで、毎年75万人が肝細胞がんと診断されています。さらに、2番目に死亡率が高いがんです。B型肝炎やC型肝炎の患者が多いアジア太平洋地域や南ヨーロッパなどで頻繁に発症しています。

肝細胞がんは、がんに侵された肝臓の一部を切除、あるいは健康なドナーから提供された肝臓移植などの外科手術で治癒する可能性があります。しかし、大多数の肝臓がん患者は、手術ができないほどに癌が進行していて、診断時の肝機能の状態と腫瘍の大きさによって余命数ヶ月から2年あるいは2年以上と診断されます。

参考文献:
1. SorAfenib versus Radioembolization in Advanced Hepatocellular carcinoma (SARAH): リンク
2. Vilgrain V, Abdel-Rehim M, Sibert A et al. Radioembolisation with yttrium-90 microspheres versus sorafenib for treatment of advanced hepatocellular carcinoma (SARAH): study protocol for a randomised controlled trial. Trials 2014; 15: 474.
3. Llovet J, Ricci S, Mazzaferro V et al for the SHARP Investigators Study Group.  Sorafenib in advanced hepatocellular carcinoma. New England Journal of Medicine 2008; 359: 378-390.
4. Sangro B, Carpanese L, Cianni R et al on behalf of European Network on Radioembolization with yttrium-90 resin microspheres (ENRY). Survival after90Y resin microsphere radioembolization of hepatocellular carcinoma across BCLC stages: A European evaluation. Hepatology 2011; 54: 868-878.
5. GLOBOCAN.  Liver Cancer Incidence and Mortality Worldwide in 2012.  リンク accessed 10 February 2015.

(日本語リリース:クライアント提供)

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