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2015年中堅・中小企業のIT活用における注目ポイントと展望(ビジネス環境編)

株式会社ノークリサーチは業務システムに関連するトピックを対象とした「2015年中堅・中小企業のIT活用における注目ポイントと展望(ビジネス環境編)」を発表した。

<法制度などに関連するIT導入提案では「IT以外の部分」にも目を向けることが重要>
■「マイナンバー制度」や「ストレスチェック義務化」では『次のステップに繋がる啓蒙』が大切
■「消費税率10%法改正」で新たなシステム更新/刷新が生じる、軽減税率の動向も要注意
■テレワークやサテライトオフィスでは「既に存在する手軽な手段」による訴求も検討すべき
■ 「海外展開支援=製造拠点を伴う進出支援」に固執しない取り組みが新たな商機を生む

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2015年1月15日

2015年中堅・中小企業のIT活用における注目ポイントと展望(ビジネス環境編)

調査設計/分析/執筆
株式会社ノークリサーチ
シニアアナリスト 岩上由高


株式会社ノークリサーチ(〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は業務システムに関連するトピックを対象とした「2015年中堅・中小企業のIT活用における注目ポイントと展望(ビジネス環境編)」を発表した。


<法制度などに関連するIT導入提案では「IT以外の部分」にも目を向けることが重要>
■「マイナンバー制度」や「ストレスチェック義務化」では『次のステップに繋がる啓蒙』が大切
■「消費税率10%法改正」で新たなシステム更新/刷新が生じる、軽減税率の動向も要注意
■テレワークやサテライトオフィスでは「既に存在する手軽な手段」による訴求も検討すべき
■ 「海外展開支援=製造拠点を伴う進出支援」に固執しない取り組みが新たな商機を生む


大企業においては多くの経営層が来年度の賃上げ見込みを表明するなど、明るい材料も見え始めている。一方で、中堅・中小企業に関しては円安と消費増税の影響が依然として大きく、2015年も引き続き厳しい状況であるとの見方も少なくない。こうした中、ITソリューションを提案する側であるベンダや販社/SIerはどのような取り組みを進めていけば良いのか?『2015年中堅・中小企業のIT活用における注目ポイントと展望』(※)はそういった観点から、2014年の傾向を総括し、2015年の注目ポイントと展望(予測)についてまとめている。
本リリースで述べる内容は2014年までの様々なアンケート調査や個別取材などを通じて、そこから推察される事項をまとめたものである。また、本リリースに記載されている注目ポイントは2015年版として今後発刊予定の調査レポートにおける重点事項にもなっている。
※は以下の3つのリリースから構成される。
業務システム編:
基幹系(会計、販売、人事/給与、生産など)、情報系/顧客管理系(メール、グループウェア、CRMなど)運用管理系(運用管理/資産管理、セキュリティ、バックアップなど)、およびそれらに関連するクラウド、スマートデバイス活用などについて取り上げている。
基本インフラ編:
サーバ、ストレージ、PCといったIT活用に必要な基本インフラについて、オンプレミスからクラウドへの移行もしくは両者の使い分けなどを中心に取り上げている。
ビジネス環境編:
マイナンバー、メンタルヘルスチェック、消費税といった法制度対応や海外展開といった中堅・中小企業にとって不可避または重要なビジネス環境とITソリューションとの関連について取り上げている。
本リリースは上記3つのうちの「ビジネス環境編」に該当する。
2014年はWindows XPのサポート終了対策や消費税率8%法改正などの中堅・中小企業にとっても不可避のIT投資が相次いだ。2015年以降も数年に渡り 「Windows Server 2003のサポート終了」 「マイナンバー」「メンタルヘルスチェック」「消費税率10%法改正(場合によって軽減税率導入)」など、IT投資にも深く関連する法制度対応や義務化事項が控えている。ITソリューションを提供する側としてはこれらを「強制力のある更新需要」と捉えるだけでなく、中堅・中小企業が何らかのメリットを感じられる機会とすることが、中長期的な信頼関係を築くためにも重要だ。本リリースではそうした観点から、法制度対応や義務化事項を主な対象とした今後の注目ポイントと展望についてまとめている。


■「マイナンバー制度」や「ストレスチェック義務化」では『次のステップに繋がる啓蒙』が大切
2015年中に対応が必要な法制度のうち、最も多くの中堅・中小企業に影響を与えると思われるものが「マイナンバー制度」だ。
「マイナンバー制度」とは、国民一人一人に番号を割り振ることによって、税や社会保障に関連する行政による事務や手続きを効率化および精緻化しようとする国の施策である。国民に対して公正かつ正確な行政サービスを提供するためには個々人の収入をきちんと把握し、それらをマイナンバーと関連付けて管理する必要がある。その際、給与を支払う立場である企業側にもマイナンバー制度の施行に際して対応すべき様々な事柄が生じてくる。例えば、源泉徴収票や被保険者資格取得届などに従業員のマイナンバーを記載しなければならない。さらに所得の正確な把握のため、従業員本人だけでなくその扶養家族のマイナンバーも把握する必要もある。現在のスケジュールでは2015年10月に個人に対するマイナンバーの通知が開始され、2016年1月には実際の利用が開始される。遅くとも利用開始の時点までには企業側の体制を整えておく必要があるため、遅くとも2015年中には対応を完了させなければならないことになる。原則として上場企業のみが対象となる「日本版SOX法対応」と違い、マイナンバー制度は従業員への給与支払いや委託者への報酬支払いを行っている全ての企業が対象となる。またマイナンバーは個人情報にも直結する重要な情報でもあるため、不適切な取り扱い(ずさんな管理により社員のマイナンバーを漏洩させてしまうなど)に対しては罰則が科せられる可能性もある。
こうした状況にも関わらず、中堅・中小企業における認知は遅れている。以下のグラフは2014年7月時点における中小企業における認知状況を尋ねた結果である。「内容を理解しており、自社で対応すべき事柄も全て把握している」という回答は2割弱に留まっている。2015年初頭の現時点では認知度がもう少し高くなっているものと推測されるが、いずれにしてもユーザ企業に対する更なる啓蒙が必要な状況といえる。
2015年中の対応が必要なもう1つの事項が「ストレスチェック義務化」である。昨今では心因性のストレスに起因する体調不良を訴える労働者が増えているといわれる。そうした状況を受け、従業員50人以上の企業に対して義務化されるのが年一回の従業員に対するストレスチェック、希望者に対する医師の面接指導などといったケア体制の構築である。(従業員数50人未満の企業については努力義務) 現在のスケジュールでは2015年12月に施行予定となっている。現段階で明確な罰則はないが今後はより厳しくなる可能性も十分考えられる。
ここで重要なのは「マイナンバー制度」と「ストレスチェック義務化」のいずれも、ユーザ企業にとっては単なる業務システムの導入/更新だけでない負担が生じるということだ。「マイナンバー制度」については人事/給与システムを開発/販売するベンダ各社から対応バージョン/モジュールに関する情報が提供され始めている。(マイナンバー項目の追加など)だがユーザ企業側は「マイナンバー申告時の本人確認」や「マイナンバーの適切な保管と管理(例.退職者マイナンバーの確実な削除)」などといった業務上の対応ポイントが多数存在する。「ストレスチェック義務化」についてはチェックシステムをSaaSで提供し、導入負担を軽減するといった取り組みも既に見られる(例. 富士通の「e診断@心の健康 SaaS」など) しかし、医師の面接を希望した従業員のプライバシー保護やその後の業務/配属に悪影響を生じさせないための配慮なども欠かせない。
ITソリューションを提供する側としてはシステムの導入/更新だけでなく、ユーザ企業自身における業務フロー整備や社員啓蒙が必要となることを早い段階で伝えることが重要と考えられる。こうしたアプローチは一見するとITに無関係な領域への面倒な介入のようにも思える。しかし、「マイナンバー制度」や「ストレスチェック義務化」を通じてセキュリティやプライバシーに対するユーザ企業の意識が高まれば、これまで提案が難しかった「守りのIT」に関連するソリューションについても前向きに検討してもらえる可能性が出てくる。こうした法制度対応に関する実態とニーズについては、2015年の早い段階で調査レポートの形でまとめる予定である。その際には上記のように「次のステップに繋がる法制度対応を実現するには何が必要か?」という点に特に注力していく。


■「消費税率10%法改正」で新たなシステム更新/刷新が生じる、軽減税率の動向も要注意
2014年4月の「消費税率8%法改正」は中堅・中小企業を取り巻くビジネス環境にも予想以上に大きな影響を与え、依然として中堅・中小企業がIT投資を抑制する要因の1つにもなっている。こういった状況を受け、当初2015年10月に予定されていた「消費税率10%法改正」は2016年4月に1年半先送りされることになったのは周知の通りである。
以下のグラフは「消費税率8%法改正」を2014年4月に実施することが正式発表された直後の2013年10月に消費税率10%法改正に関する基本方針を尋ねた結果である。この段階では「8%改正と10%改正の対応を同時に行う」と回答した企業は25%程度に留まっていることがわかる。現状ではこの値から若干変わっている可能性はあるが、「消費税率10%法改正」延期の議論が早期に持ち上がっていたことも踏まえると、2016年4月の「消費税率10%法改正」の際は多くの企業がまた新たに会計システムを中心とした業務システムの改変/刷新を行うものと予想される。また、依然として議論が続いている「軽減税率導入」の行方についても注視が必要だ。もし実施することになればインボイス方式への対応が求められる可能性もあり、会計/販売などの業務システムに与える影響はさらに大きくなる。


■テレワークやサテライトオフィスでは「既に存在する手軽な手段」による訴求も検討すべき
2014年には厚生労働省による「職場意識改善助成金(テレワークコース)」の施策などを通じ、中小企業においてもテレワークに対する関心が高まった。以下のグラフは2012年時点でPC関連ソリューションに対する中堅・中小企業のニーズを尋ねたものだが、「自宅や社外でも自社内と同じOSやアプリケーションを利用できるようにする」が上位に挙げられていることがわかる。
このように中堅・中小企業は以前からテレワークに関連するニーズが実は高い。2015年以降も地域活性化に向けた取り組みなどを通じて、テレワークやサテライトオフィスへの関心が高まる可能性もある。その際、ITソリューションを提供する側が留意すべきなのは「高価な実現手段に固執しない」ことだ。テレワークやサテライトオフィスというと、地理的に離れた従業員同士があたかも同じ部屋にいるかのような高度な仕組み(等身大のテレビ会議など)が必要と思ってしまいやすい。だが、現時点でもコラボレーションツールを活用してオフィスレスを実現している事例なども存在する。以前は「インスタントメッセージングは業務時間中に遊んでいるように見えるので導入しづらい」といった意見も少なくなかった。だが、スマートフォンが普及した現在ではこうしたユーザ意識も大きく変化しているはずだ。2015年版の調査レポートでは、そうした「ユーザ側の意識変化」がどの程度進んでいるのか?といった観点も踏まえながら、テレワークやサテライトオフィスの可能性と課題についても探っていく。


■ 「海外展開支援=製造拠点を伴う進出支援」に固執しない取り組みが新たな商機を生む
中堅・中小企業の海外展開に関わる経済環境は近年大きく変化しつつある。従来、「中堅・中小企業の海外展開」といえば、大企業に追随する形で製造業が生産拠点を海外に移転・拡大するケースが主体となっていた。だが、昨今では急速な円安の進行や中国を筆頭とする新興国の賃金上昇などを受けて、パナソニック、TDK、キヤノンなどのように生産の国内回帰を進めようとする動きも見られる。
2015年も円安傾向は継続すると予想される上、中国では抗日戦争勝利70周年に伴う反日機運が高まる懸念などもある。
そのため新たな拠点設置を伴う海外展開には取り組みづらく、既に進出済みの中堅企業を主な対象に国内外のシステムをクラウドによって統一するなどのIT活用提案が当面は中心になると予想される。
人口減少などを受けて、ビジネスを海外にも広げる必要があると考える中堅・中小企業は少なくない。だが、以下のグラフが示すように拠点設置に伴う課題が大きなハードルとなっている。こうした状況を踏まえ、政府が取り組むクールジャパン戦略においても製造業以外の業種を対象とした中堅・中小企業の拠点設置を支援する動きが見られる。ラーメン店「博多一風堂」で知られる力の源ホールディングスに対する海外出店支援や、シンガポールに日本の外食産業を広める拠点を築く「ジャパンフードタウン事業」などがその例だ。
先行事例を作るための上記のような支援策も重要だが、中堅・中小企業における海外展開に伴うIT活用提案の裾野をさらに広げるためには「海外展開支援=製造拠点を伴う進出支援」に固執しない発想も重要と考えられる。実際、製造拠点を移転せずに自社商材を海外で流通させている中堅・中小企業も存在する。南米のチリで高い人気を誇る石油ファンヒータを製造する愛知県のトヨトミや、アジア地域への大福の輸出を実現した熊本県の米白餅本舗などはそうした取り組み例の一つだ。
幸い、政府の取り組みや円安などによって諸外国が日本を訪れ、日本の商材に触れる機会も増えつつある。そこでITを活用して適切な情報発信を行えば、中堅・中小企業が拠点設置を伴わずに自社商材を海外に流通できるチャンスも高まる可能性がある。
このようにITソリューションを提供する側としては「拠点設置に固執しない海外展開におけるIT活用支援」についても検討してみる価値がある。この点の可能性については海外展開をテーマとした2015年版の調査レポートにて詳しい分析を行う予定である。


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