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◎原子力科学者会報が福島原発事故の人災を指摘した最新英文報告書を3月11日に発刊

Bulletin of the Atomic Scientists, Chicago 2014年03月07日 14時59分
From 共同通信PRワイヤー

◎原子力科学者会報が福島原発事故の人災を指摘した最新英文報告書を3月11日に発刊

AsiaNet 56086
共同JBN 0270 (2014.3.7)

【シカゴ、東京2014年3月6日PRN=共同JBN】
 *教訓は忘れられたのか?東日本大震災から3年が近づき、非営利団体(NPO)Bulletin of the Atomic Scientists(BAS)は福島調査委員会報告書(Fukushima Review Panel Report)の英語増補版を出版した。

Bulletin of the Atomic Scientistsが英語で出版した福島第一原子力事故に関する中立家調査委員会の増補、大幅改訂版の報告書は、日本が福島原発災害の教訓を完全には学ばず、特にこの危機の道を開き、結果を悪化させることに大きな役割を果たした「人的要因」に兆すいくつかの道筋について警告している。

「Fukushima must never be forgotten(福島は決して忘れられてはならない)」との警告で終わるこの書籍のタイトル「The Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Disaster: Investigating the Myth and Reality(福島第一原子力発電所の災害:その神話と現実を探る)」は、福島原発災害の3周年記念日の3月11日に発行される。

2011年3月、東北地方の大地震とそれに続く津波は、チェルノブイリ原発事故以来初のレベル7の原子力事故を引き起こし、完全に電力を失って、歴史上最大規模の原子力事故の1つになった。東京電力(TEPCO)の福島第一原子力発電所では、1,2,3号機の炉心が溶融し、4号機はほぼ全壊、使用済み燃料プール周辺地域は損壊するとともに、水素爆発が広がった災害をさらに悪化させた。放射性物質が地域に広がった。3年後になっても、14万人以上の住民が、放射性物質の汚染から逃れる避難民として生活し続けている。これに加えて、日本の数十万もの人々が、今日およびこれから長い年月にわたり放射性物質の汚染による未知の影響を心配しながら生活していく。

報告書の共同執筆者で一般財団法人日本再建イニシアチブ(RJIF)の船橋洋一理事長(法学博士)は「2011年3月11日から3年後、この危機はなお終わっていない。それは汚染水という未解決の問題、原子力問題に関する日本の統治とリーダーシップの全体システムという人的側面の方程式にほとんど変化がなかったことによる。原子力技術の問題に対する疑問を別にして、福島危機につながる人的要因は大きな関心事になるべきである。われわれは政策決定、危機管理の新しい方法、新しい形の統治とリーダーシップを追求するに当たって福島の教訓を学ぶ必要がある。そうでなくては、われわれはこの危機をさらにいっそう悲劇的状況に追い込み、日本は福祉の経験から良識の意味でほとんど得るものがなくなってしまうだろう」と語った。

Bulletin of the Atomic Scientistsのケネット・ベネディクト理事長(博士)は「われわれは福島原発災害に関する中立系の市民調査委員会報告書の増補最新版を英語で公表することを非常に喜んでいる。2014年3月11日に発刊するこの書籍は、福島第一原子力発電所の多重化した壊滅的事故の悲劇的物語の陰にある真実を明らかにしている。それは貴重で本質的な歴史的記述として貢献し、日本、米国、さらに世界的に将来の原子力安全と政策に関する情報提供と指導に役立つだろう」と語った。

市民調査委員会の増補改訂版の報告書は、地震と付随する津波のような福島災害で人的要因がどのように重要な役割を果たしたかにいくつかの側面を浮き彫りにしている。

*一元的かつ独自性のある統制管理の欠如
「福島原子力発電所の災害から取り上げるべき最大の問題は、日本に有効な原子力規制組織が存在しないことへの懸念である。原子力規制組織とは原子力企業、政治、あるいは学会とは中立的なもの、要するに『原子力村』の中のすべてのコミュニティーから中立的であることである。このような目的で福島原発事故後に対処するため、日本政府は日本原子力学会元会長で日本原子力開発機構(旧 日本原子力研究開発機構・東海研究開発センター)元所長の田中俊一氏を委員長とする独立組織である原子力規制委員会およびその事務局としての原子力規制庁を組織し、両組織は2012年9月に発足した。しかし、それ以来、原子力規制庁は絶えず専門家と反原発グループとの間の集中攻撃を浴びてきた。この圧力は収まっていないため、原子力発電所の国家規制とその原子力エネルギー政策問題の両面で国民的合意に達していない」

*誤った管理不行き届き
「2013年3月、東京電力の原子力改革監視委員会は報告書を公表し、その中で初めて事故が『人災』であることを認めた。これは現に、われわれの委員会が日本の原子力発電所でのシビアアクシデント(過酷事故)に備えたファシリテーションと準備が明らかに欠如していたことを示すページの中で明確にされている。しかし、福島から学ぶべき教訓は安全問題だけでなくセキュリティー問題もある。東京電力や原子力規制委員会(NRA)が原発のセキュリティーに務めるかどうかは今後の課題である」

*無謬(むびゅう)技術への錯覚
「絶対安全神話がいわゆる『バックフィット』アプローチの実行を阻害した。このアプローチは、セキュリティーを向上させるために新しい科学的知見や最新の技術開発を既存の原子力発電システムに取り込むものである。福島の場合、日本の電力会社や規制機関は、いかなる安全向上策も既存の安全規定や規制が不十分であるとの批判を巻き起こす恐れがあり、結果としてその批判に対処しなければならなくなることを懸念した。彼らはまた、すべての安全向上策が完全に履行されない限り原子炉を閉鎖すべきであると国民が要求することも恐れた」

市民レベルのグループである福島原発事故独立検証委員会は、複合同時危機を伴う今回の危機を調査した自然科学者、エンジニア、社会科学者、研究者、実業家、弁護士、ジャーナリストら30人以上のワーキンググループで構成されている。彼らは300回を超える調査インタビューを重ね、関係者から証言を集めた。この委員会の責務は外部オンブズマンとしての役割を果たすことにあり、2012年2月に日本語で初回報告書の形で調査結果をまとめた。この報告書は、英語版のために大幅に書き直され改訂された。英語版には、フランク・フォン・ヒッペル教授(プリンストン大学)、ジェシカ・マシュー博士(カーネギー国際平和財団プレジデント)、ポール・ト・ハート教授(ユトレヒト大学スクール・オブ・ガバナンス)ら3人の世界的に著名な専門家のレビューが含まれている。

▽The Bulletinについて
The Bulletin of the Atomic Scientists(原子力科学者会報)は、核兵器や気候変動、ライフサイエンスの新しいテクノロジーが人間の生存と進歩に与える脅威に関する情報を社会に伝える。受賞歴のある雑誌、オンライン・プレゼンス、Doomsday Clock(世界終末時計)を通じて、われわれは世界中の政策担当責任者やオーディエンスに危機に対処し大惨事を防ぐ行動についての情報と分析を提供する。われわれは学生への奨学金と若いジャーナリストへの賞によって、次世代の教育を支援する。詳細はウェブサイトwww.thebulletin.orgを参照。

ソース:Bulletin of the Atomic Scientists, Chicago

(編集者注)
Routledge/Earthscanとの協力で発行される書籍「The Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Disaster: Investigating the Myth and Reality」は書評家に提供される。ニュースイベントの進行を記録したストリーミング・オーディオは、テレニュース・イベントが3月6日に終了したあと提供される。書籍表紙の高精細ファイルは請求に応じて提供される。

▽問い合わせ先
Patrick Mitchell
+1-(703)-276-3266 or
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