◎ジグビー・アライアンス、スマートグリッドNAN向けの標準規格化作業を発表
AsiaNet 55554
共同JBN 0069 (2014.1.28)
【サンラモン(米カリフォルニア州)2014年1月28日PRN=共同JBN】
*オープンな国際標準規格IEEE、IETFに基づく相互運用可能な無線IPv6通信プロファイルの開発
エネルギー管理、商用、家庭用アプリケーション向け無線ソリューション規格を策定するグローバルな標準化団体であるジグビー・アライアンス(ZigBee Alliance)は28日、スマートメータリングおよびスマートグリッド分野の加盟企業グループが、各社の無線スマートグリッドNeighborhood Area Network(NAN)製品とソリューションの間に、真のプラグインプレー相互運用性を実現することを目指す通信プロファイルを開発中であると発表した。NANとは、RFコレクターあるいはデータ収信器、野外装置などの広域ネットワーク(WAN)ゲートウェイにスマートメーターと配電自動化デバイスを接続する、電力会社のラストマイルの屋外アクセス・ネットワークとして定義されるものである。
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世界の規制当局および電力会社は、標準規格に準拠する相互運用可能なNANを求めている。オープンな国際標準規格によって、製品間のシームレスな相互運用が常に保証されるだけでなく、電力会社は製品機能の幅広い選択が可能となるほか、料金競争力の向上と、供給リスクの軽減を実現し、ベンダー選択における柔軟性を確保できる。既存のIEEEおよびIETF規格は、その規格内に利用可能な多数のオプションがあるため、相互運用性を実現できない。このNAN仕様は、標準規格間で最適なオプションを選択し、認証可能な相互運用性のある通信プロファイルを定義することにより、この問題を解決する。これは、現在利用できる相互運用不可能な独自技術に基づくシングルベンダー・ソリューションに比べて、電力会社に大きな進歩をもたらすものである。
相互運用性を保証するため、完全な無線通信プロトコルは、ISO OSI通信スタックのレイヤー1から4までが定義される。このプロトコルは、さまざまなIPベースのアプリケーションをサポートする統一されたトランスポート・ネットワークを提供する。レイヤー1と2は、相互運用可能なNAN開発を実現するために導入されたIEEE 802.15.4(2011年)規格を修正したIEEE 802.15.4gに基づくものになる。レイヤー3と4は、IPv6ネットワーク・レイヤーとその関連ネットワーク・スキーム、適切なルーティング、トランスポート・プロトコル(例えばRPL、UDP、TCP)とそれに関連するセキュリティー・メカニズムを含むIEFT規格に基づくものになる。この無線通信プロファイルにより、スマートメーター、スマートグリッド機器、通信インフラストラクチャー・ノード製品の実装を認定可能なNAN通信プロファイルに基づいて完了しているさまざまなベンダーの間で、相互運用性が実現される。スマートメータリングや配電自動化など、現在存在するスマートグリッド・アプリケーションは、この相互運用可能なIPv6通信プロファイルを最優先して動作するようになる。
また、このNAN標準規格化作業の重要な目的の一つは、さまざまなメーカーのスマートグリッド製品およびソリューションの相互運用性を認定できるように、独立系テスト機関がサポートするテストおよび認定プログラムを確立することである。ジグビー・アライアンスは、電力会社の顧客がスマートグリッド・ベンダーの選択を行う際、顧客に信頼をもたらす認定されたスマートメーターおよびスマートグリッド製品の登録を確立していく。ジグビー・アライアンスは既に、スマートエネルギーなどの他のアプリケーション分野において、テストおよび認定プログラムを確実に管理する豊富な経験を誇っている。
Landis + Gyrの通信技術ディレクターであるビル・リヒテンシュタイガー氏は「ジグビー・アライアンスには、優れたシリコンおよび通信プロトコルのスペシャリストに加え、世界をリードするスマートメータリングおよびスマートグリッド・ソリューションの専門家が多数集まっている。この専門技術とアライアンスの豊富な経験、および相互通信可能な通信プロファイルのテストと認定への地道な取り組みを結びつけることで、アライアンスに所属する電力会社の顧客およびベンダーにとって一連の貴重な標準規格が生み出されることになる。これらの規格は、さまざまなベンダーの製品間の相互運用性を保証するだけでなく、性能と信頼性を向上させ、リスクの軽減と柔軟性の増大に寄与する」と語った。
現在までに、このNANに関する市場の要件、および詳細な技術要件の定義とドキュメンテーションは完成を見ている。NAN規格に含まれるPHY/MAC機能の相互運用性をテストする概念実証イベントについては昨年、数件が世界中の企業が参加して行われた。ここでは、参加企業のすべてのNAN製品が、PHY/MACレイヤーで相互通信が可能であった。さらにいくつかの企業では、基本的なIP機能の相互運用性を実証するに至っている。NAN標準規格化作業は2014年末までには完了する予定であり、そこには、技術仕様、プロトコル実装適合声明書(PICS)、認証テスト計画も含まれる。
ジグビー・アライアンスのトービン・J・M・リチャードソン会長兼最高経営責任者(CEO)は「ジグビー・アライアンスは長年にわたり、オープンなIEEE 802.15.4およびIETFの国際規格に基づく相互運用可能な無線通信規格を開発してきており、これらは世界中で多数のアプリケーションに採用されている。当アライアンスに加盟するスマートグリッド企業が着手した今回の新たなイニシアチブを歓迎するとともに、電力会社がNANによる相互運用性を達成できるよう、ジグビー・アライアンスの活動を一層充実させていく」と語った。
▽優れたコントロールを実現するZigBeeの無線通信管理技術
ZigBeeは環境に優しいグローバルな無線規格を提供しており、それによって最も広範囲の製品がインテリジェントに結ばれ、利用者による優れたコントロールを実現している。ジグビー・アライアンスはオープンな非営利団体であり、約400社の加盟企業が革新的で信頼性が高く、使いやすいZigBee規格の開発に携わっている。ジグビー・アライアンスは、消費者、商用、産業の各分野に対する最先端の無線ネットワークによるセンシングおよびコントロール規格であるZigBeeが世界中で採用されるように努めている。詳しい情報はウェブサイト(www.ZigBee.org)を参照。
▽問い合わせ先
Ryan Maley
(ジグビー・アライアンス)
rmaley@zigbee.org
+1 708-497-9260
Traci Renner
(GolinHarris、ジグビー・アライアンス担当)
trenner@golinharris.com
+1 714-918-8226
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