2013年度上期PCサーバー出荷調査報告

ノークリサーチでは2013年度上期の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2013年度の予測も併せて調査、報告している。

<2013年度上期PCサーバー市場のポイント>
■ 13年度上期PCサーバー市場は、企業需要の停滞感があるが、クラウド、ネット系堅調で前年比97.0%のフラット成長
-台数は前年比97.0%で、248,240台
-金額ベースは前年比105.8%で、1,428億円
■ クラウド基盤系とITサービス業界の投資がサーバー需要を支える
■ NECがトップシェア、富士通がHPを押さえて2位へ、上位3強の構図はさらに混とん
■ 2013年度全体では景気回復にともなう経済効果などで510,270台の微増の見通し

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2013年12月11日

2013年度上期PCサーバー出荷調査報告

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表 伊嶋謙ニ 03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)では2013年度上期の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2013年度の予測も併せて調査、報告している。


<2013年度上期PCサーバー市場のポイント>
■ 13年度上期PCサーバー市場は、企業需要の停滞感があるが、クラウド、ネット系堅調で前年比97.0%のフラット成長
-台数は前年比97.0%で、248,240台
-金額ベースは前年比105.8%で、1,428億円
■ クラウド基盤系とITサービス業界の投資がサーバー需要を支える
■ NECがトップシェア、富士通がHPを押さえて2位へ、上位3強の構図はさらに混とん
■ 2013年度全体では景気回復にともなう経済効果などで510,270台の微増の見通し


◇対象期間:(2013年度上期実績)2013年4月~2013年9月(2013年度予測)2013年4月~2014年3月
◇対象メーカ:電子情報技術産業協会(JEITA) 自主統計参加及び未参加メーカー
日本電気、富士通、デル、日本IBM、日本HP、日立製作所、東芝、三菱電機など
◇対象機種:電子情報技術産業協会(JEITA)定義に準ずる
◇調査方法:当該メーカーに対する直接取材及び弊社データベースによる分析
◇調査時期:2013年12月



[2013年度上期出荷状況]
-13年度上期PCサーバー市場は、企業需要の停滞感があるが、クラウド、ネット系堅調で前年比97.0%のフラット成長-
13年度上期の出荷台数は248,240台と前年比97.0%のフラット成長となった。一方金額ベースでは前年比105.8%で1,428億円となった。
上期における全般的な傾向では、大規模な案件が少なかったことがあげられる。特に公共系の投資は戻ってきているが目立った大型案件に結び付いていないようだ。しかし徐々にではあるが企業のIT投資意欲は向上している傾向にある。ネット系企業やデータセンター系の需要は好調を維持しており、全体の需要をけん引した。ただし、ゲーム関連企業では、ゲーム市場内における優劣に差が出始めており、業界全体としてすべての企業の需要が好調と言うのは難しい。そのため今後はこの需要の見方も警戒が必要である。一方、SaaSやIaaSなどの民間企業向けが好調で、これに対応するPCサーバー需要が伸びている。
業種別の動向では、製造業や流通、サービス業など大手企業を中心に需要が戻りつつある。特に大都市圏を中心とした需要は、景気回復を背景とした投資が戻りつつある。ただし中堅・中小企業におけるサーバー需要は未だに回復傾向とまでは言えない状況だ。
形状別の動向では、ラック型が54.3%と過去最大の構成比を占めた。データセンターなどのサーバー集約需要の主役はラック型に収束しつつある。またタワー型は富士通、NEC、HP3社がけん引している。特に最近の傾向では組み込みサーバーとしてのロット案件が増えていることが目を惹く。逆にブレード型はここ数年で最も低い構成比10.3%と前年比76.0%と大幅な減少となっている。


[2013年度上期メーカシェア]
- NECがトップシェア、富士通がHPを押さえて2位へ、上位3強の構図はさらに混とん-
NECは前年比93.0%であったが総合力で勝り、シェア24.3%と1位をキープした。昨年度まで続いたブレードの大型案件がひと段落したことでブレードが減少しているが、タワー型を中心に堅調に推移した。ネット系需要では、コンシューマ向けのサービスが伸び悩んでいる企業もあって、実績としてはばらつきがあるが需要層としては未だに根強い。幅広い販売チャネルと既存顧客への展開を背景とした実績に加え、地方における公共系を中心とした伸びを見せたことが特徴だ。
2番手は富士通。市場全体がマイナスになる中、前年比101.9%と伸ばすことができた。これによりシェア順位はHPをかわし2位となり、NECとの差も1.9ポイントと拮抗してきた。ラック型、ブレード型の台数は、前年割れとなったが、タワー型が前年比111.3%と台数を大きく伸ばしている。要因のひとつがオープンチャネル(いわゆる富士通系列販売店以外)でSMBのシェアを獲得したこと。また、官公庁案件も徐々に増やしていることだ。またタワー型の好調の背景には他の装置への組み込み案件が順調に推移していることもプラスになっている。
3番手のHPは前年比86.0%と大幅な落ち込みとなった。タワー型、ラック型、ブレード型の全てにおいて前年割れとなった。そのためシェアも20.8%と前年に比較して2.7ポイント低下している。ラック型は22.6%のシェアでトップであるが前年比89.7%となった。データセンター系需要が不調であったことが響いている。ただし製造業の需要が戻り始めていることと、HPC案件が伸びてきている。
4番手はデル。前年比103.7%と前年を上回った。主力のラック型が前年比104.2%と伸びており、タワー型も114.0%となった。Webサービス系を中心に大型案件を確保できたことが要因となっている。また、製造業中心にVDI案件を増やしている。製造業でのVDI案件はSMBでも着実に案件を増やしている。
5番手のIBMは前年比98.8%だったが、続いていた台数の落ち込みに若干歯止めがかかった。タワー型、ブレード型が好調に推移したことが要因だ。タワー型はSMBで堅調な実績をあげたことと、組み込み案件があったことによる増加である。 IBMはブレード型の積極的な提案を戦略的に行った結果、仮想化による統合、VDI向けのセールスを中心に実績をあげている。
6番手の日立は前年比118.0%の高い伸びとなった。タワー型こそ、前年比79.9%と落ち込んだが、ラック型、ブレード型がそれぞれ129.5%、125.4%と伸ばせたことが背景である。公共案件が好調に推移している。同社も増加しているVDI案件にブレードを提案することで実績をあげている。また外資系ベンダーが円安の影響でPCサーバーを実質的に値上げしたことで、同社の相対的な高価格の印象が薄くなって商談に乗りやすくなったことも奏功したと見られる。


[2013年度の市場展望]
- 2013年度全体では景気回復にともなう経済効果などで510,270台の微増の見通し-
2013年度全体のPCサーバー市場の見通しのポイントは次の4点。
1.景気回復傾向によるIT投資の回復(アベノミクス、円安、株高などの経済環境の好転)
2.ネット系企業の安定的な需要継続
3.クラウドサービスのインフラ整備、増強のための需要
(企業向けのSaaS、IaaSなどのサービスやVDIなど新規IT活用の伸びが牽引)
4.ビッグデータ関連市場など新たな需要でPCサーバー市場の再拡大への期待
以上4つのポイントで徐々にではあるがPCサーバー市場は持ち直しつつある。ただし本格的な回復、ピーク時の55万台市場への回復は難しい。そのため現状のPCサーバー需要の延長線で見れば台数市場では漸減となる傾向が続いている。クラウド基盤構築やデータセンターなどの集約、統合機運が全体のPCサーバー市場を支えることに変わりはない。
2013年度全体では経済環境の好転の動きと消費税改正や新たなIT活用の動きなどがあり、PCサーバー市場は510,270台で僅かながら微増の見通しだ。また従来の業務処理系から新たなPCサーバー需要、例えばビッグデータ関連市場などは、来年度以降新たなPCサーバー需要としての可能性を秘めている。


当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:伊嶋謙二
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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