2013年中堅・中小企業における「セキュリティ」関連の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2013年の国内中堅・中小市場における「セキュリティ」関連の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した

<「PCに限らない幅広い対策」と「費用感に関するユーザ啓蒙」を進めることが重要>
■エンドポイント対策は高い導入率、メール/Web、モバイル、SaaSには大きな成長余地あり
■ PCマルウェア対策製品から総合的なスイート製品へのステップアップ訴求が今後の焦点
■ 「サブスクリプション的な費用感」の必要性をユーザ企業に改めて啓蒙していくことが大切

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2013年9月30日

2013年中堅・中小企業における「セキュリティ」関連の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2013年の国内中堅・中小市場における「セキュリティ」関連の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2013年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「セキュリティ」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。


<「PCに限らない幅広い対策」と「費用感に関するユーザ啓蒙」を進めることが重要>
■エンドポイント対策は高い導入率、メール/Web、モバイル、SaaSには大きな成長余地あり
■ PCマルウェア対策製品から総合的なスイート製品へのステップアップ訴求が今後の焦点
■ 「サブスクリプション的な費用感」の必要性をユーザ企業に改めて啓蒙していくことが大切


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2013年7月
有効回答件数: 1400社(有効回答件数) ※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■エンドポイント対策は高い導入率、メール/Web、モバイル、SaaSには大きな成長余地あり
2012年まではPCにおけるマルウェア対策を主な対象として製品/サービスのシェアや評価について取り上げてきた。だが昨今ではPCだけでなく、業務システムが稼働する各種のサーバ、メールサーバ、ホームページなどに対する攻撃の防御も不可欠となってきている。こうした背景を受け、2013年からは対象範囲を以下の4分野に拡大している。
「サーバ/PC(エンドポイント)」 サーバやPCを対象としたセキュリティ対策を主な目的とした製品 「メール/Web」 メールサーバやホームページの保護を主な目的とした製品 「モバイル」 スマートフォンやタブレット端末といったモバイル機器の保護を対象とした製品 「SaaS形態」 管理サーバをユーザ企業が設置する必要がなく、月額課金の形でサーバやPCといったエンドポイントの保護を主体として提供されるサービス以下のグラフは何らかのセキュリティ関連の施策を既に行っている年商500億円未満の中堅・中小企業を対象に、セキュリティ関連の主要な製品/サービスの導入率を上記の4分野に分けて集計したものである。次頁以降では以下のグラフも含めた詳細について述べている。
本リリースは「2013年中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「セキュリティ」関連カテゴリのサンプルおよびダイジェストという位置付けとなっている。以下では、上記レポートを「本レポート」と略記する。※本レポート内には上記の4分野に関する年商別傾向が掲載されているが、それ以外の企業属性(業種別/従業員数別/地域別など)での集計結果や末尾に掲載された具体的な製品/サービスを任意に組み合わせた集計などは別途有償オプションとして提供が可能。
前頁の結果を年商別に集計した結果(本リリース内ではグラフを省略)を見ると、「サーバ/PC分野(エンドポイント)」についてはいずれの年商帯においても導入率が9割を超えている。ただし、同じエンドポイントであっても、PCを対象としたマルウェア対策は既に導入が進んでいる一方、サーバを対象とした対策やURLフィルタリングなども含めた統合的なスイート製品/サービスについては更なる普及の余地が残されている。
また「メール/Web分野」については導入率が年商規模によってそれほど変わらないが、「モバイル分野」については年商規模が大きくなるにつれて導入率も高くなる傾向にある。 タブレット端末を用いたペーパレス化など、組織全体での利用かつ社外にデータを持ち出すなどの理由でセキュリティ対策が必要となるスマートデバイスの活用事例は社員の従業員数が多くなると導入効果も高くなる性質のものが少なくない。そのため、スマートデバイスの組織的なセキュリティ対策についても年商規模の大きな企業層で進みやすいものと考えられる。
「SaaS形態分野」については他の年商帯と比べて年商5億円未満の企業層での導入率が低くなっている。SaaS形態の活用によって管理サーバ設置が不要になるといったメリットがあるが、管理対象となるPC台数が少数であれば管理サーバそのものの必要性が薄れてくる。こういった背景から、年商5億円未満ではSaaS形態分野の導入率が低くなっているものと考えられる。
こうした企業層におけるSaaS形態の導入を進めるためには、資産管理やバックアップといったPC管理全体の負荷を軽減する統合的なサービスの提供などが有効と考えられる。 (それらの根拠データについては本レポートを参照)


■ PCマルウェア対策製品から総合的なスイート製品へのステップアップ訴求が今後の焦点
以下のグラフは「サーバ/PC(エンドポイント)」分野に関し、年商500億円未満の中堅・中小企業に対して導入済みの製品を尋ね(複数回答可)その結果を集計したものである。(複数の製品を利用している場合は両方とも回答する複数回答形式であるため、各製品のシェア合計は100%を超える点に注意)トレンドマイクロ、シマンテック、マカフィー、キヤノンITソリューションズの主要4つの開発元/販売元の製品がシェア上位に位置しており、これらが全体シェアに占める割合は9割程度に達している。ただし、シェア上位の製品はいずれもPCを対象としたものが占めており、それと比べてサーバを対象としたものは少ない。また同じPCを対象としていても、スパム対策やURLフィルタリングなどマルウェア対策以外も含めたスイート製品はマルウェア対策を主な役割とする製品に比べて順位がやや低くなっている。そのため、PCを対象としたマルウェア対策以外の取り組みについての重要性を啓蒙していくことも重要と考えられる。選択肢に挙げられていない「その他の製品」の中では、ソースネクストの「ウイルスセキュリティzero」が比較的多く挙げられている。更新料が無料であるため、コストを最優先とするユーザ企業においては選択肢に上がってくるものと考えられる。


■ 「サブスクリプション的な費用感」の必要性をユーザ企業に改めて啓蒙していくことが大切
本レポートでは以下の8つの項目に関して、ユーザ企業に満足度/不満度を「大変満足」「まあまあ満足」「どちらでもない」「多少不満」「大変不満」「この項目は製品/サービスの評価に関係ない」の選択肢として尋ねている。
「導入時の初期費用は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみの導入費用に関する評価
「導入後の保守/サポート費用は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみの維持費用に関する評価
「バージョンアップ時の費用負担は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみのバージョンアップ費用に関する評価
「機能が足りているか」
個別カスタマイズや他製品との組み合わせは除き、製品/サービス本体が持つ機能を対象とした場合の評価
「自社の要件に合致しているか」
個別カスタマイズやシステム構築/運用を含まない製品/サービス本体が持つ要件適合性を対象とした場合の評価
「他システムとの連携手段が整っているか」
データのインポート/エクスポートの手段が製品/サービス本体に備わっているかに関する評価
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
プログラミングの追加/変更に必要なツールやドキュメントが揃っており、追加/変更した部分がバージョンアップ時に競合を起こさないか?といった観点における評価
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
製品/サービス本体が備える設定項目を変えることで機能変更ができる、または製品/サービス自身が入出力画面やデータ項目を追加/変更できるツールを備えているかといった観点における評価
以下のグラフは「サーバ/PC分野(エンドポイントセキュリティ)」に関して、「導入時の初期費用は妥当か」「導入後の保守/サポート費用は妥当か」「バージョンアップ時の費用負担は妥当か」「機能が足りているか」「自社の要件に合致しているか」の5項目について尋ねた結果をプロットしたものである。
「機能が足りているか」「自社の要件に合致しているか」 「自社の要件に合致しているか」の2項目に比べると、 「導入時の初期費用は妥当か」「導入後の保守/サポート費用は妥当か」「バージョンアップ時の費用負担は妥当か」の3項目における満足度はやや低く、その中でも「バージョンアップ時の費用負担は妥当か」が最も低くなっている。
セキュリティ対策は常に最新の状態を保つことが必須であるため、「バージョンアップ」というよりは「サブスクリプション」に近い費用体系の方が親和性は高いといえる。実質的にそうした価格体系になっている製品も多いが、ユーザ企業側では他の業務アプリケーションと同様に「初期費用」よりも「運用/サポート費用」や「バージョンアップ費用」が安くなると考えてしまいやすい。SaaS形態への布石という観点でも、セキュリティ対策の費用は「サブスクリプション」的な発想をもつことが重要であることをこの段階で改めて訴求しておくことも重要と考えられる。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査ではセキュリティを「PCやサーバを対象とした攻撃またはメールやWebを通じた攻撃を防止するアプリケーション」と定義している。導入社数シェア設問に掲載した選択肢は下記の通りである。これらの選択肢は過去の調査結果に基づき、自由回答で多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。

<<サーバ/PC(エンドポイント)>>
ウイルスバスター トレンドマイクロ
ウイルスバスターコーポレートエディション トレンドマイクロ
ウイルスバスタービジネスセキュリティ トレンドマイクロ
Trend Micro Deep Security トレンドマイクロ
ServerProtect トレンドマイクロ
ノートンシリーズ シマンテック
Symantec Endpoint Protection シマンテック
Symantec Protection Suite シマンテック
McAfee VirusScan Enterprise マカフィー
McAfee Host Intrusion Prevention マカフィー
McAfee Endpoint Protection マカフィー
McAfee Endpoint Protection Suite マカフィー
McAfee Total Protection マカフィー
ESET Endpoint アンチウイルス キヤノンITソリューションズ
ESET Endpoint Security キヤノンITソリューションズ
エフセキュア インターネットセキュリティ エフセキュア
エフセキュア アンチウイルス エフセキュア
エフセキュア クライアント セキュリティ エフセキュア
カスペルスキー インターネットセキュリティ/アンチウイルス カスペルスキー
Kaspersky Endpoint Security for Business カスペルスキー
AhnLab V3 Corporate Edition アンラボ
セキュリティプラットフォーム ハミングヘッズ
Microsoft Security Essentials 日本マイクロソフト
KINGSOFT Internet Security キングソフト
<<メール/Web>>
InterScan VirusWall / TrendMicro Enterprise Security for Gateways トレンドマイクロ
InterScan Messaging Security / Trend Micro Hosted Email Security トレンドマイクロ
InterScan Web Security トレンドマイクロ
Messaging Gateway / Mail Security シマンテック
Web Gateway シマンテック
McAfee Content Security Suite マカフィー
McAfee Email Protection マカフィー
McAfee Web Protection マカフィー
McAfee SaaS Email Protection & Continuity マカフィー
メール/Webを対象としたセキュリティアプライアンスを利用
<<モバイル>>
Trend Micro Mobile Security トレンドマイクロ
Symantec Mobile Security シマンテック
McAfee Enterprise Mobility Management マカフィー
カスペルスキーモバイルセキュリティ カスペルスキー
エフセキュア モバイルセキュリティ エフセキュア
<<SaaS形態>>
ウイルスバスタービジネスセキュリティサービス トレンドマイクロ
Trend Micro Hosted Email Security トレンドマイクロ
Trend Micro InterScan WebManager SCC トレンドマイクロ
Symantec Email Security.cloud シマンテック
Symantec Web Security.cloud シマンテック
エフセキュアプロテクションサービスビジネス エフセキュア
McAfee SaaS Endpoint Protection マカフィー
Panda Cloud Office Protection Panda Security
AhnLab MySaaS アンラボ
Windows Intune 日本マイクロソフト
Business Security Technical Service(BSTS) 富士通マーケティング
SHILDIAN NETservice または MaLion Internet Security インターコム
Beat 富士ゼロックス
<<その他>>
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)業務システム自体がオープンソースとなっている場合に相当
独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)オープンソースのデータベースやアプリケーションサーバをベースに業務システム部分をゼロから構築した場合も含む


本リリースの元となっている「2013年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
リンク

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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