2013年中堅・中小企業における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2013年の国内中堅・中小市場における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<一見するとシェア上位が変化しない安定市場だが、SaaSやBYODなどが
もたらす変化によって製品/サービスの評価ポイントも変化する可能性>
■シェア1~3位の順位は変わらないが、経年でのシェア傾向やSaaS形態などに変化の兆し
■スマートフォンとタブレット端末いずれも利用割合は増加、今後も増えることが予想される
■ SaaSやBYODの進展に伴い、スケジューラ間のデータ連携なども今後は重要な評価項目

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2013年9月26日

2013年中堅・中小企業における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2013年の国内中堅・中小市場における「グループウェア」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2013年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「グループウェア」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。


<一見するとシェア上位が変化しない安定市場だが、SaaSやBYODなどが
もたらす変化によって製品/サービスの評価ポイントも変化する可能性>
■シェア1~3位の順位は変わらないが、経年でのシェア傾向やSaaS形態などに変化の兆し
■スマートフォンとタブレット端末いずれも利用割合は増加、今後も増えることが予想される
■ SaaSやBYODの進展に伴い、スケジューラ間のデータ連携なども今後は重要な評価項目


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2013年7月
有効回答件数: 1400社(有効回答件数) ※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■シェア1~3位の順位は変わらないが、経年でのシェア傾向やSaaS形態などに変化の兆し
以下のグラフは年商500億円未満かつグループウェアを導入済みの中堅・中小企業に対して、「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果(導入社数ベースのシェア)である。
※「グループウェア」の定義および調査実施に選択肢として挙げた製品/サービスの一覧は本リリースの末頁を参照
2012年の調査では、シェア1位~3位は「サイボウズOffice」「Lotus Notes/Domino」「Microsoft Exchange Server」の順であった。2013年も同様の順位となっており、安定状態が続いている。一方で、4位と5位については2012年には「サイボウズガルーン」「desknet‘s NEO / desknet’s」の順であったが、2013年にはこの順位が逆転している。グラフでは割愛されているが、8位以降には「アルファオフィス:大塚商会」「Star Office:NEC」「Microsoft Office365:日本マイクロソフト」が続いている。
本リリースは「2013年中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のグループウェアカテゴリに関するサンプルおよびダイジェストという位置付けとなっている。以下では、上記レポートを「本レポート」と略記する。
以下のグラフは「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果を導入年別に集計し、2008年以降のデータをプロットしたものである。
前頁で述べたように累積の導入社数ベースのシェア1位~3位は2009年以降変動がないが、「サイボウズOffice」および「Microsoft Exchange Server」は各年でシェアを着実に獲得している。それと比べた場合、「Lotus Notes/Domino」は各年での獲得シェアが近年大きく減少している。「Lotus Notes/Domino」は既存ユーザ数も多いため、シェアの変動がすぐに起きる可能性は低い。だが、独自データベースも含めた「Lotus Notes/Domino」からの移行手段が成熟してくると、他の製品への移行が急速に加速する可能性もある。
また、「Google Apps」も年毎に着実にシェアを拡大していることがわかる。同じSaaS形態の「Microsoft Office365」については「最も主要なグループウェア」の全体シェア順位は10位だが、併用も含めた複数回答での全体シェア順位は8位となっている。このように、今後はSaaSを併用するケースも踏まえてシェアを把握していく必要がある。


■スマートフォンとタブレット端末いずれも利用割合は増加、今後も増えることが予想される
以下のグラフは「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」の端末環境を尋ねた結果である。
「スマートフォン」については2012年では13.2%、2013年では16.1%、「タブレット型端末」については2012年では8.6%、2013年では11.4%といずれも増加する結果となった。ユーザ企業にとって、グループウェアは「BYOD」の形態による利用をイメージしやすく、携帯電話の時代から個人所有の端末を用いたスケジュール確認などの利用シーンが存在していた素地がある。こうした背景から、今後もスマートデバイスによる利用率は高まるものと予想される。


■ SaaSやBYODの進展に伴い、スケジューラ間のデータ連携なども今後は重要な評価項目
本レポートでは以下の8つの項目に関して、ユーザ企業に満足度/不満度を「大変満足」「まあまあ満足」「どちらでもない」「多少不満」「大変不満」「この項目は製品/サービスの評価に関係ない」の選択肢として尋ね、それらの結果を以下に示したポイント換算方法にて集計している。
「導入時の初期費用は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみの導入費用に関する評価
「導入後の保守/サポート費用は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみの維持費用に関する評価
「バージョンアップ時の費用負担は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみのバージョンアップ費用に関する評価
「機能が足りているか」
個別カスタマイズや他製品との組み合わせは除き、製品/サービス本体が持つ機能を対象とした場合の評価
「自社の要件に合致しているか」
個別カスタマイズやシステム構築/運用を含まない製品/サービス本体が持つ要件適合性を対象とした場合の評価
「他システムとの連携手段が整っているか」
データのインポート/エクスポートの手段が製品/サービス本体に備わっているかに関する評価
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
プログラミングの追加/変更に必要なツールやドキュメントが揃っており、追加/変更した部分がバージョンアップ時に競合を起こさないか?といった観点における評価
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
製品/サービス本体が備える設定項目を変えることで機能変更ができる、または製品/サービス自身が入出力画面やデータ項目を追加/変更できるツールを備えているかといった観点における評価

【評価ポイント算出方法】
評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、製品/サービスAの「大変不満」という回答件数 = H1、「多少不満」という回答件数 = H2、「どちらでもない」という回答件数 = H3、「まあまあ満足」という回答件数 = H4、「大変満足」という回答件数 = H1と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
Aの項目aに関する評価ポイント = ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ Aの項目aに関する回答件数合計
(ただし各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)

SaaS形態との併用やBYODを伴うスマートデバイス活用が進むと、複数のスケジューラを連携させるなどといったシステム連携がどれだけスムースに行えるか?が利便性を左右する要素となってくる。そのため「他システムとの連携手段が整っているか」という項目は今後も注目しておくべき評価ポイントといえる。
以下のグラフが示すように主要な製品/サービスの評価差は1.0ポイントの範囲内に収まっており、大きな差がない状況となっている。この結果はあくまでユーザ企業から見たシステム連携性に関する評価であり、製品/サービスのデータ連携API整備状況などといった実装面の評価ではない点に注意する必要がある。システム連携手段を豊富に用意しているのに評価が低いといった場合には、データ連携APIを使いこなせる販社/SIerが限られ、その他多くの販社/SIerがシステム連携のスキルを有しておらず、連携が可能であることをユーザ企業に積極的にアピールしていないなどの要因が考えられる。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査ではグループウェアを「スケジューラ、掲示板、ToDoといった情報共有を担うアプリケーション」と定義している。導入社数シェア設問に掲載した選択肢は下記の通りである。これらの選択肢は過去の調査結果に基づいて、自由回答で多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。

Lotus Notes/Domino 日本IBM
IBM SmarterCloud for Social Business(旧:Lotus Live) 日本IBM
intra-mart Accell Collaboration NTTデータイントラマート
イントラネット・スタートパック NTTデータイントラマート
Star Office NEC
OfficeForce NEC
Groupmax 日立製作所
TeamWARE 富士通
サイボウズガルーン サイボウズ
サイボウズOffice サイボウズ
Microsoft Exchange Server 日本マイクロソフト
Office365 / BPOS(Business Productivity Online Suite) 日本マイクロソフト
Microsoft Exchange Online 日本マイクロソフト
INSUITE Enterprise ドリーム・アーツ
desknet`s NEO ネオジャパン
desknet`s ネオジャパン
iOffice ネオジャパン
Applitus ネオジャパン
eValue NS /EasyPortal OSK(大塚商会)
アルファオフィス 大塚商会
POWER EGG ディサークル
LanScope Eco エムオーテックス
WeblyGo カワイビジネスソフトウェア
ナレジオン TIS(ユーフィット)
Google Apps グーグル
WebOffice 富士通マーケティング
GRIDY グループウェア / ナレッジスイート ブランドダイアログ
Bizca DTS(アスタリクス)
わくわくオフィス NECネクサソリューションズ
J-MOTTO リスモン・ビジネス・ポータル
MyWeb Portal Office ソフテック
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)業務システム自体がオープンソースとなっている場合に相当
独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)オープンソースのデータベースやアプリケーションサーバをベースに業務システム部分をゼロから構築した場合も含む


本リリースの元となっている「2013年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
リンク

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
引用・転載のポリシー: リンク

当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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