2013年中堅・中小企業における「給与・人事・就業管理」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2013年の国内中堅・中小市場における「給与・人事・就業管理」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<補完的なSaaS活用も見据えつつ、能力給/成果報酬など個別要件への対応力強化が重要>
■会計/販売で強いベンダがシェア上位、SaaSはまだ少ないが補完的な利用も考慮すべき
■法制度対応や会計との連携に加えて、能力給や成果報酬への対応も今後の重点ニーズ
■ 「自社要件の合致性」ではスクラッチ開発が高い評価、パッケージにとっては今後の課題

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2013年9月24日

2013年中堅・中小企業における「給与・人事・就業管理」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2013年の国内中堅・中小市場における「給与・人事・就業管理」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2013年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「給与・人事・就業管理」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。


<補完的なSaaS活用も見据えつつ、能力給/成果報酬など個別要件への対応力強化が重要>
■会計/販売で強いベンダがシェア上位、SaaSはまだ少ないが補完的な利用も考慮すべき
■法制度対応や会計との連携に加えて、能力給や成果報酬への対応も今後の重点ニーズ
■ 「自社要件の合致性」ではスクラッチ開発が高い評価、パッケージにとっては今後の課題


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2013年7月
有効回答件数: 1400社(有効回答件数) ※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 リンク


■会計/販売で強いベンダがシェア上位、SaaSはまだ少ないが補完的な利用も考慮すべき
給与、人事、就業に関連する分野について、2012年以前には「給与管理」「人事管理」「勤怠・就業管理」の3つのカテゴリを設けていた。だが、昨今では社員の実績や能力に応じた給与体系を模索する動きなども見られ、これら3つの分野を統合的に俯瞰する必要が生じてきている。そのため2013年以降ではこれら3つの分野を1つに統合し、「給与・人事・就業管理」として新たに定義し、それらのシェアや評価について見ていくことにする。
以下のグラフは年商500億円未満で給与・人事・就業管理を導入済みの中堅・中小企業に対し、「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果(導入社数ベースのシェア)である。 ※「給与・人事・就業管理」の定義ならびに調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービスの一覧は本リリースの末頁を参照
シェア1位~5位は「給与奉行/人事奉行/就業奉行 (21/iシリーズ)」「弥生給与」「GLOVIA smart 人事給与」「OBIC7給与情報システム/人事情報システム/就業情報システム」「SMILEシリーズ」となっている。これら5製品で全体の45.1%を占めているが、それ以外ではシェア5%を下回る多数の製品/サービスがシェアを分け合う形となっている。
本リリースは「2013年中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の給与・人事・就業管理カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストという位置付けとなっている。以下では、上記レポートを「本レポート」と略記する。
以下のグラフは「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」の運用形態を尋ねた結果である。
「パッケージを自社で購入し、社内人員にて運用」と「パッケージを自社で購入し、運用をアウトソース」の合計は84.3%に達しており、パッケージ利用が大半を占めていることがわかる。一方で、「ASP/SaaS形態のサービスとして利用」は1.9%とまだ少ない。
だが、タイムカード代替などの就業管理部分においてASP/SaaS形態のサービスを利用するなどのケースも考えられる点に注意する必要がある。(そうした補完的なASP/SaaS形態の活用についてはクラウド関連をテーマとした別レポートである「SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート」で詳細を述べている)


■法制度対応や会計との連携に加えて、能力給や成果報酬への対応も今後の重点ニーズ
以下のグラフは給与・人事・就業管理システムの活用における今後の指針または重視事項を尋ねた結果である。
「法制度改訂への迅速な対応」が40.2%で最も多く、「会計管理システムとの連携」が28.9%でそれに続いている。法制度改訂の内容を人事制度に反映したり、給与計算に必要なデータを会計管理システムから取得するといった基本的な要件が多く、その点の改善がまだ求められていることがわかる。
その一方で、「能力給や成果報酬への対応」も21.7%と比較的多く挙げられている。今後はこういった高度なシステム活用に取り組むユーザ企業のニーズを満たしていくことが差別化ポイントと考えられ、市場をリードする位置づけを獲得する上でも重要になってくると予想される。


■ 「自社要件の合致性」ではスクラッチ開発が高い評価、パッケージにとっては今後の課題
本レポートでは以下の8つの項目に関して、ユーザ企業に満足度/不満度を「大変満足」「まあまあ満足」「どちらでもない」「多少不満」「大変不満」「この項目は製品/サービスの評価に関係ない」の選択肢として尋ね、それらの結果を以下に示したポイント換算方法にて集計している。
「導入時の初期費用は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみの導入費用に関する評価
「導入後の保守/サポート費用は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみの維持費用に関する評価
「バージョンアップ時の費用負担は妥当か」
個別カスタマイズやシステム構築/運用の作業を含まない製品/サービスのみのバージョンアップ費用に関する評価
「機能が足りているか」
個別カスタマイズや他製品との組み合わせは除き、製品/サービス本体が持つ機能を対象とした場合の評価
「自社の要件に合致しているか」
個別カスタマイズやシステム構築/運用を含まない製品/サービス本体が持つ要件適合性を対象とした場合の評価
「他システムとの連携手段が整っているか」
データのインポート/エクスポートの手段が製品/サービス本体に備わっているかに関する評価
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
プログラミングの追加/変更に必要なツールやドキュメントが揃っており、追加/変更した部分がバージョンアップ時に競合を起こさないか?といった観点における評価
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
製品/サービス本体が備える設定項目を変えることで機能変更ができる、または製品/サービス自身が入出力画面やデータ項目を追加/変更できるツールを備えているかといった観点における評価

【評価ポイント算出方法】
評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、製品/サービスAの「大変不満」という回答件数 = H1、「多少不満」という回答件数 = H2、「どちらでもない」という回答件数 = H3、「まあまあ満足」という回答件数 = H4、「大変満足」という回答件数 = H1と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
Aの項目aに関する評価ポイント = ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ Aの項目aに関する回答件数合計(ただし各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)

前頁でも触れたように、給与・人事・就業管理においては法制度改訂への対応だけではなく、能力給や成果報酬への対応といった企業個別のニーズが徐々に増える可能性がある。
そうした個別要件への対応といった点では以下のグラフに挙げた「自社の要件に合致しているか」という評価項目が重要となってくる。現段階では「独自開発システム(完全なスクラッチ開発)」の評価が最も高い。パッケージにおける個別要件への対応力についてはまだ改善できる余地があり、その点も今後の差別化要因になってくると考えられる。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査では給与・人事・勤怠管理システムを「給与支払い、社員の配属、職責、福利厚生、出退勤チェックや勤務のシフト管理に関する管理機能を担うアプリケーション」と定義している。導入社数シェア設問に掲載した選択肢は下記の通りである。
これらの選択肢は過去の調査結果に基づいて、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。

COMPANY人事・給与・就労・プロジェクト管理 ワークスアプリケーションズ
ビズインテグラルePro_St@ff人事給与 NTTデータビズインテグラル
SCAW人事管理システム NTTデータビジネスシステムズ
SuperStream CORE スーパーストリーム(旧:エス・エス・ジェイ)
POSITIVE / STAFFBRAIN 電通国際情報サービス(ブレイニーワークス)
Generalist 東芝ソリューション
リシテア 日立ソリューションズ
ADPS カシオヒューマンシステムズ
Lacrasio ラクラス
OBIC7給与情報システム/人事情報システム/就業情報システム オービック
GLOVIA smart 人事給与 富士通
GLOVIA smartきらら人事給与 富士通
SMILE α 人事管理/給与管理 OSK(大塚商会)
SMILE ie 人事・給与 OSK(大塚商会)
SMILE BS/is 人事給与 OSK(大塚商会)
SMILE es 人事給与 OSK(大塚商会)
給与奉行/人事奉行/就業奉行 (21シリーズ) OBC
給与奉行i /人事奉行i / 就業奉行i (iシリーズ) OBC
PCA給与/PCA人事 ピー・シー・エー
弥生給与 弥生
給与大臣NX/NX ERP,人事大臣NX/NX ERP,就業大臣NX/NX ERP 応研
ACELINK NXシリーズ ミロク情報サービス
PRO_STAFF-α,ePro_St@ff アイテックス
ZeeM 人事給与/就業管理/人材開発 クレオマーケティング
CYBER XEED アマノビジネスソリューションズ
PayrollPro、JinjiPro、AttendancePro クロスヴィジョンインターナショナル
Socia人事/考課/就業システム、OZO勤怠管理 内田洋行, エフエム
NC給くん/人くん, GrowOne Cube給与/人事 ニッセイコム
クロノス ピー・シー・エー(エル・エス・アイ ジャパン)
勤次郎日通システムSocia給与システム 内田洋行, エフエム
給料王 ソリマチ
MONEY給与 ワークスプロダクツ
きずな、DAIM キズナジャパン
TimeProシリーズ, TimeAsset アマノ
バイバイタイムカード ネオレックス
インターネットタイムレコーダー ソニービジネスソリューション
KING OF TIME ヒューマンテクノロジーズ
TKC PXシリーズ TKC
e21まいスター TKC
JDL IBEX給与II JDL
SuccessFactors Business Execution SuccessFactors
HeartBeat, RedCarpet, OpenHire, WingSpan シルクロード テクノロジー
Sabaシリーズ Saba
ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)業務システム自体がオープンソースとなっている場合に相当
独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)オープンソースのデータベースやアプリケーションサーバをベースに業務システム部分をゼロから構築した場合も含む


本リリースの元となっている「2013年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
リンク

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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