2012年中堅・中小企業における「勤怠・就業管理」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2012年の国内中堅・中小市場における「勤怠・就業管理」の社数ベースの導入シェアおよびユーザ企業による製品/サービス評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<急激な変化は見られないが、今後はモバイルワークがもたらす影響に留意が必要>
■OBC、OSK(大塚商会)、アマノが引き続き堅調、上位三社が全体に占める割合も増加
■ワークスタイルの多様化に対応するためのスマートデバイス活用は検討する価値あり
■給与管理や人事管理との連携性および初心者でも扱いやすいことが重要な評価項目
■年商帯によらず給与管理連携と法制度改訂対応が重視され、給与面との関連が強い

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2012年10月18日

2012年中堅・中小企業における「勤怠・就業管理」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2012年の国内中堅・中小市場における「勤怠・就業管理」の社数ベースの導入シェアおよびユーザ企業による製品/サービス評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2012年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「勤怠・就業管理」カテゴリに関する速報である。


<急激な変化は見られないが、今後はモバイルワークがもたらす影響に留意が必要>
■OBC、OSK(大塚商会)、アマノが引き続き堅調、上位三社が全体に占める割合も増加
■ワークスタイルの多様化に対応するためのスマートデバイス活用は検討する価値あり
■給与管理や人事管理との連携性および初心者でも扱いやすいことが重要な評価項目
■年商帯によらず給与管理連携と法制度改訂対応が重視され、給与面との関連が強い


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2012年8月
有効回答件数: 1400社(有効回答件数)
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■OBC、OSK(大塚商会)、アマノが引き続き堅調、上位三社が全体に占める割合も増加
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果(導入社数ベースのシェア)である。※調査実施に選択肢として挙げた製品/サービスの一覧は本リリースの末頁を参照
2011年の調査では「就業奉行(21/iシリーズ)」「TimeProシリーズ」「SMILEシリーズ」の順であったが、2012年は2位と3位が同率となり、「就業奉行(21/iシリーズ)」が首位、「SMILEシリーズ」と「TimeProシリーズ」が同率2位となっている。
シェア上位三製品はいずれも年商300億円未満の幅広いユーザ企業層で導入されている。「就業奉行(21/iシリーズ)」および「SMILEシリーズ」は年商規模が小さくなるにつれて導入も多くなる一方、「TimeProシリーズ」は年商50億円以上~100億円未満の中堅企業層における導入が最も多い。また、これら三製品の合計シェアは2011年の23.8%から2012年には36.0%と増えている。
以下のグラフは「導入済みの製品/サービス(いくつでも)」を尋ねた結果である。(導入済みの製品/サービスを全て挙げる複数回答設問)
勤怠・就業管理システムにおいて複数の製品/サービスを併用する必然性は低いため、主要な製品/サービスを1つ回答する設問の結果と比較しても、シェア上位の状況に大きな変化は見られない。


■ワークスタイルの多様化に対応するためのスマートデバイス活用は検討する価値あり
以下のグラフは「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」の端末環境を尋ねた結果である。
「スマートフォン」については2011年では2.9%、2012年では4.8%、「タブレット型端末」については2011年では1.3%、2012年では3.3%と、全体占める割合はまだわずかに留まっている。
場所に依存しないワークスタイルの実践においては勤怠管理の維持を課題として挙げる見解もある。だが、外出先から直帰する場合なども含めた勤怠チェックにおける利便性を考えると、勤怠・就業管理におけるスマートデバイスの活用を検討する価値は十分になると考えられる。


■給与管理や人事管理との連携性および初心者でも扱いやすいことが重要な評価項目
本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下および次頁にかけてのグラフは「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」の評価をユーザ企業に尋ねた結果のうち、以下の三項目についての結果を製品/サービス別にプロットしたものである。
「他システムとの連携手段が整っているか」
「機能が足りているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
勤怠・就業管理システムは給与管理システムや人事管理システムに対して勤怠状況を提供する役割を担う。そのため、「他システムとの連携手段が整っているか」が重要な評価項目となる。
また、様々な勤務体系に対応できる機能の豊富さやパートタイムも含めた初心者でもすぐに利用できることも大切であり、その観点で「機能が足りているか」や「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」といった評価項目も重要となってくる。
これら三点の評価項目については「ビズインテグラルePro_St@ff、SCAW人事管理システム」における評価が比較的高くなっている。
【評価ポイント算出方法】
五段階評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、「A社の「大変不満」という回答件数= H1」「A社の「多少不満」という回答件数= H2」「A社の「どちらでもない」という回答件数= H3」「A社の「まあまあ満足」という回答件数= H4」「A社の「大変満足」という回答件数= H1」と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
A社の項目aに関する評価ポイント
= ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ A社の項目aに関する回答件数合計(各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)

■年商帯によらず給与管理連携と法制度改訂対応が重視され、給与面との関連が強い
以下のグラフは勤怠・就業管理システムの活用における今後の指針または重視事項を尋ねた結果である。
「給与管理システムとの連携」が最も多く挙げられており、「法制度改訂への迅速な対応」「人事管理システムとの連携」「能力給や成果報酬への対応」といった項目が続いている。勤怠・就業管理システムでは給与管理システムや人事管理システムと同様に法制度や自社の評価制度への対応と他システムとの連携が重視されていることがわかる。
以下のグラフは上記と同じ勤怠・就業管理システムの活用における今後の指針または重視事項を尋ねた結果を年商別に集計したものである。
「給与管理システムとの連携」「法制度改訂への迅速な対応」「人事管理システムとの連携」「能力給や成果報酬への対応」といった項目はいずれのユーザ企業層においても多く挙げられており、先に述べた「法制度や自社の評価制度への対応と他システムとの連携」といったニーズは年商規模によらないことがわかる。


■調査対象製品/サービス一覧
本調査では勤怠・就業管理システムを「出退勤チェックや勤務のシフト管理などに関する管理機能を担うアプリケーション」と定義している。導入社数ベースシェアに関する設問に掲載した選択肢は下記の通りである。単体の会計管理システムとしてではなく、ERPを構成する機能モジュールの一つとして導入/運用されているケースは「ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用」に該当する。

SMILE α OSK(大塚商会)
SMILE ie 人事・給与OSK(大塚商会)
MJSLINKⅡ給与大将, Galileopt人事給与大将,ACELINK Navi CE給与ミロク情報サービス
MJS i シリーズ就業管理ミロク情報サービス
ADPS カシオヒューマンシステムズ
就業奉行(21シリーズ) OBC
就業奉行i (iシリーズ) OBC
クロノスピー・シー・エー(エル・エス・アイジャパン)
ZeeMシリーズ(CBMSも含む) クレオ
勤次郎日通システム
Socia就業システム, OZO勤怠管理内田洋行, エフエム
TimeProシリーズ, TimeAsset アマノ
PRO_STAFF-α,ePro_St@ff アイテックス
COMPANY就労・プロジェクト管理ワークスアプリケーションズ
OBIC7就業情報システムオービック
Biz∫ePro_St@ff, SCAW人事管理システム
NTTデータビズインテグラル, NTTデータビジネスシステムズ(NTTデータシステムズ)
POSITIVE / STAFFBRAIN 電通国際情報サービス(ブレイニーワークス)
Generalist 東芝ソリューション
リシテア日立ソリューションズ
CYBER XEED アマノビジネスソリューションズ
DAIM キズナジャパン
バイバイタイムカードネオレックス
KING OF TIME ヒューマンテクノロジーズ
AttendancePro クロスヴィジョンインターナショナル
インターネットタイムレコーダーソニービジネスソリューション
ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用
グループウェアの機能モジュールの一つとして利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)


本リリースの元となっている「2012年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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