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2012年中堅・中小企業における「ERP」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2011年の国内中堅・中小市場における「ERP」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<中堅・中小市場は大企業向けERPトレンドとは異なる点にあらためて注意が必要>
■ 2011年に引き続き、全体導入社数シェア順位はOBC、SAPジャパン、富士通で変わらず
■全体に占める割合はまだわずかだが、スマートデバイスの活用割合は増加傾向にある
■標準での要件合致性とプログラム改変を避けた個別対応力が費用面の評価を左右する
■コンシューマライゼーションやビッグデータへの関心はまだ低いが、BIには留意が必要

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2012年10月4日

2012年中堅・中小企業における「ERP」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2011年の国内中堅・中小市場における「ERP」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2012年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「ERP」カテゴリに関する速報である。


<中堅・中小市場は大企業向けERPトレンドとは異なる点にあらためて注意が必要>
■ 2011年に引き続き、全体導入社数シェア順位はOBC、SAPジャパン、富士通で変わらず
■全体に占める割合はまだわずかだが、スマートデバイスの活用割合は増加傾向にある
■標準での要件合致性とプログラム改変を避けた個別対応力が費用面の評価を左右する
■コンシューマライゼーションやビッグデータへの関心はまだ低いが、BIには留意が必要


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2012年8月
有効回答件数: 1400社(有効回答件数)
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■ 2011年に引き続き、全体導入社数シェア順位はOBC、SAPジャパン、富士通で変わらず
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果(導入社数ベースのシェア)である。※調査実施に選択肢として挙げた製品/サービスの一覧は本リリースの末頁を参照2011年の調査では「奉行新ERP/V ERP」「SAP ERP/SAP Business All-in-One」「GLOVIA smartシリーズ」の順となっており、今回の2012年においてもこれらの順位に変動はない。
「奉行新ERP/V ERP」は年商50億円未満での導入が主体だが、年商50億円以上においても1割程度のシェアを有している。このように年商50億円未満だけでなく、年商50億円以上の中堅企業にも訴求できている点が2011年に続いてシェア首位を堅持していることの一要因と考えられる。「SAP ERP/SAP Business All-in-One」は年商50億円以上の中堅企業での導入が主体となっており、特に年商300億円以上の中堅上位層では他の製品/サービスと10ポイント程度の差をつけて首位となっている。「GLOVIA smartシリーズ」は年商20億円以上の広い中堅・中小企業層でまんべんなく導入され、導入時期はやや古いものの、年商5億円未満の小規模企業においても若干の導入が見られる点が特徴である。
以下のグラフは「導入済みの製品/サービス(いくつでも)」を尋ねた結果である。(導入済みの製品/サービスを全て挙げる複数回答設問)主要な製品/サービスを1つ回答する設問の結果と比較しても、シェア上位の製品/サービスには変わりはない。「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」の結果と比較した時にシェア順位が上がっている製品/サービスとしては「SCAW(ビズインテグラルSCAW)」が挙げられる。
同製品はNTTデータ関連企業における主要なERP製品としての位置付けを「ビズインテグラル」へと徐々に譲りつつある。
その過程において、「SAP ERP」などといった他の製品/サービスへ移行するケースもあり、「最も主要ではないが導入/利用はしている」といった状態となることが比較的多いものと推測される。


■全体に占める割合はまだわずかだが、スマートデバイスの活用割合は増加傾向にある
上記のグラフは「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」における端末環境を尋ねた結果である。「スマートフォン」については2011年では5.3%、2012年では9.1%、「タブレット型端末」については2011年では3.1%、2012年では6.5%となっている。
全体に占める割合はまだわずかではあるが、「スマートフォン」「タブレット型端末」共に前年から2倍弱の伸びとなっている。
まだ試用段階であったり、ノートPCや従来型の携帯電話でも実現できていた利用シーンに限られるものも少なくないと推測されるが、ERPにおいてもスマートデバイスの利用が徐々に進みつつある兆候がうかがえる。

■標準での要件合致性とプログラム改変を避けた個別対応力が費用面の評価を左右する
本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下のグラフは「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」の評価をユーザ企業に尋ねた結果のうち、以下の三項目についての結果を製品/サービス別にプロットしたものである。
「導入/サポートの価格は妥当か」
「自社の要件に合致しているか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
ERPにおいては「導入/サポートの価格は妥当か」「自社の要件に合致しているか」「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」の三つの評価項目が特に密接に関連している。
「自社の要件に合致しているか」(パッケージ自体の適合性)が高ければ、個別のカスタマイズが不要となるため、結果的に「導入/サポートの価格は妥当か」における評価も高くなる。実際に、「自社の要件に合致しているか」で評価の高い「SMILEシリーズ」「EXPLANNERシリーズ」「奉行新ERP/V ERP」には「導入/サポートの価格は妥当か」においても比較的高い評価を得ている。ERPパッケージにとっては製品/サービスの完成度を上げることで「自社の要件に合致しているか」の評価を高め、独自開発システムと比較した場合のコスト面での優位性を引き出すことが重要な取り組みとなっている。
「導入/サポートの価格は妥当か」の結果を2011年と2012年で比べると「独自開発システム」よりも各種パッケージの方が高い評価となっており、各種パッケージの改善が価格に関する評価となって現れてきている。その一方で「自社の要件に合致しているか」の結果では「独自開発システム」も各種パッケージと同等かそれ以上の評価を得ており、ユーザ企業の個別ニーズにパッケージでどう応えるか?が引き続き課題になっている状況といえる。
価格に関する評価を下げずに(プログラミングを伴う個別カスタマイズを発生させずに)自社要件合致性を高める手段については「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」の評価項目が重要な指標となる。
ここではユーザ企業やパートナがウイザード形式でデータ項目や入出力フォームを作成できる「Custom AP Builder」を備えた「SMILEシリーズ」が他社との差をつけて高い評価を得ている。こうした「プログラミングを伴わない個別ニーズへの対応」が今後もERPパッケージにとっては重要な差別化要因になってくると考えられる。
【評価ポイント算出方法】
五段階評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、「A社の「大変不満」という回答件数= H1」「A社の「多少不満」という回答件数= H2」「A社の「どちらでもない」という回答件数= H3」「A社の「まあまあ満足」という回答件数= H4」「A社の「大変満足」という回答件数= H1」と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
A社の項目aに関する評価ポイント
= ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ A社の項目aに関する回答件数合計
(各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)


■コンシューマライゼーションやビッグデータへの関心はまだ低いが、BIには留意が必要
以下のグラフはERPの活用における今後の指針または重視事項を尋ねた結果である。
「カスタマイズ部分と本体の階層を分け、カスタマイズ部分が影響を与えない仕組みの活用」(例. 「Microsoft DynamicsAX」の階層化構造など)が最も多く挙げられ、「ユーザ自身がグラフィカルに画面や項目を追加/作成できる仕組みの活用」(例.「SMILEシリーズ」のCustom AP Builderなど)がそれに続いて多く挙げられている。
上記に挙げた二点はいずれもERPパッケージ本体へのプログラミングレベルでの改変を伴わずに、それと同等の機能付加や変更を実現することを目指した手法であり、自社個別要件への適合性とプログラミングを伴う改変の回避(=コストの削減)の両立が重視されていることがわかる。
以下のグラフは上記と同じERPの活用における今後の指針または重視事項を尋ねた結果を年商別に集計したものである。年商500億円以上の大企業においては「ビジネスインテリジェンスやビッグデータへの取り組み」や「個人向けサービスに見られるユーザインタフェースの採用」(コンシューマライゼーション)などに注目が集まっているが、年商500億円未満の中堅・中小企業ではまだこれらの項目がERPの活用における重視項目として多く挙げられる状況にはなっていない。
ただし、ビジネスインテリジェンスについては「工場現場で生産プロセスを監視し、その結果を現場が集計して効率改善に役立てる」といった現場レベルでの取り組みが既に存在している。これらはERPの標準機能やオプションの範囲内でカバーされることも少なくなく、BI市場やビッグデータ市場といった切り口では捉えにくい。こういった「現場レベルでのBI活用」の動きについては今後の動向に留意する必要がある。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査ではERPを「会計、販売、購買、生産といった複数のシステムを統合的に管理/運用するアプリケーション」と定義している。導入社数ベースシェアに関する設問に掲載した選択肢は下記の通りである。本リリースの元となっている「2012年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
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